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ソフトボールのルール(1)

05/10/28作成
13/12/15更新

◆野球とソフトのルールを比較したWebページの多くは、ソフト側からのアプローチです。投法、離塁アウト、再出場、ダブルベースなど主要部分のみの掲載にとどまるため、それ以外は野球もソフトも同じルールだと誤解されがちです。そこで、両競技のルールブックを対照してみました。比較的細かい部分をピックアップしましたので、野球なりソフトなりのルールにある程度詳しい方向けのページであることをお断りします。

◆このページは検索エンジンからダイレクトに入って来られる方が多いようですので申し添えておきます。ページタイトルは「ソフトボールのルール」ですが、当サイトは野球のサイトであり、ソフトのルール全般を解説しているわけではありません。

◆量が増えてきましたので、2ページに分割しました。このページは主にプレイイング・ルールです。用語の定義などは次のページにあります。


◇縦書きと横書き

もともとソフトボールは、アメリカでインドア・ベースボールとして始まったもののようだ。日本では、軟式野球連盟のソフトボール部が分離独立して、現在の財団法人日本ソフトボール協会が設立されている。このような歴史的経緯からして、野球とソフトのルールが似ているのは当然のことだが、実際には数多くの相違点がある。

私は『公認野球規則』を1992年版から持っている。規則改正はそんなに多くない。ときには何の改正もない年もある。そのツケが溜まって、07年の大量改正になったのだろう。一方、ソフトのほうは頻繁にルール改正されているようだ。

『公認野球規則』は縦書きだが、『オフィシャル・ソフトボール・ルール』は横書きだ。前者に関しては、引用に際して縦書きを横書きに改めるため、必要に応じて原文の漢数字を算用数字で表記している。後者に関しては、漢数字・算用数字はそのまま引用している。なお、引用文中の赤字は引用者である私が施したものだ。

また、ここで論じるソフトのルールは、国際(ISF)ルールではなく、国内(JSA)ルールのファストピッチだ。

イニング終了時のアピール権消滅

『オフィシャル・ソフトボール・ルール』は「用語の定義」から始まる。ソフトでは外野手の1人がフェア地域内に残っていればアピールは可能なようだ。

08年版 『オフィシャル・ソフトボール・ルール』

1−2項 アピール プレイ APPEAL PLAY とは、審判員が守備側の監督・コーチ・プレイヤーに要求されるまで判定することができないプレイで、正しい投球、不正投球にかかわらず次の投球動作に入る前になされなければならない。
 また、イニング終了のときは守備者全員がフェア地域を離れるか、審判員が試合終了の宣告をする前にしなければならないプレイをいう。
 【例外】<略>

『公認野球規則』の第1章は用具その他に関する規定であり、第2章が「用語の定義」になる。『公認野球規則』第2章に「アピール」の項目がある。アピールアウトそのものの規定は『公認野球規則』7・10だ。

08年版 『公認野球規則』

7・10 (d) <略>
 【注2】 攻守交代の場合と試合終了の場合との区別なく、いずれの場合でも投手および内野手が、フェア地域を離れたときに、アピール権が消滅することとする。
 アマチュア野球では、試合終了の場合に限って、両チームが本塁に整列したとき、アピール権は消滅することとする。

野球の規則では「投手および内野手」になっている。ソフトでは内野手全員引き上げても、外野手の1人がフェア地域内に残り、ボールを要求して(あるいは自分で拾って)アピールすることができるが、野球では投手と全内野手がフェア地域を離れたら、もはやアピールはできないわけだ。

実は、7・10の規則本文には「イニングの表または裏が終わったときのアピールは、守備側チームのプレーヤーが競技場を去るまでに行なわなければならない」とある。

この本文だけを素直に読めば、「投手および内野手」ではなく「守備者全員」になるはずだ。『公認野球規則』における【注】は日本の規則委員会が規則適用上の解釈として付加したものだ。本家がどう運用しているのか知らないけれど、すくなくとも日本国内では【注】の解釈で運用されている。

なお、ソフトのアピールはボールデッド中でもできるが、アマチュア野球ではボールデッド中のアピールは原則としてできないことになっている。→アマチュア野球内規(アピールの場所と時機)

打者が本塁に触れて打ったとき

比較的有名な相違点だと思われる。『オフィシャル・ソフトボール・ルール』には次の規定がある。

08年版 『オフィシャル・ソフトボール・ルール』

7−6項 打者がアウトになる場合
 5.打者が片足でも完全に打者席の外に踏み出したり、本塁に触れたりして打ったとき。

野球では、「本塁に触れた」だけではアウトにならない。→6・06(a)

ソフトでも野球でも、左右のバッターボックスとホームプレートは約15センチの間隔がある。かかとは打席内(ライン上)にあり、つま先でホームプレートに触れることは、大人ならあり得る。その状況で打った場合、野球ではインプレイだが、ソフトではボールデッドで打者アウトとなるわけだ。

打者走者の逆走

ソフトでは、打者走者が本塁に向かって「後ずさり」するとアウトになる。しかも、この場合にはボールデッドだ。『オフィシャル・ソフトボール・ルール』には次のような規定がある。

08年版 『オフィシャル・ソフトボール・ルール』

8−2項 打者走者がアウトになる場合
 12.打者走者が野手の触球を避けようとして本塁の方向に後ずさりしたとき。
 <効果> 8〜15
 (1) ボールデッド。
 (2) 打者走者アウト。
 (3) 他の走者は投球時に占めていた塁に戻らなければならない。

野球では、本塁に達した場合にアウトになる。『公認野球規則』7・08(i)の【注】にその旨の規定がある。

08年版 『公認野球規則』

7・08 次の場合、走者はアウトとなる。
 (i) 走者が正規に塁を占有した後に塁を逆走したときに、守備を混乱させる意図、あるいは試合を愚弄する意図が明らかであった場合。
 この際、審判員はただちにタイムを宣告して、その走者にアウトを宣告する。
 【原注】 走者がまだ占有していない塁に到達した後、飛球が捕えられたと思ったり、もとの占有塁に帰るようにおびき出されてもとの塁に帰ろうとした場合、途中で触球されればアウトになる。 しかし、もとの占有塁に帰りついたら、その塁についている限り、触球されてもアウトにはならない。
 【注】 たとえば、一ゴロを打った打者が一塁手の触球を避けようとして、側方に離れて走らない限り、逆走するようなことはさしつかえないが、本塁に達するとアウトになる

▲06年版までの「このさい」が07年版から「この際、」に、06年版までの「かぎり」が07年版から「限り」に改められています。

そもそも7・08(i)は、「守備を混乱」させたり、「試合を愚弄」する行為としての逆走を禁じているのであって、触球を避けるために逆走するのを禁じているのではない。また、正規に塁を占有した走者の話であって、まだ一塁に達していない打者走者の話ではない。したがって、この【注】を7・08(i)に置くのは本来は無理がある。

もっとも、日本の規則委員会は新たな条項を設ける権限を持たないから、どこかに無理やり押し込むしかないわけだ。(i)項本文には「審判員はただちにタイムを宣告」すると記されているが、全軟連の『競技者必携』によれば、打者走者が触球を避けるために逆走して本塁に達した場合にはインプレイであると明記されている。

いずれにせよ、この点に関して野球とソフトでは二重の相違があるわけだ。

走者の帰塁義務違反

野球のルールでは、打者がファウルを打ったとき、走者が元の塁に戻り、投手がプレートについてから、球審がプレイ再開を宣告することになっている。

ところが、野球とソフトには決定的な相違点がある。ソフトでは投手の投球前に走者は離塁できない。これに伴う細かな相違点の1つだ。『オフィシャル・ソフトボール・ルール』には次のような規定がある。

08年版 『オフィシャル・ソフトボール・ルール』

8−6項 走者がアウトになる場合
 4.試合中断後、プレイが再開されたときに、走者が塁に戻らなかったとき。
 (注) ボールデッド中、走者に帰塁の義務が生じたとき、審判員がそのための適宜な時間を与えたのち、試合再開を宣告したにもかかわらず、その走者があえて帰塁しなかったときに適用する。
 <効果> 1〜8
 (1) ボールインプレイ。
 (2) その走者はアウトになる。

走者が戻らないなら試合が進まない。もともと離塁アウトの規定があるのだから、戻らない走者はアウトにしてしまえというのは理解できる。困るのは、このルールが染みついた審判さんが野球の審判を務めるときだ。『公認野球規則』には次のような規定しかない。

08年版 『公認野球規則』

5・09 次の場合にはボールデッドとなり、走者は1個の進塁が許されるか、または帰塁する。その間に走者はアウトにされることはない。
 (e) ファウルボールが捕球されなかった場合――各走者は戻る。
 球審は塁上の走者が、元の塁にリタッチするまで、ボールインプレイの状態にしてはならない。

▲06年版までの「もとの」が07年版から「元の」に改められています。

野球には「戻らない走者はアウト」などという規定はないのだ。全軟連の『競技者必携』にも、「球審は厳重に注意し、その走者が戻って塁に触れてから試合を再開する」としか記載されていない。審判としては帰塁を促すしかなく、むやみにアウトの宣告はできない。

実は、1960年代の初めにアウトのペナルティを含む規則改正が検討されたようだが、その内容は「リタッチを果たさなかった走者は、次の最初の投球が行われる前に、その身体またはもとの塁に触球されればアウトになる」というものであって、守備側の行為なしにアウトが宣告されるソフトのルールとは異なる。

塁上の走者が打球に触れたとき

ソフトでは、離塁していない走者が打球に当たっても、その走者はアウトにならない。このルールもよく混同されているようだ。塁上の走者は打球に触れてもアウトにならないと主張する人がいたら、ソフト経験の有無を尋ねてみるべきだ。『オフィシャル・ソフトボール・ルール』には次のような規定がある。

08年版 『オフィシャル・ソフトボール・ルール』

8−6項 走者がアウトになる場合
 9.走者が離塁中、投手を含む内野手に触れる前か、または投手を除く他の内野手を通過する前のフェアボールにフェア地域で触れたとき。
 <効果> 9
 (1) ボールデッド。
 (2) 走者アウト。
 (3) 打者走者には一塁までの安全進塁権が与えられ、他の走者はフォースの場合を除き、投球時に占めていた塁に戻らなければならない。
 <略>
 (注3) 触塁中の走者に、フェアボールが触れたときは走者はアウトにならない。
 ○1 守備者が塁より前方で守備していたときはボールインプレイ。
 ○2 守備者が塁より後方で守備していたときはボールデッド。打者に一塁までの安全進塁権が与えられる。

▲「○1」と「○2」は、原文では丸数字(円内数字)です。機種依存文字(環境依存文字)ですので、このように処理しました。

野球でも、塁上の走者が打球に触れたときはアウトにならないという規定はある。ただし、それはインフィールドフライの場合に限定されている。『公認野球規則』の規定は次のとおりだ。

08年版 『公認野球規則』

7・08 次の場合、走者はアウトとなる。
 (f) 走者が、内野手(投手を含む)に触れていないか、または内野手(投手を除く)を通過していないフェアボールに、フェア地域で触れた場合。
 この際はボールデッドとなり、打者が走者となったために次塁への進塁が許された走者のほかは、得点することも、進塁することも認められない。(5・09f、7・09k参照)
 インフィールドフライと宣告された打球が、塁を離れている走者に触れたときは、打者、走者ともにアウトになる。
 【例外】 インフィールドフライと宣告された打球が、塁についている走者に触れた場合、その走者はアウトにならず、打者だけがアウトとなる。

▲「走者が打球に触れたらアウト」という規定には、細かい条件が付されていることにご注意ください。常にアウトになるわけではありません。なお、06年版までの「このさい」が07年版から「この際」に改められています。

ちなみに、ソフトにもインフィールドフライのルールはあるが、野球のルールとは特段の相違はない。

アウトになった走者が守備側のプレイを妨害したとき

野球には次のような規則がある。

08年版 『公認野球規則』

7・09 次の場合は、打者または走者によるインターフェアとなる。
 (e) アウトになったばかりの打者または走者が、味方の走者に対する野手の次の行動を阻止するか、あるいは妨げた場合は、その走者は、味方のプレーヤーが相手の守備を妨害(インターフェア)したものとして、アウトを宣告される。(6・05m参照) 
 【原注】 打者または走者が、アウトになった後走り続けてもその行為だけでは、野手を惑乱したり、じゃましたり、またはさえぎったものとはみなされない。 
 【注】 本項を適用するにあたって、2人または3人の走者がある場合、妨げられた守備動作が直接一走者に対して行なわれようとしていたことが判明しているときは、その走者をアウトにし、どの走者に対して守備が行なわれようとしていたか判定しにくいときは、本塁に最も近い走者をアウトにする。 
 前掲によって一走者に対してアウトを宣告したときは、ボールデッドとなり、他の走者は守備妨害の行なわれた瞬間すでに占有していた塁に帰らせる。<略>

▲06年まで7・09の(f)項でしたが、07年規則改正で(b)項が削除されたことに伴い、07年から(e)項に繰り上げられています。法律の場合、削除条項があっても繰り上げはありません。本当はそのほうが都合がいいのですが、アメリカの規則委員会さんは遠慮なく繰り上げてしまいます。

たとえば、無死一・二塁でセカンドゴロ、セカンドから二塁カバーのショートに送球して一塁走者封殺の場面で、アウトになった一塁走者が一塁に転送しようとしていたショートを妨害したと審判が認めた場合、一塁走者を重ねてアウトにできないので、守備行為の対象であった打者走者をアウトにするという規則だ。これに類似した規則がソフトにもあるが、その内容は異なる。

08年版 『オフィシャル・ソフトボール・ルール』

8−6項 走者がアウトになる場合
 12.アウトになった打者・打者走者・走者または得点をした直後の走者が、他に走者がいるときに守備側のプレイを妨害したとき。
 <効果> 12
 (1)ボールデッド。
 (2)本塁に最も近い走者がアウトになる。
 (注)アウトになった走者が、走り続けて送球を誘うのも妨害行為の一種である。

まず、主語からして違う。「得点をした直後の走者」が明示的に含まれている。まあ、野球の場合でも、得点が認められた直後の走者がほかの塁に送球しようとした捕手を妨害すれば、7.09(e)を類推適用することになるだろうが、明文化しておいたほうがよいのは当然のことだ。

次に、アウトになる走者が違う。野球では妨害された守備の対象となっていた走者がアウトになり、守備対象の走者が判断できないときは本塁に近い走者がアウトになる。一方、ソフトでは一律に本塁に近い走者をアウトにするわけだ。したがって、先に掲げた事例では、野球では打者走者がアウトになるので二死三塁だが、ソフトでは三塁に進んだ走者がアウトになって二死一塁となる。偉い違いだ。

また、ソフトには「アウトになった走者が、走り続けて送球を誘うのも妨害行為の一種である」という実に恐ろしい注がついている。この点に関しては、私は野球のルールのほうが妥当であると考える。このソフトのルールを深読み?すると、もしアウトになった走者が走り続けてくれたなら、守備側が送球すれば(楽に)アウトを稼げることになる。

しかも本塁に近い走者がアウトになるのだ。守備側にとってはありがたい話ではないか。わざと悪送球して、違法な走塁であることをアピールすべきかもしれない。まあ、実際の運用がどうなっているのか私は知らないので、これを読んだ誰かが試して痛い目にあったとしても責任は負えないけれど…。

打者を惑わす行為

『公認野球規則』には必ずしも規定が十分ではないと思われるものがある。

08年版 『公認野球規則』

4・06 競技中のプレーヤーの禁止事項
 (b) 野手は、打者の目のつくところに位置して、スポーツ精神に反する意図で故意に打者を惑わしてはならない。
 ペナルティ 審判員は反則者を試合から除き、競技場から退かせる。なお投手がボークをしても無効とする。

▲「なお」の後ろに読点がないのは、私が忘れたのではなく、原文がそうなっているからです。また、この尚書きは、直接的には(a)項(3)の「ボールインプレイのときに"タイム"と叫ぶか、他の言葉または動作で明らかに投手にボークを行なわせようと企てること」に対応したものと思われます。

たとえば、モーションを起こした右投手のすぐ後方に位置した遊撃手が、どじょうすくいを踊り始めた場合、インプレイなのだろうか。それともボールデッドとするのだろうか。特段の規定がないことから、インプレイだと思われるが、その結果、打者が打ち損じてアウトになっても、当該打者は救済されないことになる。

ペナルティが「退場」だけでは、守備側のやり得になってしまって、ペナルティとしての実効性に欠けることになる。ボールデッドとしたほうがいいように思われるが、走者が盗塁を試みたときのことを考えると、遊撃手のどじょうすくいは盗塁の成否には直接影響を与えないだろうから、やはりインプレイとするしかないのだろう。

実際には、内規または9・01(c)で運用されているものと思われるが、日本のプロ野球では次のような実例があるようだ。

千葉功 『プロ野球珍プレイ名ジャッジ』 実業之日本社

 昭和48年8月2日の太平洋(現西武)−ロッテ戦のことです。9回裏二死で太平洋のレポーズのボールカウント1−1後の投球がストライクと宣告されたときです。レポーズはバットをほうり出して、ロッテの前田遊撃手を指さして文句をつけたのです。投手の投球と同時に前田が二塁ベース後方で両手を差し上げ、ジャマをしたというものでした。
 このときは審判団協議の結果、3球目の判定を取り消し、一件落着となりました。

1−1のカウントで打ち直しになったわけだが、そのような規定は『公認野球規則』にはない。また、前田は退場になっていない。

残念ながら、この件に関しては、『オフィシャル・ソフトボール・ルール』も冴えない。まあ、ボールデッドと定めているだけ野球よりマシかもしれないし、あるいは柔軟性に欠けるかもしれない。

08年版 『オフィシャル・ソフトボール・ルール』

6−4項 守備位置
 2.野手が、打者の視界内に位置したり、守備位置を変えたりして、打者を故意に惑わすような行為をしてはならない。
 <効果> 2
 (1) ボールデッド
 (2) 不正投球。
 (3) その守備者は退場になる。

これはソフトのルールに照らしても矛盾するのではないだろうか。1-48項によれば、不正投球は攻撃側監督の選択権となるはずだ。選択権とするためには、ディレードデッドボールでなければならないはずだが…。ボールデッドなら、惑わされながらも打者がヒットを打った場合、そのヒットは取り消されることになってしまう。

内野の極端な前進守備

このページの公開は05年10月末だが、ずいぶん前から構想(だけ)は立てていて、着手したのは05年4月だった。05年6月に(野球に関する)某掲示板で次のようなやりとりがあった。

●A:無死一塁で攻撃側が送りバントを企図したところ、三塁手が打者の5mほど前まで前進して守っていた。このような守備は許されるのか?
●B:規則4・03(c)には「投手と捕手を除く各野手は、フェア地域ならば、どこに位置してもさしつかえない」とあるので、制限はされない。
●C:投手より前で守備はできないのではないか?
●B:その根拠は? 実は、私も「投手より前で守備はできない」と聞いたことがある。
●D:4・06(b)=「打者を惑わす行為」を適用して指導するように指示されたことがある。
●E:「投手より前で守備はできない」とはソフトのルールではないか?
●F:『オフィシャル・ソフトボール・ルール』にはそんな規定はない。

Fは私だ。このあと、この問題はさらに展開することになるが、この件はルールブックの範疇を超えているので、私はこのページには載せなかった。07年2月になって、(これまた野球に関する)別の掲示板で同じような質問があったようだ。「一死三塁で二遊間に投手より前で守らせたところ、相手チームから違反だと言われたが、そんなルールはあるのか」という内容だ。

結論から言えば、日本ソフトボール協会の『競技者必携』に次の記述がある。

08年版  『競技者必携』 43ページ

審判委員会申し合わせ事項
 7.投球について

(4) 投手の手から球が離れる前に、野手が本塁と塁との間の1/2以内に位置するような極端な前進守備は、打者の視界内となり、打者が危険を感じる行為として禁止する。

私は、先の掲示板で「もしこのようなルールがあるなら、次の4点をどう定めているのか気になる」と記している。次の4点とは以下のとおりだ。

1.時期;野手の守備位置が制限されるのは、いつからいつまでか?
2.範囲;野手が守ってはいけないのは、どのエリアか?
3.ペナルティ;違反に対して、どのようなペナルティを設けているのか?
4.インプレイ/ボールデッド;違反があった場合、ボールデッドになるのか?

まず、時期については「リリース前」と規定されている。範囲は「本塁と塁との間の1/2」だ。実は、私は「投手より前」がひっかかっていた。一辺90フィートの野球のフル規格では、三塁手がライン沿いに3m前に出ると、投手プレートの前端(本塁側)より前で守ることになるからだ。これでは、ごくノーマルな前進守備さえ否定されることになる。

野球の投手板は一塁と三塁を結んだ線(ダイヤモンドの対角線)の前方にあるが、ソフトの投手板は一塁と三塁を結んだ線の後方にある。「投手板より前」で守ってはいけないのなら、三塁手がベース上で守るのも違反になってしまう。守ってはならない範囲は「投手板より前」ではなかったのだ。

さて、「審判委員会申し合わせ事項」にはペナルティに関する定めがない。定めはないが、「打者の視界内」との記述があることから、これを6-4項2違反と解して、退場処分をくらわせる豪傑審判さんもいらっしゃるそうだ。はたしてこの行為は「退場」に匹敵するような行為だろうか? 私にはとてもそうは思えないけれど…。罪と罰のバランスに欠けるのではないか。

インプレイ/ボールデッドに関する記述も「審判委員会申し合わせ事項」にはない。したがって、リリース寸前に野手が「立入禁止ゾーン」に侵入し、審判が止める間もなく、投手が投球し、打者がこの投球を打ってホームランにしてしまった場合、どのような扱いをするのか私にはわからない。

もし、6-4項2違反なら、ボールデッドでホームランは取り消しになり、守備者が退場させられるわけだ。「打者を惑わす行為」でも述べたように、この裁定はソフトのルールに照らしても納得できない。

なお、学童(小学生の軟式)野球では、事故防止のためにこれに類する制限を設けている地域もあるようだが、成文化されたルールは確認できない。野球の場合、守備側がベースを離れると走者のリードを許すことになる。走者の存在が守備側の制約となり、とくに複数走者が出ている場合には(サヨナラの場面を除いて)、まず「極端な前進守備」はできない。

一方、投球(リリース)まで離塁できないソフトの場合は、守備側は走者のリードを気にする必要がなく、比較的自由に守備位置を変更することができる。したがって、ソフトにおいては守備側にルール上の制約を設けることの妥当性は否定できない。安全面を考慮するなら、むしろ不可欠なルールなのかもしれない。ただ、その中身はまだ成熟していないようだ。

▲08/03/23から1カ月ほどの間、誤って08年版ではこの条項が削除されていると記述していましたが、実際には条項番号が繰り上げられただけで削除されていませんでした。→「3代目んだ」(内野の極端な前進守備)

捕手の返球

『オフィシャル・ソフトボール・ルール』には次のような規定がある。

08年版 『オフィシャル・ソフトボール・ルール』

6−6項 捕手
 2.捕手は無走者のとき、各投球後、投手に直接返球しなければならない。
 <効果> 2
 ボールインプレイ、ボールデッドにかかわらず、打者に対してワンボールが宣告される。ただし、次の場合を除く。
 (1) 走者が塁にいるとき。
 (2) 打者が三振したとき。
 (3) 打者が打者走者になったとき。
 (4) 捕手がファウルライン付近でファウルかフェアかはっきりしない打球を処理して、打者走者をアウトにしようとして一塁へ送球したとき。
 (5) 捕手がツーストライク後の打者のチェックスイングを落球して、打者走者をアウトにしようとして一塁へ送球したとき。

ボールカウントを勘違いしていた捕手が、三振だと思い込んで一塁に送球したら、「ボール」を宣告される事態もあり得るわけだ。

『公認野球規則』では、いわゆる「12秒ルール」の中にこれに類する規定がある。

08年版 『公認野球規則』

8・04 塁に走者がいないとき、投手はボールを受けた後12秒以内に打者に投球しなければならない。投手がこの規則に違反して試合を長引かせた場合には、球審はボールを宣告する。
 12秒の計測は、投手がボールを所持し、打者がバッターボックスに入り、投手に面したときから始まり、ボールが投手の手から離れたときに終わる。
 この規則は、無用な試合引き延ばし行為をやめさせ、試合をスピードアップするために定められたものである。したがって、審判員は次のことを強調し、それにもかかわらず、投手の明らかな引き延ばし行為があったときには、遅滞なく球審はボールを宣告する。
 (1) 投球を受けた捕手は、速やかに投手に返球すること。
 (2) また、これを受けた投手は、ただちに投手板を踏んで、投球位置につくこと。

▲野球規則8.04は07年改正事項です。06年までは「20秒」でした。2段落目は07年に追加されたものです。同時に、07年版では「従って」が「したがって」に、「すみやかに」が「速やかに」に改められています。
▲「ただちに」「速やかに」「遅滞なく」は、いずれも即時性を示す言葉ですが、法律用語としてはニュアンスに差があります。→「3代目んだ」(ただちに/速やかに/遅滞なく)

捕手の返球と返球を受けた投手が投手板につくことは、あくまでも審判によって「強調」される行為であり、これらが「速やかに」(または「ただちに」)おこなわれないとしても、それがストレートにボールの宣告に結びつくわけではない。

◇(旧)20秒ルール

野球の12秒ルール(旧「20秒ルール」)は走者がいないときのルールだが、走者の離塁が禁止されているソフトの場合、走者の有無にかかわらず20秒ルールが適用される。

08年版 『オフィシャル・ソフトボール・ルール』

7−5項 ボール
 6.投手が球を受けるか、球審がプレイを指示したのち、20秒以内に次の投球をしなかったとき。
 <効果> 6
 不正投球ではなく、ボールデッド。

野球には12秒ルールが適用されたらボールデッドという明文の規定はない。ボールデッドとする規定がない以上はインプレイだろう。投球以前の離塁が禁止されているソフトの場合、ボールデッドとしても支障はないわけだ。もっとも、ランナーがいないときは、ボールデッドだろうがインプレイだろうが、どっちでも構わないけれど…。

準備投球

『オフィシャル・ソフトボール・ルール』には次のような規定がある。これも野球にはないルールだ。内規としても聞いたことがない。

08年版 『オフィシャル・ソフトボール・ルール』

6−8項 準備投球
 1.準備投球は、初回と投手が交代したとき、1分間を限度とし5球以内で、次回からは3球以内である。
 <効果> 1
 投手が規定の投球数をを超えて準備投球を続けたときは、1球ごとにワンボールが宣告される。
 (注) プレイヤーの交代、打ち合わせ、負傷などの理由で、試合の開始あるいは再開が遅れていると審判員が認めた場合は本項を適用しない。
 2.同一イニング中に、いったん交代した投手が再び投手に戻るときは、準備投球は認められない。
 <効果> 2
 投手が準備投球を行ったときは、1球ごとにワンボールが宣告される。

▲6-8項は06年および07年の改正事項です。05年ルールでは2回以降も「5球以内」でしたが、06年に「3球以内」改められ、07年は「効果2」のペナルティが加わりました。

まあ、実際にはラストボールである旨が伝えられるだろうから、現実問題としてはペナルティが適用されることはほとんどないのだろうが、準備投球は球審が注意すれば済む話であって、ペナルティで解決すべき問題とは思えない。審判が数え間違ったような場合、混乱が予想されるからだ。

『公認野球規則』では次のように規定されており、ワンボールなどというペナルティはない。だいいち、球審がさっさとプレイをかければ、投手は準備投球をしたくてもできないはずだ。

08年版 『公認野球規則』

8・03 投手は各回のはじめに登板する、あるいは他の投手を救援するには、捕手を相手に8球を超えない準備投球をすることは許される。この間プレイは停止される。
 各リーグは、その独自の判断で、準備投球の数を8球以下に制限してもさしつかえない。このような準備投球は、いずれの場合も1分間を超えてはならない。
 突然の事故のために、ウォームアップをする機会を得ないで登板した投手には、球審は必要と思われる数の投球を許してもよい。

▲06年版までの「さい」が07年版から「際」に改められています。

投球動作中にボールを落としたら

『オフィシャル・ソフトボール・ルール』の規定は次のとおりだ。

08年版 『オフィシャル・ソフトボール・ルール』

6−10項 投球動作中に球がスリップした場合
 投球動作中に投手の手から球がスリップしたとき。
 <効果> 10項
 (1) ボールインプレイ。
 (2) 打者に対してワンボールが宣告される。
 (3) 各走者はアウトになる危険を承知で進塁できる。

ソフトでは走者の有無にかかわらず常にインプレイであって、単にボールとなるだけだ。シンプルと言えば、シンプルなルールだ。これに対応する『公認野球規則』の規定は次のようになっている。

08年版 『公認野球規則』

8・05 塁に走者がいるときは、次の場合ボークとなる。
 (k) 投手板に触れている投手が、故意であろうと偶然であろうと、ボールを落とした場合。

8・01 (d) 塁に走者がいないときに、投手が反則投球をした場合には、その投球には、ボールが宣告される。 ただし、打者が安打、失策、四死球、その他で一塁に達した場合は除く。
 【原注】 投球動作中に、投手の手からとび出したボールがファウルラインを越えたときだけボールと宣告されるが、その他の場合は、投球とみなされない。塁に走者がいれば、ボールが投手の手から落ちたときただちにボークとなる。

野球では、走者がいるときはボーク、走者がいないときにファウルラインを越えればボール、ファウルラインまで達しなければノーカウント、という具合に結論が3種類に分かれる。

ソフトのルールしか知らずに野球をやっても、野球では走者がいるときはボールデッドにしかならないので、飛び出した走者がアウトになることはない。野球のルールしか知らずにソフトをやると、ボークだとセルフジャッジした走者が塁を離れてアウトになってしまうケースがあるかもしれない。

一番困るのは審判さんが勘違いしたときだ。いったいどこから湧いてきたルールなのか、選手もベンチも戸惑ってしまうだろう。まあ、このページはそういう目的で作られたものだ。

クイックピッチ

野球では、いわゆる「クイックピッチ」は反則投球であり、ボーク(走者がいなければボール)となる。『公認野球規則』は次のように定めている。

08年版 『公認野球規則』

8・05 塁に走者がいるときは、次の場合ボークとなる。
 (e) 投手が反則投球をした場合。
 【原注】 クィックピッチは反則投球である。打者が打者席内でまだ十分な構えをしていないときに投球された場合には、審判員は、その投球をクィックピッチと判定する。塁に走者がいればボークとなり、いなければポールである。クィックピッチは危険なので許してはならない。

▲『公認野球規則』には「クック」と記載されています。私の誤記ではありません。

これに対して、ソフトではタイム中の投球と同じ扱いにしかならない。『オフィシャル・ソフトボール・ルール』の規定は次のとおりだ。

08年版 『オフィシャル・ソフトボール・ルール』

6−9項 無効投球(ノーピッチ)
 2.打者がまだ打撃姿勢をとっていないとき、または前回の投球後、バランスを崩しているときに、すばやく次の投球(クイックリターンピッチ)をしたとき。
 <効果> 1〜4
 (1) ボールデッド。
 (2) その投球にともなうすべてのプレイは無効になる。

▲「ともなう」は原文でも<ひらがな>です。

ということは、ソフトでは、打者がクイックピッチを打ってボテボテの内野安打になっても、打者は救済されないことになる。また、投球が暴投となり走者が進塁できたとしても、その走者はもとの占有塁に戻されることになる。まあ、そうした場合には審判がクイックピッチだと認めなければ済む話かもしれない。

打撃姿勢

打撃姿勢に関する『オフィシャル・ソフトボール・ルール』の規定は次のとおりだ。

08年版 『オフィシャル・ソフトボール・ルール』

7−3項 打撃姿勢
 1.打者は球審が“プレイ”を指示したのち、10秒以内に打撃姿勢をとらなければならない。
 <効果> 1
 (1) ボールデッド。
 (2) 打者に対してワンストライクが宣告される。

一方、野球には「10秒以内」という具体的な数値は示されていない。これは野球とソフトのルールの顕著な相違点と言ってもいい。ソフトのルールには「○秒以内」が多いのだ。統一的な基準が明示されるという意味では、ソフトのほうがいいのかもしれない。『公認野球規則』の規定は次のようになっている。

08年版 『公認野球規則』

6・02 打者の義務
 (a) 打者は自分の打順がきたら、速やかにバッタースボックスに入って、打撃姿勢をとらなければならない。
 (b) <略>
 (c) 打者が、バッタースボックス内で打撃姿勢をとろうとしなかった場合、球審はストライクを宣告する。この場合はボールデッドとなり、いずれの走者も進塁できない。
 このペナルティの後、打者が正しい打撃姿勢をとれば、その後の投球は、その投球によってボールまたはストライクが宣告される。打者が、このようなストライクを3回宣告されるまでに、打撃姿勢をとらなかったときは、アウトが宣告される。

▲野球規則6.02は07年改正事項です。06年までの旧条項は(c)項前段が「打者が、バッタースボックスにあえて入ろうとしないか、またはバッターボックス内にあってもあえて打撃姿勢をとろうとしなかったときには、球審は投手に投球を命じて、その投球をすべて、ストライクと宣告する」でした。また、07年版では(a)項の「すみやかに」が「速やかに」に改められています。

より重要な相違点はペナルティだった。ソフトでは投手の投球を待たずに「ストライク」が宣告される(7-4項8参照)が、野球では投手が投球しなければ「ストライク」は宣告されなかった。また、ソフトのルールにはボールデッドと明記されているが、野球ではボールデッドとする規定がなかった。

これらの点については、07年に野球規則が改められたので、今ではソフトのルールとほとんど変わらなくなった。

投球をベンチに「ゴール」したとき

NGメールがきっかけで気づいた相違点だ→「3代目んだ」(催促)。投球を後逸した捕手がボールを追いかけて、誤ってそのボールを蹴ってしまい、ベンチに「ゴール」したような場合には、7.05(h)の【付記】適用で野球ではテイク2となる。

08年版 『公認野球規則』

7・05 次の場合、各走者(打者走者を含む)は、アウトにされるおそれなく進塁することができる。
 (h) 1個の塁が与えられる場合――打者に対する投手の投球、または投手板上から走者をアウトにしようと試みた送球が、スタンドまたはベンチに入った場合、競技場のフェンスまたはバックストップを越えるか、抜けた場合。
 この際はボールデッドとなる。
 【付記】 投手の投球が捕手を通過した後(捕手が触れたかどうかを問わない)さらに捕手またはその他の野手に触れて、ベンチまたはスタンドなど、ボールデッドになると規定された個所に入った場合、および投手が投手板上から走者をアウトにしようと試みた送球が、その塁を守る野手を通過した後(その野手が触れたかどうかを問わない)さらに野手に触れて、前記の個所に入ってボールデッドになった場合、いずれも、投手の投球当時の各走者の位置を基準として、各走者に2個の塁を与える。

▲06年版まで「このさい」でしたが、07年版から「この際」に“改正”されています。こういうところが「市販効果」なのでしょう。

同じケースでもソフトではテイク1となる。

08年版 『オフィシャル・ソフトボール・ルール』

8−4項 走者に安全進塁権が与えられる場合
 3.暴投または捕逸した球がバックネットの下に入ったり、挟まったり、競技場外に出たとき。
 <効果> 3
 (1) ボールデッド
 (2) 走者には1個の安全進塁権が与えられる。
 (3) 打者が四球を得た場合には一塁までの安全進塁権が与えられる。
 (注) 暴投や捕逸した球が、捕手または他の野手に触れてから競技場外に出たり、ブロックトボールになったときも、1個の安全進塁権が与えられる。

「ブロックトボール」とは、規定によってボールデッドとなったボールのことだ。

無通告交代

『オフィシャル・ソフトボール・ルール』では、選手交代の手順(球審への通告を欠いた交代に対するペナルティ)が次のように定められている。

08年版 『オフィシャル・ソフトボール・ルール』

4−7項 プレイヤーの交代
 <略>
 2.プレイヤーを交代させようとするチームの監督は、球審に通告しなければならない。
 3.監督が、球審に通告したときに交代が成立する。
 4.球審は、次の投球がなされる前に、記録員にその交代を通告する。
 5.無通告で交代をした場合、次の投球動作に入ったときに不正交代となり、相手チームから審判員に申し出があったときにペナルティを適用する。
 6.いかに競技が進行していても、相手チームが申し出る前に違反していたチームの監督が審判員に申し出たときはペナルティはなく、その交代は正しいものとなる。
 <効果>
 (1) 違反者は試合から除外され、失格選手になる。
 <略>

これに対して、『公認野球規則』では次のようになっている。

08年版 『公認野球規則』

3・06 監督は、プレーヤーの交代があった場合には、ただちにその旨を球審に通告し、あわせて打撃順のどこに入るかを明示しなければならない。
 【原注】<略>
3・07 交代通告を受けた球審は、ただちにその旨を自ら発表するか、または発表させる義務がある。
3・08 交代発表のなかったプレーヤーの取り扱い
 (a) 代わって出場したプレーヤーは、たとえその発表がなくても、次のときから、試合に出場したものとみなされる。
  (1) 投手ならば、投手板上に位置したとき。
  (2) 打者ならば、バッタースボックスに位置したとき。
  (3) 野手ならば、退いた野手の普通の守備位置についてプレイが始まったとき。
  (4) 走者ならば、退いた走者が占有していた塁に立ったとき。
 (b) 前項で出場したものと認められたプレーヤーが行なったプレイ、およびそのプレーヤーに対して行なわれたプレイは、すべて正規のものとなる。

▲06年版まで「ただちに」でしたが、07年版から「直ちに」に改められています。また、06年版までの「及び」は07年版から「および」になっています。

選手交代に際して、監督には球審に対する通告義務がある(3・06)。ただし、通告を欠いた交代がおこなれたとしても、『公認野球規則』上のペナルティはない(実際には、試合後に監督が注意なり戒告なりの処分を受けることになるだろうが…)。

3・07は球審の発表義務を定めたものであり、3・08は球審が3・07違反をしたときの扱いだ。つまり、厳密には3・08とは無通告交代に関する定めではなく、無発表交代についての定めである。まあ、無通告ゆえの無発表ということのほうが多いだろうとしても、3・08の条文はあくまでも無発表であることを問題にしている。

監督による通告があった無発表交代にしても、無通告ゆえの無発表交代にしても、野球では試合上のペナルティがないことには変わりはない。無通告交代に対してペナルティを与えるべきだという考え方は理解できるが、ソフトのルールでは監督は通告したのに球審が失念してしまった場合の定めがないことになる。

それに、球審が記録員に通告すれば足りるのなら、相手チームには伝わらなくてもいいということにしかならない。その辺りはローカルルールなり慣習法でフォローするしかないわけだ。一見すると、ソフトのルールは野球のルールの不備を正したように見えるが、実はソフトのルールのほうが深刻な問題を抱えているのではなかろうか。

投手の交代制限

『公認野球規則』には次のような規定がある。

08年版 『公認野球規則』

3・05 先発投手および救援投手の義務
 (a) 4・01(a)、同(b)の手続きによって球審に手渡された打順表に記載されている投手は、第一打者またはその代打者が、アウトになるかあるいは一塁に達するまで、投球する義務がある。ただし、その投手が負傷または病気のために、投球が不可能になったと球審が認めた場合を除く。
 (b) ある投手に代わって救援に出た投手は、そのときの打者または代打者がアウトになるか一塁に達するか、あるいは攻守交代になるまで、投球する義務がある。ただし、その投手が負傷または病気のために、それ以後投手としての競技続行が不可能になったと球審が認めた場合を除く。

▲06年版までの「及び」は07年版から「および」に改められています。

要するに、負傷や病気のアクシデントがない限り、先発投手は先頭打者の打撃が完了するまで交代することはできないし、救援投手も最初の打者の打撃完了するかチェンジにならならければ交代することはできない。比較的よく知られているルールだ。

ところが、これに類する規定が『オフィシャル・ソフトボール・ルール』にはない。ということは、ソフトでは投手に偵察メンバーを使ってもいいことになる。また、野球では「代打→投手交代→代打の代打」で終わるが、ソフトでは再度の投手交代をしてもいいことになる。

捕手の返球準備投球の超過に厳しいことからして、実際にはローカルルールその他の定めがあるのかもしれないけれど、すくなくとも『オフィシャル・ソフトボール・ルール』の上では投手交代についての制限がない。青天井だ。


外部リンクです。
財団法人日本ソフトボール協会ソフトボール独特のルール
 ソフトと野球のルールの主な相違点については、協会のWebページでご確認ください。そちらで記述されている範囲については、ここで扱うつもりはありません。(05/10/28設定、リンク切れにつき07/11/07再設定)

◆キーワード検索をかけて、あるWebページがヒットした場合、それが野球のサイトなのかソフトのサイトなのか、きちんと把握することはとても大切なことです。つまらない誤解や混同は避けなければなりません。なお、指名打者(ソフトでは指名選手)のルールについては専用のページがあります。→「指名打者ルール」

◆ルール解釈の誤り、事実誤認、変換ミス、リンク切れ等にお気づきの際は、お手数ですが「3代目んだ」(オリンピック特需)または「メールのページ」からご一報いただけると幸いです。

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