◆どこが「21世紀枠」に選ばれたのかということではなく、どこが「21世紀枠」に選ばれなかったのかに着目したページです。そのほうが正体を焙り出すためには都合がいいからです。
◆膨れ上がってきましたので、4ページに分割しました。各都道府県の秋季大会ベスト8チームを一覧表示しています。「常連校」と私立「非常連校」のリストも加えてあります。
「21世紀枠」とは不思議な制度である。野球以外の要素でセンバツ出場校を決めてしまおうという制度のように思える。02年センバツの公式ガイドブックによれば、「21世紀枠」の選考基準は次のとおりだ。
『サンデー毎日』02年3月23日臨時増刊(毎日新聞社、87ページ)●推薦は秋季都道府県大会のベスト8進出チームから選出する。秋季地区大会に出場していない学校も対象とする。
●当該校の野球部員以外の生徒、もしくは他校、地域にその学校の野球部の活動が、よい影響を与えた学校。
●(前の条件を満たしたうえで)いずれとも決定し難い場合、過去センバツ大会並びに全国高校野球選手権に出場経験のない学校、もしくは30年以上両大会に出場がない学校。▲06年センバツ分から、128校以上の9地区についてはベスト16進出チームが対象になっています。
1番目と3番目は客観的に判断できる基準だが、2番目は曖昧だ。また、この3つの選考基準のうち、上の2つはAND条件になっている。3つ目に関しては必要条件ではない。この一連のページでは、3番目の条件を満たしている高校を「非常連校」、そうでない高校(つまり過去30年内に甲子園出場経験のある高校)を「常連校」と呼ぶことにする。さて、引用を続けよう。
『サンデー毎日』02年3月23日臨時増刊(毎日新聞社、87ページ)選考方法は、47都道府県高野連が、それぞれの都道府県にある毎日新聞本支社、支局と協議のうえ推薦基準を満たしている学校を1校選出、さらに高野連の全国9地区に1校ずつの候補校を絞り込んだ。
このように、47の都道府県推薦校が9校の候補校に絞られて、その中から2校(08年は3校)がセンバツに出場できるという仕組みになっている。それでは、次のような手順で「21世紀枠」の正体に迫ろう。
まず、秋季都道府県大会のベスト8に残った高校を、優勝校>準優勝校>3位校>4位校>準々決勝敗退校という具合に上位から下位に並べる。準々決勝敗退校同士あるいは3位決定戦がおこなわれない県の準決勝敗退校同士は、同格扱いとする。
上位校から順に、非常連校に該当するかどうかチェックしてみる。そうすると、都道府県推薦校は次の3パターンに分類することができる。
繰り返すが、冒頭に掲げた3つの選考基準のうち、客観的に判断できるのは1番目と3番目だ。したがって、☆印、つまり非常連校のうちの最上位校が推薦されるのは、きわめて自然ななりゆきではないかと私には思われる。
★印、要するに非常連校の最上位校を押しのけて、下位の高校が推薦されたケースは、3つの選考基準のうち2番目の要素が作用した結果だろう。だから、★印を見れば、「21世紀枠」の本質が浮き彫りになるはずだ。単純に集計すると、次のようになる。
▼カッコ内は08年センバツ分の数値です。
☆ 219例(26)非常連校の最上位校 ★ 117例(16)非常連校の下位校 ※ 25例 (3)非常連校の最上位校より上位または同格の常連校 / 10例 (2)推薦校なし − 5例 (0)常連校のみ 計 376例(47)
ただし、このまま分析を進めることは、いささか妥当性を欠くと思われる。★印のなかには、非常連校の最上位校が、通常枠でセンバツ出場した(出場が有力視される)ケースがあるからだ(◎)。この場合、わざわざ非常連校の最上位校が推薦されるとは考えにくい。したがって、これらのケースでは、非常連校の次点校で判断すべきだろう。
★◎→☆ 17例(1)非常連校の次点校(06年の愛知、愛媛、07年兵庫、高知、08年長野など) ★◎→★ 4例(1)非常連校の次点校より下位の非常連校(02年大阪、04年茨城、07年福岡、08年岡山) ★◎→※ 3例(0)非常連校の次点校より上位または同格の常連校(01年大阪、03年静岡、07年北海道)
★◎→☆のケース
07年高知は、毎度おなじみの室戸が非常連校の最上位校だった。室戸は四国大会で準決勝まで進んだ。四国大会を制した高知が神宮大会でも優勝したので四国枠は「3」となり、室戸のセンバツ出場は有力視される。高知の推薦校は神宮大会後に発表されている。
★◎→★のケース
07年福岡では、非常連校の最上位校である大牟田が九州大会で準優勝した。非常連校の次点校は、3位決定戦に沖学園に勝ち、九州大会でも2勝した自由ケ丘になるが、直接対決で敗れて九州大会でも勝てなかった沖学園が推薦されている。
★◎→※のケース
07年北海道は、非常連校の最上位校である旭川南が北海道大会を制した。非常連校の次点校はベスト8の釧路江南、虻田、恵庭北の3校だが、候補校は77年夏に出場している釧路江南だった。「30年」というのは目安に過ぎないのだろうが、集計に際しては一定の基準で機械的に振り分けるしかない。
また、★印のなかには、非常連校の最上位校が過去に推薦されたことのある高校だったケースもある(●印。ただし、03年斑鳩と07年室戸は「◎→☆」でカウントした)。たとえば、砺波工は02年と03年に2度推薦されている。05年も県大会で優勝して、非常連校の最上位校だったが、推薦されなかった。このようなケースも次点校で判断することにする。
★●→☆9例(2)非常連校の次点校(02年広島、03年宮城、03年千葉、04年福井など)が推薦 ★●→★3例(1)非常連校の次点校より下位の非常連校(04年長野、06年埼玉、08年福岡)が推薦 ★●→※1例(0)非常連校の次点校より上位の常連校(05年愛知)が推薦
★●→★のケース
06年埼玉の非常連校の最上位校はベスト4の浦和実だ。浦和実は01年に推薦されたことがある。非常連校の次点校はベスト8の本庄一か東和大昌平だ。推薦されたのはベスト16の坂戸西だった。
これらの補正を施すと、内訳は次のように変化する。
☆245例(29)非常連校の最上位校 ★ 87例(13)非常連校の下位校 ※ 29例 (3)非常連校の最上位校より上位または同格の常連校 / 10例 (2)推薦校なし − 5例 (0)常連校のみ 計376例(47)
さて、補正後の★印87例には、特徴的な現象が見られる。推薦校が公立校で、飛ばされた非常連校の最上位校は私立校というケースがやけに目につくのだ。
年 県 非常連最上位 推薦校 パターン 01 福島 田村 安積 県→県 01 岐阜 岐阜聖徳大付 郡上北 私→県 01 石川 尾山台 町野 私→県 01 奈良 斑鳩 高取 県→県 01 和歌山 有田中央 桐蔭 県→県 01 鳥取 鳥取城北 境港工 私→県 01 高知 高知東 室戸 県→県 01 大分 明豊 国東 私→県 年 県 非常連最上位 推薦校 パターン 02 福島 光南 原町 県→県 02 山形 羽黒 山形東 私→県 02 東京 頴明館 日野 私→都 02 石川 遊学館 輪島 私→県 02 岐阜 益田 郡上北 県→県 02 大阪 (柏原) 汎愛 私→市 02 鳥取 鳥取城北 倉吉産 私→県 02 山口 早鞆 響 私→県 02 徳島 生光学園 城南 私→県 〃 〃 徳島北 〃 県→県 02 福岡 鞍手 沖学園 県→私 02 佐賀 厳木 伊万里商 県→県 02 熊本 有明 千原台 私→市 02 宮崎 日章学園 延岡 私→県 02 鹿児島 川内 鹿児島玉龍 県→市 02 沖縄 中部商 辺土名 県→県 年 県 非常連最上位 推薦校 パターン 03 群馬 前橋育英 高崎経大付 私→市 03 愛知 大成 桜丘 私→私 03 新潟 東京学館新潟 柏崎 私→県 03 長野 長野工 伊那北 県→県 03 富山 富山第一 砺波工 私→県 03 石川 小松市立 羽咋工 市→県 03 鳥取 鳥取商 鳥取城北 県→私 03 徳島 生光学園 徳島東工 私→県 03 長崎 大村工 壱岐 県→県 〃 〃 創世館 〃 私→県 年 県 非常連最上位 推薦校 パターン 04 青森 八戸工大ニ 弘前南 私→県 04 山形 山形城北 山本学園 私→私 04 茨城 (下妻二) 土浦一 県→県 04 群馬 高崎工 富岡 県→県 04 静岡 飛龍 常葉橘 私→私 04 長野 上田西 諏訪清陵 私→県 04 富山 富山第一 八尾 私→県 04 奈良 片桐 奈良女子大付 県→国 04 和歌山 笠田 耐久 県→県 04 徳島 生光学園 名西 私→県 04 鹿児島 鹿児島 伊集院 私→県 年 県 非常連最上位 推薦校 パターン 05 青森 八戸工 三本木 県→県 05 滋賀 八日市 長浜 県→県 05 徳島 生光学園 徳島北 私→県 05 愛媛 松山聖陵 今治北 私→県 05 高知 須崎工 室戸 県→県 05 福岡 博多工 久留米工大付 市→私 05 熊本 専大玉名 人吉 私→県 05 宮崎 宮崎学園 宮崎北 私→県 年 県 非常連最上位 推薦校 パターン 06 山形 山形中央 米沢中央 県→私 06 埼玉 (本庄一) 坂戸西 私→県 〃 〃 (東和大昌平) 〃 私→県 06 千葉 中央学院 多胡 私→県 〃 〃 千葉日大一 〃 私→県 06 山梨 大月短大付 駿台甲府 市→私 06 新潟 新発田南 村上桜ケ丘 県→県 06 滋賀 綾羽 彦根翔陽 私→県 06 大阪 柏原 布施 私→府 06 兵庫 市川 尼崎北 私→県 06 徳島 生光学園 穴吹 私→県 06 福岡 戸畑商 春日 県→県 06 熊本 ルーテル学院 大津 私→県 年 県 非常連最上位 推薦校 パターン 07 秋田 秋田中央 大曲工 県→県 07 茨城 明秀日立 茨城 私→私 07 群馬 健大高崎 前橋育英 私→私 07 埼玉 大井 所沢北 県→県 07 千葉 東海大望洋 若松 私→県 07 神奈川 百合丘 藤嶺藤沢 県→私 〃 〃 茅ケ崎北陵 藤嶺藤沢 県→私 〃 〃 横浜創学館 藤嶺藤沢 私→私 07 岐阜 大垣日大 大垣西 私→県 07 石川 日本航空二 羽咋 私→県 07 奈良 奈良大付 登美ケ丘 私→県 07 福岡 自由ケ丘 沖学園 私→私 07 長崎 鎮西学院 大村工 私→県 〃 〃 創世館 大村工 私→県 年 県 非常連最上位 推薦校 パターン 08 宮城 大崎中央 利府 私→県 08 茨城 東洋大牛久 水戸一 私→県 08 栃木 矢板中央 宇都宮商 私→県 08 群馬 常磐 渋川 私→県 08 埼玉 昌平 栄東 私→私 08 山梨 富士学苑 甲府城西 私→県 08 滋賀 綾羽 守山北 私→県 08 大阪 大冠 桜塚 府→府 08 兵庫 明石商 出石 県→県 08 岡山 (共生) 岡山南 私→県 08 香川 寒川 高松北 私→県 08 高知 高知中央 小津 私→県 08 福岡 (自由ケ丘) 修猷館 私→県
このように、半数以上が私立校から公立校へ流れている。逆に、公立校が飛ばされて私立校が推薦されたケースは重複を含めて7例のみだ。「21世紀枠」とは公立校優先の制度化だったのかもしれない。
かつて高野連のWebサイトには、上記「選考基準」とともに「推薦例」として、次の3項目が掲げられていたようだ。
1)困難条件の克服。例えば少子化による部員不足の克服、分校や施設面でのハンディ克服、さらには自然災害など様々な困難環境の克服が認められるもの。
2)当該秋季都道府県大会および地区大会で強豪校との対戦で惜敗した学校。
3)最近数年間の試合成績がきわめて良好ながら、当該都道府県大会の決勝あるいは準決勝などで敗退、甲子園出場機会に恵まれない学校。
(リニューアル前の)当事者のサイトを探したが見当たらない。孫引きになってしまうが、管理者が異なる3件のページで全く同一の(一字一句違わない)文章が掲げられていたので、同一性は保持できると考える(ただし、当事者のサイトにない以上、今では撤回したのかもしれない)。
私はもともと「特別枠」の存在を頭から否定するつもりはない。主催者の理念なり見識なりを反映する「特別枠」はあってもいいと思っている。
秋季大会は、一部で敗者復活やリーグ戦方式が採用されているけれども、これは県大会進出の順位決定戦の意味合いを持つ。都道府県大会や地区大会では、例外なくトーナメントの一本勝負だ。組み合わせによる運・不運は避けられない。
たとえば、00年秋の九州大会2回戦で、樟南は東福岡と対戦して延長11回表に得点したが、その裏にサヨナラ負けしている。最終スコアは4対3だ。その後、東福岡は準々決勝を8対0、準決勝を7対0、決勝を3対1と勝ち進んだ。神宮大会でも5対1、12対3、8対0で優勝した。
最終スコアだけで比較すれば、東福岡をもっとも苦しめたのは、九州大会ベスト16敗退の樟南なのだ。こういう場合、樟南を引き上げるという選択もあっていい。つまり、2)に関しては支持する。大いにやってほしい。
極端に言えば、地区大会優勝チームに県大会の1回戦で接戦の末に負けたチームがセンバツに出てきてもいいと私は考えている。ところが、「21世紀枠」の導入により、樟南のようなケースでの救済の可能性はますます閉ざされてしまっているのだ。別枠ができたのだから、一般枠が狭くなるのは当然のことだからだ。
「21世紀枠」につきまとう違和感は、「逆転現象」によるものだ。私が言う「逆転現象」とは、単にどこまで勝ち進んだかを基準にしているわけではない。トーナメントとは、最小限の試合数で優勝を決めるものだ。その性質上、優勝チームに1回戦で負けたチームと決勝で負けたチームとの間には優劣はない。
たとえば、オリンピックの柔道やテコンドーでは(かつてのレスリングも)、決勝進出者に負けた選手に敗者復活戦の道を開いている。この敗者復活を勝ち上がっていけば、銅メダルを獲得できる。組み合わせに恵まれなかった選手に対する一種の救済措置だと言ってもいいだろう。
次に掲げる【A】の事例では、私が言うところの「逆転現象」は生じていない。02年関東の場合、太田市商と水短は同じ浦学に負けたのであって、その意味において、両者の関係はイーブンだ。得点差に着目するなら、むしろ水短のほうが上に来る。
▼◎印はセンバツ出場校(赤は早期敗退の出場校)、◆印は早期敗退の出場校より上位進出した選考漏れの高校です。
| 97年 東北(2代表) | 02年 関東(4代表) | 03年 東海(3代表) |
| 優勝◎光星学院━━┓2 ┣━┓ 4強◎平工 ──┘1┃6 ┣━ 準V◆青森山田━━┓9│3 ┣━┘ 4強・学法石川──┘2 |
準V◎浦和学院 ━━┓6 ┣━┓ 8強◎水戸短大付──┘4┃8 ┣━┐ 4強◆太田市商 ━━┓3│1│ ┣━┘ 8強・市船橋 ──┘2 |
準V◎浜名 ━━┓4 ┣━┓ 8強◎東邦 ──┘2┃10 ┣━┐ 4強◆常葉菊川 ━━┓6│2│ ┣━┘ 8強・愛産大三河──┘5 |
| 00年 九州(4代表) | 02年 九州(4代表) | 03年 九州(4代表) |
| 優勝◎柳川 ━━┓5 ┣━┓ 8強・延岡学院──┘1┃8 ┣━┓ 4強◆城北 ━━┓8│0┃ ┣━┘ ┃ 8強・佐世保実──┘3 ┃17 ┣━ 準V◎佐賀商 ━━┓7 │3 ┣━┓ │ 8強・波佐見 ──┘1┃5│ ┣━┘ 4強◎九州学院━━┓6│2 ┣━┘ 8強◎戸畑 ──┘0 |
優勝◎九州学院 ━━┓5 ┣━┓ 8強・大分豊府 ──┘0┃11 ┣━┓ 4強◆長崎南山 ━━┓3│4┃ ┣━┘ ┃ 8強・川内 ──┘2 ┃6 ┣━ 準V◎樟南 ━━┓7 │5 ┣━┓ │ 8強・東福岡 ──┘0┃2│ ┣━┘ 4強◎延岡工 ━━┓1│0 ┣━┘ 8強◎福工大城東──┘0 |
優勝◎延岡学園 ━━┓5 ┣━┓ 8強◎柳川 ──┘3┃7 ┣━┓ 4強◆佐賀東 ━━┓3│0┃ ┣━┘ ┃ 8強・津久見 ──┘2 ┃2 ┣━ 準V◎宜野座 ━━┓5 │1 ┣━┓ │ 8強・長崎日大 ──┘2┃6│ ┣━┘ 4強◎秀岳館 ━━┓5│3 ┣━┘ 8強・西日本短大付─┘2 |
| 00年 近畿(7代表) | 03年 近畿(6代表) | 03年 北信越(2代表) |
| 準V◎育英 ━━┓4 ┣━┓ 初戦・京都西 ──┘0┃11 ┣━┓ 8強◆上宮 ━━┓11│2┃ ┣━┘ ┃ 初戦・郡山 ──┘1 ┃1 ┣━┐ 4強◎東洋大姫路━━┓3 │0│ ┣━┓ │ 初戦◎智弁和歌山──┘1┃7│ ┣━┘ 8強◆高田商 ━━┓2│1 ┣━┘ 初戦・八幡商 ──┘1 |
優勝◎平安 ━━┓3 ┣━┓ 初戦◎東海大仰星──┘1┃7 ┣━┓ 8強◎近江 ━━┓9│5┃ ┣━┘ ┃ 初戦・大産大付 ──┘0 ┃4 ┣━┓ 4強◎斑鳩 ━━┓6 │3┃ ┣━┓ │ ┃ 初戦・神戸国際大付─┘3┃5│ ┃ ┣━┘ ┃ 8強◆南部 ━━┓6│4 ┃ ┣━┘ ┃ 初戦・京都成章 ──┘5 ┃ ┣ 準V◎智弁和歌山━━┓3 │ ┣━┓ │ 初戦・北嵯峨 ──┘0┃7 │ ┣━┓ │ 8強◆箕島 ━━┓8│4┃ │ ┣━┘ ┃ │ 初戦・水口東 ──┘4 ┃9│ ┣━┘ 4強◎東洋大姫路━━┓4 │0 ┣━┓ │ 初戦・近大付 ──┘2┃2│ ┣━┘ 8強◆育英 ━━┓6│1 ┣━┘ 初戦・天理 ──┘1 |
優勝◎遊学館 ━━┓2 ┣━┓ 8強◎福井 ──┘1┃9 ┣━┓ 4強・長野工 ━━┓10│4┃ ┣━┘ ┃ 8強・新潟明訓──┘4 ┃10 ┣━ 準V◆福井商 ━━┓3 │3 ┣━┓ │ 8強・日本文理──┘0┃9│ ┣━┘ 4強◆氷見 ━━┓10│5 ┣━┘ 8強・小松市立──┘0 |
同様の事例は、03年の東海、北信越、九州などに見られる。とくに03年北信越の場合、準優勝の福井商を差し置いて、ベスト8敗退の福井が選ばれたけれども、両者が負けた相手は同じ遊学館であって、接戦を展開したのはベスト8の福井のほうなのだ。そういう意味で、福井商ではなく福井が選ばれたことは、むしろ妥当だろう。
表面的なベスト4とかベスト8とかという結果は、どこで強いチームと対戦したかという組み合わせ抽選上の運・不運が反映されることもある。まあ、00年九州や03年近畿は、理解に苦しむけれども、漏れた上位進出校(◆)と選ばれた下位校(◎)が直接対決したわけではないので、「逆転現象」にはならない。
これに対して、「21世紀枠」選出校の場合、08年までの17校のうち7校が「逆転現象」を伴っているのだ。
| 01年 安積 | 02年 鵡川 | 02年 松江北 |
| 県V◆学法石川━━┓6 (東北8強) ┣━┓ 県8・相馬 ──┘1┃9 ┣━┓ 県4◆勿来 ━━┓4│0┃ (東北初戦敗退) ┣━┘ ┃ 県8・平工 ──┘3 ┃10 ┣━ 県準◆田村 ━━┓9 │6 (東北初戦敗退) ┣━┓ │ 県8・白河 ──┘7┃5│ ┣━┘ 県4◆小高工 ━━┓4│1 (3決敗退) ┣━┘ 県8◎安積 ──┘3 |
優勝◎札幌日大 ━━┓7 ┣━┓ 8強・帯広工 ──┘3┃4 ┣━┓ 4強◆函館大有斗━━┓5│2┃ ┣━┘ ┃ 8強・滝川西 ──┘4 ┃9 ┣━ 準V◆駒大岩見沢━━┓7 │7 ┣━┓ │ 8強◎鵡川 ──┘6┃4│ ┣━┘ 4強◆尚志学園 ━━┓5│3 ┣━┘ 8強・北照 ──┘1 |
準V◎広島商 ━━┓8 ┣━┓ 初戦・宇部商 ──┘1┃8 ┣━┓ 8強◆高陽東 ━━┓9│3┃ ┣━┘ ┃ 初戦・多々良学園──┘2 ┃10 ┣━┐ 4強◆益田東 ━━┓2 │0│ ┣━┓ │ 初戦・米子松蔭 ──┘1┃8│ ┣━┘ 8強◆岡山理大付━━┓7│6 ┣━┘ 初戦◎松江北 ──┘0 |
| 03年 柏崎 | 05年 一迫商 | 05年 高松 |
| 準V◎福井商 ━━┓5 ┣━┓ 初戦・伊那北 ──┘4┃3 ┣━┓ 8強◆日本文理━━┓9│0┃ ┣━┘ ┃ 初戦・高岡商 ──┘4 ┃9 ┣━┐ 4強◆氷見 ━━┓7 │5│ ┣━┓ │ 初戦・足羽 ──┘1┃10│ ┣━┘ 8強◆小松市立━━┓4│0 ┣━┘ 初戦◎柏崎 ──┘3 |
優勝◎羽黒 ━━┓10 ┣━┓ 8強・盛岡中央 ──┘0┃9 ┣━┓ 4強◆盛岡大付 ━━┓7│3┃ ┣━┘ ┃ 8強・東海大山形──┘4 ┃9 ┣━ 準V◎青森山田 ━━┓7 │8 ┣━┓ │ 8強・東福岡 ──┘0┃5│ ┣━┘ 4強◆秋田経法大付━┓2│2 ┣━┘ 8強◎一迫商 ──┘0 |
準V◎西条 ━━━━┓15 ┣━┓ 8強◆土佐 ━━┓5│1┃ ┣━┘ ┃ 初戦・鳴門工 ──┘3 ┃4 ┣━┐ 4強◆済美 ━━┓8 │3│ ┣━┓ │ 初戦◎高松 ──┘0┃5│ ┣━┘ 8強◆明徳義塾────┘4 |
| 08年 安房 | ||
| 準V◎慶応 ━━┓6 ┣━┓ 初戦・常磐 ──┘1┃4 ┣━┓ 8強◎宇都宮南────┘2┃ ┃3 4強◎聖望学園━━┓3 ┣━┐ ┣━┓ ┃1 初戦・山学大付──┘2┃4│ ┣━┘ 8強◆霞ケ浦 ━━┓1│0 ┣━┘ 初戦◎安房 ──┘0 |
【A】の場合、選ばれた下位校(◎)に勝った相手も一緒に選ばれている。ところが、【B】の場合には、直接対決の相手は選ばれていないのだ。02年の鵡川が出られるのなら、鵡川に勝った駒大岩見沢にもその資格が与えられてしかるべきだ。
松江北は岡山理大付にコールド負けしている。益田東はその岡山理大付に勝った。島根県大会も同様だ。松江北は準決勝で浜田に負けた。益田東は決勝で浜田に勝った。中国大会準決勝で大敗した益田東にはもともとセンバツの目はなかったけれども、松江北のセンバツ出場を聞いた益田東ナインがヤケ酒を煽ったとしても、私にはそれを咎めることはできない。
直接対決で負けたチームにだけ「ごほうび」があるから、釈然としないものを感じてしまうのだ。負けても認めてもらえることがあるのは事実だろう。だが、勝った側には、それ以上に認めてもらう権利があるはずだ。もともと「勝者と敗者」とはそういうものではないのだろうか。
レギュラー争いをしている2人の選手がいたとしよう。一方は学業優秀、性格円満、練習熱心で、家庭環境にいささか同情の余地があり、他方は素行不良のドラ息子で練習態度も悪かったとしよう。私なら前者をレギュラーで起用したくなる。しかし、後者にも出場機会は与えるだろう。
適当な局面で途中出場させたり、試合によってはスタメン起用することもあるだろう。多くの人はそういう対応をすると思われる。だが、センバツはオール・オア・ナッシングだ。試合の途中でA高校に代わってB高校が出られるわけではない。1回戦はC高校、2回戦ではD高校ということもできない。
だとすれば、学業優秀、性格温厚、練習熱心、不憫な家庭環境…などという要素が前面に出るような選考は、いただけないのではなかろうか。同レベルなら、品位・校風・歴史などを含めた「困難条件」が加味されるのもやむを得ないことだ。「逆転現象」が起きない程度なら、私のなかでも理解の範囲内だ。
02年センバツの公式ガイドブックから再度引用しよう。
『サンデー毎日』02年3月23日臨時増刊(毎日新聞社、87ページ)今大会に選ばれたのは、鵡川(北海道)と、松江北(島根)だ。「今まであと一歩のところで甲子園に手が届かなかったが、くじけずに夢を追い続け、がんばってきたチームを招くことで、高校野球全体の活性化につなげたい」という願いが込められている。
特別枠を設けたからといって、「あと一歩」のチームがなくなるわけではない。出場枠が有限である以上、「タッチの差」は常について回るのだ。グレーゾーンが拡大したことによって、逆に当落線上からこぼれ落ちるチームは増える。どこかを引っ張りあげれば、必ず別のどこかがしわ寄せを受けるのだ。
ときにははなはだしい「逆転現象」が見られるわけだから、ある層には魅力的な制度だろう。その部分は活気づくかもしれないが、反対にやる気を失う層もあるのではないか、という懸念がある。したがって、「高校野球全体の活性化」という「願い」が実現できるかどうかは疑問だ。
別に「あと一歩」組のチームが嫌いなわけではない。むしろ私は待ち望んでいる。だが、それは自力で壁を突破してほしいということなのだ。現に01年春の神埼、01年夏の十日町、02年春の三木、02年夏の久居農林などは、「お情け無用」で出場権を得ている。03年春の斑鳩もそうだ。
今度は01年センバツの公式ガイドブックから引用しよう。
『サンデー毎日』01年3月23日臨時増刊(毎日新聞社、15ページ)今回、全国の各都道府県高野連から推薦された「21世紀枠」の候補校は、45校だった。2連盟が該当校なしだったためで、45校が地区連盟で絞られた結果、次の9校が最終候補として残された。
<略>
9校はそれぞれ過疎化や天災、小規模校などのハンディを克服したり、学業との両立を図ったり、読書や作文を練習に取り入れるなどの工夫をしながら、野球に取り組んできた。その9校から今回は、福島県の安積高校と、沖縄県の宜野座高校が選ばれている。
が、もとより45校の間に優劣の差などない。2校は地道な努力を続ける全国幾多の学校の代表として甲子園に臨む。
「優劣の差などない」のなら、あみだくじで決めればよい。優劣の差を吟味したからこそ、2校が選ばれたはずだ。まあ、世の中には理不尽なことも多いということを高校生のうちに知らしめるための教育的配慮なのだとすれば、「21世紀枠」にも少しだけ存在価値があるのかもしれない。
毎日新聞社後援の全国高校選抜ラグビー大会で、04年からラグビー版「21世紀枠」が新設されている。
http://www.rugby-japan.jp/zenkoku/04_05/hs_senbatsu/index.html (04/03/05現在)このチャレンジ枠は同県に強豪チームがあり、高い実力を持ちながら、なかなか全国大会に出場できないチームや公立高校でありながら頑張ってきたチームを推薦するものです。
▲05/01/17時点で上記URLには接続できませんので、削除されたものと思われます。05/12/11時点ではGoogleのキャッシュからも消えています。財団法人日本ラグビーフットボール協会のWebサイト中「全国高等学校選抜大会」のページでした。
これはこれで1つの考え方だ。考え方はいろいろあっていい。高野連なり毎日新聞社なりが最初から「公立高校枠」だと言ってくれれば、私は無視するだけで済んだのだ。
また、読売新聞社主催の全国選抜高校テニス大会でも「ドリーム枠」なるものが新設されている。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/tennis/news/news_040203a.htm (04/03/09現在)今大会新設された「ドリーム枠」は、練習環境などの困難を克服したり、話題性に富んだチームに全国大会出場の道を開くもので、各地区が男女1校ずつ計18校を推薦。男子は創立130年の伝統を誇る岐阜(岐阜)、地域のテニスの活性化に尽力している日向(宮崎)、女子は今年度限りで統廃合される信貴ケ丘(奈良)、十勝沖地震や台風など災害に見舞われた北海道地区の旭川凌雲が選ばれた。
▲読売新聞社のWebサイトは個別ページへの直接リンクを認めていませんので、当初からGoogleのキャッシュにリンクしましたが、05/12/11時点で上記URLに接続できず、06/12/19時点ではGoogleのキャッシュにもありません。西部読売新聞社のWebサイト中「第26回全国選抜高校テニス」の「ドリーム枠新設、個人戦も」というページでした。
最初からこう言えばいいのだ。「偉大なる将軍様枠」が「話題性枠」でないはずがない。きれいごとだけ並べて本質を覆い隠すことを欺瞞と言う。
さて、私は選んだ側に責任があると言っているだけで、選ばれた側には何の罪もない。引け目を感じることなくプレイしてほしいと思っている。
井村雅代他『女は女が強くする』(草思社、48ページ)メダルのなかには、捨てたい金メダルもあれば、大事にしたい銅メダルもあるし、墓場に持っていきたい参加賞だってある。メダルの色なんてどうでもいい。自分の宝は自分が一番よく知っている。絶対にメダルの色じゃない
「21世紀枠」とは、当事者にとっての「墓場に持っていきたい参加賞」を「捨てたい金メダル」にすりかえているのかもしれない。まあ、関係者にとっては「墓場に持っていきたい金メダル」なのかもしれないけれど…。
◆このページの主な更新履歴は次のとおりです。
01年2月:「21世紀枠について」の標題でUP
02年12月:フルモデルチェンジして「21世紀枠の正体」に改題、「その後の21世紀枠」と2分割
07年6月:「その後の21世紀枠」を削除
07年12月:本編(このページ)、東(北海道・東北、関東・東京)、中(東海、北信越、近畿)、西(中国、四国、九州)に4分割
◆「国公立大合格者数全国1位」の肩書き等については、「02年センバツ予想」のページで触れました。また、「21世紀枠」推薦校の1つを春季大会で見る機会がありました。とんだ「よい影響」もあるようです。→「似て非なるもの」
◆事実誤認、変換ミス、数値の誤り、リンク切れなどにお気づきの際は、お手数ですが「3代目んだ」(21世紀枠の正体)または「メールのページ」からご一報いただけると幸いです。なお、「21世紀枠」については「3代目んだ」(もし、“21世紀枠”がなかったら…)でご意見を承ります。
★07/02/12校正チェック済、ケOK、順OK
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