◆「レフェリーとアンパイア」のページに無理やリ押し込んでいた項目(A)に関して進展がありましたので、加筆のうえ(B)独立させました。ややこしい話ですので、野球のルールに興味のない方は、どうぞキャンセルしてください。こんなルールを知らなくても、野球は楽しめます。
◆どうやら日本とアメリカでは解釈が異なるようです。わかりにくいのが日本ですが、この国ではそう解釈しているのですから、仕方がありません。悪法も法です。いつまでも悪法のままにしておくのは、ただの怠慢ですけど…。
事例1
この場合のホームランは認められる。まあ、この程度はよく知られていることだ。初めて知ったという人には、このページはおすすめできない。→「あまり野球に詳しくない方のために」
『公認野球規則』には次のような規定がある。ペナルティ後段但書きの規定は、ラグビーで言うところの「アドバンテージ・ルール」であると解説されることが多い(ラグビーに詳しくない人が言い出したことだろう)。
07年版 『公認野球規則』
8・05 塁に走者がいるときは、次の場合ボークとなる。
(a)〜(m) <略>
ペナルティ 本条各項によってボークが宣告されたときは、ボールデッドとなり、各走者は、アウトにされるおそれなく、1個の塁が与えられる。
ただし、ボークにもかかわらず、打者が安打、失策、四死球、その他で一塁に達し、かつ、他のすべての走者が少なくとも1個の塁を進んだときには、本項前段を適用しないで、プレイはボークと関係なく続けられる。
【付記1】 投手がボークをして、しかも塁または本塁に悪送球(投球を含む)した場合、塁上の走者はボークによって与えられる塁よりもさらに余分の塁へアウトを賭して進塁してもよい。
【付記2】 <略>
【8・05原注】 <略>
【注1】 投手の投球がボークとなり、それが四死球にあたった場合、走者一塁、走者一・二塁または満塁のときには、そのままプレイを続けるが、走者が二塁だけ、三塁だけ、または二・三塁、一・三塁のときには、ペナルティの前段を適用する。
なお、“その他”には捕手またはその他の野手の打撃妨害を含まない。
【注2】 本項【付記1】の“悪送球”には、投手の悪送球だけではなく、投手からの送球を止め損じた野手のミスプレイも含まれる。走者が、投手の悪送球または野手のミスプレイによって余塁が奪えそうな状態となり、ボークによって与えられる塁を越えて余分に進もうとしたときには、ボークと関係なくプレイは続けられる。
守備側(投手)はボークという反則を犯した。その反則に対しては、走者の安全進塁権という形で守備側にペナルティが課せられる。だが、「なりゆき」まかせのプレイが、そのペナルティを超えて攻撃側有利に展開した場合は、ボークはなかったことにしようという内容の条項だ(制限があることは後で述べる)。
後段但書きの適用は、「かつ」だからAND条件になっている。「打者が一塁に達すること」と「すべての走者が1個以上の塁を進むこと」の両者が満たされたときには、前段に定められた本則の規定は適用されない。事例1の場合、次のようになる。
×前段:「一死三塁」でボーク以前のカウントから打ち直し
○後段:「2得点、走者なし」で次打者(打者は一塁に達し、走者も進塁している)
事例2
この場合には、走者が進塁していないので、前段の本則どおりにボークが適用されることになる。
○前段:「一死三塁」でボーク以前のカウントから打ち直し
×後段:「一死一・二塁」で次打者(走者が進塁していない)
事例3
こちらの場合は、打者がアウトになっているので、本則どおりにボークが適用されることになる。
○前段:「一死三塁」でボーク以前のカウントから打ち直し
×後段:「1得点、走者なし」で次打者(打者が一塁に達していない)
さて、この事例3には落とし穴がある。02年6月、あるWebサイトの掲示板で、私はこの事例が提示されているのを見つけた。ルールブックの不備ではないかと思った。
本塁に達したはずの二塁走者は三塁に戻されて、打者は打ち直しになってしまうのだ。これがサヨナラにあたる場合、攻撃側としては納得しかねるところだ。ボークが宣告されていたばかりに、サヨナラはふいになってしまう。
ところで、打撃妨害の場合には、走者ではなく打者に対して安全進塁権が与えられる。その際、攻撃側監督の選択権が認められることがある。
07年版 『公認野球規則』
6・08 打者は、次の場合走者となり、アウトにされるおそれなく、安全に一塁が与えられる。(ただし、打者が一塁に進んで、これに触れることを条件とする)
<略>
(c) 捕手またはその他の野手が、打者を妨害(インターフェア)した場合。
しかし、妨害にもかかわらずプレイが続けられたときには、攻撃側チームの監督は、そのプレイが終わってからただちに、妨害行為に対するペナルティの代わりに、そのプレイを生かす旨を球審に通告することができる。
ただし、妨害にもかかわらず、打者が安打、失策、四死球、その他で一塁に達し、しかも他の全走者が少なくとも1個の塁を進んだときは妨害とは関係なく、プレイは続けられる。
【原注】 捕手の妨害が宣告されてもプレイが続けられたときは、そのプレイが終わってからこれを生かしたいと監督が申し出るかもしれないから、球審はそのプレイを継続させる。<以下略>
この【原注】には、「監督がプレイを選ぶ場合の例」として、2つの事例が記載されている。1つは、一死三塁で打撃妨害にもかかわらず打者が外野飛球を打ち、タッチアップした三塁走者が得点したケースだ。この場合の攻撃側監督は、次の2つのうちいずれかを選ぶ権利がある。
もう1つは、無死二塁で打撃妨害にもかかわらず打者がバントして、走者が三塁に達し、打者がアウトになったケースだ。攻撃側監督は次のどちらかを選ぶことができる。
8・05ペナルティの但書きと6・08(c)の但書きは、ほぼ同一の規定である。ところが、ボークの場合には、攻撃側監督の選択権が認められていない。6・08(c)に規定された監督の選択権は1962年に加えられたルールのようだ。
その際、8・05は考慮されずに取り残されてしまったのか、吟味されたが8・05には必要ないと判断されたのか、よくわからない。後者だとすると、次のような考え方に基づくものではないかと思われる。
| 違反行為 の対象 |
ペナルティ | 選択権が付与された(されない)理由? | |
| 打撃妨害 | 打者 | 打者に1個の 安全進塁権 |
打撃妨害は、打撃する権利の妨害であり、打撃の結果は多様だから、ルールで固定的に縛る必要はない。攻撃側が目先の1点をほしいとき、アウトカウントが増えても走者を進塁させたい。だから、打撃妨害のときには攻撃側に選択権を与えた。 |
| ボーク | 走者 | 走者に1個の 安全進塁権 |
プレイが生かされなくても、打者は打ち直しで走者は進める(1個だけ)。攻撃側の不利になることは絶対にない。したがって、攻撃側がランナーをためたいという思惑を持っていたとしても、選択権を与える必要はない。 |
ただ、事例3の場合に得点が認められないのは、やはり納得しかねる。たとえば、同点の9回裏二死二塁で、投手の二塁牽制時にボークがあり、その牽制球が悪送球になった場合、二塁走者にはボークによるペナルティ以上の進塁を試みる権利がある。
規則8・05の【付記1】だけ再度引用する。
07年版 『公認野球規則』
投手がボークをして、しかも塁または本塁に悪送球(投球を含む)した場合、塁上の走者はボークによって与えられる塁よりもさらに余分の塁へアウトを賭して進塁してもよい。
ボークを犯した投手の牽制球がセンターに抜け、これをセンターが後逸したような場合には、二塁走者には本塁を狙う権利があるのだ。こちらの場合には得点が認められてサヨナラになる。ところが、事例3では打者がアウトになったばかりに、走者は三塁に戻されてしまう。すっきりしないルールだ。
ところで、事例3の場合、フライが捕球されて打者がアウトになった時点で、ペナルティ後段但書きの適用はなくなる。したがって、審判がタッチアップしようとする走者に対して、もはやボールデッドであり、進塁できないことをコールすれば、その後のプレイ(内野への悪送球)も起こり得ないわけだ。
つまり、同じ「なりゆき」まかせの場合でも、審判は打撃妨害のときは最後までプレイを見守ることになるが、ボークの場合は打者アウトの時点でプレイを止める必要があるようだ。結局、事例3の場合の「なりゆき」とは「センターフライでアウト」までであって、その後はない(ことになる)。そう考えて初めて、選択権がないことを理解できる。
○前段:「一死三塁」でボーク以前のカウントから打ち直し
×後段:「一死二塁」で次打者(打者・走者ともに進塁していない)
ボークのときに選択権がないのは、選択の余地が狭いからではないだろうか。打撃妨害時の選択権は、攻撃側が打者のアウトを差し出すのと引き換えに、走者の進塁を生かす形で認められるものだ。ところが、ボークの場合は、打者がアウトになれば、必ず打ち直しの特権が与えらるので、攻撃側には差し出すアウトがない。
したがって、次のケースでも、審判は早めにボールデッドとしなければならないのだろう。
事例4
2人の走者は進塁しているが、打者が一塁に達する前にアウトになっているので、前段適用となる。打者がアウトになった時点でプレイを止めれば、さほど問題は起きないが、そのまま流してしまうと、表面上はサヨナラになる。
○前段:「1得点、一死三塁」のカウント1−1から打ち直し
×後段:プレイを止めたとき〜「1得点、二死三塁」で次打者(打者が一塁に達していない)
×後段:流したとき〜「2得点、走者なし」でサヨナラ(打者が一塁に達していない)
事例3は、相手のエラーによるものだった。だから、まだ諦めもつく。だが、事例4はそうではない。ツーランスクイズは、決められたほうにも隙があるけれども、やはり二塁走者の走塁や三塁コーチの判断を誉めるべきプレイだろう。攻撃側としてはサヨナラを簡単に諦めることはできない。もう1回、スクイズを試みて成功する保証などないのだ。
選択権が与えられていない以上、その後に起こるトラブルを防ぎ、後味の悪さを残さないために、打者アウトの時点で審判がプレイを止めることが求められているようだ。やっかいな話だと思われるが…。
さて、ボークのペナルティに関して、私には誤解していたことがあった。実はこのページは懺悔のページでもある。
事例5
打者は四球で一塁に生き、走者も盗塁と捕手の悪送球で得点しているのだから、そのまま続行だろうと、私は誤解していた。ところが、そうではないらしいのだ。この場合は、単純に【注1】の適用を受けることになるらしい。
私は、【注1】をペナルティ後段の言い換えにすぎないと解釈していた。だから、打者が四球で一塁に生き、走者が盗塁により進塁すれば、後段のAND条件を満たすので、【注1】を考慮するまでもなく、後段が適用されるものと思っていた。そうではなくて、塁が詰まっていない状況で四死球なら最初から後段の適用はないらしい。
○前段:「一死三塁」のカウント2−3から打ち直し
×後段:(適用なし)
8・05ペナルティ後段但書きがラグビーで言う「アドバンテージ・ルール」だというたとえは、必ずしも的を射たものではない。かえって誤解を招く恐れがある。
事例6
こちらの場合は素直に、「無死一・三塁」で再開すればいいらしい。後段但書きの「打者が安打、失策、四死球、その他で一塁に達し、かつ、他のすべての走者が少なくとも1個の塁を進んだときには、本項前段を適用しない」をそのまま適用するだけのことらしい。
×前段:「無死二塁」のカウント1−3から打ち直し
○後段:「無死一・三塁」で次打者(打者・走者ともに進塁している)
事例7
これは事例6の設定をストライク(空振り)に変えただけだ。つまり、ボークの投球が四球目にあたるボールのときはインプレイとなるが、それがストライクならボールデッドとなって、一塁走者の三塁進塁は認められない。
○前段:「無死二塁」のカウント1−3から打ち直し
×後段:「無死三塁」のフルカウントで再開(打者が一塁に達していない)
これが第3ストライクの場合でもボールデッドだ。ハーフスイングが絡んだ場合は、あくまでもインプレイであることを前提にプレイする必要がある。まあ、常にそうしていれば問題はない。
ハーフスイングのリクエストは、ボールと判定された投球に対して、守備側が要請することになる。その逆、つまり、ストライクと判定された投球に対して、攻撃側が要請することはできない。ボールデッドがインプレイに変わったら混乱は必至だ。インプレイがボールデッドに変わっても支障はない。
ボールならインプレイ、ストライクならボールデッドだから、見事に合致している。
【付記1】は日本では1972年から加えられたルールだ。牽制球の場合はわかりやすい。
事例8
この場合は、投手の「悪送球」であることからプレイ続行となる。一塁走者の三塁進塁は認められる。
事例9
こちらの場合は、投手の「悪送球」ではないから、ボールデッドとなる。走者は前段本則のペナルティによって二塁への安全進塁権を得ているが、それ以上は進めない。打者はボーク以前のカウントで打ち直しとなる。(頁末リンク参照)
投球が悪投となった場合であっても、2ストライク前や3ボール前なら話はシンプルだ。
事例10
【付記1】には「悪送球(投球を含む)した場合」とある。投手の暴投も「悪送球」であることからインプレイであり、三塁走者の得点と一塁走者の三塁進塁は認められる。「得点1、一死三塁」で再開となる。ちなみに、この「投球を含む」の括弧書きが『公認野球規則』に加わったのは1999年だ。
なお、事例10の場合、ペナルティ後段但書きではなく、【付記1】による「塁上の走者」のプレイ継続だから、ボールの投球はカウントされないようだ。次の場合を考えてみよう。
事例11
この場合、走者二塁であり、塁が詰まっていないので、打者の四球は認められない。投手の「悪送球」であることから、【付記1】により、二塁走者の得点は認められる。打者の四球が認められない以上、この投球はノーカウントである。それなら、事例10の場合もノーカウントでなければならない。
それでは、振り逃げ可能なケースはどうだろうか。
事例12
これまでの話の流れからすると、「悪送球」だからインプレイ、「なりゆき」どおりの「一死一・三塁」で再開ということになりそうだが、振り逃げの場合にはペナルティ後段但書きは適用されないようだ。鈴木美嶺・郷司裕編『わかりやすい公認野球規則1994』には、「“失策”のなかには、打者の“三振振り逃げ”は含まれない」との記述がある。(262ページ)
ということは、ペナルティ前段の本則どおりに、走者に1個の安全進塁権が与えられるだけだ。この場合の二塁走者は、【付記1】により、アウトを賭して本塁を狙うことができる。
○前段:「一死三塁」のカウント2−3から打ち直し
×後段:(振り逃げは但書きの適用外)
上に掲げたペナルティ条項を読んだだけで、この解釈がすらすら出てくるとは思えない。後段但書きに言う「打者が安打、失策、四死球、その他で一塁に達し」の「その他」とは、走塁妨害と野選を指すようだ。
要するに、後段但書きが適用されるのは、打者がフェアの打球を打って塁に出た場合と、四死球の場合に限られる。「振り逃げはゴロを打ったのと同じ」という考え方は通用しない。6.08(c)にも同様の但書きがあるが、こちらの場合も「振り逃げ」は「失策」にも「その他」にも含まれないそうだ。再度、ボークの「但書き」を引用する。
07年版 『公認野球規則』
ボークにもかかわらず、打者が安打、失策、四死球、その他で一塁に達し、かつ、他のすべての走者が少なくとも1個の塁を進んだときには、本項前段を適用しないで、プレイはボークと関係なく続けられる。
ある程度は野球のルールに通じている一般的日本人の国語力でこれを読んだ場合、振り逃げも含まれると解釈する人のほうがはるかに多いだろう。多くの人が誤解してしまう(迷ってしまう)条項なら、それなりの対処が求められるはずだ。この解釈を貫くなら、振り逃げは含まれない旨の【注】が必要だと思われる。
念のために、振り逃げ不能のケースも考えてみよう。
事例13
この場合は6.05(b)【原注】でいう「正規の捕球」ではないが、後逸したわけでも、弾いたわけでもないので、【付記1】にいう「悪送球」ではない。よって、捕手がワンバウンド捕球すればボールデッドとなる。打者が三振アウトであることから、前段の本則適用となる。
○前段:「一死二・三塁」でカウント2−3から打ち直し
×後段:「二死一・二塁」(打者が一塁に達していない)
以上、これらをまとめると、次のようになる。
| ◆打者が打席を完了した場合(塁が詰まっていないときの四死球は打席完了とならない) ★安打その他により打者が一塁に達し、かつ各走者も1個以上進塁した場合→後段適用でなりゆき ★打者が一塁に達しない場合→前段適用で打ち直し ★走者のうちの少なくとも1人が進塁しなかった場合→前段適用で打ち直し |
| ◆打者が打席を完了していない場合(捕手が第3ストライクを捕え損じた場合を含む) <打者> ★常に前段適用で打ち直し <走者> ★悪送(投)球の場合→ペナルティにより与えられる塁より先にアウトを賭して進塁できる ★悪送(投)球でない場合→進塁は前段による1個のみ |
日本の場合は、このように運用されているようだ。もっとも、これが「正しい」のかどうかは保証の限りではない。私自身は、極力「なりゆき」を生かしたシンプルなルールであってほしいと思っている。ソフトボールのルールのほうがいい。
ソフトボールのルールは、野球のルールとは微妙に異なる。野球では打撃妨害時に限って認められる攻撃側監督の選択権は、ソフトでは広範囲に認められている。
| ソフトボールで攻撃側監督の 選択権が認められるケース |
選択の内容 | 野球では | ||
| 不正交代した選手が守備のプレイをしたとき | 4-7 | 次の投球動作に入る前:プレイを生かすor打ち直し(次の投球動作に入ればプレイは有効) | ペナルティはない (プレイが始まれば有効) |
3・08 |
| 不正投手の投球を打者が打ったとき | 6-11 | 3・05 | ||
| 打者が不正投球を打ったとき(打者がボークの投球を打ったとき) | 6- 1〜7 |
プレイを生かす
or不正投球のペナルティ (打者と全走者が進塁すれば不正投球は取消し) |
選択権なし | 8・05 |
| 野手が不正用具でプレイしたとき | 3-3 | 打球の処理:プレイを生かすor打ち直し 送球の処理:プレイを生かすor投球時の占有塁に戻す |
審判による是正命令 (是正されない場合は退場) |
【1・11〜 1・17原注】 |
| 打撃妨害にもかかわらず、プレイが続けられたとき | 8-1 | プレイを生かす
or打撃妨害のペナルティ (打者と全走者が進塁すれば打撃妨害は取消し) |
選択権あり(前述) | 6・08(c) |
▲“ILLEGAL PITCH”を、『公認野球規則』は「反則投球」と訳していますが、『オフィシャル・ソフトボール・ルール』では「不正投球」と訳しています。
▲ソフトボールの「不正投球」には、捕手を除く野手が投球時にファウル地域で守備についたときや、捕手が投球時に捕手席外にいたときなども含まれます。
▲不正投球が死球となった場合は、打者には一塁、走者には1個の安全進塁権が与えられます(後述)。また、不正投球が四球目のボールの場合も同様です。
すでに述べたように、野球ではボークに際して攻撃側監督の選択権はない。ソフトでは、不正投球の場合も選択権が認められている。また、一死二塁でボークの投球が死球となった場合、野球では二塁走者が進塁できるだけで、死球は認められない。一死三塁で再開、打者は打ち直しになる。打者としては「当てられ損」というわけだ。
一方、ソフトのルールでは、不正投球が死球となった場合には、攻撃側監督に選択権が与えられるのではなく、走者は不正投球に基づいて進塁できるし、打者の死球もそのまま認められる。つまり、一死一・三塁で再開されることになる。私にはソフトのルールのほうが合理的のように思われる。
なぜなら、走者一塁の場面でボークの投球が死球になると、野球でも打者は死球で出塁できる(ソフトも同様)。走者一・二塁や満塁のときも死球は認められる(くどいようだがソフトも)。
それなのに、走者二塁や二・三塁、一・三塁、三塁だけの場合には死球にならないのだ(しつこいようだがソフトでは死球となる)。同じようにボークの投球が死球になったのだ。走者がどこにいるかによって扱いが異なるのではバランスに欠けるはずだ。
ボークはボークである。それは置いて、ボークにもかかわらず投球したら、その投球を打ったり選んだりした結果は最大限尊重されるべきだ。というより、野球のルールでは、審判がどこでプレイを切っていいのか、判断に迷うケースが多いだろう。中途半端に止めてしまうとかえって混乱を招く。
野球とソフトのルールにおけるきわめて重要な相違点としては、ソフトでは「ボールインプレイ」と「ボールデッド」だけでなく、「ディレードデッドボール」という概念を明文規定していることだ。つまり、プレイが完了するまではとりあえずインプレイで、そのプレイが一段落した後、審判員が適切な処置をする場合のことだ。
野球のルールでは、ボークの場合と、打撃妨害の場合がこれにあたる。打撃妨害のときに、審判が勝手にプレイを止めたという目撃情報は少なくない。ソフトのような規定があれば、多少なりとも混乱が避けられるのではないかと思われる。
◆このページの大半は、04年3月に某サイトの掲示板で展開された(した)議論を下敷きにしたものです。ご教示いただいた多くの方々や当該サイトの管理人様に厚くお礼申し上げます。
◆6.08(c)【原注】がひっそりと「改正」されています。04年版『公認野球規則』の98ページ、うしろから6行目です。03年版までは「7.04(d)によって」でしたが、04年版は「6.08(c)によって」です。
◆アメリカンフットボールの審判は反則があったことを指摘するにとどまり、イエローフラッグが飛んでも笛が鳴るまではプレイは中断しないそうです(若干の例外もあるようですが…)。反則を犯した相手方には、プレイを生かすか、ペナルティを選ぶかの権利があるそうですので、「選択権」の考え方は、アメフトに由来するのかもしれません。なお、アメフトでは明らかに不利な選択をすることもできるそうです。
◆ラクロスでもイエローフラッグが用いられるそうですが、やはり反則を犯した相手方のキャプテンに「選択権」が与えられるそうです。
◆事実誤認、変換ミス、リンク切れ等にお気づきの際は、「メールのページ」からご一報いただけると幸いです。なお、このページに対応するブログ「んだ」のエントリーは(今のところ)ありません。
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