セットポジションスコア
先頭打者を打ちとれ! | 後攻は有利? | ジャンケンで勝ったとき→ 

後攻は有利なのか?

01/12/04作成
14/02/02更新

◆延長戦における先攻・後攻別勝敗を、プロ・アマ2000試合にわたって調べ上げました。
【お断り】このページの一部がある書籍にパクられたことがあります(その本は02年3月発行です)。このページがインターネット・アーカイブで最初に拾われたのは2002年1月2日ですので、そのスクショを頁末に掲げてあります。


◇延長17回のあと

98年夏の横浜対PL学園の延長17回は、その日の第1試合だった。次の第2試合は、明徳義塾と関大一高の対戦が予定されていた。第1試合の試合時間は3時間37分だったから、第2試合を戦う両チームはずいぶん待たされたことになる。

高校野球の場合、標準的な試合時間はおおむね2時間強だ。第1試合は8:30に始まっているから、明徳も関大一も、プレイボールはおおよそ11:00頃のつもりで備えていたはずだ。第1試合がいつ終わるかわからないので、ジリジリしながら待っていたに違いない。

明徳の馬渕監督は、試合後のインタビューで「第1試合が延長になったから先攻をとった」という意味の発言をしていた(先攻・後攻を決めるジャンケンは第1試合の試合中におこなわれるのではないかと思われるので、馬渕監督は「第1試合が延長になったから先攻が有利だ」という意味のことを語っていたのかもしれない)。

たしかに、これは一理ある。実際、第2試合では、両チームとも初回に点をとり合っているのだ。

98/08/20(甲子園) 高校選手権準々決勝 12:33〜14:47
明徳義塾高 401 003 300 =11 初回の攻撃:左安-投ギ-左安-右2-遊直-右本-中飛
関大一高 200 000 000 =2 初回の攻撃:右2-中安-中安-三振-死球-三振-ニゴ

馬渕監督が先攻をとらせたのは(あるいは先攻が有利だと言ったのは)、じらされた結果、ゲームへの集中力が欠けてしまう状況下では、先に守るほうが不利だということなのだろう。

平尾はグーを出す

玉木正之・著『不思議の国の大運動会』(東京書籍・刊)という本がある。奥付を見ると、93年11月が初版だ。奥付のページを前にめくると、「本書の内容はフィクションであり、登場する個人・団体・企業などの名称は、実在のものとは関係ありません」という、よくある断り書きがついている。

同書に次のような記述がある(16〜17ページ)。平尾誠二なる人物の言葉ということになっている。

 ぼくは、伏見工高でも同志社大学でも神戸製鋼でも、キャプテンとして試合前のジャンケンをやるときは、グーしかだしまへなんだんですわ。それは、グーばっかりだして何遍も優勝しましたよって、ジンクスみたいなもんともいえまっけど。
 それだけやのうて、あいつはグーしかださんやつやと敵に知れわたることのほうが大事やったんです。それが知れわたると、試合で相手のキャプテンは、当然パーをだして勝ちにきますわな。じつは、それが狙いですねん。つまり相手にジャンケンを勝たして、風上と風下のどっちのフィールドをとりよるか、それとも最初のキックオフをとりよるか、ということをぼくは知りたかったんですわ。それを知ることができると、その日の相手がどんなふうに試合を組み立てようとしてるか、ある程度わかりまっさかいな。ラグビーの試合前のジャンケンは負けたほうが得ですねん。

まあ、フィクションなのかノンフィクションなのかはどうでもいいことだ。この作中人物の平尾氏と同様、すくなくとも私は、野球がプレイボールの瞬間から始まるゲームだとは考えていない。日本シリーズ前の監督同士の心理戦が、「キツネとタヌキ」にたとえられたこともあった。

あらかじめ先攻・後攻が決まっているわけではないトーナメント大会の場合、先攻・後攻はジャンケンで決めるのが一般的だ。先攻と後攻はどちらが有利なのか、あるいは差異は生じないのか、野球ファンには興味のあるテーマだと思われる。

「平尾理論」をひねって考えるなら、相手が先攻をとりたがるチームのときは先攻を、後攻をとりたがるチームのときは後攻をとって、相手の出鼻をくじく、ということもあるかもしれない。何も最初から相手のペースに合わせて試合をやることはない、と思うからだ。

プロ野球の場合

まず、データのしっかりしているプロ野球について、85年以降の《ホームorビジター別》勝率を見てみよう。

▼不等号(または等号)の左がホームの勝率、不等号(または等号)の右がビジターの勝率です。
▼ビジターの勝率がホームの勝率より高いとき、あるいは両者イーブンの場合は、またはで示してあります。
▼『ベースボール・レコード・ブック』および『オフィシャル・ベースボール・ガイド』から作成しました。明らかな誤りについては修正値を用いました。

12球団のホームorビジター別勝率
BW(B) Bu M(O) YB(W)
.672>.600
.690>.475
.655>.569
.629>.548
.583>.548
.698>.587
.698>.607
.672>.587
.554.613
.615>.571
.597>.484
.500>.484
.597>.554
.561>.508
.574>.545
.508.554
.614>.429
.671>.623
.615>.549
.508.516
.548>.500
.550>.517
.476>.462
.540.594
.597>.500
.500.508
.524>.452
.516.594
.581>.492
.615.656
.617>.578
.585>.493
.561>.439
.582>.439
.508>.470
.507.522
.348.382
.536>.506
.576>.453
.550.569
.361.500
.556.619
.585>.550
.469.587
.667>.565
.633>.563
.556>.500
.569>.500
.468>.308
.523>.438
.554>.485
.552>.439
.453>.373
.485>.388
.647>.486
.565>.493
.543>.488
.400.500
.400.532
.533>.492
.453.524
.435>.415
.554>.469
.444>.403
.531>.317
.694>.459
.344.391
.540>.391
.538>.541
.485>.455
.600>.418
.485>.415
.470.559
.319.456
.471>.420
.483>.453
.339.397
.433>.371
.516>.431
.462>.438
.433.524
.349>.302
.413.429
.523>.359
.344.375
.600>.469
.446>.410
.453>.391
.507>.433
.507>.493
.652>.530
.632>.462
.580>.514
.623>.435
.493>.432
.475.554
.550>.393
.456>.424
.438>.406
.365.424
.453>.438
.468>.302
.469>.375
.375.422
.563>.297
.571>.516
.419.523
.439>.418
.485>.439
.585>.368
.538>.422
.522>.406
.515>.443
.483>.421
85
86
87
88
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
00
01
02
.508>.500
.677>.541
.683>.593
.619>.453
.677>.635
.662.692
.492.523
.446.585
.538>.446
.631>.446
.569>.538
.631>.554
.485>.448
.552>.529
.632>.478
.567.588
.600>.485
.638>.609
.589>.536
.443>.322
.429>.349
.475.475
.444.469
.484>.381
.415.477
.600>.431
.585>.477
.615.615
.554>.400
.708>.554
.477>.462
.627>.603
.500>.478
.552>.426
.500>.478
.652>.485
.552>.536
.535>.469
.517>.441
.466>.429
.683>.458
.694>.571
.531.540
.492>.462
.523.569
.508>.415
.585>.538
.554>.508
.508>.262
.600>.508
.397.478
.537.574
.676>.522
.507.529
.529>.382
.439.529
.544>.485
.516.571
.714>.500
.517.567
.587>.438
.689>.492
.446.569
.569.569
.508.508
.477>.338
.569>.446
.585>.554
.585>.508
.515>.463
.448>.441
.471>.373
.463.500
.561>.463
.464.478
.536>.487
.466.500
.532>.365
.516>.387
.563>.371
.387>.354
.477.508
.538>.446
.477>.462
.477>.400
.462.477
.600>.415
.415.431
.552>.515
.603>.567
.567>.485
.529>.493
.500.515
.403>.324
.504>.446
.661>.541
.559>.443
.410>.254
.446>.349
.415.422
.477>.323
.446>.292
.569>.462
.477.492
.508>.446
.385>.323
.492>.338
.537>.382
.426>.343
.478>.338
.485>.358
.507>.324
.464.507
.485>.385
【パリーグ期間計:ホーム】 3631勝3279敗 勝率.525 【セリーグ期間計:ホーム】 3736勝3283敗 勝率.532

このように、12球団いずれもホームの勝率が高い。12球団のトータルでは.530に若干欠けるけれども、この数字の持つ意味は重い。なぜなら、73年のジャイアンツは.524で優勝したからだ。92年のスワローズは.531だったし、98年のライオンズは.534だった。.530前後の勝率でも優勝できることさえあるのだ。

ただ、これらの数字だけで野球では後攻が有利だと決めつけるには少々ためらいがある。プロ野球の場合には《先攻or後攻》というより、やはり《ホームorビジター》だととらえるのが妥当だと思われるからだ。ホーム有利(あるいはビジター不利)だと思われる要素を列挙してみよう。

 ビジターチームは一般的に飛行機または新幹線による移動を伴うので、「旅行疲れ」が生じる可能性がある。
 ホームチームは自宅または合宿所から通えるが、ビジターチームは慣れない土地でのホテル暮らしを強いられることになる。
 マウンドの形状、芝の質やグラウンドの硬さ、外野のクッション・ボール、ライン際の打球が切れるか切れないか、風の影響など、球場の特性をホームチームは熟知している。
 ホームで負け続けると、観客動員にも影響すると思われる。つまり、入場料収入に響く。だとすれば、ホームでは多少の無理を承知でローテーションを崩すことがあるかもしれない。
 ホームチームには地元ファンによる応援効果が期待できるのかもしれない。

ファームの場合

それでは次に、ファームのデータを示そう。こちらは92年以降だ。

▼『ベースボール・レコード・ブック』から作成しました。

ファームのホームorビジター別勝率
Sr(YB/W) SU(BW) Bu
.628.628
.563.688
.638>.511
.652>.500
.609>.442
.565>.413
.729>.440
.652>.551
.596.735
.574.574
.625>.510
.621>.546
.500>.250
.574>.489
.531.596
.489>.468
.521>.468
.667>.620
.553>.408
.646>.580
.489>.375
.420>.300
.673>.500
.552>.461
.585>.581
.426>.408
.478>.292
.617>.489
.521>.489
.512.596
.542>.400
.592>.438
.490.510
.771>.592
.680>.521
.566>.482
.477.488
.500>.457
.543>.469
.574>.532
.510>.447
.469.500
.680>.542
.500>.191
.600>.367
.447.500
.380>.340
.517>.439
.512>.442
.522.596
.652>.422
.438>.354
.614>.551
.479>.396
.531>.404
.638>.375
.449>.440
.440>.348
.420>.404
.526>.443
.476>.442
.479>.298
.404.468
.565>.333
.340.490
.429>.340
.388>.383
.388.447
.460.489
.609>.438
.571>.380
.462>.410
92
93
94
95
96
97
98
99
00
01
02
.600.659
.667.729
.595>.511
.548>.326
.500>.391
.510>.395
.556.568
.638>.619
.717.723
.579>.462
.548>.463
.588>.535
.585>.548
.673>.583
.543>.488
.500>.426
.638>.457
.578>.435
.469.477
.467>.455
.574>.500
.564>.556
.488.533
.554>.495
.548>.450
.587>.417
.413>.405
.465.574
.455>.370
.468>.435
.644>.604
.696>.587
.696>.563
.676>.658
.690>.524
.574>.507
.535.535
.553>.348
.667>.622
.500.600
.477>.452
.622.625
.444.500
.523>.362
.356>.292
.447>.385
.405>.375
.504>.463
.395.415
.319>.286
.548>.479
.583>.558
.617>.596
.556>.531
.523>.426
.600>.435
.543>.370
.514>.472
.439>.405
.513>.451
.349.381
.362.467
.356.372
.442.476
.548>.488
.500>.333
.417>.383
.444>.191
.420>.265
.324>.368
.579>.553
.430>.384
【イースタン期間計:ホーム】 1682勝1440敗 勝率.539 【ウエスタン期間計:ホーム】 1536勝1377敗 勝率.527

イースタンの場合、基本的にはバス移動で済む首都圏で開催されるので、の要素は排除できる。ただ、合宿所とイースタン使用球場とは隣接していることが多いから、は通用することになる。なお、ジャイアンツ絡みのカードは親会社の拡販戦略のためか地方開催されることが多い。この場合のに関しては、両者の条件はイーブンと考えていい。

にしても、地方開催ならイーブンだろうが、鎌ケ谷や西武第二、ロッテ浦和などは、通常の練習場でもあるので、圧倒的にホーム有利になる。ただし、ファームの場合にはの要素を考慮する必要はない。もともと、あまり勝敗へのこだわりはないからだ。

それに入場無料のケースもある。「きょう優勝が決まるかもしれないから、戸田に行こう」と考えるファンもなかにはいるだろうが、それで喜ぶのはタクシー会社とコンビニぐらいのものだろう。の要素は、私には判断しかねる。社会人のJRチームは応援が多い。だが、応援が成績に反映しているとはとても思えない。

さて、ファームの場合、ホーム有利と思われる要素がのほかにもある。

 たとえば、昼は雁の巣でウエスタンの試合に出て、夜は福岡ドームのパリーグの試合に出るということがホームなら可能だ。

実例がある。92年9月7日神戸サブのウエスタン対C最終戦に最後まで出場したイチローは、その夜、GS神戸の対M20回戦で偵察要員の長谷川に代わって「フル出場」している(→「天才の胎動」)。

ファームから昇格したばかりの選手が、即レギュラーという話にはなかなかならない。上での出場機会が少ないとき、実戦練習という意味合いもあって、昼夜の「かけもち」で試合をこなす若手の選手はそれほど珍しくはない。こうした「かけもち」出場組は、ファームでは主力選手以上なのだからホーム有利の要素となるだろう。

いずれにせよ、プロの場合、私の集計範囲ではホームの勝率が.530前後だ。ホーム有利だからそうなっているのか、後攻そのものの有利さの反映なのか、あるいはたまたま偶然にすぎないのか、アマチュアを検証する必要がある。

0.3点のハンディ?

アマチュアなら、《ホームorビジター》の要素は、かなりの部分を排除することができる。ほぼ純粋に《先攻or後攻》の問題として、とらえることができるだろう。

実は、宮津隆・新行内康慈両氏による「野球における統計的解析―ジンクスと国民性―」(野球文化学会編『ベースボーロジー』所収)という偉大な先達がある。同誌87ページの表3と表4から、必要な部分だけ抜き出してみよう。高校野球の先攻と後攻別勝敗、それに8回までの平均得点だ。

▼「1試合平均得点」は、1回から8回までの合計得点です。私が算出した数値ではありません。
▼同論文で集計されているのは、93年(春は第65回大会、夏は第75回大会)までらしいのですが、夏に関しては数字が一致しません。75回大会まで引き分けを除いて2174試合のはずですが、先攻の991勝と後攻の1135勝を足し算すると「2126」になります。つまり、1大会分脱落しているものと思われます。
▼94年以降の先攻・後攻別勝敗は、私が調べたものです。「通算」は私が勝手に足し算したものですので、夏は1大会分脱落したままです。何年の大会が脱落しているのかはわかりませんが、この種の集計においては脱落があっても支障はありません(重複集計は困りますが…)。
▼『報知高校野球』03年1月号および3月号が02年までの先攻・後攻別勝敗を年度ごとに掲載しています。私が集計した範囲と重なる94年以降では、96年春の68回大会、98年夏の80回大会、01年春の73回大会が私の集計値と一致しません。『報知高校野球』によれば、春は後攻が927勝で先攻が846勝、夏は後攻が1365勝で先攻が1247勝です(02年まで)。

高校野球の先攻or後攻別勝敗
1試合平均得点
(93年まで)
勝数
(93年まで)
勝敗
(94〜02年)
勝敗
(通算)
後攻
チーム
先攻
チーム
後攻の
勝ち
先攻の
勝ち
後攻の
勝ち
先攻の
勝ち
後攻の
勝ち
先攻の
勝ち
センバツ
選手権
春夏計
3.103
3.380
3.242


2.803
3.122
2.963
780
1135
1915


708
991
1699
142
206
348


143
232
375
922
1341
2263


851
1223
2074

これらのデータに基づき、宮津氏は次のように指摘している。

70年もの高校野球の全データについての平均得点は、春・夏を通して後攻が約0.3点高く、勝数も後攻が有意(α=1%)に多い<略>
 後攻が有利なのは、サヨナラのチャンスが多いからだと考える人が多いと思われるが、実は、延長戦における先攻・後攻の勝敗の差は統計的に有意ではない。すなわち偶然の範囲内なのである。従って、後攻が有利なのはサヨナラゲームのためではなく、イニング別の平均得点の差によるものと考えられる<略>
 実は、プロ野球についても全く同じ傾向が認められていて、後攻の勝数が有意に多い<略>
 しかし、高校野球にフランチャイズ効果はないはずだから、後攻が統計的に有利になっているということは、野球というものの本質に起因しているのではないかと考えられる。つまり、偶然(chance cause)によって生ずるデータの変動範囲を超えているということは、何らかの必然(assignable cause)が存在しているはずだからである。
 それは、「相手チームの出方(あるいは得点)をみて、作戦を変更できる機会が後攻の方が1回だけ多い」ということではないだろうか。<略>野球の場合は、後攻が先攻の1回表の攻撃を見てから1回裏の攻撃を始めることができるという、野球の本質に基づくハンディが約0.3点あるということに他ならない。
 従って、高校野球の場合、「18回で決着がつかないときは再試合」というルールは、「0.3点のハンディを考慮して先攻の勝ちとする」というルールに改めるほうが合理的ではないかと思われる。ルールが改められないならば、先攻、後攻を決めるトスで勝ったチームが心理的な要因から先攻を選ぶのは有利とはいえない<略>

「卓見である」と、この論文を読んだ当初は思っていた。僭越ながら、今はあえて異を唱えたいと思う。

宮津説への異議

高校野球における先攻・後攻は、その場限りのものであって、トーナメント大会の性質上、その大会では同じ顔合わせは2度とない。プロ野球のように、同じ相手と先攻で戦い、後攻でも戦うわけではない。したがって、たとえ後攻の勝率が高くても、そのことをもって、後攻が有利だとは言えない。

もし、「強いチームが後攻をとり、弱いチームが先攻をとる」傾向があるとするなら、宮津氏の言う「野球の本質に基づくハンディ」は根底から瓦解する。なぜなら、もともと強いチームが勝つ(より多く得点する)のは当然のことだからだ。そう考えると、宮津説には落とし穴がある。

たとえば、ジャンケンで勝ったチームが常に先攻(あるいは後攻)というシステムなら、後攻チームの勝率が高いというデータで、「野球においては後攻が有利だ」と言えるのかもしれない。だが、実際には、先攻・後攻は当事者の一方が任意に選んでいるのだ。

相撲なら、がっぷり四つに組んでは勝ち目がないと思えば、けたぐりとか猫だましとか、立合いから奇襲作戦に出ることもあるだろう。野球でも、相手との戦力差の前にタジタジになってしまうことが予想されるとき、「中盤まではなんとかしのいで、後半勝負だ」などと考える楽天家はあまりいないと思われる。

戦力で劣るチームとしては、立ち上がりのドサクサに紛れて、初回の先制攻撃でリードを奪い、あわよくば逃げ切るというパターンを描くしかないだろう。後手に回ったらとても逆転できないと考えれば、やはり先攻をとることになるのではないだろうか。

延長裏の守備のプレッシャーを考えて、後攻をとるチームは少なくないと思われる。だが、それは、延長にもつれるようなイーブンの力関係のときだ。明らかな戦力差があるときに後攻をとって、1回表に5点も6点もとられたら、試合はそれで終わってしまう。見ているほうもつまらない。

仮説…弱いチームは先攻をとりたがる?

今や伝説となった98年7月18日の「122対0」の試合は、東奥義塾高の先攻、深浦高の後攻だった。東奥義塾の得点は、初回から順に、39、10、11、17、16、12、17だ。先攻・後攻が逆なら、7回表の17点はなかったことになる。こういう最悪の展開に陥ったときのことを考えるなら、やはり「弱いチームは先攻をとりたがる」ことになるのではないかと思える。

実は、宮津論文には、センバツ大会と選手権大会におけるイニング別平均得点のグラフが付されている。グラフなので、細かい数値がわからないのが残念だが、春の先攻と後攻、それに夏の先攻では、初回の得点がもっとも多い。夏の後攻だけは、初回より若干7回や8回のほうが多いようだ。

弱いチームが強いチームを食うときのパターンの1つが、初回表の先制点だ。01年センバツの開幕戦、東海大四は初回表先頭打者の内野安打を生かして先制した。相手は東邦だったから、私でなくても名前だけで東邦有利だと考えていた人のほうが多かったに違いない。試合は6対2で東海大四が勝った。

同じ01年のセンバツで、藤代が四日市工に勝った試合はいわゆる「スミ1」の試合だった。内野ゴロエラーの走者を犠牲フライで得点に結びつけた初回表の1点が決勝点だ。宜野座が桐光学園に勝った試合も、初回表に犠牲フライで1点入っている(最終スコアは4対3)。

そういえば、「金星」のページで紹介した試合も初回表の1点が効いている。初回表に先制して、とりあえず主導権を握ったとき、相手がいつでも逆転できると油断してくれたらしめたものだ。送る場面で送らず、強攻して併殺、走らせて盗塁死。そんなパターンにはまれば、「波乱」も期待できる。

したがって、弱いチームが強いチームと対戦するとき、先攻をとりたがる傾向があるのではないか、と私には思われる。一方、強いチームは受けて立てばいいのであって、別にどちらでも構わない。何がなんでも先攻ということにはならないだろう。

企業チーム対クラブチーム

実際問題として、社会人野球では、クラブチーム対企業チームの対戦のときは、クラブチームの先攻、企業チームの後攻となる場合が多い。「プリンスの軌跡(勝敗編)」のページで示したように、プリンスホテルは22年間にクラブチームまたは専門学校のチームと10回対戦して、10試合とも後攻だった。

私が02年までに見たクラブチーム(あるいは専門学校)対企業チームの試合は次のとおりだ。

94/06/01府中    後攻・東京自彊術クラブ      2●11さくら銀行
94/06/01府中    先攻・熊球クラブ         2●19明治生命
94/06/01府中    後攻・全府中野球倶楽部      0●16シダックス
95/04/16足利    先攻・全足利クラブ        6●8住友金属鹿島
95/06/03府中    先攻・東京自彊術クラブ      1●5東京ガス
95/09/06マスカット 先攻・光シーガルズ        0●10NKK
96/06/15県営大宮  先攻・甲府ベースボールクラブ   0●10本田技研
96/09/22マスカット 後攻・光シーガルズ        6●7三菱重工三原
97/05/04徳山    先攻・光シーガルズ        3●10川鉄水島
97/05/04徳山    先攻・沖データコンピュータ教育学院0●8NTT中国
97/05/04徳山    後攻・防府クラブ         4●12王子製紙米子
97/06/02広島    先攻・スポーツ医学専門学校    3●17リースキン広島
97/06/02広島    先攻・大竹総合科学専門学校    3●8NKK
97/06/03広島    先攻・大竹総合科学専門学校    7○0マツダ
97/06/21山形県営  先攻・水沢駒形野球倶楽部     3●24JT
97/08/18姫路    先攻・全播磨硬式野球団      2●9新日鉄広畑
00/09/09市営大宮  先攻・全足利クラブ        4●12新日鉄君津
01/09/08県営大宮  後攻・三菱重工横浜クラブ     6●15日立製作所
02/06/09横浜    先攻・横浜金港クラブ       2●12日石三菱
02/06/09横浜    先攻・全川崎クラブ        1●13東芝
02/06/23県営大宮  先攻・野田市民硬式野球倶楽部   0●14日本通運
02/06/23県営大宮  先攻・オール櫛形         0●10川鉄千葉
02/09/22県営大宮  後攻・三菱重工横浜クラブ     0●3NTT東日本

▲企業チームに勝って、都市対抗に出た実績のあるクラブチーム(ヴィガしらおい、NTT信越クラブ、室蘭シャークス)の試合は除きました。

ときにクラブチームが後攻という場合もあるから、「暗黙の了解がある」と言うつもりはないけれども、社会人野球でクラブチームと企業チームが対戦するとき、弱いクラブチームが先攻で、強い企業チームが後攻になっているという傾向をうかがうことはできる。

まあ、日程上の都合もあるし、試合が早く終われば照明を使わなくて済むから、運営サイドとしてもそのほうが助かるのかもしれない。

コールド試合の勝率

実は、興味深いデータを見つけた。91年から02年までの高校野球の夏の予選、いわゆる地方大会の準々決勝以上について、《先攻or後攻》別の勝敗を調べてみたら、次のような結果になったのだ。

    サンプル数 後攻 先攻 後攻の勝率
全試合  4152試合 2247>1905 .541
延長    329試合  162< 167 .492
9回   2867試合 1543>1324 .538
コールド  956試合  542> 414 .567

このようにトータルで見ると、たしかに後攻の勝率が高いけれども、延長戦ではむしろ先攻の勝率が高い。また、後攻の勝率は、9回よりコールドのほうがきわだって高くなっている。つまり、力の差が一定以上の場合、弱いチームが先攻に回っているのではないかと思われる。

▲週刊朝日増刊『甲子園』91〜02年版をもとに作成しました。一部脱落がありますが、補充して調べていません。
▲高校野球のコールド規定は都道府県によってマチマチです。00年に「5回10点差、7回7点差」で統一されましたが、コールド規定を採用するかどうかは都道府県高野連任せであって、とりわけ準々決勝や準決勝の場合、適用される県と適用されない県とに分かれます。集計に際しては、現行規定が全試合に適用されるとしたら、という前提でカウントしました。したがって、実際のコールドゲームとは一致しません。主な事例は次のとおりです。

96年熊本決勝 7回で7点差がついていますので、「コールド」でカウントしました。
熊本工 402 320 103 =15
東海大二 100 201 124 =11
94年広島準々決勝 最終的には10点差ですが、7回終了時点では6点差ですので、
「9回」でカウントしています。
神辺旭 010 100 607 =15
吉田 101 000 030 =5
98年秋田決勝 5回で10点差ですので「コールド」として扱いましたが、
実際の勝敗とは一致しません。
金足農 024 000 245 =17
秋田商 001 3120 000 =16

社会人の場合

社会人や大学のデータも見ておこう。いずれもトーナメント大会であり、先攻・後攻はジャンケンで決まると思われるが、確認はできない(01年大学選手権の1回戦全12試合と、シードされた4校の2回戦4試合については、あらかじめ決まっていたのではないかと思われるフシがある)。

大会名             後攻 先攻 勝率 備考                      
社会人都市対抗(27〜02年)   942>886 .515 全試合。主に『都市対抗野球大会60年史』
社会人日本選手権(94〜01年)  101> 99 .505 期間中全試合。『グランドスラム』18号までの掲載分
社会人クラブ選手権(94〜02年)  76> 44 .621 期間中全試合。『グランドスラム』19号までの掲載分
社会人公認大会(94〜02年)   122>115 .515 準決勝以上。『グランドスラム』19号までの掲載分
社会人準公認大会(94〜02年)   54< 63 .462 決勝のみ。『グランドスラム』19号までの掲載分
社会人都市対抗予選(94〜02年) 138<139 .498 代表決定戦。『グランドスラム』19号までの掲載分
社会人日本選手権予選(94〜01年)105>102 .507 代表決定戦。『グランドスラム』18号までの掲載分
大学選手権(93〜02年)     125>119 .512 期間中全試合。『大学野球』掲載分

▲『都市対抗野球大会60年史』、『グランドスラム』、『大学野球』等から作成しましたが、なかには4対2で延長10回を戦っていたり、1対0で勝っているチームが9回裏の攻撃をやっていたり、2試合続けてイニングスコアが同一というような誤植と思われるケースもありました。確認できる範囲で確認しましたが、気づかなかったものもあるでしょうし、私のカウントミスもあるでしょうから、アバウトな数字としてご理解いただいたほうが賢明です。「勝率」は後攻の勝率です。

以上、ここまでは、アマチュアのトーナメント大会を見てきた。数字の上では後攻の勝率が高い。それが「後攻有利」の証明になるのかということになると、個人的には疑問を感じてしまう。

サンプルが少ないとはいえ、クラブ選手権では後攻チームの勝率が異様なほどに高い。誰もが悠長に会社を休めるわけではないこの種の大会では、やはり弱いチームが先攻、強いチームが後攻をとって、少しでも日程消化がスムーズに運ぶように協力しているのではないかと、思えなくもない。

大学のリーグ戦の場合

それでは次に、大学のリーグ戦を見てみよう。東都の場合、先攻・後攻は前季順位によって自動的に定まる。前季上位チームが1回戦で先攻、2回戦で後攻となる。引き分けの場合、次の試合では先攻・後攻は変わらない。

東京六大学に関しては、ジャンケンで1回戦の先攻・後攻を決めているらしい。1回戦と2回戦では常に先攻と後攻が入れ替わる(引き分けの場合も)。一方の当事者が先攻・後攻を任意に決められるという点では、トーナメントに等しい。だが、同じ顔合わせの対戦がすくなくとももう1試合あるという点で、トーナメントとは異なる。

▲詳しくは「東京六大学の対戦カード順」を参照してください。

これらのルールを踏まえて、東京六大学では集計対象を1回戦と2回戦に限定した。東都では引き分けをカウントせず、引き分けが入った場合には3回戦も集計対象とした。つまり、各カードのA対BとB対Aの計2試合を集計していった。

ジャンケンで決まろうが、前季順位で自動的に決まろうが、同じ対戦で先攻と後攻が入れ替わる2試合を集計対象にしたのだから、条件的にはプロと同じだ。

私の仮説、すなわち「弱いチームは先攻をとりたがる傾向がある」が、もし正しいとするなら、トーナメント大会の先攻・後攻別勝敗をいくら集計しても、先攻・後攻によって有利・不利があるのか、という今回のテーマに関する答えは出ない。

また、プロ野球のデータを過去にさかのぼったところで、《ホームorビジター》の要素を排除することができない以上、やはり今回のテーマに対する的確な答えは期待できない。

なお、東都3部は大学のグラウンドで試合がおこなわれるので、《ホームorビジター》という要素が絡んでくるけれども、プロ野球のように常に「ホーム=後攻」ではない。先攻と後攻を1試合ずつワンセットでサンプルにしてある。

種別          後攻 先攻 勝率 備考                           
東京六大学(91秋〜02春)328>307 .517 『大学野球』掲載の1回戦と2回戦。引き分けが21試合あり。
東都1部(93秋〜02春) 273>267 .506 『東都スポーツ』掲載の1回戦と2回戦(必要に応じて3回戦も)
東都2部(93秋〜02春) 260<280 .481 同上
東都3部(93秋〜02春) 254<278 .477 同上

▲東都3部では、1回戦引き分け後の2回戦が原則どおりでないケースが8試合ありましたので、この場合の3回戦は東京六大学に準じてカウントしていません。

まだサンプル数が少ないので、なんとも言いかねるが、宮津氏の言う「相手チームの出方(あるいは得点)をみて、作戦を変更できる機会が後攻の方が1回だけ多い」から後攻が有利だとする説を裏づけるデータにはなっていない。

延長戦の先攻・後攻別勝率

宮津氏のこの指摘は、攻撃側のことを指しているのだろう。だが、「相手チームの出方(あるいは得点)をみて、作戦を変更できる機会が」1回だけ多いのは、守備側も同じなのだ。作戦は攻撃側だけでなく、守備側にもあるからだ。

延長の表で、先頭打者が二塁に出たとしよう。この場合、守備側には敬遠という選択肢もあるけれども、敬遠した走者まで得点させるリスクを背負うことになる。敬遠が裏目に出て、2点差を1イニングで追うことになるのは避けたい。だから、難しい選択を迫られる。

一方、同点で延長回の裏に先頭打者が二塁に出れば、敬遠策を用いやすい。どうせ、歩かせた走者は勝敗には関係ないからだ。延長の裏の守備は、守っている選手にとってはたしかにプレッシャーになるとしても、逆に守りやすさを選ぶこともできるのだ。

さて、宮津論文には延長戦における先攻・後攻の勝敗の差は統計的に有意ではない」という示唆に富んだ指摘もある。そこで、先攻・後攻別の延長戦での勝敗を見てみよう。

種別           後攻 先攻 勝率 備考                                 
パシフィック(88〜02年) 213>202 .513 引き分け124試合。『ベースボール・レコード・ブック』
セントラル(88〜02年)  249>248 .501 引き分け54試合。『ベースボール・レコード・ブック』
イースタン(90〜02年)   93<108 .463 引き分け105試合。『ベースボール・レコード・ブック』
ウエスタン(90〜02年)   45< 52 .464 引き分け102試合。『ベースボール・レコード・ブック』
都市対抗(27〜02年)    69< 91 .431 『都市対抗野球60年史』、『グランドスラム』など
センバツ(24〜02年)    79< 83 .488 宮津論文+『報知高校野球』など
高校選手権(15〜02年)  134>113 .543 宮津論文+『報知高校野球』など
大学              55< 68 .447 上の対象試合のみ(東京六大学は91秋〜02春、東都の1部〜3部は93秋〜02春)
これらの合計         937<965 .493

これらを足し算してみると、後攻が937勝、先攻が965勝となる(後攻の勝率は.493)。若干先攻が上回っているが、ほとんど互角だ。すでに掲げた高校野球の夏の予選を加えても、後攻が1099勝で先攻は1132勝だ(後攻の勝率は.493)。

一般的には、延長に入るとサヨナラがあるから後攻有利だと思われているはずだ。たとえば、『報知高校野球』03年1月号のコラム「T・ヒルマ記者の記録 DE 高校野球」には次のような記述がある(136ページ)。

プロ野球は本拠地での成績の方が敵地の成績を大幅に上回るのが常識である。今年のプロ野球では本拠地勝率は.518、敵地では.482となる。Bクラスのロッテでも36勝33敗1分け。勝ち越すなど地元ファンの声援とともに、やはり終盤勝負になった場合、裏の攻撃がより有利だったためだ。

▲3つ目の「。」は「と」の誤りではないかと思われますが…。原文どおりに引用しました。

この論述は杜撰だ。終盤勝負になったときの勝率など、どこにも示されていないからだ。「終盤勝負になった場合、裏の攻撃が有利だった」と言い切る以上、たとえば6回終了時点で1点差以内の試合が何試合あり、先攻が何勝で後攻が何勝だという数字を示してもらわなければ筋が通らないはずだ。

延長戦は紛れもなく「終盤勝負」の試合だろう。私が手当たりしだいにかきあつめた数字では、延長戦の場合の先攻・後攻別勝率はイーブンとしか言えない。2000試合以上の有効サンプルを集めたのだ。サンプル不足による誤差とも言いかねる。

以上のデータから、私は「野球には先攻・後攻による有利・不利はない」と唱えよう(一般論)。プロで後攻の勝率が高いのはホームとビジターの相違、アマのトーナメント大会で後攻の勝率が高いのは弱いチームが先攻をとりたがるため、と説明したい。


◆集計したデータに関しては、ある程度のカウントミスが含まれていることを前提にしてください。プロ以外は、すべて新聞・雑誌等のイニングスコアから拾ったものです(プロの延長試合も同様です)。ダブル・チェックしたものもありますが、この分量で完璧なら奇跡です。カウントミスがどちらか一方に極端に偏ることはないと思いますので、「行って来い」で、ある程度は相殺されるはずです。

◆今回の集計の副産物として、樟南高と鹿児島実高の傾向がつかめました。「三菱重工長崎の先攻と早打ち」をどうぞ。また、東大の先攻・後攻については、「東京六大学より東都?」のページにまとめました。また、私が見た試合で9回に同点または逆転があった試合のリストを「土壇場の逆転」のページに掲げてあります。

◆冒頭でお断りしたように、このページの一部が書籍に盗用されたことがありました。02年3月発行の当該書籍はすでに絶版になっていますが、古本として市場に出回っていますので、オリジナル・コンテンツは当方であることを主張するために、インターネット・アーカイブのスクリーンショット(02年1月2日時点)を掲げておきます。サイト移転の関係で旧アドレスとなりますが、ファイル名は変えていません。 より詳しくは「剽窃事件の顛末」のページをご覧ください。

2002年2月1日当時のこのページ(インターネット・アーカイブのスクリーンショット)

◆単に見るだけの野球ファンではなく、実際に現場におられる(た)方にお願いします。ジャンケンで勝ったとき、先攻をとるのか後攻をとるのか、支障のない範囲で、その理由とともにお聞かせください。草野球や少年野球の話でも結構です。高校時代の監督はこうだった、というような話にすりかえていただいて構いません。どうぞ、有益な示唆をお願いいたします。次のページ(↓「ジャンケンで勝ったとき」)に、これまで頂戴したご意見を載せてあります。

◆事実誤認、変換ミス、リンク切れ等にお気づきの際は、お手数ですが「4代目んだ」(接戦でも後攻は必ずしも有利ではない)または「メールのページ」からご一報いただけると幸いです。

★07/03/05校正チェック済、ケOK、プなし、順OK
★07/03/05HTML文法チェック済(エラーなし)、14/02/02(エラーなし)



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