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茜色と漆黒とアンリ・ルソー | 湿った落下物 | 2度と行きたくない球場

湿った落下物

00/08/15作成
13/12/15更新

◆野球場ではいろんなことがあります。空から降ってくるのが雨だけとは限りません。


◇空の広い球場がいい(グリーンスタジアム神戸=14球場目)

ネット裏に座ったとき、外野席スタンドの上にビルが見える球場は好きではない。横浜スタジアムや広島市民球場のことだ。遠景でビルが見えるくらいならあまり気にはならない。神宮球場の場合は、席によってはあからさまにビルが見えるけれど、ネット裏からは新宿の高層ビルがぼんやり見える程度だからOKだ。

富山市民球場(アルペンスタジアム)のネット裏に座ると、左中間スタンドのかなり遠方にピンクの建物が見える。それほど邪魔になる大きさではないが、色合いに違和感があるのだ。いったい、あの建物は何だろう?

体育館にしては派手で下品だ。かまぼこ型ではないから機能性にも欠けるだろう。ラブホテルにしてはちょっと大きすぎる。双眼鏡を取り出して確かめてみた。「○○温泉」と読めた。まあ、汗をかいたり裸になったりするから、「当たらずといえども遠からず」というところか。

グリーンスタジアム神戸に初めて行ったのは、オリックスがブルーウェーブを名乗るようになった最初の年だった(91年8月11日の対L戦)。空は広かった。この日の試合は、ライオンズの1点リードで9回裏を迎えた。

8回からマウンドに上がっていた鹿取義隆は、ノーアウトのままで3人の走者を背負った。1点差、9回裏の無死満塁。おお、あの伝説の“江夏の21球”と同じシチュエーションではないか。自ら招いたピンチという点でも同じだ。鹿取は、三振、サードゴロ、サードゴロで、この絶体絶命のピンチをしのいだ。

鹿取の24球
打者 アウト 走者 カウント 結果 備考
石嶺
ブーマー
藤井
中島
高橋智
本西
無死
無死
無死
無死
1死
2死
(なし)
1塁
2・3塁
満塁
満塁
満塁
BBBSH
BFFBH
BBBB
SKBK
SH
BSFH
中安
左2

敬遠
三振
三ゴ
三ゴ
代走・山森

▲「B」はボール、「S」は見逃しストライク、「K」は空振り、「F」はファウル、「H」はインプレイの打球です。
▲「殿堂」の「大須賀」のページに、私が00年までに見た無死満塁無得点の事例をリストアップしてあります。

最初の出会いが鮮烈だったこともあって、GS神戸は結構好きな球場だ。行くたびに空がだんだん狭くなっていくのが寂しい。私が行ったのは97年が最後だ。まだ内野は土だった。

GS神戸は、球場の命名権を有償譲渡した結果、03年から「ヤフーBBスタジアム」となった。それ自体は別に構わないが、短期(2年)契約はやめてほしいものだ。名前がころころ変わっては迷惑するだけだ。

▲と書いていたら、本当に「ころころ変わって」しまいました…。

かくかくしかじかの理由(グリーンスタジアム神戸)

GS神戸では、えがたい経験をしたこともある。社会人の日本選手権を見ていたとき(95年10月11日のヤマハ対東芝戦)だった。鳥の糞(ふん)が私のスコアブックを直撃した。今でも痛ましいシミになって残っている。スコアブックを開いていたのが「不幸中の幸い」だったのかもしれない。

私にスコアをつけるという習慣がなければ、スコアブックの代わりにズボンの左内腿のあたりがシミになっただろう。落下点はそういう場所だったのだ。あいにくそのときは1泊旅行だった。替えズボンなど持っていなかった。

もし、スコアブックが人身御供になってくれなければ、私はきっと、すれ違う人のひとりひとりに「かくかくしかじかの理由でこうなったのだ」と説明したくなっただろう。スコアをつけていると、いいこともあるのだ(強がり)。もっとも、私にスコアをつける習慣がなければ、わざわざ神戸の奥まで行くこともなかっただろう。

できれば、今後はご遠慮願いたいものだと思っている。私はこの日、数年来愛用の双眼鏡をなくした。どうやら置き忘れてきたようだ。平静を装ったつもりだったが、きっと動揺があったのだろう。

ある球場からの帰り道、「試合の途中で、もし頭に鳥の糞を浴びたらどうするか」という話題になったことがある。たまたま、3人揃って「洗礼」の経験者だった。「洗礼」を受けてこそ一人前と言えるのだ?

1回表ならその試合は捨てるだろうが、試合の終盤ならわからない。トイレに駆け込んだりせずに、ティッシュやタオルで手当てしながら、そのままスコアをつけることになるだろう。まあ、たとえ1イニングであっても、頭からポタポタ落ちてくるのに、それでもスコアをつけ続けていたら「変人」に見られることは確実だ。

屋根のある球場では、ハトが居ついていることも少なくない。椅子の上などに「痕跡」を見かけたら、帽子をかぶるようにしている。たとえ日陰であろうと…。人間、痛い目にあうと用心するようになる。「学習効果」だ。

夏休みのウエスタン(阿久比=29球場目)

ウエスタンの試合は夏休みのときぐらいしか見る機会がない。暑い盛りなのだから、わざわざ暑い時間にやらなくてもいいのではないかと思ったりもするけれども、イースタンと違ってウエスタンではあまりナイターをやらないようだ。

藤井寺球場でウエスタンのデーゲームを見たことが何度かある。最初に行ったときは、照明灯の影を追いかけながらスタンドの中を移動した。砂漠の中のオアシスだからだ。2度目は、腹をくくって暑いなりに我慢した。3度目は、駅前商店街のファンシー・ショップでベージュ色の雨傘を買った。日傘にするためだ。

94年8月5日、私は阿久比球場にD対BW戦を見に行った。暑かった。帽子など何の役にも立たないように思える。球場に着いたのは試合が始まる30分以上前だった。球場に屋根はなかった。

到着時に自販機で買った缶コーヒーは、試合が始まる頃にはホットコーヒーに変わっていた。まあ、コーヒーならホットでも飲める。スポーツドリンクのホットはいただけない。外野の芝生席にはところどころ木陰があるが、スコアをつけるには外野席はつらい。

94/08/05(阿久比) ウエスタンリーグD対BW12回戦 13:02〜?
ブルーウェーブ 100 200 023 =8 平井−●西岡−岩崎−戎−川畑
ドラゴンズ 300 000 53X =11 井手元−○森田

ネット裏の最上段にSBOを示すカウントボードがある。私はこのボードの影に入った。しゃがみ込んだ私1人がなんとかおさまる程度の影だが、贅沢は言えない。スタンドで座っている(「座して死を待つ」とはこのことだろう)よりは、はるかにマシだ。

▲この作戦は福島県いわき市の平(たいら)野球場でも実践しました。

三大都市の最高気温(阿久比)

この日の名古屋の最高気温は39.8度。試合が終わって、名古屋駅の地下街で夕食をとっていたら、TVかラジオのニュース番組が「この夏一番の暑さとなりました」と言っていた。「おいおい、そのセリフはきのうも聞いたぞ」と私は嘆いた。

前日、東京は39.1度だったのだ。私は千葉マリンのナイターに行った。最高気温の時間帯はまだ東京にいたはずだ。名古屋から福岡に入り、雁の巣と福岡ドームでのダブルヘッダーを済ませた私は、トンボ返りで大阪に向かった。甲子園の高校野球が始まるからだ。

開会式の8日、大阪の最高気温は39.1度だった。後日、私は新聞の縮刷版をめくって、この年の東京、大阪、名古屋の最高気温を調べてみた。1994年、三大都市で最高気温が観測された日、ことごとく私はその周辺に居合わせていたのだった。私は記録好きだが、こういう記録はあまり嬉しくない。

ほかに、屋根なし球場で暑さに参った記憶としては、船橋、千葉公園、青葉の森、雁の巣、徳山(03年4月21日の合併により「周南市野球場」)などを思い出す。横浜ではあまりの暑さにくじけて、2試合日の第2試合を見なかったこともある。行田のときは2試合日だった。私はコールドになりそうな第2試合を見に行った。

熊谷は屋根がないと聞いていた。内陸部だから、夏は行きたくない。秋に行ったら、その日は小雨だった。屋根がないので、逃げ場もない。ずっと傘を差していた。まあ、2試合日で2試合ともコールドだったのが救いだった。

屋根のない球場で傘を差しながら見たのは、地方球場では大垣北公園や浜松だ。横浜やドーム化以前の西武球場では何度も経験している。 

近年、私は観衆1万人以上の試合を見ることは滅多にない。だいたいは100人単位の試合だ。少しだけでも屋根があれば、競争率はそんなに高くない。天台や南港中央、横須賀、鳥屋野、鹿沼程度の屋根でもないよりはいい。

イベントホール(大阪ドーム=84球場目)

ドーム球場が好きになれない。東京ドームや福岡ドームは野球専用ではないにしても、まだ「野球がメイン」という雰囲気が感じられるので、私の中では許容範囲内だ。大阪ドームに初めて行ったのは開場1年目の夏だった(97年8月12日のBu対BW17回戦)。

ここは野球場ではなくて、イベントホールなのだと感じた。「野球がメイン」なのではなく「野球やるよ」と感じてしまった。この施設の中での野球の「格づけ」はAAAではないのだ。そう感じて不愉快だった。大阪ドームには同じ年の社会人日本選手権に行ったのが2回目で、今のところ最後だ。

ナゴヤドームに行ったことはまだない。「すっぱいブドウ」だと言われそうな気もするけれども、噂に聞く限りではあまり行きたいとは思わない。ドームの利便性を否定するわけではない。遠くから行くときは雨天中止がないのはたしかにありがたい。ただ、私はグラウンドの上に天井があるという閉塞感になじめない。

私はもともと西武球場が好きだった。人工芝であること、トイレが遠いこと、一般入場者がA指定席に行くにはやたらと歩かされることなど、マイナス要素には目をつぶって、好きな球場の1つだった。

西武ドームになって、無残な姿になったものだと思う。01年3月のスポニチ大会初日は好天だった。天井がなかった頃、11:00ぐらいになるとネット裏は日向になったはずだ。天井ができたせいで、1日中ずっと日陰ではないか。外はいい天気なのに、何の因果で寒さに震えなければならないのだ。

せめて壁で覆ってくれるなら、風が吹き込まないから、まだしのぎやすいのに…。ドーム球場のメリットは、雨天中止がないことのほかに、温度調節が効いていることだ。西武ドームは半端なつくりだけに、後者に関しては逆効果になっている。

天井を見ながらお寺の鐘の音を聞いたのでは風情に欠けるというものだ。やはり空を見上げながら聞くのがいい。それに、スコアボード以外に広告がないのが自慢だったはずなのに、いつのまにかあっさりと方針転換しているようだ。

この球場も覚えないうちに名前が変わっている。命名権譲渡は最近では地方の公営球場にも波及している。それ自体が悪いとは思わないが、せめて5年以上、できれば10年以上の長期契約にしてもらえないものだろうか。まあ、オロナミンCスタジアムがリポビタンDスタジアムになったり、アリナミンAスタジアムになったりしたら、それはそれで楽しいけれども…。


◆東京ドームや大阪ドームで鳥の糞を浴びる可能性は限りなく低いでしょう。その点でも、西武ドームは半端です。

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