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スコアの記入法

00/08/17作成
13/12/14更新

◆私はあまり一般的ではないものも記入対象にしています。


再現性

ワンプレイごとに試合が「中断」する(ように見える)のが、野球という競技の特性だろう。実際には、「中断」しているわけではなく、進行中であることも多い。正式な「中断(ボールデッド)」と区別するために、ここでは「合間」と呼ぶことにしよう。スコアは「合間」の時間を利用して記入することになる。

スコアをつけるという作業は、「見ること」と「書くこと」の2本立ての作業だ。ときには感じたことを書くこともあるけれども、基本的には見たことを書き、見なければ書けない。遠い昔、私にもTVやラジオの中継でスコアをつけていた時期があった。

だが、TV中継の野球とスタンド観戦の野球とはまったく別のものだと理解したほうがいい。なにしろ、球場観戦の場合、画面は自動的に切り替わってはくれないのだ。自分で切り替えるしかない。もちろん、お仕着せの画像ではないのだから、見たいところを見ることもできる。

テニスのようなネット型の球技では、得点の経過を記録することはできるだろう。だが、ベースライン上でのストロークの応酬という形でラリーが続くと、相手方コートのどこに、どんな種類のリターンがあったか、もれなく記入することはできない。

たとえば、第1セット第8ゲームの2度目のジュース後にA選手がアドバンテージを握ったポイントは、B選手の右隅へのファースト・サーブをA選手がクロスに返して、A選手がネットに出てきたので、B選手はロブを上げたが、浅かったためにA選手のスマッシュが決まった…と、1人でフォローできるのは、この程度だろう。

これ以上になると、「見ること」が多すぎて「書くこと」ができない。ましてや多人数のバレーボールの場合には、Cチーム6番のサーブをDチーム3番がレシーブして、7番がトスを上げて9番がスパイク、Cチーム4番のブロックをDチーム1番が拾って…などと書けるはずがない。

本当は書きたいだろうが、そんなことは1人では無理だ。まあ、スパイク決定率のような指標があるわけだから、ある程度は追っているものと思われる。

サッカーのようなゴール型球技になると、ゲーム全体を通しての再現性のある記録は絶望的ですらある(ビデオは別)。7番からのパスを8番が受けたとしても、本当は10番に出したかったのに、相手のマークが厳しかったから8番に出したのかもしれない。逆に10番が相手のディフェンスを引きつけていたのかもしれない。

同じゴール型球技でも、「中断」や「合間」の多いアメフトは比較的詳細な記録が残される。だが、たとえば90ヤード独走のタッチダウンのとき、タッチダウンした選手だけ評価されるのが気に入らない。そのための進路を開いた選手こそより高い評価を受けるべきだと思うからだ。

目的

このようにして考えると、野球という競技の特殊性が浮かび上がってくる。野球以外に、ゲーム全体を通しての再現性のある記録が可能なのは、ゴルフやボウリングのような単独競技だろう。もっとも、ゴルフの場合は大会の出場者全員を1人でフォローすることはできない。

ボウリングなら、通常のスコアに加えてどのような種類の投球であったか記載することもできるし、プレイヤーは単独だから、野球よりシンプルだ。ただ、ボウリングの場合には、最大スコアが決まっているのでドラマに欠ける。最終フレーム前に勝敗が決してしまうこともある。野球なら、9回裏に6点差を追いつくことさえ可能なのだ。

いずれにせよ、野球では素人でもかなり詳細な記録を残すことができる。記録マニアが生まれる十分な土壌があるわけだ。他の競技と異なり、「合間」が多いという特性を利用して、自分なりにスコアをつけてみてはいかがだろうか。

野球のスコアの記録法としては、「一般式」(早稲田式)と「プロ野球式」(慶応式)があるけれども、別にそんなものにこだわらず、独自のものでもいいのではないかと私は思っている。

スコアをつける目的は、次の3つに大別できると思われる。

【1】 公式記録
【2】 自分のチームの記録を残し、あとで利用する
【3】 自分が見た試合を記録としてとどめておく

【1】は、その性質上、厳格なルールに基づき客観的に記録しなければならない。これに対して、【2】や【3】の場合は、必ずしも公式記録に記載される事項のすべてをフォローする必要はない。逆に、公式記録に記載される以上のオプションを加えることもできる。

同じ【2】の場合でも、相手チームの戦力あるいは戦術の分析を主眼とする場合もあるだろうし、単に自分のチームの個人成績(打率や防御率など)を算出できればそれでいいという考え方もあるだろう。目的に応じて、何を捨てて、何を書くかが変わってくるはずだ。

私自身は【3】に属する。私のつけるスコアは、私以外には誰も利用しない性質のものだ。そのため、あたかもガラパゴス諸島の生き物たちのように、独自の進化を遂げているのかもしれない。したがって、以下に掲げる私の記入法は、あらゆる人にお勧めできる性質のものではないことをお断りする必要がある。

プロ野球式と一般式

組織が一本化されているソフトボールの場合は、協会で記録員の資格を与えているようだ。ということは、記録のつけ方も記号も、年齢・地域を問わず統一されているものと思われる。むろん、【2】の目的で、より詳細なスコアをつけることはあるだろう。

これに対して、野球はいったい何がスタンダードなのか、さっぱりわからない世界だ。なにしろ、ストライクが「○」だったり「×」だったりする。プロ野球の公式記録は独自のスタイルを確立している。アマの公式記録は、いわゆる「一般式」と呼ばれるものだろうが、多種多様のバリエーションが存在するようだ。

各メディアによって異なるようなので、高校野球の場合、A新聞社主催のときとM新聞社主催のときで、異なる記号なり記入法の公式記録が残されることになると思われる。

社会人野球では、ほぼM新聞社のスタイルで統一されているだろうが、大学野球の場合には26連盟すべてが統一されているとはとても思えない。しかしながら、別に統一される必要があるとも思わない。どんな公式記録を残すかは、その連盟なり協会の勝手だからだ。

繰り返しになるが、【2】や【3】の目的でスコアをつける場合、市販の「教科書」に縛られる必要はない。なぜなら、「教科書」には不備な部分もあるからだ。工夫の余地は大いにある。なお、十分な信頼性を備えているのは「プロ野球式」(と東京六大学)のみであり、それ以外は自家製の域を出ないと思われる。

いずれにせよ、市販のスコアブックは「一般式」を前提としたマス目になっているので、「プロ野球式」でやるなら方眼ノート等を利用するのが手軽だろう。なお、ソフトボールの公式記録は、「一般式」をベースにしつつ「プロ野球式」を取り入れているようだ。たしかに、刺殺や補殺をカウントするなら、「プロ野球式」のほうがすぐれている。

ストライク、ボール、ファウル

私は、いわゆる「一般式」だが、スコアをつけ始めた当初、ストライク・ボールは記入していなかった。しかし、何試合かスコアをつけているうちに、たとえば盗塁やエンドランがどのカウントで試みられるのか、のちのち集計したいと思うようになった。

それに、ストライク・ボールを記入していると、ファウルを何本打ったかということも記録が残る。これは、ボールカウントを記入していないとわからない。スポーツ新聞のテーブルスコアには載らないことだからだ。だから、やがて全球記入にたどりついた。

ストライク・ボールの記号に関しては、画数の少ないものを優先採用した。「○」は一筆書きできるが、「×」は2画だ。画数は少ないほうがいいので、まず見逃しストライクを「○」に決めた。だいいち、ストライクなのに「×」をつけるのは心理的に抵抗がある。まあ、打者の側から見れば「×」になるのかもしれない…。

見逃しストライクが「○」なら、空振りストライクは「○」を加工したものが望ましい。私は「○」の中に横棒を入れることにした。バットスイングを「−」で表現していることにすれば、覚えやすいだろうという理由もあった。

ファウルについては、審判のゼスチャーの連想から「V」を採用した。ただ、ボールカウント欄がタテ長だったため、ファウルが何本も続くと、次の打者の欄まではみだしてしまうことがある。

スペースを節約するためには、「V」より「−」のほうが好ましいと気づいたが、そのときはもう引き返せなかった。「V」の字を上下に圧縮して、今でも懲りずに使っている。のちに、「−」は牽制球で使うようになった。

ボールはもっともシンプルな「・」だ。これを「●」ではなく「・」で済ませるには、インクがボタ落ちするようなボールペンは不適当だ。もちろん、芯の太さが変わってしまう鉛筆でも困る。シャープペンシルでも、芯が斜めに削れた結果、文字の太さが変わることがあるからだ。

ところで、コースが入っていてハーフスイングの場合、球審は別にスイングを判定する必要はない。どのみち、コースが入っていればストライクだからだ。したがって、空振りのストライクと見逃しのストライクに関しては、あまりこだわる必要はないようにも思われる。

▲NPBでも1リーグ時代の1946年と1947年は見逃しと空振りの区別をしていなかったようです。

宇佐美徹也 『プロ野球 記録・奇録・きろく』 (文春文庫、29ページ)

21年と22年の公式記録は、見逃しのストライクと空振りを区別せず、両方同じストライクの符号(×)で記入しているのだった。

インプレイの打球

打者がインプレイの打球を打ったとき、ボールカウント欄には何も書かないのが一般的だと思われる。また、三振目の投球と四球目の投球については、記入する人と記入しない人とがいるようだ。私はインプレイの打球には「△」を使い、三振や四球も最後まで書くことにしている。つまり、私の場合、投球数を数えるときは、そのまま素直に数えれば済む。

ボールカウントをつけ始めた頃、いきなり全球記入では挫折しそうだったので、最初は特定の打者のとき、次に特定のイニングだけ、という具合に段階を踏んで、徐々に慣れるようにした。その際、空欄は初球を打ったからなのか、そもそもボールカウントの記入を放棄したのか、その区別ができないことに気づいた。

たとえば、私のスコアカードには、打者の左右を記入する欄を設けているので、右打者には「R」、左打者には「L」を付している。これを右打者は空欄、左打者のときだけ何か記号をつけると、空欄が「右打者」のことなのか「チェック漏れ」なのかの区別がつかない。

空欄で何かを示すことは間違いを誘発する可能性が高いと思われる。まあ、私の場合には、エンドランその他の「A」「B」「C」「W」を記入するため、「△」が必要だという固有の事情があった。

ちなみに、死球や打撃妨害の投球は「▲」を用いている。投球がストライクゾーンの外で打者に触れ、打者がスイングせず、よけもしなかったときは、ルール上「ボール」が宣告されることになっているが、この場合も私は「▲」を記入することにしている。

エンドラン

エンドランを記入している人は少ないだろうと思われるが、【2】の目的でスコアをつける場合、相手チームがどのボールカウント、どの状況(アウトカウントと走者の位置)でエンドランをかけてくるのか、記入する実益は十分にある。

【3】の目的の場合でも、シングルヒットで一塁走者が三塁に達したとき、エンドランゆえの三進なのか、打球の方向によるものなのか、守備位置が裏目に出たのか、外野の守備や中継がとろいのか、その理由が残せるなら、それに越したことはない。

私は、エンドランについては、ボールカウントの左に「A」を付記している。前述したように、私はファウルの記号を「V」にしている。つまり、私のスコアカードの「AV」とは、アダルトビデオのことではなく、エンドランでファウルという意味になる。走者一・三塁で、一塁走者とのエンドランのときは「1A」を付記することになる。

二死でフルカウントなら、一塁、一・二塁、満塁のときの各走者と、一・三塁のときの一塁走者は自動的にスタートするはずなので、この場合には無理に「A」は記入しない。スタートを怠った走者がいれば、メモで対応している。エンドラン/ランエンドヒットに関しては、とくに区別していない(区別が困難だ)。

また、エンドランのサイン見落としと思われるケースと、単独スチールの失敗とが、スコアだけでは判別できないという問題を抱えているので、前者の場合はその疑いがある旨をメモするように心がけている。

走者のスタートの有無は、盗塁/暴投(または捕逸)を分けることになる。どうせ、走者のスタートの有無を見ずにスコアはつけられない。それなら、見たことは記入しなければもったいないと思っている。

バント、バスター

打者がバントの構えを見せた場合、次の8通りの結果が考えられる。

打者がバントの構えをしたとき
〔ア〕 見逃してストライク Bを付記
〔イ〕 見逃してボール
〔ウ〕 空振り
〔エ〕 ファウル
〔オ〕 フライで打者アウト
〔カ〕 ゴロで犠打が成立 「補殺−刺殺」を□で囲む
〔キ〕 ゴロで犠打不成立 「補殺−刺殺」の補殺に下線
〔ク〕 バントヒット 打球を処理した野手に下線、またはBを付記

〔ク〕のバントヒットは当然のこととして、通常、〔カ〕の犠打成立は、特別の記号で記入されるはずだ。〔ウ〕や〔エ〕も普通のスイングの場合とは区別されるものと思われる。

私は〔ア〕から〔オ〕の場合には、ボールカウントの左側に「B」を付記している。〔オ〕や〔キ〕のように、バントを試みたのに、犠打が成立しない場合が問題なのだ。たとえば無死一塁でピッチャー前の送りバント、1から6の送球で一塁走者が二塁に封殺されたとき、記録上は単純にピッチャーゴロになる。

あとでスコアを見たときに、強攻してピッチャーゴロだったのか、バントの結果がピッチャーゴロになったのか、私はその判別を必要としている。バントの打球がキャッチャーのファウルフライになったときも同様だ。

私の記入法では、〔ア〕と〔イ〕のケースでも、通常の見逃しストライクやボールとの区別が可能だ。この記入法は、比較的早く対応したので、すでに多くのサンプルを収集した。その成果は「カウント0−3でのバントの構え」で示した。

バントの構えをしたバッターが見逃してボールのときは「B・」になる。エンドランが「A」、バントは「B」を使っている関係で、バスターはアルファベット順にしたがって「C」を用いている。高校野球では、常にいったんバットを寝かせてからトップの位置に構える打者がいるので、困っている。

なお、この記入法をとる場合、バッターに注目するため、何か動きがあった場合は、当然のように投球への注意が薄まる。球種やコースとの両立は困難だと思われる。まあ、何を見て何を見ないかは、自己責任の世界であり、私は遠目でも観察できるバッター優先としているだけだ。

ピッチドアウト

「ピッチドアウト」の投球のときは「W・」を用いている。「P」は「B」と誤解しそうだし、「O」を使うと「C」と間違いやすいので、ウエストボールのつもりで「W」を採用した。

なお、私は「ピッチドアウト」と「ウエストボール」を次のように使い分けているつもりだが、それが正しい理解であるかは定かではない(当サイトではこの理解で通している)。

ピッチドアウトとウエストボール
ピッチドアウト pitch out 盗塁阻止やピックオフなど、キャッチャーからの
送球を容易にするため、外にはずす投球
ウエストボール waste pitch 追い込んだあと、ボール球を振らせようとする
意図を持つ高めへの投球

スコアをつけ始めた当初は、「ピッチドアウト」と「ウエストボール」を一緒くたにして理解していたので、「W」になった。今の私が理解する範囲の「ウエストボール」のときは、昔から「W」は記入していない。

つまり、外にはずしたときが「W」の対象になる。意図したものなのか、たまたま外れたのか、判然としないケースもあるが、キャッチャーがボックスの外で立ち上がって捕球して、なおかつ状況からしてはずす必然性があった場合は「W」をつけている。

迷惑するのは、「ピッチドアウト」のはずなのに、バットの届く範囲に投げてしまうピッチャーがいることだ。まあ、意図が感じられた場合は「W」をつけている。

スクイズのときにバッテリーが「ピッチドアウト」して、打者が無理やり飛びついてファウルという場合は「WABV」になる。まるでボクシングの新団体のようだ。このように横に広がることがあるので、あらかじめスコアカードのボールカウント欄は幅を持たせてつくっておいた。

この記入法によって、「故意四球」と記録されない敬遠気味の四球を不完全ながらも表現できることになる。要するに、記録上の「故意四球」は、四球目の投球のときに投手の投球前に捕手が立ちあがっているときに記録されるものだから、リリースの時点で捕手が座っていたら、「故意四球」にはならない。

私の「W」は、投球時に立っていなくても捕球時に立ちあがっていればOKということにしている。判定基準が「故意四球」よりも緩やかなので、記録上は普通の「四球」なのに、「W」がついていることもある。なお、「故意四球」については、「」を180度回転させている。

牽制球

通常、牽制球が記録として残されることはない。牽制悪送球で走者が進塁するか、または進塁を試みてアウトになれば話は別だろうが、牽制球は無視されるのが通例だ。とはいえ、投手が牽制球を投げたとき、つい右手が反応してしまった経験を持つ人も多いと思われる。

94年にブルーウェーブからタイガースに移籍したサウスポーの古溝克之(のちにF、99年引退)は、牽制球を2球続けて投げないピッチャーだったそうだ。そのデータをつかんでいた当時スワローズの野村監督は、古溝が牽制球を投げた直後に走者を走らせて、まんまと成功したという話がある。

真偽のほどは必ずしも定かではないけれども、そういうピッチャーはたしかにいる。それなら、牽制球を書き込む実益もある。牽制球を記入するようになったのは97年秋だ。偽投のケースや目で牽制したときは、いちいち記入していない。やはり外見で判断するしかないので、実際に牽制球を投げたときだけを対象にしている。

なお、複数の走者がいるときはどの塁に投げたか、また、二塁牽制のときには二遊間のどちらがカバーに入ったか、も記入している。もちろん、ピッチャーからの牽制球だけでなく、キャッチャーからの牽制球も区別して記入している。

対応できないケースもある。走者一・二塁でピッチドアウト、バントシフトの一塁手はダッシュ、一塁ベースに入った二塁手にキャッチャーが牽制球を投げるというピックオフプレイだ(一塁はセーフの場合)。

私の記入法では、打者がバントの構えで見送れば、「WB・−4」と書くことになるが、これでは二塁牽制と間違ってしまいかねない。「PO〜3がダッシュ、4が1BでCけん制」という具合にメモで対応するしかない。

このように、牽制球やエンドランなどに細かく対応しているのは、一塁に出た走者をどうやって二塁あるいは三塁に進めるのか(あるいは防ぐのか)というところに私の関心があるからだ。サイト名が「セットポジション」になったのもそういう理由だ。

打球の方向

三遊間をゴロで抜けるヒットに対して、「56」を利用する人と「7」で済ませる人とがあるだろうと思われる。私は後者を採用している。同様に、セカンドオーバーでライトの前に落ちるヒットに対しては、「4」ではなく実際に打球を処理した「9」を使っている。つまり、内野手と外野手との関係では、内野手を無視することになる。

一方、左中間のフライに対して、レフトがダイビングキャッチを試みたものの捕球できず、フェンスに転々とするボールをセンターがフォローした場合、私は「7」と「8」を併記している。

「7」は下に大きく、「8」はその上に小さく記入している。打球の方向としてはレフト(の右)で、実際に打球を処理したのはセンターだとわかるようにしている。結局、外野手間の扱いは並列になる。

プロ野球では、いわゆる「王シフト」のような特殊なシフトがある。「6−4−3」の併殺と思ったら、実は「5−6−3」だったという苦い思い出もある。このような特殊なシフトに対しては、今のところ対応していない。

外野が全体に右寄りのシフトだったとき、セカンドベースのやや左をゴロで抜けたヒットに対して、レフトが処理したことがあった。レフトの右へのヒットということにしかならない。打球の方向をきちんと示すには、専用のシートを別に用意するしかないと思われる。

なお、テキサスヒットについては、周辺当事者全員を記入して、実際に打球を処理した野手の番号を大きめに書くことで対応している。また、私は、外野手がウォーニング・ゾーンで処理したフライは、通常の外野フライと区別している。外野フェンス直撃のヒットについても、専用の記号を用いている。

内野安打

たとえばショート内野安打の場合、「一般式」なら、ヒットの「」右下に半円がつく。私も95年までそのように書いていた。ただ、よくよく考えてみると、打球を処理した野手のシート番号を記入している以上、わざわざ半円を加える必要はないと思われる。

もちろん、三遊間を破ったヒットを「56」で記載するなら、混同を避けるために内野安打の半円は必要だろう。私のように「7」を使っているなら、半円などなくても、シート番号で内野安打であることが示されている。それなら、二度手間になるようなことを書く必要はないだろうから、今は記入していない。

そもそも内野安打と外野に飛んだヒットとを区別して集計することなど、通常はあり得ない。たしかに、イチローのように内野安打が多い選手もいるだろうが、それはシート番号でもわかることだ。あるいは、私の気づかないところで、あの半円は役に立っているのかもしれないが、今のところ、半円がなくても私には何の不都合もない。

むしろ、内野安打で必要な情報は、内野安打になった理由のように思えるので、半円を書かなくなった96年から、そちらに対応した。ボテボテだったのか、イレギュラーだったのか、高く弾んだのか、いわゆる強襲安打か、もともと守備範囲ぎりぎりの打球でむしろ野手がよく追いついたのか、の区別だ。

▲スワローズのスコアカードに「打球の当たりのよしあし」も記入対象になっているそうです。余裕があるなら採用する価値がありそうです。

宇佐美徹也監修 『野球スコアと記録のつけ方』 (成美堂出版、170ページ)

特徴的な例を一つ上げれば、打球の“当たりの善し悪し”をチェックしているところ。A(よい)、B(普通)、C(悪い)に、T(詰まり)、H(引っかけ)、O(およぎ)まで加える。同じ安打でも、どんな当たりだったのか、タイミングはあっていたのかどうか、ということによって、分析は異なってくるからだ

刺殺、補殺

5−4−3の併殺の場合、私は二塁に封殺された走者のところに「5−4」、併殺打を打った打者には「5−4−3」を記載している。一般的には、後者にカッコが付されて「(5−)4−3」となるのだろうが、私は刺殺や補殺を集計するつもりはないので、このカッコは省略する。

また、打者の欄を「4−3」だけにすると、打球の方向が把握できなくなるため、二度手間だとは思いながら、「5−4」と「5−4−3」を重複記載している。

挟殺プレイでは、そのプレイに参加したすべての野手に補殺または刺殺が記録されるので、本来はボールを追うべきだ。私は複数の走者がいるときは挟撃されていない走者を見ることが多いため、必ずしも野手には固執しない。

刺殺・補殺にこだわって、ボールの行方を気にするより、挟撃されていない走者のスタートの判断を楽しむことのほうが、野球ファンとしては王道のように思えるからだ。私は【1】ではなく、【3】なのだ。

もっとも、挟殺プレイ中に生じたミスプレイに対するジャッジができなくなるため、このやり方はスコアラーとしては邪道である。いずれにせよ、複数の野手・走者を同時に見ることはできないわけで、どちらを優先するかは難しい問題になる。

二死一・二塁で左中間二塁打のケースで、私は二塁打を打った打者(のちにTの的場)を見ていたことがあった。中継に入ったショート(のちにGの二岡)からのバックホームで一塁走者はアウトになった。そのとき、二塁を回った的場は、二塁手の足につまずいて転倒した。

審判の協議の結果、オブストラクションは認められなかった。こういう場面で、ボールを処理する野手でもなく、本塁を突く先行走者でもなく、二塁を見ている私はスコアラーとしては明らかに邪道だろう。スコアをつけていない人のなかでも、二塁を見るのは少数派に属するはずだ。

その場面では一塁走者が同点の走者だった。的場がセカンドをオーバーランして二・三塁間で挟まれれば、結果的にアウトになっても、同点のホームインが成立する可能性は高くなる。そういうプレイを期待していたので、接触と転倒の一部始終がたまたま目に入っただけのことだ。

それがオブストラクションに該当するのかどうか、私は判断する立場にはない。アンパイアがもし見ていなかったのだとしたら、そんなプレイはもともとなかったことになるだろう。

なお、インフィールドフライ(INFIELD FLY)を通常のフライと区別する記入法もあるようだが、インターフェアランス(INTERFERENCE)と同じ「IF」になって混乱しかねないし、とくに区別する実益もないので、私は通常のフライと同じように記入している。落球の場合にメモを残すのは当然のことだ。

アウト

野手がベースタッチしてアウトをとった場合と、走者(打者走者)に直接タッチしてアウトにした場合との区別もしている。当初はフォースアウトとタッチアウトの区別のつもりだった。一塁前のバントで一塁手が打者にタッチすれば「3+」だ。

たとえばエンドランの場面で打者がフライを打ち上げて、走者が元の塁に戻れなかったような場合、見かけ上はフォースアウトのようでも、ルール上はファースアウトではない。だから、あくまでも刺殺を記録される野手が、ベースに触れたのか、(打者)走者に触れたのか、の区別をしていることになる。

同じサードゴロ一塁アウトでも、ベースに触れている一塁手が送球を受けた場合は「5−3」、送球がホーム寄りにそれて走ってくる打者にタッチした場合は「5+3」となる。意図せぬ副産物だったが、内野ゴロ一塁送球の不安定さを示すことができるようだ。

そこで、これに便乗して、一塁への送球がワンバウンドになった場合には、アウト・セーフに関わりなく、「−」または「+」の下に「・」を付記している。したがって、ある三塁手(女子軟式)の一塁送球が常にワンバウンド送球であることが私のスコアからは読み取ることができる。

また、一塁手がジャンプしなければならないような送球に対しては、「−」または「+」の上に「・」を付記している。こちらも、アウト・セーフには関係なく、一塁手が捕球の際にジャンプしたか/ジャンプしなかったかを基準にしている。

悪送球になって打者を生かしたときに、送球のそれた方向を記入するやり方はあるが、私の場合は、アウトがとれたときのプレイを、安心できるものとヒヤリとしたものとに区別することになる。ただし、左右への悪送球には対応していない。

アウトカウント

05年の途中から、アウトカウントの「I」「II」「III」を書かないことに決めた。私はインプレイの打球でもボールカウント欄に記入しているので、先頭打者が初球を打ってセカンドフライに倒れた場合、ボールカウント欄、中央のマス、一塁のマスの3カ所に記入することになる。人より1カ所多いのだ。

打者アウトの場合には、本来は一塁のマスに書くべきものを中央のマスに記入して、アウトカウントを省略している。なぜ、そうしたかというと、前の試合のスコアカードに記入漏れが見つかったからだ。アウトカウントの「III」だけ記入してあって、何が原因でアウトになったのかが記入されていなかったのだ。

簡易な記入法としてアウトカウントを省略する人がいるのは前から知っていたので、記入時の負担を減らす方向で採用した。今のところ、とくに支障はない。ときどき昔の習慣が出て、内野フライで打者アウトなのに、中央のマス目ではなく一塁のマス目に書いてしまうことはある。とても不細工だ。

▲ローマ数字はいわゆる「機種依存文字」です。「III」は全角大文字の「I(アイ)」を重ねているだけですので、ユーザースタイルシートを等幅フォントで指定してご覧になっている場合、文字どおり間の抜けたものになります。まあ、ほとんどいらっしゃらないでしょうが、念のため。

盗塁

二盗失敗の場合、「CS」などで処理する人と「2−4」あるいは「2−6」で処理する人とに分かれるようだ。もちろん、私は後者だ。タッチプレイなので、私の場合は「2+4」または「2+6」になる。

それだけでは物足りないので、二盗成功のケースでも、ベースカバーに入ったのがセカンドだったのか、ショートだったのか、それとも送球がなかったのか、あるいは一・三塁からの二盗でピッチャーがカットしたのか、の区別もしている。「」の字を工夫するだけのことだ。

セカンドカバーの野手

左から、カバーがセカンドの場合、ショートの場合、一・三塁のときの二盗でピッチャーがカットした場合に対応する。われながら、なかなかいいアイデアだと思っている。なお、いわゆる「守備側無関心」の進塁については、Sに○をつけて区別している。

三振

「SO」を空振り三振、「K」を見逃し三振とする使い分けもあるようだが、私の場合はボールカウント欄で空振りか見逃しかの区別ができるので、どちらの場合でも三振は「」を使っている。三振数を数えるとき、「SO」と「K」の両方を数えていくのは面倒なだけでなく、カウントミスが生じやすいように思える。

振り逃げを試みた打者が一塁でアウトになったときは、「-3」としている。以前は「2−3」だったが、どうせ「2」はわかりきっているので、最近は横着している。まあ、ピッチャーが拾って一塁送球なら「1-3」と書くことになるだろう。

スリーバント失敗の場合は、ボールカウント欄で「BV」となるが、習慣的に「3」を用いている。SO社のスコアブックの「記入法説明」にそう書いてあるので、いまだに継承しているわけだ。内野安打のときの半円と同じように二度手間だと思っているが、どうせスリーバント失敗ならボールデッドだから、「3」を書くぐらいの余裕はある。

ファインプレイ

これはもう、主観以外の何ものでもない。守備のファインプレイに対しては、シート番号の左下に小さな「○」をつけている。ダイビング・キャッチなら「D」、ジャンピング・キャッチなら「J」、ランニング・キャッチのときは「R」をつけることもある。

守備は悪い記録は残っても、いい記録は残らない。評価されにくいものは、たとえ独善的であろうと、積極的に評価したいと思っている。

監督がマウンドに行ったとき

これを記入するようになった理由は2つある。1つは、どのような状況のときに、監督またはコーチはマウンドに行くのか集計したかった。2つ目に、その直後の打率等に顕著な差異があるかどうかを調べたかった。

97年から記入しているが、最近ではマウンドに行った監督またはコーチの背番号も付記している。以前は監督だったのに、最近ではコーチに任せている大学のチームがあるからだ。こういう変化は誰も記録に残してくれないはずだ。

右と左

打者と投手の左右の別はもちろん書いている。当初は、選手名鑑やパンフを見て、試合前に記入するというズボラなことをやっていた。やがて選手名鑑やパンフの記載とは異なる選手がいることに気づいた。とくに「両打」と記載されている選手は、必ずしも右投手に対して左打席、左投手に対して右打席に入るとは限らない。

今では、打者については1打席ごとに記入するようにしている。オリジナルのスコアカードをつくるとき、打席ごとの記入欄を設けようかとも考えたが、ボールカウントの欄が狭くなってしまうのを警戒して、実現には至らなかった。

プロ野球に関しては、対右投手の打率とか、対左打者の被打率とか、比較的詳細なデータがあるが、アマではまず出てこない。そこで、高校野球について「左打者は左投手が苦手だろうか?」というページを作成してある。

野手が右投げか左投げかは、長い間記録していなかった。00年から一塁手だけ書くようになった。スタメンはともかく、途中で選手の交代があると忘れていたりする。一塁手を除く内野手と捕手は、ほとんど例外なく右投げなので、全員を記入するのは面倒だ。

一塁手と外野手は、右投げだったり左投げだったりする。ただ、外野手の場合には、右でも左でもプレイにはあまり影響ない。これに対して一塁手は、外野からのカットプレイやライン際のライナー性の打球処理では右投げが有利で、バント処理では一般的に左投げが有利だ。

プレイに影響を与える要素はやはり記入しておくべきだろうと思って、一塁手のみ記載するようになった。その後(03年6月から)、全選手について記入している。

▲02年5月、高校野球の関東大会で先発した背番号10の左投手が一時的に三塁の守備についた試合を見ました。打球を処理する機会はありませんでしたが、左投げの三塁手を見たのはたぶん初めてのことだと思われます。「たぶん」では納得できないという人は、書いておくべきでしょう。
▲03年の女子軟式野球の全国大会では左投げのセカンドの選手がいました。

投手の軸足の位置、投球姿勢

ピッチャーがプレートのどちら側を踏んで投げるかチェックするようになったのは00年からだ。双眼鏡を使っても投手プレートがはっきり見えないことがあるのがやっかいだ。それに、一塁側を踏んだり三塁側を踏んだりする投手に対して、1球ごとに書くわけにはいかないという問題がある。

02年からは、走者がいないときの投球姿勢・投球動作が、ワインドアップか、ノーワインドアップか、セットポジションかを記入するようになった。スリークォーターとサイドで投げ分ける投手もいるように、ワインドアップとノーワインドアップを混ぜる投手もいる。

これらのすべてを1球ごとに書けるはずがない。基本的には、初回の投球練習時に書き込んで、先頭打者のときに確認することにしている。それ以外は気づいたときに必要だと思えばメモを残す程度だ。私は【2】の目的ではないので、それでも十分だ。

ベンチサイド、三塁コーチの位置

アマチュア野球のトーナメント大会の場合、ベンチサイドと先攻・後攻が対応しているわけではない。そこで、私のスコアカードには、あらかじめベンチサイドを記載する欄が設けてある。

一塁側の次打者席の選手は、その位置関係からして、本塁クロスプレイのときには、自動的に本塁ベースコーチになれる。走者三塁でワイルドピッチや本盗のケースは、三塁側次打者席では指示しきれないから、一塁側のほうが(ほんの少しだけ)有利なのではないかと思わなくもないからだ。

まあ、勝敗に影響を及ぼすような大げさな話ではないだろうけれども、試合前に「1」と「3」を書くだけで済む。手間はたいしてかからない。先攻・後攻別の勝率は、私でなくても集計したくなるだろうが、ベンチサイド別の勝率は誰も検証したことがないだろう。いずれはやりたいものだと思っている。

また、01年から、三塁コーチがボックスのどこに立っているか、走者の状況に応じてフォローしている。ある大学の三塁コーチが、走者が二塁に進んでも、ボックスの外野寄りにいることに気づいたのがきっかけだ。高校野球ではベースコーチが固定していないことが多いので、大学と社会人に限定している。

私のスコアカードは、先攻チームの側にイニングスコアや日付の欄を設けて、後攻チームの側にメモ欄をつくっている。三塁コーチのポジションどりは、メモ欄の余白を使うため、後攻チームのみを対象にしている。チームによっては、その位置だけで作戦が見えてくることもあるようだ(思い込みかもしれない)。

挫折経験

昔から悩んでいたのが守備位置だった。次のような方針を定めたこともあった。が、結論から言えば数カ月で挫折した。

〔A〕無死または一死で走者一・三塁か満塁の場合
〔B〕内野が前進守備かそうでないかを記載する

目的を明確にしないと、とても対処しきれないとわかっている。全部の打者について、やろうとするのは無理なので、〔A〕の状況に限定することにした。とりあえず、私の問題意識としては、バックホーム態勢かゲッツー狙いかによって、ヒットの割合や得点の分布がどう違ってくるのかという集計がしたい。

この場合の内野のシフトは、〔B1〕走者がいないときより浅めで二塁と一塁のゲッツー狙い、〔B2〕前進守備でバックホーム、〔B3〕二股かける、のいずれかになると思われる。しかしながら、〔B3〕の中間守備には、〔B1〕にウエイトがある場合と、原則〔B2〕の場合とがあるだろうし、判別しづらい。

外見上で簡便に判断するために、二塁手と遊撃手の両者が明らかにダイヤモンドのかなり内側にいて、二塁のベースカバーを意識していないと思われるケースを前進守備として、バックームの「」を付記し、それ以外はッツーへの意識があるとみなして「」を付記することにした。

球種やコースまでは対応できないと思っているが、せめて速球と変化球の区別はしたいという意欲はある。スコアボードに球速(後述)が表示されるときは、忘れなければそのイニングのMAXを書き込んでいる。これはプロ中心で見ていた頃のなごりだ。今では球速表示はほとんど無視している。

挫折体験としては、守備側が「4−6−3」のダブルプレイを試みたとき(併殺の成立・不成立を問わない)、ショートのベースタッチが右足か左足か、というのもある。右足でベースタッチすれば、一連の動作で左足を踏み出すことになる。

したがって、右足のほうが併殺成立の割合が高いのではないか、というテーマのつもりだった。これを漏れなくチェックするのは容易なことではなく、1カ月ほどであえなく断念した。2度とやる気はない。

スコア管理ソフトについて

たしか94年か95年頃だったと思う(まだ私がパソコンを使っていない頃の話だ)。スコア管理ソフトの雑誌広告を見て、資料を取り寄せたことがある。

  1. まあ、当時は牽制球こそ入れていなかったが、エンドランのファウルやバスターは区別していた。これらを含めて対応できるソフトがあるなら考慮に値するだろう。
  2. 当時のノートパソコンの連続使用時間は6時間か8時間だった。予備のバッテリーを用意すればいいとしても、その程度では、試合の途中であたふたすることになりかねない。
  3. 野球場は雨も降るし、直射日光も浴びるし、砂埃もかぶる。パソコンの使用環境として適さないことは明白だ。机のある記者席で使うにはまだいいとしても、ひざの上に長時間置けるものでもない。
  4. 突然のフリーズのために、予備のスコアカードを必要とするなら、無理にパソコンに頼る必要はない。

このような理由で採用は見送った。最近はPDA用のソフトも出ているようだ。PDAならパソコンよりいい。だが、私はたぶん今後も手書きだろう。間違って削除してしまったときのことを考えると、身の毛がよだつからだ。

▲PDA利用のN氏と一緒に野球観戦したことが数回ありますが、投球数どころか「ボールの比率」が、ワンタッチ(?)で出てくるあたり、ちょっとうらやましくなります。ただ、ノートパソコンより小さいとはいえ、いつも持ち歩くとなると、いささか抵抗を感じますが…。

◇元日本最速・伊良部の158キロ

球速表示は欄外に記入している。スコアカードの下のほうには、そのイニングの得点やヒット数を書き込む欄がある。その下の欄外の余白を利用しているわけだ。全球記入ではない。球速表示を見ても、いちいち記入していたら身が持たないので、そのイニングのMAXを残すことにしている。

93/05/03(西武) パシフィックリーグL対M5回戦 13:01〜16:08
マリーンズ 000 000 000 =0 ●前田−伊良部
ライオンズ 001 101 02X =5 ○石井丈

私のスコアブックには、初回表の欄外に次のような記載が残っている。

143(1-3)
144(3-1)

ライオンズの先発・石井丈裕は初回先頭打者の堀幸一の3球目に143キロを出した。3番打者のマックス・ベナブルに対する初球は144キロだった。おおむね先頭打者に対するMAXをおさえておいて、あとはそれを超えたときに書き加えていくということになる。

今では、少し簡略化して、次のように記載にしている。

43、1-3
44、3-1

さて、上の試合の8回裏は、「そのイニングのMAXを記録しておく」という原則を度外視して、全球記入にした。それだけの価値があると思われたからだ。石井は8回表を三者凡退に封じた。この日の石井なら、3点差はセーフティ・リードだ。勝敗への興味はほとんど失われていた。

三塁側のブルペンで伊良部秀輝が投げていることに私は気づいていた。マリーンズのピッチャー交代の場内アナウンスを聞いて、私がニンマリしたことは言うまでもない。伊良部は8回裏のマウンドに上がった。

158キロが当時の日本最速になることは知っていた。なぜなら、たった2日前に東京ドームで木田優夫の156キロ(高めのクソボール)を見たばかりだったからだ。157キロが日本記録なのだという新鮮な予備知識を私は備えていたのだ。

無死(なし) 清原      151 見逃し (1−0)           
               156 ファウル(2−0)           
               158 ファウル(2−0)           
               158 ファウル(2−0)           
               154 ファウル(2−0)           
               116 ボール (2−1)           
               157 中越二塁打               
無死2塁   鈴木健     153 左前打                 
無死1・3塁 トレンティーノ 149 ファウル(1−0)  一走とのエンドラン
               151 ファウル(2−0)           
               116 ボール (2−1)           
               148 セカンドゴロ     鈴木二封、清原生還
1死1塁   笘篠      ??? ボール (0−1)           
               147 見逃し (1−1)           
               149 ファウル(2−1)           
               151 ボール (2−2)  代走・羽生田が二盗
1死2塁           155 ファウル(2−2)  エンドラン    
               137 ボール (2−3)  パスボールで三進 
1死3塁           152 ファウル(2−3)           
               151 センター犠牲フライ  羽生田生還    
2死(なし) 伊東      133 見逃し (1−0)           
               135 空振り (2−0)           
               157 ボール (2−1)           
               137 空振り三振               

110キロ台はカーブ、130キロ台はスライダーだと思われる。笘篠までの4人の打者に対しては、変化球でストライクがとれていない。ファウルで次第にタイミングを合わされて、結局は外野に運ばれてしまう、速いだけが取り柄の頃の伊良部だった。

▲その後、02年7月29日にブルーウェーブの山口和男がグリーンスタジアム神戸の対H戦(打者松中)で、04年6月3日にスワローズの五十嵐亮太が甲子園球場の対T戦(打者今岡)で、158キロをマークしています。05年以降さらに更新されましたが…。


◆人によっては、守備位置、球速(全球)、キャッチャーが構えたミットの位置、打者のスタンスや打席での位置、自打球、バットが折れたとき、牽制球のふり、なども記入対象になっているようです。

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野球に関するよくある質問とその答
 インフィールドフライ、出塁率の計算式、勝利投手の決め方など、記録に関する一般的な疑問をお持ちの方におすすめします。こことほかのサイトとの間に矛盾が生じているようなら、多くの場合、こちらが正しいはずです。ただ、あくまでも日本のプロ野球においてはこのように処理されているとの記述がなされているものであると私は理解しています。アマチュアの各団体は独自の論理を備えているのかもしれませんし、そんなものはないかもしれません。(01/10/27通知済)
草野球のためのスコアブックのつけ方
 野球の場合、もともと組織自体が分立していますので、統一的なスコアの記入法もありません。これまで見た中ではもっとも充実しています。私とは異なる部分も少なくありませんが、人それぞれですから、スコアを利用する人が読みやすく、記入する人がつけやすければ、その範囲では支障はないわけです。(00/11/14通知済)
The Baseball ScorecardKeeping ScoreScoring
 アメリカ式?の記入法です。英文に自信のある方はTOPページから、そうでない方は「Scoring」をクリックして雰囲気だけどうぞ。「翻訳の王様」はいつも笑えます。(P未通知、03/4/23設定)
おおさかソフトボールの公式記録
 ソフトボールは協会が一本化されていますので、地域や年齢による記入法の差異はないと思われます。野球とソフトはルール自体が微妙に異なりますので、ソフトに関してはこちらをどうぞ。(02/06/12許諾済)

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◆「書庫・東雲」に「野球スコアブックのつけ方」「野球スコアのつけ方」のエントリーがあります。

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