- 各ジャンルにおける外野フライのポジション別比率(女子軟式については04年分を加算)
- 女子軟式野球におけるポジション別打球処理比率(04年分を反映)
- 女子軟式とリトルシニアにおけるスタメン左打者数の比較(今後しばらく更新予定なし)
- 女子軟式における先頭打者の出塁状況別得点イニングの割合(04年分を反映)
- 女子軟式における盗塁成功率(04年分を反映)
外野フライが多いのはどのポジションだろうか? 経験的にセンターフライがもっとも多いというのは想像できる。それでは、レフトフライとライトフライでは有意差があるだろうか?
次の表は、分野ごとに外野フライのポジション別割合を示したものだ。プロ、社会人、大学、高校は96年以降に私が見た試合を対象にして1000サンプルに達するまで数えあげた。リトルシニアと女子軟式に関しては、私が見た全試合を対象に集計した(04年まで。犠牲フライはもちろん、外野フライの落球も含む)。
レフト センター ライト 合計 プロ 297(29.7%) 355(35.5%) 348(34.8%) 1000 社会人 295(29.5%) 373(37.3%) 332(33.2%) 1000 大学 302(30.2%) 381(38.1%) 317(31.7%) 1000 高校 277(27.7%) 390(39.0%) 333(33.3%) 1000 リトルシニア 61(24.6%) 111(44.8%) 76(30.6%) 248 女子軟式 96(36.4%) 112(42.4%) 56(21.2%) 264
どの分野でもセンターフライが一番多いのは共通している。興味深いのは、センターフライの割合が、プロ<社会人<大学<高校<リトルシニアの順にきれいに並んでいることだ。
打者の側は、レベルが上がるにつれて左右に打ち分ける技術を身につけていくのだろう。一方、守備の側でも、選手層が厚くなれば、両翼にもそれなりの選手を配置できる。センターも守れるような守備範囲の広い選手がライトやレフトに入れば、ヒットになっていた打球がアウトになる。相対的にセンターフライの割合が下がってくるはずだ。
さて、硬式野球では例外なくライトフライがレフトフライより多い(少なくとも私が見ている日本の野球ではそうだ)。つまり、外野フライは、センターフライ>ライトフライ>レフトフライの順に多いわけだ。ところが、女子軟式だけはレフトフライがライトフライより多い。
▲集計対象は外野フライのみです。外野に飛んだ打球全体を集計したわけではありませんので、ご注意ください。
▼次の項目では、フライに限らずすべての打球を対象に集計しました。
この現象は、もともと女子軟式では右方向への打球が少ないことの帰結だと思われる。そこで、これまでに見た女子軟式の試合で、インプレイの打球を誰が処理したか集計してみた(04年までの68試合。ヒットやバントも含むが、四球や三振は含まない)。
左翼手
348
13.1%中堅手
374
14.1%右翼手
225
8.5%遊撃手
377
14.2%二塁手
290
11.0%三塁手
411
15.5%投手
337
12.7%一塁手
187
7.1%捕手
98
3.7%計 2647
このように右方向への打球は3割に満たないが、左方向への打球は4割を超える。ちなみに、ジョージ・F・ウィル『野球術』(文芸春秋)には、1988年のポジション別打球処理比率が載っている(守備術編173ページ)。それによると、「捕手1%、投手6%、一塁手10%、二塁手13%、三塁手12%、遊撃手15%、左翼手13%、中堅手18%、右翼手12%」だ。
なお、この数字はおそらくメジャーリーグのもので、ヒットの打球も含まれると思われるが明記されてはいない(今のところ、比較可能な数字はこれしかない)。打球があまり飛ばない、左方向への打球が多い、というところに特徴がある。
そもそも女子軟式では左打者が少ない。なかには右投げ左打ちの選手もいるが、硬式野球ほど多くはない。女子軟式とリトルシニアで、02年から遡って26チームを比較してみたら下の表のようになる。数字は左打者の打順、「・」は右打者を示す(第1打席の左右)。
02年決勝 愛知アドバンス 1・・・5・7・・ 02年3回戦 竜ヶ崎 ・・・4・・・・・ オール兵庫 ・・34・・・・・ 広島鯉城 1・・・・・7・・ 02年準決勝 町田スパークラーズ ・・・4・67・・ 世田谷西 ・・・・・6・・・ キンキキャッツ ・2・・・・・・・ 松本 123・5・・・・ 02年準々決勝 コンプレックス 12・・・6・・・ 佐倉 なし 02年2回戦 ストレイシープ 1・・・・・・・・ 松本南 ・2・4・6・・9 大阪ディアズ 12・・5・78・ 02年2回戦 緑中央 12・・・・7・9 02年1回戦 ウエスティー ・・・・・6・・・ 羽村 1・・・・・7・・ クルーズ ・2・・5・・・9 大阪平野 123・・・・・・ 札幌プログレス ・・・4・6・8・ 横浜金沢 1・・4・・・・・ ダラーズ 1・・・5・・・・ 調布 1・・・・・・8・ 01年決勝 札幌シェールズ ・・・・5・7・・ 福岡城南 ・2・・・・・・・ 01年準決勝 ヴィッキーズ ・・・・・6・・・ 瀬谷 1・・・5・・・9 01年2回戦 プレジャーズ ・・・・・・・・9 北九州中央 12・4・・・・・ 旭川レディース ・2・・・・・・・ 02年1回戦 東村山 1・・・・・・・・ 01年1回戦 ドジャース 12・・5・・・9 春日部 12・・5・・8・ 掛スポ 1・・・・・・・・ 仙台東部 1・3・5・7・9 プレアデス ・・3・・・・・・ 文京 1・・・・・・・9 ドリームウイングス なし 札幌北 ・・・・5・・・9 00年2回戦 ブレインズ 12・・・・・・・ 新宿 1・・・5・・・9 オールソフィア ・・・4・・・・・ 宮崎 ・2・・・・・89 コンプレックス 12・・5・7・・ 01年決勝 川崎北 1・・・・・7・9 大阪アッフェ なし 01年3位決定戦 浜松 1・・・5・・・・ 00年1回戦 スティール ・・3・・・・・・ 中本牧 ・・・456・8・ ブルームス 1・・4・・・・9 01年1回戦 仙台太白 ・2・・・・・・・ ホワイトエンジェルス 1・3・・・・・9 熊本北 ・23・・・・・・
女子軟式では4人以上の左打者がいるチームが表の26チームのうち3チームにすぎない。シニアの場合は6チームある。このように左打者が少ないことも右方向への打球が少ない要因の1つだろうと思われる。ただ、以前にくらべれば、左打者の割合は高くなったように見受けられる。
「先頭を打ちとれ!」の女子野球編として、04年までに見た全試合を対象に集計を試みた。イニングの先頭打者がアウトになったか、それとも塁に生きたか、その状況別にイニング得点の分布を示したのが次の表だ。
▼「割合」は得点が入ったイニングの割合です。「先頭打者を打ちとれ!」を参照してください。
0点 1点 2点 3点 4点 5点 6点 7点 8点 9点 10点 計 割合 平均 アウト(1死無走者) 350 37 21 7 5 5 0 0 0 0 0 425 17.6% 0.34点 1塁(無死1塁) 130 66 42 25 21 9 2 4 1 3 2 305 57.4% 1.47点 2塁(無死2塁) 12 6 6 1 0 1 0 0 0 0 0 26 53.8% 1.00点 3塁(無死3塁) 3 4 2 0 1 0 1 1 0 0 0 12 75.0% 2.08点 本塁(無死無走者) 0 4 0 0 0 0 1 1 0 0 0 6 100.0% 2.83点 合計 495 117 71 33 27 15 4 6 1 3 2 774 36.0% 0.86点
先頭打者がアウトになった場合、そのイニング中に得点が入る割合は17.6%であり、硬式野球と大差はないが、先頭打者が一塁に出たときはなんと57.4%に跳ね上がっている。平均得点にしても、先頭打者アウトの場合は0.34点で、先頭打者が一塁に出たときは1.47点だ。先頭打者をめぐる攻防のウエイトは硬式野球以上だと言っていいだろう。
また、先頭打者が一塁に出たときと二塁まで進んだ場合とで、数字が逆転しているのは、盗塁等による進塁の容易さが反映しているものと思われる。私が見た試合での盗塁成功率は次のとおりだ。
97年
(8試合)98年
(10試合)99年
(10試合)00年
(9試合)01年
(10試合)02年
(10試合)03年
(8試合)04年
(3試合)二盗単独 47−5 54−5 55−9 47−3 73−10 58−4 30−2 13−2 三盗単独 4−0 9−1 8−0 1−2 10−02 6−0 −0 2−1 本盗単独 −0 −0 1−0 −0 −00 1−1 −0 −0 二盗と三盗の重盗 5−0 4−0 2−0 2−0 7−00 5−1 4−0 1−0 二盗と本盗の重盗 1−0 1−0 −0 −0 2−00 1−0 −0 −0 合 計 57−5 68−6 66−9 50−5 92−12 71−6 34−2 16−3 盗塁成功率 91.9% 91.9% 88.0% 90.9% 88.5% 92.2% 94.4% 84.2% ▲数字は「成功−失敗」です。
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