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オリジナルのスコアカード | 先頭打者 | カウント0−3でのバントの構え

先頭打者を打ちとれ!

01/01/23作成
13/12/14更新

◆集計対象期間が1990年代半ばですのでご注意ください。当時は高校だけでなく社会人も金属バットを使用していました。社会人は02年から原則として木のバット、高校では01年秋から新規格の金属バットが使われています。


先頭打者の「出塁」は9イニング中3回強

イニングの先頭打者がアウトになるか塁に出るかは、そのイニングの得点にどの程度の影響を与えるだろうか。先頭打者が出塁したイニングのほうが出塁しなかったイニングより得点の可能性は大きいはずだ。そんなことはサルでもわかる(無理か?)。私が知りたいのは、2倍なのか3倍なのか、その中身なのだ。

プロ、社会人、大学、高校の分野ごとに集計を試みた。集計対象にしたのは93年以降に私が見た試合であり、それぞれ1800イニングに達するまで集計を続けた(おおむね98年まで)。イニングの先頭打者の出塁状況は次のとおりだった。

▼たとえば、レフト線へのヒットで打者走者が二塁を欲張ってアウトになった場合、記録上はシングルヒットと走塁死ですが、ここでは「アウト」にカウントしています。
▼ワンヒット・ワンエラーで二塁に進んだときは「二塁」でカウントしました。要するに、記録には関係なく、投手が次打者を迎えたときに走者がどの塁にいたかで判断しています。なお、次打者の初球前に一塁走者が牽制でアウトになったケースでは「一塁」でカウントしています。
▼「出塁/9回」は、先頭打者の出塁が9イニング当たり何回になるかを示します。この場合の「出塁」は記録上の「出塁」とは異なり、エラーや振り逃げによる場合も含みます。

先頭打者の出塁状況
種別 アウト
(一死無走者)
一塁
(無死一塁)
二塁
(無死二塁)
三塁
(無死三塁)
本塁
(無死無走者)
アウトの割合 出塁/9回
プロ 1157 488 87 59 64.3% 3.22回
社会人 1100 543 94 55 61.1% 3.50回
大学 1178 518 72 15 17 65.4% 3.11回
高校 1151 542 71 21 15 63.9% 3.25回
合計 4586 2091 324 53 146 63.7% 3.27回

プロの場合、1800人の先頭打者のうち1157人がアウトになった。したがって、「アウトの割合」(百分率)を求める計算式は、1157÷1800×100であり、64.3%となる。

先頭打者が塁に出るのが9イニング当たり何イニングあるかを算出するには、サンプル数の1800からアウトの数を引いて200(9分の1800を約分)で割ればいいから、プロの場合は、(1800−1157)÷200で、3.22回となる。

つまり、平均的な試合では、9イニングのうち3回は先頭打者が何らかの形で塁に生きているわけだ。

先頭打者が塁に出たときと出ないとき…得点したイニングの比較

続いて、出塁状況別に得点イニングの割合を見てみよう。

▼「出塁」には、イニングの先頭打者がホームランの場合も含みます。
▼「a×9」は、先頭打者アウトが9イニング続いたと仮定したときの得点イニングの回数です。
▼「b×9」は、先頭打者が9イニングとも一塁に出たと仮定したときの得点イニングの回数です。

得点イニングの割合
種別 アウト(A) 一塁(B) 二塁 三塁 出塁 a×9 b×9
プロ 15.0% 42.8% 63.2% 88.9% 51.5% 1.35回 3.85回
社会人 21.5% 48.4% 70.2% 87.5% 55.9% 1.94回 4.36回
大学 11.0% 38.2% 61.1% 73.3% 43.4% 0.99回 3.44回
高校 15.0% 44.5% 57.7% 90.5% 48.7% 1.35回 4.00回
合計 15.6% 43.5% 63.0% 85.0% 49.9%

プロの場合、先頭打者がアウトになった1157イニングのうち得点が入ったのは173イニングだった。したがって、先頭打者アウトのときの得点イニングの割合(百分率)は、173÷1157×100で求められるから、14.952%(小数点2位を四捨五入して15.0%)となる。

この数値は、先頭打者が一塁に生きた場合には42.8%に跳ね上がる。これはそのイニングでの「得点の期待」率であり、「失点の覚悟」率でもある。先頭打者への不用意な四球がどれほど愚かしいことなのか、しみじみわかる数値でもある。

大学では、先頭打者アウトのときの得点イニングの割合が11.0%だ。かりに、先頭打者が9イニングともアウトになったとしよう。この場合の得点イニングの回数は、0.11×9で算出できる。0.99回だ。

つまり、ロースコアの多い大学野球では、先頭打者が9イニングともアウトなら、得点が期待できるのは1イニングしかないということになる。一方、ハイスコアが当たり前の社会人では、同じように先頭打者が9イニングともアウトになっても、9回のうち2回は得点できる計算になる。やはり、社会人での9回完封は難しいことなのだ。

▲社会人野球では、02年から原則として金属バットの使用が認められなくなりました。今でも「ハイスコアが当たり前」というわけではありません。

先頭打者の出塁状況別平均得点

さて、ここまではそのイニングでの得点の有無だけを問題にしてきた。実際に得点が入るときは常に1点とは限らない。大学野球の場合、9イニングとも先頭打者が倒れれば1イニングしか得点は期待できないことになるが、その1イニングが5点入ったビッグイニングになるかもしれないのだ。

そう考えるなら、念のために出塁状況別の平均得点も示しておくべきだろう。

平均得点
種別 アウト
(一死無走者)
一塁
(無死一塁)
二塁
(無死二塁)
三塁
(無死三塁)
本塁
(無死無走者)
プロ 0.27点 0.96点 1.10点 1.33点 1.59点
社会人 0.39点 1.08点 1.49点 1.88点 1.58点
大学 0.19点 0.73点 1.22点 1.20点 1.35点
高校 0.25点 0.85点 1.25点 1.24点 1.60点
合計 0.28点 0.91点 1.27点 1.41点 1.53点

先頭打者アウトの場合の平均得点は、プロ0.27点、社会人0.39点、大学0.19点、高校0.25点に過ぎないが、先頭打者が一塁に出たときの平均得点は0.96点、1.08点、0.73点、0.85点にふくらむ。

先頭打者を出すか出さないか、あるいは先頭打者を打ちとるのか塁に生かすのか、その比重の大きさを改めて感じさせてくれる数字ではないだろうか。

得点の分布…高校野球では1点だけのイニングが多い

ついでに、1イニングに何点入ったか、得点の分布も表にしてみよう。

▼「Aの割合」は、得点イニングに占める1点だけ入ったイニングの割合です。分子はAですが、分母は(A+B+C+D+E+F)または(1800−G)になります。

得点の分布
種別 0点
(G)
1点
(A)
2点
(B)
3点
(C)
4点
(D)
5点
(E)
6点以上
(F)
Aの割合
(分母は1800−G)
プロ 1296 246 136 64 36 11 11 48.8%
社会人 1173 314 170 69 30 19 25 50.1%
大学 1400 209 107 47 24 10 52.3%
高校 1311 276 115 52 23 12 11 56.4%
合計 5180 1045 528 232 113 52 50

社会人野球では、1イニング6点以上のビッグイニングが1800イニングのうち25回もある。約分すれば、72イニングに1回だ。ほぼ4試合に1回の頻度になる(72÷18=4となるが、いつも18イニングとは限らないので、「ちょうど」ではなく「ほぼ」である)。

この表で興味深いのは、なんと言っても「Aの割合」だ。これは分母をAからFの合計として(1800ではない)、分子をAとして算出したものだ。つまり、総得点イニングに占める1点だけ入ったイニングの割合である。高校野球では、得点が入るときは1点だけで終わることが多い(56.4%)。

堅実にあるいはチマチマと1点をとりにいく高校野球の姿が、この数字で裏付けられているような気もする。まあ、好き嫌いはあるだろうが、もともと長打力に欠けるからビッグイニングはなかなか難しいし、トーナメント大会だから1点ずつ着実に積み重ねるほうが賢明でもある。


◆本文中でも触れましたが、サンプルは「93年以降に私が見た試合」ですので、偏りがあります。とくに高校や大学はどのレベルでサンプルをとるかによって数字が変わってくるはずですが、大枠が崩れる心配はないと思われます。サンプルに関しては「観戦試合内訳」(高校大学社会人)等を参照してください。

◆女子軟式でも同じ集計をしてあります。→「女子軟式に関するいくつかのデータ」

外部リンクです。
高校野球マイナー情報局先頭打者出塁と得点の気になる関係
 01年センバツと選手権大会の計81試合に関するデータが示されていますので、合わせてご覧ください(F未通知、02/07/26設定)。

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