セットポジションスコア
送りバントの成功率 | いやな予感 | パーフェクト・スチール→ 

いやな予感がする

01/03/27作成
13/12/14更新

◆O氏は主に川崎球場でおこなわれていた首都大学リーグの試合に出没していましたが、東都や社会人野球でも見かけます。


42分で4回裏終了

神宮球場に着いたのは正午前だった。グラウンドでは一橋大と武蔵工大の3部と4部の入替戦が7回裏だった。10:00開始予定だったから、そんなところだろう。駅の近くで買った焼肉&ハンバーグ弁当を食べ終えても、まだ試合は終わってくれない。ちょっと時間を持て余したので、スタンドの観客を数えてみた。一橋大のチアリーダーを含めてちょうど100人だった。

2部と3部の入替戦が始まったのは12:37だ。序盤はシャカシャカ進んだ。4回裏終了時点で試合時間は42分だ。このペースが維持されれば、私にとっての最短試合時間(1時間31分=早東戦で過去2度ある。むろんコールドを除いた最短時間)が更新されるかもしれない。

まあ、1時間半は無理だとしても、2時間そこそこで終わるだろう。それは、とらぬタヌキのなんとやらだった。最短どころの話ではなかった。東都の規定いっぱい、15回まで延長戦が続いたからだ。当時の私は、大学野球での延長15回は未体験だった。

99/11/10(神宮)東都大学リーグ2部・3部入替戦2回戦 12:37〜16:24
                                          数安点
(6)高 橋2R  遊飛  四球    三ゴ三振中飛  左飛  四球    三失  600
(9)本 田4R  遊安    中飛  左安中安二飛  三ゴ  投ゴ    三振  830
(4) 林 2L  三振    三振  右安左安  四球  遊飛  遊ゴ  二ゴ  721
(3)橋 口3L  左飛    左飛  遊ゴ三安  三ギ  右3  左2      630
(5)柿 沢4R    右飛    右安四球三振  四球  四球  三ゴ      410
(7)長 尾3R    二ゴ    投ギ左安  二安右飛  一ゴ  右飛      622
(D)村 田3L    右飛    遊ゴ四球  投ギ四球  左飛    左飛    400
(8)大間知3R      三振  中安三振                    311
 H 中 村2R                二安                110
 8 加 藤4R                  遊ゴ    二ゴ  二ゴ    300
(2)窪 田3R      三ゴ  右飛  三振                  300
 H 水 野4R                四球                000
 2 守 田4L                    三振  三振  中飛    300
                                        54134
    順天堂大   0 0 0 0 1 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 =4
    拓 殖 大  0 0 0 0 0 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 =4
                                          数安点
(6)峰 岡1R  中飛  遊ゴ  中飛  投ゴ  中飛    遊ゴ  二ゴ    700
(4)浅 見4R  右安  三振    左2投ゴ    三振  二直  左飛    720
(8)高 田1L  二ゴ    一ゴ  四球遊飛    投ゴ            400
 H 梶 原3L                        三振        100
 8  湊 3L                              四球  000
(9)松 川4R  三飛    三振  三安  右飛  左安    遊ゴ  三振  720
(3)川 口4R    遊ゴ  死球  死球  遊飛  左安    左安      421
 R 石 井4−                                  000
 3 奥 原2−                                  000
 H 小 畠1L                              中2  110
 R 津 田3−                                  000
(7)木 下4L    右安    二失右安  二ゴ  一直    左安  中飛  731
(D)石 橋4R    右飛    中飛中2    右飛  右飛  三振      612
(2)紺 野4R    遊ゴ    左飛右飛    死球  遊直  遊ゴ      500
(5)井 口4R      三振                          100
 H 桜 井1L          左安                      110
 5 後 藤3R            遊ゴ    投ギ  遊ゴ    三ゴ    300
                                        54124
順大       回     打安振球責    盗 塁:本田(7表)、石井(13ウ)、木下(13ウ)
△羽鳥(4R)15     6012754   盗塁死:高橋2(3表、15表)、川口(4ウ)、湊(15ウ)
拓大       回     打安振球責    走塁死:木下(6ウ)、橋口(11表)
 三根(3R)5 2/3 246323     ボーク:J1(15ウ)
 古賀(3R)1 1/3 83411      失 策:J1(5ウ)、T2(6表、15表)
△青木(4R)8     344360     併 殺:J1(15ウ)、T1(15表)
                        残 塁:J17、T11

5回に順天堂大(以下「順大」)が先制したが、6回には拓殖大(以下「拓大」)が逆転、7回には順大が追いついた。同点で迎えた9回表の順大は3番打者・林からの打順だ。三塁側の順大応援席から「外野あ〜、空襲警報発令!」という、首都リーグを見に行く人にはおなじみの大声が飛び出した。

いい声だなあ

スポーツ新聞の「今日のスポーツ欄」にも載らないような2部・3部入替戦にまで出没するのだから、たいした情報収集力だ。いったい誰から聞いたのだろう。それにどういう理由があって順大サイドなのだろう。

そのおじさんは、私の仲間内では「川崎オヤジ」と呼ばれている名物おじさんだ。歳を感じさせないくらいに声がよく通る。「レッツゴー○○(選手名)、レッツゴー」とやったあと、絶妙の間を置いて「何度も言うようだけど、(ここでも少し間が入る)いい声だなあ」と自賛する。

社会人の試合で日本通運の攻撃中に相手チームの内野陣がマウンドに集まったときは、「こら、何をいつまでも相談してるんだ。なに、引っ越しはどこがいいかって? そんなのペリカン便に決まってるだろ」と来た。それでも「相談」が続くと、「俺は忙しいんだよ、さっさとやれ」とダメを押す。それだけ楽しんでいるのに忙しいはずがない。

このようにその場の思いつきではなく、パターン化されている。多くの場合、ツカミとオチの二段構えで攻めるのだ。ただ、川鉄水島のときは「なに、鉄はどこがいいかって? そんなの川鉄に決まってるだろ」だった。さすがにあまり受けなかった。

相手チームのミスにも手厳しい。チャンスに三振や凡打に倒れたり、バントを失敗したり、エラーをしたりすると「こんなとこで恥をかくよりも、早くベンチへ帰って(ここでも間が入る)背中でもかいてろ」があるからだ。変化球に腰が逃げて空振りすると、すかさず「今のスイング、ご隠居さんのハエたたき」とやる。

ラインぎりぎりの打球がファウルになったりすると「ラインが曲がってるだろ」とくる。「あんたが審判やってると、われわれファンは不安でならない」という駄洒落もある。相手チームがレフトフライを打ち上げたときには、「惜しい、惜しい。レフトがいなかったらヒットだよ、レフトがいなかったら」というのもあった。

野球は静かに見るもんだ

これだけうるさいと、相手チームを応援しているファンが応戦することもあるが、百戦錬磨には勝てない。「何をごちゃごちゃ言ってるんだ。少しはご近所の迷惑も考えなさい」に続けて「野球は(ここでも間が入る)静かに見るもんだ」で笑いをとるからだ。これは、相手チームのベンチからの通常のヤジに対しても使われる。

筑波大の杉本友(ブルーウェーブ→ベイスターズ)に対しては、「杉本、お前は頭がいいんだから、今度、分数教えてやれ」と言っていた。投球練習中だった杉本は、マウンドで右手を軽く上げてあしらっていた。 

O氏のオハコとも言える「いやな予感がする、やな予感がする」は、自分がひいきにするチームの攻撃中に飛び出す。「意識しろ。ピッチャー、意識しろ」と続けることもあるから、相手方バッテリーの動揺を誘うことを目的としているものと思われる。

まあ、そのあたりは直接聞いたわけではない。本当のところは、ただ自分が楽しんでいるだけだろう。「外野〜、空襲警報発令」も自分がひいきにしているチームの攻撃中のヤジだが、こちらはとくに動揺を与えるような言い回しではない。

もちろん、相手チーム外野手の注意を喚起する目的で発せられるわけでもない。打球がうまく外野手の頭を超えて「予言」が的中したりすると、「だから言っただろ…。俺の忠告と焼酎は(ここで間が入る)あとから効く」という具合に続くことになっている。

「川崎オヤジ」の十八番は「いやな予感がする、やな予感がする」なのだが、この場面では「大きいのを狙うな」で来た。パターンは決まっている。「大きいのを狙うな」のあと、しばらく間をあけて「三塁打でいい」と続けるはずだ。

大きいのを狙うな

違った。「ポテンヒットでいい」だった。ワンパターンを恐れたのかもしれない。初めて聞く人はきっとつまらなかっただろう。「大きいのを狙うな」と聞いて「シングルでいいんだから大振りするな」とイメージを膨らませたあとに「三塁打でいい」と続けてこそ、そのギャップに笑いがとれるのだ。

林は初球をバントの構えで見送った。2球目はヒッティングの構えでボール、3球目はまたバントの構えでボールだった。どうやら素直にアドバイスを受け入れたようだ?? 結局、林は四球で出て、順大は二死満塁まで攻め立てたものの、8回に続いて満塁の走者を残した。

10回裏、今度は拓大にチャンスが訪れた。ツーアウトから連打で一・二塁として、左の木下が2球目を叩いた。一塁線への痛烈なライナーだった。「抜けた」と私は思った。

二塁走者は悠々生還できるはずだ。これでサヨナラだと思ったのだが、一塁手の橋口がジャンプしたあと、打球は消えた。着地した橋口のファーストミットには木下の打球が納まっていた。一塁ベンチを飛び出しかけた拓大の選手が力なくずっこけた。

拍手に迎えられて三塁ベンチに帰った橋口は、続く11回表の一死後、打席に入る。2球目を打った。フェンス直撃の三塁打だったが、後続はなく勝ち越し点は入らなかった。

13回裏、拓大は二死二・三塁で紺野が三遊間寄りのショートゴロを打った。ショートから一塁に送球されるが、その間に三塁走者はホームを駆け抜けている。送球はワンバウンドだった。一塁を守っている橋口の足が離れたり、ボールが落ちたりしたら、それでサヨナラだ。

橋口はワンバウンド送球をすくい上げていた。やはり一塁手は長身の選手がいい。試合は延長15回で引き分けた。私はもっと見たかったのだが…。「2時間そこそこ」で終わるはずの試合は、3時間47分かかった。帰り道では、晩秋の太陽が沈みかけていた。

▲この延長15回は、当時の私にとっては、大学野球最長延長戦でしたが、わずか4日後に更新されました(「26イニング目の日没コールド」)。

踊る阿呆に見る阿呆

私はO氏と誘い合わせて同じ球場に出かけるわけではなく、たまたま偶然出くわすだけだ。座る場所も違う(もっともO氏の場合は、立っていることのほうが多いようだ)。だいいち面識はない。こっちは向こうを知っているが、向こうはこっちを知らないはずだ。

だから、「いやな予感がする」「外野〜、空襲警報発令」のときに、私がこっそりと(堂々と?)スコアカードにチェックを入れていることなど知らないだろう。

阿波踊りが「踊るアホウに見るアホウ」なら、かつての川崎球場における首都大学リーグの試合では「ヤジる阿呆にチェックする阿呆」がいたわけだ。誰にも気づかれることなく、ひっそりとそういうことがおこなわれていたのである。「あっちがあっちなら、こっちもこっちだ」と思ってもらえるなら、私としても光栄のきわみである。 

遠い昔のことだが、中学3年のとき、私は公民の教科書をもらったその日に読み終えた。4月末には最後のページまでマーカーが入っていた。5月以降、公民の授業ではとくにやることはない。クラス担任でもあった公民の先生の口癖は「だからして」だった。

私のノートには「正」の字が記されていった。先生が「だからして」と言うたびに1本ずつ増えていくのだ。あまり頼りにはならないけれども、当時の記憶を呼び起こすと、最多記録は1コマで27回、平均では2桁に乗り損ねたはずだ。

まあ、そういう中学生なら、こういうWebサイトをつくる大人になっても不思議ではないのかもしれない。O氏のヤジに反応したのも、下地があってのことのようだ。もともとは面白半分ではじめたことだが、よくよく考えてみると「ヤジはプレイに影響するのか」というテーマに基づくサンプル収集をしていたことになる。

「いやな予感」と「空襲警報」

というわけで、O氏の「いやな予感」と「空襲警報」がどのような状況で飛び出し、どのような結果に終わったのか一覧にしてみた。

▼O氏の声が明瞭に聞こえたときだけのチェックです。ブラスバンドにさえぎられたりして、よく聞きとれないときもありますので、実際にはもっと多いはずです。
▼「その時点のスコア」では攻撃中のチームを左側に記載しました。
▼「当否」のうち「予感」については、その打者が出塁したり、その打者の打席中またはその打者の打撃により走者が進塁した場合を「的中」としています(犠打や犠飛も「的中」です)。
▼「空襲」の場合は、外野地域にフライまたはライナーの打球が飛んだときが「的中」です(アウトでも外野フライや外野地域で内野手が捕球したフライは「的中」としています。テキサスヒットや内野手の頭上を越えるヒットは「的中」ですが、内野をゴロで抜けたヒットは「的中」とはしていません)。
▼95年はスコアブックに記入せず、持ち合わせのチラシ等の余白を使っていました。何球目のヤジなのか今となってはわかりません。(A)では走者が盗塁に成功していますが、盗塁と「予感」の先後が明らかではありませんので、当否についてはジャッジ不能です。
▼(B)に関しては、「予感」の直後に牽制悪送球が起きた旨のメモがありますので「的中」としました。96年以降はスコアカードに直接記入しています。

「いやな予感」と「空襲警報」
年月日
(球場)
その時点のスコア 回/状況 打者 種類 結果(備考) 当否
95/03/08
(西武)
東京ガス5−5JR東海 7表1死(なし) 藤丸 空襲 中飛 的中=1/1
東京ガス5−5JR東海 7表2死1塁 石井 予感 三ゴ(2球目に二盗) (A)
95/03/09
(川崎)
日産自動車9−3ヤオハン 6ウ1死(なし) 上島 予感 三ゴ 外れ=0/1
日産自動車9−6ヤオハン 8ウ2死1塁 早川 予感 右本 的中=1/2
95/03/15
(神宮)
日本通運1−0プリンス 1ウ1死1塁 田中泰 予感 遊ゴ(3球目前に牽制が
 悪送球、一走が二進)
的中=2/3
(B)
日本通運1−0プリンス 2ウ2死1塁 予感 三振 外れ=2/4
日本通運1−0プリンス 8ウ無死(なし) 赤川 予感 遊直 外れ=2/5
日本通運1−0プリンス 8ウ1死(なし) 森田 予感 中飛 外れ=2/6
日本通運1−1プリンス 9ウ1死2塁 田中敏 空襲 敬遠 外れ=1/2
95/05/06
(川崎)
東海大0−3筑波大 7表1死3塁 渡部 空襲 四球(3球目に捕逸) 外れ=1/3
東海大1−3筑波大 7表1死(なし) 予感 的中=3/7
東海大1−3筑波大 7表1死1塁 松下 予感 三振(3球目に二盗) (A)
東海大1−5筑波大 9表1死1塁 渡部 予感 死球 的中=4/8
東海大1−5筑波大 9表1死1・2塁 浜崎 予感 三振 外れ=4/9
年月日
(球場)
その時点のスコア 回/状況 打者 種類 結果(備考) 当否
96/03/11
(神宮)
プリンス4−5JR東日本 6ウ無死(なし) 田中 予感 右本 的中=5/10
プリンス5−5JR東日本 6ウ2死(なし) 波多野 空襲 三振 外れ=1/4
96/03/12
(神宮)
日本石油0−0東芝 1ウ無死(なし) 高林 予感 四球 的中=6/11
日本石油0−0東芝 1ウ1死2塁 軽部 空襲 三振 外れ=1/5
日本石油0−4東芝 4ウ無死1・2塁 森田 予感 三振 外れ=6/12
日本石油1−5東芝 5ウ無死2塁 大久保 予感 三振 外れ=6/13
空襲 外れ=1/6
日本石油1−5東芝 5ウ2死2塁 高橋宗 予感 四球 的中=7/14
96/05/03
(川崎)
帝京大0−0筑波大 1ウ1死(なし) 空襲 三振 外れ=1/7
帝京大0−1筑波大 3ウ2死1塁 伊藤修 予感 遊直 外れ=7/15
帝京大0−1筑波大 4ウ無死(なし) 空襲 右飛 的中=2/8
予感 外れ=7/16
帝京大0−1筑波大 4ウ1死(なし) 岸江 予感 中飛 外れ=7/17
帝京大0−1筑波大 5ウ1死1塁 八角 予感 四球(5球目が暴投) 的中=8/18
帝京大0−1筑波大 5ウ1死1・2塁 伊藤徳 予感 中本 的中=9/19
帝京大3−4筑波大 6ウ2死1・2塁 西田 予感 三振 外れ=9/20
96/09/15
(川崎)
東海大0−0武蔵大 1ウ2死2塁 渡部 予感 三ゴ 外れ=9/21
日本体育大0−0筑波大 2ウ1死(なし) 加藤 空襲 中2 的中=3/9
日本体育大0−0筑波大 3ウ1死1塁 阿部 空襲 中犠(3球目前の牽制が
 悪送球、一走三進)
的中=4/10
日本体育大0−1筑波大 3ウ2死1・2塁 浅野 予感 遊ゴ(2球目捕逸) 的中=10/22
日本体育大0−1筑波大 5ウ無死(なし) 荒巻 予感 二ゴ 外れ=10/23
日本体育大0−1筑波大 6ウ2死2・3塁 浦山 予感 遊ゴ 外れ=10/24
年月日
(球場)
その時点のスコア 回/状況 打者 種類 結果(備考) 当否
97/05/11
(川崎)
大東文化大0−0筑波大 1表無死(なし) 愛川 予感 三振 外れ=10/25
大東文化大0−0筑波大 2表無死1塁 松下 予感 捕ギ 的中=11/26
大東文化大0−0筑波大 2表1死1・3塁 藤田 予感 四球 的中=12/27
98/03/07
(川崎)
三菱自動車川崎2−2西濃 2ウ無死(なし) 藤巻 予感 三振 外れ=12/28
東京ガス3−0王子苫小牧 4表1死2・3塁 三吉 予感 三飛 外れ=12/29
東京ガス3−0王子苫小牧 4表2死2・3塁 中野谷 予感 中2 的中=13/30
東京ガス5−0王子苫小牧 4表2死2塁 仁井田 空襲 四球 外れ=4/11
予感 的中=14/31
東京ガス5−0王子苫小牧 4表2死1・2塁 菊池 予感 左安(初球に二走が三盗) 的中=15/32
東京ガス6−0王子苫小牧 4表2死1・3塁 中川 予感 右3 的中=16/33
東京ガス13−8王子苫小牧 9表2死(なし) 中野谷 予感 一ゴ 外れ=16/34
いすゞ自動車3−2NTT四国 3ウ無死(なし) 藤沢 予感 四球 的中=17/35
いすゞ自動車3−2NTT四国 3ウ1死1・2塁 山崎 予感 左安 的中=18/36
98/03/10
(神宮)
日本生命1−0日本通運 1表2死2塁 福留 空襲 一直 外れ=4/12
98/06/07
(神宮)
国士舘大0−0青学大 2表無死(なし) 比留間 空襲 中飛 的中=5/13
99/07/20
(川崎)
日大藤沢高1−2桐蔭学園高 5ウ無死(なし) 大* 予感 一飛 外れ=18/37
99/11/10
(神宮)
順天堂大4−4拓殖大 9表無死1塁 空襲 四球 外れ=5/14
01/11/16
(神宮)
城西大0−0福岡大 1表無死(なし) 小野寺 予感 中安 的中=19/38
城西大0−0福岡大 1表1死2塁 竹原 空襲 四球 外れ=5/15
01/11/19
(神宮)
城西大3−5駒沢大 8表無死(なし) 荒井 予感 二ゴ 外れ=19/39
年月日
(球場)
その時点のスコア 回/状況 打者 種類 結果(備考) 当否
02/04/20
(等々力)
東京経済大3−1日本体育大 5ウ1死2塁 大木 予感 右安 的中=20/40
03/03/11
(神宮)
新日本石油2−0NTT東日本 3ウ1死(なし) 大城 空襲 左飛 的中=6/16
新日本石油2−0NTT東日本 5ウ1死2塁 高松 予感 右安 的中=21/41
日立製作所3−2川鉄千葉 3ウ無死(なし) 砂塚 空襲 遊飛(ショート後方、
 レフトも前進していた)
的中=7/17
日立製作所3−2川鉄千葉 3ウ2死(なし) 島田 予感 二ゴ 外れ=21/42
日立製作所3−2川鉄千葉 5ウ無死(なし) 宮田 空襲 二ゴ 外れ=7/18
日立製作所3−2川鉄千葉 8ウ無死3塁 丸山 空襲 二直 外れ=7/19
予感 外れ=21/43

以上のように全部で57例(重複を含めて62例)になる。近年はタイミングが合わず、たまに姿を見かけてもなかなか「いやな予感」も「空襲警報」も言ってくれなかったが、03年3月11日のスポニチ大会では、健在ぶりを発揮していた。

02年4月20日の首都大学リーグでは、「いやな予感」の直後に、ヒット4本と四球4個にワイルドピッチも絡んで、大量6点の攻撃が展開された。これら57例を整理してみると次のようになる。

「いやな予感」と「空襲警報」の的中率
打席 打数 安打 四球
死球
犠打 犠飛 三振 内野
ゴロ
内野
フライ
外野
フライ
的中 外れ 的中率
予感 43 36 10 10 21 22 48.8%
空襲 19 13 12 36.8%
合計 62 49 11 12 12 11 28 34 45.2%
重複
重複除外 56 46 11 10 11 11

まあ、サンプル数がサンプル数だからなんとも言いかねるが、的中率としては、結構いい線に達しているのではないだろうか。「いやな予感」のほうは5割弱だし、条件の厳しい「空襲警報」でも3割をキープしている。

分数の杉本

とりわけ、暴投や捕逸、それに牽制悪送球が目につく。代表的なケースは杉本友(のちにBW、YB)だろう。

96/09/15(川崎)首都大学リーグ1部 秋季第1週1回戦
筑波大 000 000 000 =0 ●杉本
日本体育大 001 000 14X =6 ○大城

3回裏一死後、杉本は3番打者にストレートの四球を与えた。ここで、O氏はまず「空襲警報」を発令した(初球の前)。初球ファウル、2球目が見逃しのストライクだった。打者を追いこんだところで杉本が一塁に投げた牽制球は悪送球になって、一塁走者は三塁まで達した。その直後の3球目は犠牲フライだ。日体大はノーヒットで先制した。

その後、連続四球で二死一・二塁となり7番打者を迎えたところで、O氏は「いやな予感」に襲われたらしい。初球はボール、2球目はパスボールになって、走者はそれぞれ進塁した。杉本は打者をショートゴロに打ち取って、結果的には最少失点で切り抜けたが、この1点にはO氏が貢献していたように私には感じられた。

私はヤジ効果は「ある」と思っている。あいにく、それを裏付けるだけのデータは揃わないけれども、ヤジ効果が「ない」ことも証明はされなかったはずだ。ヤジといえば、『ベースボール・クリニック』01年1月号で元スワローズの内山憲一(伊勢崎硬建クラブ)がこう語っていた。(24ページ)

元プロということで、キツいヤジが飛ぶこともあります。ちょっと打たれると、「プロをやめさせられた理由が分かるな」とかね。投げているときは聞き流しますけれど、交代してから言い返すんです。「おまえがプロに行けない理由も分かるぞ」と。

まあ、ヤジ効果を認めるとしても、こういう応酬であってほしいと思っている。O氏の場合は、ときにしつこすぎて、一部では強い反感を買っているようだ。だが、私はO氏を弁護したいと思う。

なぜなら、彼は1人でやっているからだ。徒党を組んでいるわけでもないし、まして人の背中越しにふんぞり返っているわけでもない。自分の肉声だけで「勝負」しているのだ。尊いことだと私は思っている。

ヒンシュク野次

O氏と違って、あまり歓迎したくないヤジもある。01年10月に見たある試合の初回表のことだ。

1番 無死(なし) H     初回表先頭打者初球ホームラン
2番 無死(なし) BBBSB 四球
3番 無死1塁   BBSH  センター前ヒット
4番 無死1・2塁 BH    ショートフライ
5番 1死1・2塁 BFBBB 四球
6番 1死満塁   D     死球(得点1)
7番 1死満塁   BBB  死球(得点1)

2者連続死球の2人目の打者が、打席に倒れ込んでのたうち回っているとき、「2、3人病院送りにしていいから」「まだいいほうだよ、肘だったら。頭じゃないんだから」というヤジが飛んだ。声の主はベンチではなく、守備側チームの応援者だった。

まあ、バッターに対するヤジと言うより、ピッチャーの動揺を抑えようという意図だろう。そうだとしても許容範囲を逸脱していると思われる。彼は打席に入る選手ごとに声をかけていたけれども、読み方が難しい選手の名前は呼ばなかった。したがって、チーム関係者ではないと推測される。

いずれにしても、こういう応援はありがた迷惑ではないかと余計な心配をしたくなる。結局、その選手は一塁には出たが、1回裏の守備の前に交代した。まあ、多少オーバーだったとしても、けっして「演技」だったわけではない。

貴重な人材

ちなみに、今まで聞いたヤジの中で、私の一番のお気に入りは、女子軟式の大会で一塁のベースコーチ(女性)が、2打席連続三振のキャプテンに対して発した「三振3つもいらへんで」だ。バッターも思わず苦笑いしていたが、それでリラックスできたのか、その打席ではヒットを打った。標準語では出せない味がある。

高田実彦『野村克也の「人材再生」工場』(プレジデント社)に次のような記述がある。大塚とはプロ在籍11年(65〜75年)で通算178安打の大塚徹のことだ。

ときには自分のチームの監督までもエジキにしてしまう。4番打者野村が追撃時に凡打してベンチに帰ってくると、大塚がいうのである。
 「監督でも打てないんじゃ、こりゃダメだ」
 他の選手はハレものに触るように横を向いたり、身を固くしている。そこへこの一声だ。
 続けて、「監督みたいな高給取りが打てないんじゃ、他のだれがいってもダメさ。みんな気楽にいっといでよ。打てなくて当然、ヒットでも出りゃ監督賞ものでしょ、ね、監督」
 だれかがクスッと笑って、あとは大爆笑。そこで大塚がまた言うのだ。
 「さ、いってみよう!相手もまだ勝ったなんて思ってないよ」
 勝っているとき、相手のベンチで笑い声が起こったり、活気のあるヤジが絶え間なく飛んでくると、追い立てられているようでイヤなものだ。

なるほど、こういう選手は貴重だろう。ところで、大塚は通算44打点にすぎないが、サヨナラの押し出し四球を4回も経験しているそうだ。

69/09/06 対G23回戦(神宮) 4対4の10回裏二死満塁 2−3後の6球目を見送って四球(高橋一)
71/05/26 対G10回戦(神宮) 4対4の9回裏一死満塁  1−3後の5球目を見送って四球(高橋一)
72/08/11 対Bu13回戦(大阪) 1対1の9回裏一死満塁 2−3後の6球目を見送って四球(神部)
73/08/07  対F後1回戦(大阪)5対5の9回裏二死満塁  2−3後の6球目を見送って四球(新美)

▲近藤唯之『プロ野球通になれる本』(PHP文庫)にサヨナラ四球4回は「日本記録」とありますが、文庫版の初版は96年です。


◆順大対拓大戦については「おすすめできる東都の入れ替え戦」(「夢幻の如くなり」に改題)のページに収録していましたが、ナビゲーションリンク変更のついでにこのページに移しました。

◆おそらく関西の方だと思われますが、「いやな予感がする」のヤジを、幼少時分に甲子園(たぶん)で聞いたことがあるというメールをいただきました。O氏は中国地方の某プロ球団の応援団をやっていたと、人づてに聞いたことがあります。「いやな予感…」にせよ、ほかのヤジにせよ、O氏のオリジナルというわけではなく、O氏が自分なりにアレンジして、身につけたものなのでしょう。

◆そう言えば、選手から相手チーム監督への危ないヤジ(「試合前に言っとけ」)もありました。→「日曜の朝」

◆事実誤認、変換ミス、数値の誤り、リンク切れ等にお気づきの際は、「メールのページ」からご一報いただけると幸いです。このページに対応するブログ「んだ」のエントリーは(今のところ)ありません。

外部リンクです。
吹田市立博物館空襲警報木札
 太平洋戦争当時、空襲警報の発令を知らせるために用いられた木札が公開されています。実は、「空襲警報って何のことですか?」というメールをいただいて往生したことがあります。私も生で空襲警報を聞いた世代ではありませんので…。
 イラク戦争の際、米英軍の空爆にバグダッド市内でサイレンが鳴っている映像をご覧になったかと思います。あのサイレンが空襲警報です。サイレンで危険が迫っていることを知らせるわけですが、爆撃は上空からおこなわれるのですから、その性質上、内野手の間をゴロで抜けるヒットは「的中」にはできません。(P未通知、05/01/17設定)

★07/09/15校正チェック済、ケなし、順OK
★08/04/26HTML文法チェック済(エラーなし)



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