◆青山学院大2年生のとき、235球で延長18回を完投しました。
99年神宮大会の初日、第4試合は16:58に始まった。試合時間は4時間を超えたけれども、時間の経過を楽しめる試合だった。主役は青学大の先発投手・石川だ。石川は創価大の打者66人に対して延長18回を1人で投げ抜いた。
▼「S」は見逃しストライク、「K」は空振り、「F」はファウル、「B」はボール、「1」「2」「3」は各塁への牽制球、「H」はインプレイの打球です。キャッチャーからの牽制球、バント、バスター、エンドランなどは反映させていません。
[1表]打者3/3、投球数6/6、被安打1/1、奪三振0/0、与四球0/0、失点0/0
(8)柳田 L 無死走者なし H 二ゴ
(6)高橋 R 1死走者なし SH 左安
(9)小島 R 1死1塁 B1S1H 遊併
[2表]打者3/6、投球数9/15、被安打0/1、奪三振2/2、与四球0/0、失点0/0
(7)永田 L 無死走者なし KSK 三振
(3)大山 R 1死走者なし BKSS 三振
(5)小谷野R 2死走者なし SH 二ゴ
[3表]打者5/11、投球数16/31、被安打2/3、奪三振2/4、与四球0/0、失点1/1
(2)福井 R 無死走者なし SH 左2
(4)古屋 R 無死2塁 SK22H 二安
(1)持田 R 無死1・3塁 BK1K1K 三振
(8)柳田 L 1死1・3塁 KK11FBK 三振→三振のとき捕逸。三走が生還、一走は二進
(6)高橋 R 2死2塁 FH 二ゴ
[4表]打者3/14、投球数7/38、被安打0/3、奪三振0/4、与四球0/0、失点0/1
(9)小島 R 無死走者なし BBH 二ゴ
(7)永田 L 1死走者なし SH 遊飛
(3)大山 R 2死走者なし BH 捕邪
[5表]打者3/17、投球数13/51、被安打0/3、奪三振2/6、与四球0/0、失点0/1
(5)小谷野R 無死走者なし FBH 左飛
(2)福井 R 1死走者なし BSSK 三振
(4)古屋 R 2死走者なし BBBSKK 三振
[6表]打者3/20、投球数22/73、被安打1/4、奪三振2/8、与四球0/0、失点0/1
(1)持田 R 無死走者なし BKBSBS 三振
(8)柳田 L 1死走者なし SBKBK 三振
(6)高橋 R 2死走者なし BSKFBBH 中安
(9)小島 R 2死1塁 SBFB →4球目二盗失敗
[7表]打者5/25、投球数17/90、被安打1/5、奪三振1/9、与四球1/1、失点0/1
(9)小島 R 無死走者なし SSH 左安
(7)永田 L 無死1塁 H 捕ギ
(3)大山 R 1死2塁 SBH 二ゴ
(5)小谷野R 2死2塁 BBBB 四球
(2)福井 R 2死1・2塁 BBBKSK 三振
[8表]打者3/28、投球数11/101、被安打0/5、奪三振1/10、与四球0/1、失点0/1
(4)古屋 R 無死走者なし BBSH 中飛
(1)持田 R 1死走者なし FBBFK 三振
(8)柳田 L 2死走者なし FH 二ゴ
[9表]打者4/32、投球数19/120、被安打0/5、奪三振1/11、与四球0/1、失点0/1
(6)高橋 R 無死走者なし BBH 二失
(9)小島 R 無死1塁 BBF1H 投ギ
H 大口 R 1死2塁 BKKS 三振
(3)大山 R 2死2塁 SB2FFBB2FH 二飛
[10表]打者5/37、投球数12/132、被安打1/6、奪三振0/11、与四球0/1、失点0/1
(5)小谷野R 無死走者なし FH 左安
(2)福井 R 無死1塁 F1F1H ギ失
(4)古屋 R 無死1・2塁 H 捕邪
(1)持田 R 1死1・2塁 SFH 投ギ
(8)柳田 L 2死2・3塁 FSH 遊直
[11表]打者3/40、投球数10/142、被安打0/6、奪三振0/11、与四球1/2、失点0/1
(6)高橋 R 無死走者なし FBBBB 四球
(9)小島 R 無死1塁 SH 三併
7 本田 L 2死走者なし BSH 投ゴ
[12表]打者5/45、投球数17/159、被安打1/7、奪三振0/11、与四球1/3、失点0/1
(3)大山 R 無死走者なし BBSBSH 遊ゴ
(5)小谷野R 1死走者なし KH 右2
(2)福井 R 1死2塁 KH 遊ゴ
(4)古屋 R 2死2塁 BBBB 敬遠
H 蒲生原R 2死1・2塁 BFH 右飛
[13表]打者3/48、投球数13/172、被安打0/7、奪三振0/11、与四球0/3、失点0/1
(8)柳田 L 無死走者なし SSFBH 右飛
(6)高橋 R 1死走者なし SH 二ゴ
(9)小島 R 2死走者なし SBFBBH 右飛
[14表]打者5/53、投球数16/188、被安打2/9、奪三振1/12、与四球0/3、失点0/1
7 本田 L 無死走者なし H 捕ゴ
(3)大山 R 1死走者なし KBH 中安
(5)小谷野R 1死1塁 BS11F11H 左安
(2)福井 R 1死1・2塁 SKBK 三振
(4)古屋 R 2死1・2塁 FBKH 二飛
[15表]打者3/56、投球数9/197、被安打0/9、奪三振1/13、与四球0/3、失点0/1
1 清水 L 無死走者なし FKBH 捕邪
(8)柳田 L 1死走者なし FBFS 三振
(6)高橋 R 2死走者なし H 二飛
[16表]打者4/60、投球数15/212、被安打1/10、奪三振0/13、与四球0/3、失点0/1
(9)小島 R 無死走者なし SFBH 投安
7 本田 L 無死1塁 H 投ギ
(3)大山 R 1死2塁 BSFFBBH 一直
(5)小谷野R 2死2塁 SKH 二ゴ
[17表]打者3/63、投球数14/226、被安打0/10、奪三振2/15、与四球0/3、失点0/1
(2)福井 R 無死走者なし BBBSFK 三振
(4)古屋 R 1死走者なし FBSH 投ゴ
1 清水 L 2死走者なし BSSS 三振
[18表]打者3/66、投球数9/235、被安打0/10、奪三振0/15、与四球0/3、失点0/1
(8)柳田 L 無死走者なし H 三ゴ
(6)高橋 R 1死走者なし BBBSSH 遊ゴ
(9)小島 R 2死走者なし SH 遊ゴ
3回にパスボールで先制された青学が同点に追いついたのは8回だった。試合の詳細は別のページに譲るが(頁末リンク参照)、翌日の新聞で本人も語っていたように、石川の調子はあまりよくなかった。そういうこともあって、石川に打席が回るたびに「今度は代打だ」「今度こそ代わるだろう」という具合にイニングを重ねていった。
とくに14回裏は石川が先頭打者だった。14回表の一死一・二塁のピンチを切り抜けたばかりだ。投球数はすでに188球に達していた。いくらなんでも、これでもう「お役ごめん」だろう。相手のピッチャーも左に代わっていた。石川は左打ちだし、もともとリーグ戦はDH制だから、普段は打席に立たない。
今度こそ「よく投げた、ご苦労さん」と右の代打が起用されるだろうと私は思っていた。ところが、バッターボックスに向かうのは小柄な選手だ(石川は169cm)。しかも、左打席に入るではないか。背番号を確認すると15だ。すると、石川だ。まだ投げるというのか!
石川が最後に打席に入ったのは17回だった。このときも先頭打者だった。もう私たちは、代打ではなく石川が打席に立つことを期待していた。日野のT氏が延長規定は18回だと取材してきた。残りは1イニング、ここまで来たら最後まで投げてもらうしかない。
17回裏、石川が先頭打者として打席に入るシーンこそ、一般受けする見せ場の少なかったこの試合のクライマックスだった。ピッチャーが代打で起用されることは大学野球ならたまにある。当然、スタンドはざわつく。
石川は先発投手であり、ただ打順に従って打席に入っただけだ。それだけでスタンドがどよめき、誰が音頭をとったわけでもないのに拍手まで起こるのだから、その意味は重い。
たとえ、最後の18回に力尽きたとしても、私は石川の「殿堂」入りを覆すことはなかっただろう。勝っても負けても、どのような結末に彩られようとも、この試合の主役は石川以外には考えられなかった。
なぜなら、打席の石川はヒットこそ打てなかったけれども、塁に出ようという意欲が伝わってきたからだ。すくなくとも簡単にはアウトにならないという姿勢が見えた。青学の各打者のファウルの数は次のとおりだ。
四之宮1111002=6
諸麦 1310030=8
荒金 0301100=5
渡辺 0130021=7
志田 0110000=2
松田 1100010=3
川島 00・・・・・=0
本多 ・・1・・・・=1
小坂 ・・・1100=2
大久保0000000=0
石川 121141・=10
青学の打者の中で、ファウルの数がもっとも多かったのは、打席数が1つ少ない投手の石川だったのだ(創価大の打者を含めても石川が一番多い)。6打数ノーヒットだったが、内野ゴロエラーで2度塁に出た。11回裏の4打席目は無死一塁だった。2球目のバント見送りのとき一塁走者がキャッチャーの牽制球に刺された。
3球目ファウル。4球目を打ってサードゴロ。これが送球エラーを誘って石川は一塁に出た。塁上の石川は控え選手が持ってきたウインドブレーカーを拒否した。この日はあまり寒くなかった。神宮大会にしては「寒くない」という意味だ。11月も半ば、夜の7時過ぎで冷えないわけがない。
バント見逃しで一塁走者をアウトにしてしまったという自分への腹立ちが、こうした態度になったのではないかと思わせる場面だった。
「こいつ、ひょっとしたら走るんじゃないか」…私はそう思って、普通の野手のつもりで一塁走者の石川を見ていた。盗塁に成功すれば、一死二塁だ。バントで送ったのと同じ形になる。創価大のバッテリーも気配を感じたのかもしれない。四之宮への2球目前に牽制球が入っている。
◆この試合の詳細は「26イニング目の日没コールド」でどうぞ。
◆石川は02年セリーグの新人王です。→「新人王になれない男たち」
◆石川の身長は選手名鑑では169cmです。→「大人になるということ」
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