セットポジション女子軟式
一死満塁の攻防 | ゲッツー | 6試合日

ゲッツーのとれるチーム

08/02/24分割
13/12/16更新

◆旧題「オブストラクションと移動ベース」のページから一部を「ルール」に移して再構成しました。


02年準決勝

リクエストもあったので、02年の準決勝と決勝を載せておく。

先攻のアドバンスは大会3連覇中の「本命」だ。前日の相手は、2回戦が01年ベスト4のチーム、準々決勝は01年の準優勝チームだった。おそらくは両試合に連投したであろうエースを温存して準決勝に臨んだ。先発した控え投手の立ち上がりを「初出場」のキンキキャッツは逃さなかった。

02/08/12 (江戸川) 準決勝 第1試合 9:58〜11:50
愛知アドバンス 003 000 =3 (6回コールド=時間切れ)
キンキキャッツ 200 000 =2

アドバンスは2点目を失ったところで傷口が広がらないうちにエースを投入。結果的には温存策は失敗したことになる。

走者を得点圏に送りながら、攻めあぐんでいた感のあったアドバンスだが、3回の3点目は鮮やかなものだった。4番打者が二死二塁の2−0というある意味「非常識」なカウントから、エンドランで一・二塁間を破った。最終的にはこれが決勝点になった。

キンキキャッツは3回から連続3イニングの走塁死が痛かった。3回は右中間を破った打球で打者走者が三塁タッチアウト。4回二死二塁では牽制悪送球から二・三塁間挟殺。5回はレフトオーバーの打球で打者走者が三塁タッチアウト。

まあ、ほかのチームなら、もう少し中継がもたつくだろうから、ちょっと相手を甘く見たことになるのかもしれない。

02/08/12 (江戸川) 準決勝 第2試合 12:18〜14:08
オール兵庫 105 14 =11 (5回コールド=得点差)
町田スパークラーズ 211 00 =4

オール兵庫は95年から98年までの4連覇を含み優勝5回、町田も92年と94年に2度のV、00年は準優勝だ。「東西の老舗対決」と言っていい。両チームともエース温存で臨んだ。

オール兵庫の4回までの7得点のうち、6点は二盗を決めた走者によるものだ。1・2番だけで7盗塁だった。塁に出た走者の数(エラーや野選を含む)は、オール兵庫の15人に対して町田も13人。さほど遜色がないのに意外な大差がついたのは、そのあたりに起因するのかもしれない。

02年決勝

というわけで、02年の決勝は4連覇の実績を持つオール兵庫と、4連覇を狙う愛知アドバンスの「新旧対決」になった。挑むオール兵庫がエース温存で準決勝を勝ち上がり、受けて立つアドバンスは準決勝をエースが実質的に「完投」した。ちょうどいいハンディがついたことになる。

02/08/12 (江戸川) 第13回 女子軟式選手権 決勝 14:59〜16:48 くもり

(2)L
(4)R
(6)R
(9)R
(8)L
(5)R
(3)L
(7)R
(1)R

中安
三振
左飛
+
+
+
+
+
+

+
+
+
二失
投ギ
三ゴ
投ゴ
+
+

四球
中飛
右安
左安
三安

投ゴ
+
遊失
右飛

三ゴ
+
+
+
+
+
遊ゴ
捕ゴ
四球

+
左安
三ギ
遊ゴ
+
+
+
+
+

+
+
+
+
三振
中2
三ゴ
左2
捕邪

四球
一ギ
遊安
中安

一飛
三振
+
+
+
数安点
210
310
322
423
310
410
300
311
200
2796
愛知 回 打安振球失責
○R 7 2870132
兵庫 回 打安振球失責
●L 7 3393363
アドバンス =6 盗塁:ア(4表)、オ(1ウ2)
盗塁死:オ(1ウ)
走塁死:ア(1表、5表)
併殺:ア(5ウ)、オ(1表、5表)
失策:ア(7ウ)、オ(2表、3表2)
暴投:オ(7表)
捕逸:オ(3表)
ボーク:オ(7表)
オール兵庫 =3

(6)R
(9)R
(1)L
(3)L
(7)R
 7 −
(2)R
(5)R
(4)R
(8)R

中安
右飛
中安
右犠
左2
-
中安
+
+
+
-
遊邪
+
+
+
+
-
+
左安
三ゴ
二ゴ

+
投飛
右飛
中飛
+
-
+
+
+
+

+
+
+
+
二飛
-
左飛
左飛
+
+

三ゴ
+
+
+
+
-
+
+
遊安
遊併

+
四球
一ゴ
三飛
投飛
-
+
+
+
+

三ゴ
+
+
+
+
-
遊失
三ゴ
遊ゴ
中安
数安点
410
200
310
201
311
000
310
310
310
311
2673

▲公式の記録ではありませんので、ご注意ください。私のジャッジによるものです。

1回裏、オール兵庫が2点先制したあとの二死一・三塁、カウント1−0の場面で一塁走者がスタート、バッターはバントの構えで見送った。キャッチャーは果敢に二塁送球して、アウトをとった(刺殺はショート)。2点差で踏みとどまる価値ある盗塁刺だった。

3回表のアドバンスの攻撃、二死一・二塁で3番打者の初球は、エンドランだった。ライト前ヒットで中継からのバックホームが三塁側にそれたために、逆転の走者となる打者走者の二塁進塁を許した。二塁走者があらかじめスタートしていたことは気づいていたはずだ。この時点で2点差だったから、無理な送球は控えたほうがよかったのかもしれない。

ゲッツー

さすがに決勝戦とあって、5回の攻防などなかなか見応えがあった。5回表、一死二塁から4番打者がショートゴロ、一塁送球の間に二塁走者が三塁を狙ったが、オール兵庫の内野陣は6−3−5で併殺に仕留めた(二塁走者はもともとフォースプレイでないので「併殺打」にはならない)。

5回裏、無死一塁で9番打者がショートゴロ。6−4−3のゲッツーだった。第1アウトが二塁封殺で、第2アウトが打者走者の一塁アウトとなり、なおかつ2度の送球を伴う「普通」のゲッツーは珍しいのだ。私がこれまで見たのは次のとおりだ。

送球2回(二塁&一塁)の併殺
年月日 回戦 アウト走者 守備側チーム 併殺の態様 攻撃側チーム 打者の左右(備考)
97/08/11
98/08/08
98/08/08
99/08/07
99/08/09
00/08/12
01/08/13
01/08/13
02/08/12
決勝
1回戦
1回戦
1回戦
決勝
1回戦
準決勝
準決勝
決勝
2ウ
2表
5ウ
5表
6ウ
2表
4表
4ウ
5ウ
1死1塁
1死1塁
1死1・2塁
1死1塁
無死1塁
1死1塁
1死1塁
1死1塁
1死1塁
オール兵庫
町田スパークラーズ
スピリッツ
ブレインズ
愛知アドバンス
町田スパークラーズ
愛知アドバンス
大阪ディアズ
愛知アドバンス
6−4−3
1−6−3
4−6−3
6−4−3
4−6−3
1−6−3
6−4−3
4−6−3
6−4−3
ブレインズ
スピリッツ
町田スパークラーズ
ストレイシープ
ドリームウイングス
スティール
大阪ディアズ
愛知アドバンス
オール兵庫

R(バントの打球)






▲「6−6−3」は、送球が1度ですので、ここには含んでいません。また、「1−2−3」のホームゲッツーは、第1アウトが本塁封殺ですので、ここには含んでいません。

57試合で9回しかない(両チームで6.3試合に1回)。アドバンスは9試合で3度目(単独チームで3試合に1回)だから、平均の4倍以上になる。

しかも、4から3への送球がワンバウンドだった。これは意識したワンバウンド送球だったと思われる。悪くても一塁手が止められる範囲に投げようという意図が感じられるからだ。その直後のサードゴロも、一塁送球はワンバウンドだった。

一塁手がなすべきこと

ところで、私が初めて 江戸川の全国大会を見に行ったのは97年だった。あまり歓迎したくないプレイがあった。一死無走者でレフトオーバーの打球が飛んだときのことだ。ボールはレフトのライン際を転々としているのに、一塁手はベースについていた。ダイヤモンドの内側で、だ。

このため、打者走者は一塁手との接触を避けて一塁ベースを大きく膨らんだ。1点差の最終回の攻撃だった。つまり、この打者走者は同点のランナーだったのだ。結果的には三塁打だったが、次打者の内野ゴロで走塁死したので、同点には至らなかった。

一塁での大回りがなければ、ランニングホームランになったかもしれない。レフトが抜かれてしまった以上、一塁でのプレイはまずあり得ない。この場合の一塁手がなすべきことは、第一義的には打者走者の触塁を確認することだ。

そのうえで二塁のカバーなり、本塁のバックアップなり、バックホームのカットなり、しかるべきプレイに備えることになるだろう。すくなくとも、走路上に立ってオブストラクションまがいの行為をすることではない。

翌日、同じチームの試合を見ていたら、センター前のヒットで一塁に達した打者走者が、この一塁手の腰に左手を絡ませて一塁で止まった。もともと二塁に行けるような打球ではなかったけれども、ファンブルや中継の乱れがあれば、打者走者には二塁をうかがう権利がある。

一塁ベースを駆け抜けなければならないヒットではなく、二塁方向にオーバーランしてからベースに戻る打球だった。すでに大差がついていた場面とはいえ、「そこに立っていると邪魔だよ」というアピールのように私には思えた。

この打者は、もし大会のベストナインとかがあれば、何度か選ばれているはずの選手だ。単に技術にすぐれているだけでなく、野球をよく知っている選手でもある。サッカーの実況中継風に言うなら、「個人技でこじあける」ことのできる選手だ。

危険な行為

あとでスコアブックを調べてみて、私なりに納得したプレイを発見した。前の試合の初回に、一塁側へのバントに対して、この一塁手は打球を処理しようとしてベースを空けてしまったのだ。ピッチャーが処理したけれども、一塁のベースカバーが不在でヒットになっていた。

おそらく監督から「一塁を空けるな」という指示を受けて、ああいう極端な形になってしまったのだろうと私は想像した。アンフェアだと言いたいわけではない。そんな問題ではなく、これは危険なプレイだ。

すでに述べたように、女子軟式の場合はベースが固定されない。硬式とは塁間距離が異なるソフトボールの日本リーグで硬式球場を使う場合でもベースは固定されている。ということは、技術(設備)的な問題で固定できないのではなく、危険防止の意味合いで固定していないものと思われる。

使われているベースは、厚みのないぺらぺらのプレートではなく、通常の(たぶん)厚みをもったキャンバス・バッグだ。一塁手がダイヤモンドの内側(ホーム寄りで二塁寄りの角)に立っていた場合、これを避けようとした打者走者が一塁ベースの外側(ライン上の外野寄り)の角を踏んだりすると、固定されていないベースは持ち上がってしまう。

打者走者はベース上で方向転換しようとしているわけだから、外野寄りでライン上の角を左足で踏んだりすると、まず間違いなく転倒するだろう。それはかなり危険な倒れ方になる。

危険防止のための移動ベースが、逆に危険を増幅するという皮肉な結果をもたらすことになる。このときの打者走者は、一塁手との接触を避け、転倒を避けたがゆえに一塁を大回りしなければならなかった。

高校野球では00年からボールを処理しないキャッチャーのブロックに対して厳格にオブストラクションを適用していく方針を定めた。このような行為にペナルティが与えられるのは、それがアンフェアな行為だからではなく、危険な行為だからだと私は理解している。

オブストラクション

高校野球の特別規則は別にして、『公認野球規則』2・51はオブストラクションを次のように定義づけている。

07年版 『公認野球規則』

2・51 OBSTRUCTION 「オブストラクション」(走塁妨害)――野手がボールを持たないときか、あるいはボールを処理する行為をしていないときに、走者の進塁を妨げる行為である。(7・06a、b) 
 【原注】 本項でいう“野手がボールを処理する行為をしている”とは、野手がまさに送球を捕ろうとしているか、送球が直接野手に向かってきており、しかも充分近くにきていて、野手がこれを受け止めるにふさわしい位置をしめなければならなくなった状態をいう。これは一に審判員の判断に基づくものである。野手がボールを処理しようとして失敗した後は、もはやボールを処理している野手とはみなされない。たとえば、野手がゴロを捕ろうとしてとびついたが捕球できなかった。ボールは通り過ぎていったのにもかかわらずグラウンドに横たわったままでいたので、走者の進塁を遅らせたような場合、その野手は走塁妨害をしたことになる。

前記のケースでは、打者走者が一塁に達する前に転んだりしない限り、一塁でのプレイはありえない。この試合は審判3人制だった。ということは、一塁や二塁の触塁確認は一塁塁審の分担だろう。彼がオブストラクションをとらなかった以上、打者走者は本塁には行けなかったという判断をしたわけだ。それはそれでいい。

別に、なにがなんでもオブストラクションをとれと言いたいわけではない。オブストラクションはとらなくても、指導なり注意なりを与えるべきではないだろうか。私が見ていた限りでは、その様子はなかった。これはケガにつながる行為だろう。

通常、レフトオーバーのヒットで一塁を見たりはしない。そのとき私が一塁に注目していたのは、そこで何か起きるかもしれないという懸念を感じていたからだ。つまり、ベースから離れない一塁手のことが気になっていたからだ。

こうした危険なプレイに関しては、指導者をはじめ関係者はもっと敏感であるべきだと私は思っている。それに、一定レベルに達したら、移動ベースよりも固定ベースのほうがプレイしやすいはずだ。当面、普及のためには移動ベースでいいのかもしれないが、いつまでもそれでいいのかということになると、話はまた変わってくるだろう。

▲02年もレフト前ヒットでベースを空けない一塁手がいました。


◆旧「オブストラクションと移動ベース」のページは、次のようなページ構成でした。このうち旧ファイル(josi02iya.html)にはBのみを残して「ボールデッド時の空過」と改題し、「ルールのページ」に移しました。
 A:(00/08/27)一塁手がなすべきこと/危険な行為/オブストラクション
 B:(01/07/27)エンタイトルツーベース/ベースの踏み忘れ/ボールデッド時の踏み直し
 C:(02/08/19)02年準決勝/02年決勝

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