セットポジションプロ野球
天才の胎動 | 権藤 | 10年目の決算報告(1)

権藤、権藤、雨、権藤

06/12/21作成
13/12/22更新

◆1961年、ブリヂストンタイヤから中日ドラゴンズに入ったルーキーは69試合に登板し、429回3分の1を投げて(今もセリーグ記録)、12完封(歴代5位タイ、当時のリーグ記録)を含む35勝(歴代7位タイ)という獅子奮迅の活躍をみせました。同じ年、パリーグでは、6年目の「鉄腕」が78試合に登板(歴代2位タイ、当時は新記録)、404イニング(パ記録)を投げて、42勝(日本記録)し、353三振(歴代2位でパ記録、当時は日本新)を奪いました。両者の登板記録を調べてみました。

◆このページで言う「先発」とは「当初」+「完投」であり、通常使われる「先発」と同義です。「完封」とは無失点完投勝利のことです。「完了」は別のページで説明してあります(→「当初/完了」)。また、「連投」は暦日単位で用いています。


伝説

NPBのオフィシャルサイトに次のようなコラムがある。

日本野球機構オフィシャルサイト>球太郎の野球雑学ページ>ローテーション
http://www.npb.or.jp/qtaro/topic20060418.html 

今では投手の腕に対する配慮は昔より進んでいて、巨人の上原浩治投手や西武の松坂大輔投手でも登板試合はシーズン30試合未満、中四日強の間をあけています。昔はそんな気遣いはしません。 1961年の中日・権藤博投手は69試合を投げました。ローテーションは「権藤→権藤→雨→権藤」でした。

「権藤、権藤、雨、権藤」という“ローテーション”は実際にあったのだろうか? それとも単に語呂の良さでこう呼ばれるようになっただけだろうか? まさか「…雨、雨、権藤、雨、権藤」まではないだろうが、“上の句”だけならあったかもしれない。というわけで、20年越しの疑問にチャレンジしてみた。結論から言えば、すくなくとも1961年には「権藤、権藤、雨、権藤」はなかった。

伝説のローテーション?を彷彿させるのは7月4日から15日の12日間だ。この間にドラゴンズの試合は10試合組まれていたが、ダブルヘッダーを含めて6試合が中止になり、残りの4試合すべてに権藤が先発した。“下の句”の「雨、雨、権藤、雨」までは一致したが、完全一致ではない。

ないなら条件を緩和しよう。先発でなくても登板すれば「権藤」でいいことにする。“上の句”だけなら、あってもよさそうなものだが、「権藤、権藤、雨」どまりだった。

「権藤、権藤、雨、権藤、雨、雨、権藤、雨、権藤」が61年に使われていたのだとすれば、語呂の良さでそう言われただけのことのようだ。権藤のルーキーシーズンの登板は次のとおりだ。

1961年権藤博

▼「対」は対戦相手(対戦予定チーム)で、「W」は大洋ホエールズ、「S」は国鉄スワローズです。「任」は責任勝敗、「回」は投球回数、「打」は打者数、「安」は被安打、「振」は奪三振、「球」は与四死球、「自」は自責点を示します。当時のセリーグは、火曜日から3連戦、金曜日が移動日、土日で3連戦(日曜日がダブルヘッダー)、月曜日が移動日という日程が一般的だったようです。

MM/DD曜  スコア  対  任    回     打  安  振  球  自  備考                 
04/08土  2○1  G                            (開幕投手は板東英二)
04/09日  4○1  G  ○01  9     34  8  6  0  1 初登板、先発1、完投1
04/09日  1●3  G
04/10月   なし
04/11火  0●1  W
04/12水   中止  W
04/13木  4○3  W  −    1      6  3  0  0  1 中3日、登板2、中継1
04/14金  なし
04/15土   中止  S
04/16日  5○1  S  ○02  9     35  6  5  1  1 中2日、登板3、先発2、完投2
04/16日  2○1  S
04/17月   なし
04/18火  5○3  G
04/19水  4○0  G  ○03  9     32  3  5  2  0 中2日、登板4、先発3、完投3
04/20木  3○0  G
04/21金   なし
04/22土   中止  T
04/23日  6●12 T
04/23日  3●6  T  ●01  2     13  6  1  4  4 中3日、登板5、先発4
04/24月   なし
04/25火  3○1  W  ○04  9     30  4  6  0  1 中1日、登板6、先発5、完投4
04/26水  1○0  W
04/27木  5○4  W  −    2.2/3 10  2  6  2  2 中1日、登板7、完了1
04/28金   なし
04/29土   中止  C
04/30日  1●6  C  ●02  3     15  4  4  2  3 中2日、登板8、先発6
04/30日  1●6  C  −
MM/DD曜  スコア  対  任    回     打  安  振  球  自  備考                 
05/01月   なし
05/02火  1●5  T
05/03水   中止  T
05/04木   なし
05/05金  3○0  C  ○05  9     34  6  6  0  0 中4日、登板9、先発7、完投5
05/06土  0●8  C
05/07日  2●5  C
05/08月   なし
05/09火  3○0  S  ○06   9     33  4  5  2  0 中3日、登板10、先発8、完投6
05/10水  3●4  S  ●03   4     17  4  5  1  1 連投、登板11、完了2
05/11木   なし
05/12金   なし
05/13土  1●3  C  −     5     21  7  4  0  1 中2日、登板12、先発9
05/14日  0●3  C
05/14日  2○0  C
05/15月   なし
05/16火   中止  T
05/17水  1○0  T  ○07  9     30  7 10  0  0 中3日、登板13、先発10、完投7
05/18木   中止  T
05/19金   なし
05/20土   中止  C
05/21日  3○1  C  ○08  4.2/3 15  1  2  0  0 中3日、登板14、完了3
05/21日  3○1  C  −    3.2/3 13  2  3  0  0 同日、登板15、完了4
05/22月   なし
05/23火  2○0  G
05/24水  2○0  G  ○09   9     32  5  7  0  0 中2日、登板16、先発11、完投8
05/25木  2○1  G
05/26金   なし
05/27土  1●5  S
05/28日  0●4  S  ●04   6     27  8  9  0  1 中3日、登板17、先発12
05/29月   なし
05/30火  4○3  T  ○10   2      8  0  2  0  0 中1日、登板18、完了5
05/31水  6○3  T  ○11   5.1/3 19  4  4  0  1 連投、登板19、完了6
MM/DD曜  スコア  対  任    回     打  安  振  球  自  備考                 
06/01木  5○4  T  −     2      7  0  1  1  0 連投、登板20、完了7
06/02金   なし
06/03土  2○1  S  −     1      4  1  1  0  0 中1日、登板21、完了8
06/04日  3●7  S
06/04日  5○0  S  ○12   9     30  3 13  2  0 連投、登板22、先発13、完投9
06/05月   なし
06/06火  2○0  W
06/07水  7○6  W
06/08木   なし
06/09金   なし
06/10土  9●10 G  −     2      9  3  3  0  3 中5日、登板23、先発14
06/11日  0●1  G  ●05   8     33  4  9  5  1 連投、登板24、先発15、完投10
06/11日  3△3  G  △01   4.1/3 21  5  5  2  2 同日、登板25、完了9
06/12月   なし
06/13火  4●7  W  ●06   8     29  6  7  1  4 中1日、登板26、完了10(延長16回の9回から登板)
06/14水   中止  W
06/15木  4○0  W
06/16金   なし
06/17土   中止  T
06/18日  1●2  T  ●07   8     31  7  8  1  2 中4日、登板27、先発16、完投11
06/18日  2●7  T
06/19月   なし
06/20火  0●1
06/21水  2○0  S  ○13   9     29  3  5  1  0 中2日、登板28、先発17、完投12
06/22木  2●3  S
06/23金   なし
06/24土  2○1  W  ○14  11     38  6  6  0  1 中2日、登板29、先発18、完投13
06/25日   中止  W
06/25日   中止  W
06/26月   なし
06/27火   中止  G
06/28水   中止  G
06/29木   中止  G
06/30金   なし
MM/DD曜  スコア  対  任    回     打  安  振  球  自  備考                 
07/01土  3○0  W  ○15   9     32  4  3  3  0 中6日、登板30、先発19、完投14
07/02日  0●6  W
07/03月  9○3  W
07/04火   中止  S
07/05水  7○0  S  ○16   9     30  3 10  1  0 中3日、登板31、先発20、完投15
07/06木   中止  S
07/07金   なし
07/08土  4○2  C  ○17   9     38 10  5  2  2 中2日、登板32、先発21、完投16
07/09日   中止  C
07/09日   中止  C
07/10月   なし
07/11火  1●2  G  ●08   5     19  2  4  2  2 中2日、登板33、先発22
07/12水   中止  G
07/13木   中止  G
07/14金   なし
07/15土  4●8  T  ●09   5.0/3 23  7  5  1  2 中3日、登板34、先発23
07/16日  1○0  T
07/16日  3○0  T
07/17月   なし
07/18火   なし
07/19水   なし
07/20木   なし
07/21金   なし
07/22土  2○1  C  ○18   3.2/3 12  1  5  0  0 後半戦初登板、登板35、完了11
07/23日  2●3  C
07/23日  6○3  C  ○19   9     35  6  5  4  3 連投、登板36、先発24、完投17
07/24月   なし
07/25火  3●10 G
07/26水  3●4  G  ●10   8     36  8  2  3  3 中2日、登板37、先発25、完投18
07/27木  4●5  G
07/28金   なし
07/29土  1●6  W
07/30日  6○3  W  ○20   9     34  8  5  1  3 中3日、登板38、先発26、完投19
07/30日  4○2  W
07/31月   なし
MM/DD曜  スコア  対  任    回     打  安  振  球  自  備考                 
08/01火  0●4  S
08/02水  4○2  S  ○21   9     40  9  7  5  2 中2日、登板39、先発27、完投20
08/03木  4○1  S
08/04金   なし
08/05土  7○3  C  ○22   9     35  6  3  2  2 中2日、登板40、先発28、完投21
08/05土  3●9  C
08/06日   なし
08/07月  5○0  C
08/08火   なし
08/09水  4○0  C  ○23   9     30  3  4  0  0 中3日、登板41、先発29、完投22
08/10木  5●7  C  ●11   4     14  2  0  0  1 連投、登板42、完了12
08/11金   なし
08/12土  3○0  S  −     2      6  0  1  1  0 中1日、登板43、完了13
08/13日  4○1  S
08/13日  1○0  S  ○24   9     33  5  3  1  0 連投、登板44、先発30、完投23
08/14月   なし
08/15火  6○1  T
08/16水  0●1  T  ●12  12     43  4  5  1  2 中2日、登板45、先発31、完投24
08/17木  2△2  T  △02   6.2/3 23  4  4  0  0 連投、登板46、完了14
08/18金   なし
08/19土  2●4  W
08/20日   中止  W
08/20日   中止  W
08/21月   なし
08/22火  6○5  G  −     4     21  7  1  2  1 中4日、登板47、先発32
08/23水  0●3  G
08/24木  4○3  G  ○25  10     36  5  3  1  2 中1日、登板48、先発33、完投25
08/25金   なし
08/26土  0●2  T
08/27日  3○2  T  ○26   9     33  7  4  1  2 中2日、登板49、先発34、完投26
08/27日  1○0  T  ○27   2.1/3  8  2  3  0  0 同日、登板50、完了15
08/28月   なし
08/29火  2●4  S  ●13   3     13  5  5  0  1 中1日、登板51、完了16
08/30水  6○4  S  ○28  10     41 10  6  1  4 連投、登板52、先発35、完投27
08/30水  5●6  S
08/31木   なし
MM/DD曜  スコア  対  任    回     打  安  振  球  自  備考                 
09/01金  2●8  T
09/02土  1●4  T  ●14   7     28  8  1  0  2 中2日、登板53、先発36
09/03日  6○1  T
09/04月   なし
09/05火  7●8  W
09/06水  5○3  W  ○29   9     41 13 11  1  0 中3日、登板54、先発37、完投28
09/06水 10○3  W
09/07木   なし
09/08金   なし
09/09土  2●6  S
09/10日  3○1  S  ○30   9     34  6  8  0  0 中3日、登板55、先発38、完投29
09/11月   なし
09/12火  3○1  G  ○31   4     14  1  2  2  0 中1日、登板56、完了17
09/13水   中止  G
09/14木   中止  G
09/15金   なし
09/16土   中止  W
09/17日  0●2  W  ●15   8     30  6  5  2  2 中4日、登板57、先発39、完投30
09/17日  3●4  W  ●16   3.1/3 14  5  3  0  3 同日、登板58、完了18
09/18月  3○2  W  −     0.1/3  1  0  0  0  0 連投、登板59、完了19
09/19火  1●7  G  ●17   4     17  5  1  1  5 連投、登板60、先発40
09/20水  9○4  G
09/21木  2●3  G
09/21木  7○0  G  −     2      8  2  2  0  0 中1日、登板61、完了20
09/22金   なし
09/23土 12○3  C  ○32   6     23  4  3  1  1 中1日、登板62、先発41
09/24日  6○3  C  −     1.1/3  6  2  2  0  0 連投、登板63、完了21
09/24日  2●6  C
09/25月   なし
09/26火  2●6  T
09/27水  7○5  T  −     2.0/3 12  5  2  1  3 中2日、登板64、先発42
09/28木  3●4  T  ●18   5.1/3 25  6  3  3  2 連投、登板65、完了22
09/28木  3●7  T
09/29金  3●4  T
09/30土   なし
MM/DD曜  スコア  対  任    回     打  安  振  球  自  備考                 
10/01日  8●9  W  ●19   5.1/3 19  5  5  0  3 中2日、登板66、完了23
10/01日  6○1  W
10/02月   なし
10/03火  1○0  S  ○33   9     32  5 11  2  0 中1日、登板67、先発43、完投31
10/04水  1●2  S
10/05木  1●2  W
10/06金   なし
10/07土  3○1  C  ○34   9     31  4  7  1  1 中3日、登板68、先発44、完投32
10/08日  2●4  C
10/08日  5○3  C  ○35   5.1/3 20  3  3  4  0 連投、登板69、完了24
10/09月  3●4  C
10/10火   なし
10/11水  2○1  G
10/12木 11○6  G

▲毎日新聞の縮刷版(東京)とマイクロフィルム(大阪)では5/17の奪三振数が「10」ですが、読売新聞のマイクロフィルム(大阪)では「9」でした(相手チームの三振数も毎日「10」、読売「9」)。また、8/27第2試合の奪三振数が毎日は「3」で読売が「2」です(先発・板東の「5」奪三振は一致、相手チームの三振は毎日が「8」、読売が「7」)。毎日に従わないとシーズン合計が「310」になりませんので、毎日の数値で処理しました。今では試合終了後にプレス向けのスコアが配布されるならわしになっているはずですが、当時はそういう「サービス」がなかったのかもしれません。

最後の400イニング投手

濃人渉監督(この時期「貴実」と改名)1年目の1961年、ドラゴンズは9月半ばまでジャイアンツとの首位争いを演じたが、最後に力尽きてペナントには届かなかった。シーズンを通じて優勝争いに絡んでいたことも登板過多を助長したのかもしれない。

さて、シーズン最多投球回でなおかつ防御率1位の投手は、次に示したように61年権藤を含めて20人いる。これに最多登板を加えた「三冠」は8人に減り、61年の権藤と稲尾が最後だ。また、1シーズンに400イニング以上投げた投手も20人いるが、やはり61年の権藤と稲尾が最後だ。

▼「先」は先発、「完」は完投、「封」は完封、「無」は無四球、「了」は完了、「勝」は勝利です。リーグ最多のみ数値を入れて、2位以下の項目はハイフンで示しました。「他」の「M」は最優秀選手、「新」は新人王です。

  年    投手   登  先  完  封  無  了  勝  勝率 投球回数 三振 防御率 他
1938秋 スタルヒン -- -- 17  7  1 -- 19 .905 197 2/3 146 1.05
1942  林  安夫 71 51 44 --  7 -- -- ---- 541 1/3 --- 1.01
1943  藤本 英雄 56 46 39 19 -- -- 34 .756 432 2/3 253 0.73
1944  若林 忠志 31 24 24  5  4  7 22 .846 248     --- 1.56 M
1953パ 川崎 徳次 -- -- -- -- -- -- 24 ---- 294 1/3 --- 1.98 
1954パ 宅和 本司 -- -- -- -- -- -- 26 ---- 329 2/3 275 1.58  新
1954セ 杉下  茂 63 -- --  7 -- 30 32 .727 395 1/3 273 1.39 M
1957パ 稲尾 和久 68 -- -- -- -- 27 33 .854 373 2/3 --- 1.37 M
1958パ 稲尾 和久 72 -- -- -- -- 35 35 ---- 373     334 1.42 M
1961パ 稲尾 和久 78 -- 25 -- -- 43 42 .750 404     353 1.69
1961セ 権藤  博 69 44 32 12  8 -- 35 ---- 429 1/3 310 1.70  新
1962セ 村山  実 -- -- -- -- -- -- -- ---- 366 1/3 --- 1.20 M
1964セ バッキー  -- -- 24 -- -- -- 29 ---- 353 1/3 --- 1.89
1980パ 木田  勇 -- -- 19 -- -- -- 22 .733 253     225 2.28 M新
1987セ 桑田 真澄 -- -- -- -- -- -- -- ---- 207 1/3 --- 2.17
1990パ 野茂 英雄 -- -- 21 -- -- -- 18 .692 235     287 2.91 M新
1990セ 斎藤 雅樹 -- -- -- --  3 -- 20 .800 224     --- 2.17 M
1991セ 佐々岡真司 -- -- -- -- -- -- 17 ---- 240     --- 2.44 M
2001セ 野口 茂樹 -- -- --  5  5 -- -- ---- 193 2/3 187 2.46
2005セ 三浦 大輔 -- 28 --  2 -- -- -- ---- 214 2/3 177 2.52

もともとは権藤の62年の登板記録も調べるつもりで図書館に行ったのだが、縮刷版が5月に入ったところで、早くも私は方針転換を決意した。せっかく61年の縮刷版をめくっているのだ。稲尾を無視するのはもったいない。

61年の稲尾は78試合の最多登板、42勝で最多勝、353奪三振も最多だ(61年パは140試合制)。また、最多完投で最多完了も61年の稲尾が最後だ。42勝の日本記録はいわくつきのものだし、353奪三振は江夏豊に抜かれたとはいえ、今でもパリーグ記録として残っている。

78試合のシーズン登板記録は、84年(130試合制)に福間納があと1試合まで迫ったときに物議を醸し、01年(140試合制)に菊地原毅が並んで、05年に藤川球児が超えた。まるで、高見山が関脇止まり、小錦が大関で地ならししたあとに、曙が横綱に昇進したのが再現されているような気がした。まあ、プロ野球には、もっと大きな「アンタッチャブル・レコード」があるけれども…。

いずれにせよ、61年稲尾の登板記録のほうが私の20年越しの疑問より価値がある。どうせやるなら稲尾にしようと決めた。

1961年稲尾和久

▼「Bu」は近鉄バファロー、「B」は阪急ブレーブス、「F」は東映フライヤーズ、「H」は南海ホークス、「O」は毎日大映オリオンズであり、稲尾は西鉄ライオンズです。61年パは140試合制ですので(セは130試合制)、水曜日にダブルが組まれて前半が4連戦になっている節も多くなっています。

MM/DD曜  スコア  対  任    回     打  安  振  球  自  備考                 
04/08土   中止  Bu
04/09日  2○0  Bu ○01  9     30  3  7  1  0 初登板、先発1、完投1
04/09日 11○8  Bu
04/10月   なし
04/11火  4○0  B
04/12水  7○0  B
04/13木  4○3  B  ○02  5     18  4  2  1  0 中3日、登板2、完了1
04/14金  なし
04/15土   中止  Bu
04/16日  7○3  Bu
04/16日  1●2  Bu
04/17月   なし
04/18火  6○5  F  −    4     14  2  3  0  0 中5日、登板3、完了2
04/19水  3●4  F  ●01  3     14  3  2  1  1 連投、登板4、完了3
04/20木  2●4  F
04/21金   なし
04/22土 11○3  H  ○03  7     29  8  5  1  1 中1日、登板5、先発2
04/23日  2△2  H  △01  4     16  3  3  1  0 連投、登板6、完了4
04/23日  5●8  H  −     .0/3  0  0  0  0  0 同日、登板7、完了5
04/24月   なし
04/25火  1●6  O
04/26水   中止  O
04/27木  5○4  O  ○04  9     38  6  6  5  1 中3日、登板8、先発3、完投2
04/28金   なし
04/29土  2○1  F
04/30日  3●11 F
04/30日  2○1  F  ○05  4     16  2  5  1  0 中2日、登板9、完了6
MM/DD曜  スコア  対  任    回     打  安  振  球  自  備考                 
05/01月   なし
05/02火 10○1  B
05/03水   中止  B
05/04木   中止  B
05/05金 11○3  H  ○06  9     34  6  6  0  0 中4日、登板10、先発4
05/06土  3●4  H
05/07日  7○6  H  ○07  4     14  3  2  0  2 中1日、登板11、完了7
05/07日  2●13 H
05/08月   なし
05/09火   なし
05/10水  7●8  O
05/11木  3○2  O  ○08   9     33  6  4  2  2 中2日、登板12、先発5、完投3
05/12金   中止  O
05/13土  1●4  F  −     1.1/3  6  2  1  1  3 中2日、登板13、中継1
05/14日  2●13 F
05/14日  2△2  F  △02   2      8  2  1  0  1 連投、登板14、完了8
05/15月   なし
05/16火   中止  B
05/17水  6●7  B  ●02  1.2/3  9  3  3  1  1 中2日、登板15、完了9
05/17水  0△0  B  △03  9     32  4  8  2  0 同日、登板16、先発6、完投4
05/18木   中止  B
05/19金   なし
05/20土  0●3  F
05/21日  4○1  F  ○09  9     35  8  7  1  1 中3日、登板17、先発7、完投5
05/22月   なし
05/23火   なし
05/24水  0●3  O
05/25木  2●4  O  ●03   9     36  7  5  1  4 中3日、登板18、先発8、完投6
05/26金   なし
05/27土  6○2  Bu
05/28日   中止  Bu
05/28日   中止  Bu
05/29月   なし
05/30火  5○2  O  ○10   9     37  8 12  2  1 中4日、登板19、先発9、完投7
05/31水   中止  O
MM/DD曜  スコア  対  任    回     打  安  振  球  自  備考                 
06/01木   中止  O
06/02金   なし
06/03土  2○0  H  ○11   9     33  5 12  2  0 中3日、登板20、先発10、完投8
06/04日  8●9  H
06/04日  0●5  H
06/05月 11○2  Bu
06/06火  2○1  Bu −     3      9  1  2  0  0 中2日、登板21、完了10
06/07水  1○0  Bu ○12   3     10  1  5  0  0 連投、登板22、完了11
06/08木  4●6  Bu
06/09金   なし
06/10土  4○0  H  ○13   9     33  5  7  1  0 中2日、登板23、先発11、完投9
06/11日 12○3  H
06/11日  3○0  H  −     4     13  3  3  0  0 連投、登板24、完了12
06/12月   なし
06/13火  5○1  B
06/14水  8○3  B  ○14   9     39 10  6  2  2 中2日、登板25、先発12、完投10
06/15木  1●4  B
06/16金   なし
06/17土  7○6  Bu ○15   2      9  1  2  2  0 中2日、登板26、完了13
06/18日  9○7  Bu −      .1/3  1  0  0  0  0 連投、登板27、完了14
06/18日  3○1  Bu
06/19月   なし
06/20火  1●2  B
06/21水  2○0  B  ○16   9     31  4  4  0  0 中2日、登板28、先発13、完投11
06/21水  4○3  B  −      .2/3  2  0  1  0  0 同日、登板29、中継2
06/22木  4●9  B
06/23金   なし
06/24土  0●9  F
06/25日   中止  F
06/25日   中止  F
06/26月   なし
06/27火   なし
06/28水  2○0  B  ○17   9     29  4  7  0  0 中6日、登板30、先発14、完投12
06/29木  5○0  B
06/30金  5●6  O  −     2      6  1  2  0  0 中1日、登板31、完了15
MM/DD曜  スコア  対  任    回     打  安  振  球  自  備考                 
07/01土  3●6  O  ●04   3     17  7  3  1  3 連投、登板32、中継3
07/02日  4○3  O  ○18   9     39 12  8  1  3 連投、登板33、先発15、完投13
07/03月  5○3  O
07/04火   中止  F
07/05水   中止  F
07/06木  3●4  F  ●05   3     15  4  3  2  2 中3日、登板34、完了16
07/07金   なし
07/08土  4●5 Bu  −     4     13  1  7  0  0 中1日、登板35、中継4
07/09日  5○3 Bu
07/09日  6○3 Bu  ○19   4     16  2  2  1  0 連投、登板36、完了17
07/10月   なし
07/11火  8○7  H  ○20   2      7  2  1  0  1 中1日、登板37、完了18
07/12水   中止  H
07/13木  5○3  H  ○21  10     42  9  9  5  3 中1日、登板38、先発16、完投14
07/14金   なし
07/15土  2●7  O
07/16日  4●9  O  ●06   5.1/3 25  9  2  1  4 中2日、登板39、先発17
07/16日  8○6  O
07/17月   なし
07/18火   なし
07/19水   なし
07/20木   なし
07/21金   なし
07/22土  2○1  H  ○22   3      9  1  6  0  0 後半戦初登板、登板40、完了19
07/23日   中止  H
07/23日   中止  H
07/24月   なし
07/25火 16●3  Bu
07/26水   中止  Bu
07/26水   中止  Bu
07/27木  9○2  Bu −     1      5  2  0  0  1 中4日、登板41、完了20
07/28金   なし
07/29土  2○0  H  ○23   9     29  2  9  0  0 中1日、登板42、先発18、完投15
07/30日  1●3  H
07/30日  5○4  H  ○24   2.2/3 14  5  4  1  2 連投、登板43、完了21
07/31月   なし
MM/DD曜  スコア  対  任    回     打  安  振  球  自  備考                 
08/01火  0●12 F
08/02水  8○6  F  ○25   9     40 13  7  2  6 中2日、登板44、先発19、完投16
08/02水  0●6  F
08/03木   中止  F
08/04金   なし
08/05土   中止  Bu
08/06日  2○1  Bu −     1.1/3  6  2  1  0  0 中3日、登板45、完了22
08/06日  3○0  Bu
08/07月   なし
08/08火  1●3  B
08/09水 14○2  B  ○26   9     34  6  9  1  2 中2日、登板46、先発20、完投17
08/10木  1●3  B
08/11金   なし
08/12土  6○1  O  −     3     12  3  3  0  0 中2日、登板47、完了23
08/13日  6○5  O  −     6     22  4  5  1  1 連投、登板48、完了24
08/13日  1●5  O
08/14月   なし
08/15火  0●2  H  ●07   5.1/3 22  6  6  1  2 中1日、登板49、完了25
08/16水  1●2  H
08/17木  3●5  H  ●08   3.2/3 13  2  6  1  2 中1日、登板50、完了26
08/18金   なし
08/19土   中止  F
08/20日  3●2  F
08/20日  2●8  F
08/21月   なし
08/22火  3○2  B  ○27   5.1/3 22  4  4  4  0 中4日、登板51、完了27
08/23水  3○2  B
08/23水  5○4  B  ○28   4.1/3 22  2  8  2  0 連投、登板52、完了28
08/24木  4○3  B  −     1      2  0  1  0  0 連投、登板53、完了29(バント併殺)
08/25金   なし
08/26土  7○4  O  ○29   3     12  2  5  1  0 中1日、登板54、完了30
08/27日  0●2  O  −     3.1/3 14  1  6  3  0 連投、登板55、完了31
08/27日  4○3  O  ○30   2      7  1  0  0  0 同日、登板56、完了32
08/28月   なし
08/29火  4○2  Bu
08/30水  0●2  Bu −     4.2/3 15  1  2  1  2 中2日、登板57、完了33
08/31木  3○2  Bu −     3.1/3 15  4  4  3  2 連投、登板58、完了34
MM/DD曜  スコア  対  任    回     打  安  振  球  自  備考                 
09/01金   なし
09/02土  3●8  O
09/03日  6○3  O  ○31   9     35 10  5  2  3 中2日、登板59、先発21、完投18
09/03日  1●2  O
09/04月   なし
09/05火  9○4  F  ○32   3.2/3 11  2  3  0  0 中1日、登板60、完了35
09/06水  1●8  F
09/06水  0●1  F  ●09   8.2/3 33  6  6  2  1 連投、登板61、完了36
09/07木  6○4  F
09/08金   なし
09/09土  2○1  H  ○33   9     30  2  7  2  1 中2日、登板62、先発22、完投19
09/10日  6○2  H
09/10日  1○0  H  ○34   3.2/3 12  1  5  0  0 連投、登板63、完了37
09/11月   なし
09/12火   中止  B
09/13水  4○1  B  −     1.1/3  5  1  1  0  0 中2日、登板64、完了38
09/13水  3○2  B  ○35   9     31  5 11  1  2 同日、登板65、先発23、完投20
09/14木   中止  B
09/15金   なし
09/16土   中止  O
09/17日  4○0  O  ○36   9     31  5  7  0  0 中3日、登板66、先発24、完投21
09/17日  2●10 O
09/18月  2●3  F  ●10   1.1/3  7  3  2  0  2 連投、登板67、完了39
09/19火  1●9  F
09/20水  2●3  F  ●11   8     36 10  7  2  3 中1日、登板68、先発25、完投22
09/21木  3●4  F  ●12   3.2/3 15  3  7  1  1 連投、登板69、完了40
09/22金   なし
09/23土  2●3  H
09/24日  2○0  H  −     3.1/3 13  4  2  1  0 中2日、登板70、完了41
09/24日  3●5  H
09/25月   なし
09/26火   中止  Bu
09/27水  8○2  Bu ○37   9     35  7  4  1  1 中2日、登板71、先発26、完投23
09/27水  0●2  Bu
09/28木  2○1  Bu
09/29金   なし
09/30土  6○0  B
MM/DD曜  スコア  対  任    回     打  安  振  球  自  備考                 
10/01日 10○3  B  ○38   7     29  6  6  2  2 中3日、登板72、先発27
10/01日  5○4  B  ○39   3      9  1  1  0  0 同日、登板73、完了42
10/02月   なし
10/03火   なし
10/04水  1●2  Bu ●13   9     35 10  5  0  2 中2日、登板74、先発28、完投24
10/04水  3○0  Bu
10/05木   中止  Bu
10/06金   なし
10/07土  2○1  Bu ○40   2      6  0  2  0  0 中2日、登板75、完了43
10/08日  6○1  F
10/08日  4○2  F  ○41   9     36  9  9  0  1 連投、登板76、先発29、完投25
10/09月   なし
10/10火   なし
10/11水  3○1  B  ○42   2      6  0  1  0  0 中2日、登板77、完了44
10/12木   なし
10/13金   なし
10/14土  1●11 O
10/15日  0●2  O  ●14   6     23  2  6  3  1 中3日、登板78、先発30
10/15日  3●4  O

▲ワークシート上では登板試合数、勝利数、投球回数、奪三振数、自責点の数値はシーズン記録と一致しましたが、転記ミスや「行って来い」の可能性があります。また、とくに対戦スコアについてはチェックが甘いはずですので、ご利用に際してはご注意ください。権藤のほうも同様です。

川崎徳次監督2年目を開幕6連勝でスタートしたラインオンズだったが、4月末には2ゲーム差の2位、5月末には4位に転落し、最終的には優勝したホークスに6ゲーム差の3位で終わった。

登板間隔

両者の登板間隔は次のようになる。権藤は中1日以内が31試合、稲尾は38試合だ。前後半の各初登板の試合を除くと、稲尾の登板間隔をカウントできるのは76試合になる。登板のちょうど半分が中1日以内だったわけだ。

▼全角数字は登板試合数、半角数字は累積百分率です。権藤は中1日の登板が12試合あり、中1日以内の登板が46.3%になると読んでください。

権藤と稲尾の登板間隔
権藤 稲尾
同日 6.0% 7.9%
連投 15 28.4% 20 34.2%
中1日 12 46.3% 12 50.0%
中2日 17 71.6% 21 77.6%
中3日 13 91.0% 11 92.1%
中4日 97.0% 98.7%
中5日 98.5% 98.7%
中6日 100.0% 100.0%
除外
69 78

ドラゴンズはダブルヘッダーが22回あったが、権藤が2試合とも投げたのはそのうち4回、2試合とも投げなかったのは3回だ。ライオンズはダブルが32回あって、稲尾が両試合に登板したのは6回、どちらにも投げなかったのは3回しかない。ダブルの日に球場に行ったのに、権藤や稲尾を見られなかったという人はかなり貴重だ。

権藤・稲尾がいなければ

61年の権藤はチーム試合数の半分以上に当たる69試合に登板して、チーム勝利数の半分弱を稼ぎ出した。投球回数は3分の1以上で、奪三振はチーム全体の4割を超える。

▼備考欄の「登板」「勝利」「投球回」「奪三振」はチーム記録に占める権藤の占有率を示します。備考欄の「防御率」は権藤以外の投手防御率(もちろん加重平均)です。チーム防御率から個人自責点のチーム合計を逆算して、権藤の分を控除する形で算出しました。当時の防御率計算は現在と端数処理が異なりますので、小数点2位については正しくないかもしれません。

1961年ドラゴンズの投手成績
登板 勝利 投球回 奪三振 防御率
ドラゴンズ 130 72 1179 747 2.48
権藤 博 69 35 429 1/3 310 1.70
河村保彦 51 13 223 2/3 130 2.53
板東英二 47 12 193 1/3 108 2.60
備考 53.0% 48.6% 36.4% 41.5% 2.93

権藤以外のドラゴンズ投手の防御率は2.93だ。防御率2.93の投手が429イニング3分の1を投げたら、自責点は「140」となるので、権藤の「81」との差は「59」だ。ドラゴンズの失点は「365」だったので、これが「59」増えれば「424」となる。

61年ドラゴンズのチーム得点は「427」だった。もし権藤を欠いていたとしたら、得失点はほぼイーブンであり、「16」の貯金も完全消滅に近かっただろう。ルーキー右腕はたった1人で勝率5割前後のチームを優勝争いに導いたわけだ。

1961年ライオンズの投手成績
登板 勝利 投球回 奪三振 防御率
ライオンズ 140 81 1244 2/3 943 2.83
稲尾和久 78 42 404 353 1.69
畑 隆幸 49 13 209 2/3 166 2.87
若生忠男 41 9 169 123 2.82
備考 55.7% 51.9% 32.5% 37.4% 3.38

稲尾にも同じことが言える。61年の稲尾はチーム試合数の半分を上回る78試合に登板し、勝ち星もチーム勝利数の半分以上だ。投球回数こそ3分の1弱だが、奪三振数では3分の1を大きく超える。稲尾の404イニングを防御率3.38の投手が投げていたら自責点は「152」となる。稲尾の「76」のちょうど2倍だ。

61年のライオンズは失点が「485」だったので、これに「76」を足すだけで、得点の「545」を上回る。西鉄ライオンズは72勝66敗の大毎オリオンズに9.5ゲーム差をつけているが、61年のライオンズに稲尾がいなかったら、オリオンズの後塵を拝してBクラスに転落していただろう。かなり控えめな計算でもそうなる。

対戦カード別投手記録

さあ、対戦カード別の成績を集計してこのページを締めよう。

▼左側が権藤の投手成績、右側は当該チームのチーム成績です。投手記録上の「引き分け」は、投球イニングにかかわらず最後に登板した投手に記録されます。また、右から3番目の「差」は勝敗差(いわゆる「貯金」または「借金」)であり、ゲーム差ではありません。

1961年権藤の対戦カード別投手成績
登板 勝利 敗戦 引分 先発 完投 中継 完了 投球回 打者 安打 三振 四死 自責 チーム 勝率 打率 得点
13 5 4 1 10 6 0 3 78 1/3 312 58 50 20 20 読売ジャイアンツ .569 18 .227 435
15 10 3 0 11 10 0 4 107 404 72 94 18 10 国鉄スワローズ .527 7 .227 387
14 5 6 1 8 4 0 6 77 2/3 303 67 51 11 19 阪神タイガース .473 -7 .244 405
15 10 2 0 9 6 0 6 90 2/3 342 61 56 16 14 広島カープ .465 -9 .239 417
12 5 4 0 6 6 1 5 75 2/3 284 62 57 8 18 大洋ホエールズ .404 -25 .236 418
69 35 19 2 44 32 1 24 429 1/3 1645 320 308 73 81

最下位のホエールズ戦は、登板試合数も、先発試合数も、投球回数も、もっとも少ない。権藤が上位チーム優先で投げていたことがわかる。カモはスワローズとカープだったようだが、ジャイアンツとタイガースには若干分が悪く、タイガースには負け越している。

1961年稲尾の対戦カード別投手成績
登板 勝利 敗戦 引分 先発 完投 中継 完了 投球回 打者 安打 三振 四死 自責 チーム 勝率 打率 得点
18 11 2 1 7 5 0 11 96 2/3 358 66 95 16 16 南海ホークス .629 36 .262 613
14 5 6 1 4 4 2 8 69 2/3 286 69 63 14 22 東映フライヤーズ .611 31 .264 614
16 9 4 0 9 7 1 6 96 2/3 387 84 79 23 23 毎日大映オリオンズ .521 6 .258 601
16 11 1 1 7 6 1 8 85 1/3 315 54 73 16 9 阪急ブレーブス .389 -31 .225 421
14 6 1 0 3 3 1 10 55 2/3 205 35 43 9 6 近鉄バファロー .261 -67 .229 411
78 42 14 3 30 25 5 43 404 1551 308 353 78 76

稲尾も、権藤同様に最下位チームにはあまり投げていない。先発は3試合しかなく(オール完投)、開幕戦の次が9月27日だ。ライオンズは稲尾が11勝したホークスには16勝11敗1分けと勝ち越しているが、稲尾が5勝しかできなかったフライヤーズには11勝17敗と負け越した。よくも悪くも神様仏様稲尾様次第だったわけだ。

楽しい?想像としては、「もし権藤が地元のライオンズに入っていたとしたら…」というのがある。単純に2人の勝ち星を足し算すると、実に77勝となる。ホークスは85勝で優勝しているのだから、これだけで“マジック”は一桁に近い。

もっとも、その場合には、1戦目稲尾、2戦目権藤で、3戦目は2人がリリーフでスタンバイする布陣になっただろうから、「権藤、権藤、雨、権藤」と呼ばれることもなかっただろう。のちに近藤貞雄氏が「投手分業制」を唱えることもなかったのかもしれないわけだ。あるいは、稲尾か権藤のどちらかがリリーフ専業に回り、「8時半の男」を名乗ったかもしれない。

まあ、確実に言えることは、近鉄球団の負けが「103」では済まなかっただろうということだ。

投球回数の制限

こんな新聞記事もある。

1961(昭和36)年4月6日付 『毎日新聞』

パ・リーグ中沢会長は<略>今シーズンつぎのことを実行すると6日発表した。<略>投手の投球回数に最高290インニングのワクを設ける。昨シーズンは杉浦(南海)の332、米田(阪急)小野(大毎)304、梶本(阪急)297インニング投げているが、過度の登板は投手の寿命をつめるから、今シーズンは290インニングを一応の制限目標とした。

▲「イニング」は原文のとおりです。当時はそういう表記だったようです。

290イニングの根拠はわからないが(試合数の2倍なら280)、シーズン前のこの決定事項は強制力のあるものではなかったようだ。なにしろ、稲尾は「一応の制限目標」?である290イニングの1.4倍投げている。それよりも、当時からすでに「過度の登板は投手の寿命をつめる」と認識されていたことはいささか驚きだ。


外部リンクです。
財団法人野球体育博物館野球殿堂稲尾和久
 07年、残念ながら権藤氏は9票足りずに落選しました。(P未通知、06/12/21設定)

◆毎日新聞(東京)縮刷版で調べたものをいったん表計算に取り込んで、読売新聞(大阪)のマイクロフィルムでチェックして、毎日新聞(大阪)マイクロフィルムで再チェックしました。なお、朝日を使っていないのは、61年当時の同紙ボックススコアに投手の奪三振数がないからです。それだけの理由ですので、念のため。

◆事実誤認、変換ミス、数値の誤り、リンク切れ等にお気づきの際は、お手数ですが「3代目んだ」(権藤と稲尾)または「メールのページ」からご指摘いただけると幸いです。

★07/12/02校正チェック済、ケなし、順OK
★08/01/02HTML文法チェック済(エラーなし)



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