セットポジションルール
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投球姿勢の「セットポジション」を検索された方へ

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13/12/15更新

◆当サイトには、投球姿勢としての「セットポジション」を解説したページは存在しません(今後も予定はありません、そもそも私の守備範囲ではありません)。忘れた頃にご質問を頂戴しますが、あまりお役に立てそうにはありません。ごく簡単なFAQを掲載して、お茶を濁しておきます。あくまでも私の見解ですので、適切かどうかは他のサイトもご覧いただいたうえで、総合的に判断してください。私は審判ではありません。


◇走者がいるとき、いないとき

ボークが宣告されるのは走者がいるときだけです。走者がいるとき、ほとんどの投手はセットポジションから投げますが、必ずしもセットポジションで投げなければならないと規定されているわけではありません。

ワインドアップポジションもセットポジションも、走者の有無にかかわらず用いることができます。規則8・01は、冒頭で「正規の投球――投球姿勢にはワインドアップポジションと、セットポジションとの2つの正規のものがあり、どちらでも随時用いることができる」と定めているからです。

走者のいないときのセットポジションも、走者が出たときのワインドアップポジションも否定されているわけではありません。

規則上はワインドアップポジションから「走者をアウトにしようとして塁に踏み出して送球してもよい」ことになっています(8・01(a)【原注2】)。ただし、「投手が投球に関連する動作をして、身体の前方で両手を合わせたら、打者に投球すること以外は許されない」(同【注2】)という規定がありますので、これに違反するとボークです。

また、次に掲げたアマチュア内規にあるように、ワインドアップポジションで右投手が三塁(左投手が一塁)に送球するとボークになります。

アマチュア野球内規

ワインドアップ・ポジションの投手
 ワインドアップ・ポジションをとった右投手が三塁(左投手が一塁)に踏み出して送球することは、投球に関連した足の動きをして送球したものとみなされるから、ボークとなる。投手が投球に関連する動作をして両手を合わせた後、再び両手をふりかぶることは、投球を中断または変更したものとみなされる。投球に関連する動作を起こしたときは、投球を完了しなければばらない(規則8・01(a))。

ワインドアップポジションのほうが牽制球に対する制約が大きいわけですから、走者がいるときのワインドアップポジションは限られます。二死三塁の場面のように、走者のスタートを(あまり)気にする必要のないときは、ワインドアップポジションでもさしつかえないはずです。

これに対して、走者なしの場面でもセットポジションから投げるピッチャーはそれほど珍しくありません。多くの場合、コントロールを重視してセットポジションから投げているものと思われます。逆に、セットポジションのときに制球を乱しがちになる投手もいますので、どちらがいいとは一概には言えないようです。

02年に見た高校野球の春季県大会で、次のような投手を見ました。

走者なし
(ワインドアップ)
80球投げてボールが32球
(ボールの比率:40.0%)
打者20人に対して3四球
走者あり
(セットポジション)
78球投げてボールが48球
(ボールの比率:61.5%)
打者21人に対して8四球

これだけセットポジションのときにストライクが入らないなら、どうせ走られても三塁どまりだと割り切って、セットポジションを捨てるのも1つの考え方かもしれません。まあ、一般的にはセットポジション優先で投球練習するはずなのですが…。

完全静止

セットポジションで投球する際は完全静止が要求されます。『公認野球規則』の8・01(b)には、「ボールを両手で身体の前方に保持し、完全に動作を静止する」とあるだけで、たとえば「1秒以上」という具体的な数字は記載されていません。

ボークの適用は、ひとえにアンパイアに委ねられる性質のものであり、同じ(ように見える)動作でボークが宣告されたり、されなかったりするのは、やむを得ないことだと達観するしかないように思われます。

さて、牽制球を投げるときには完全静止の必要はありませんが、走者がいないときのセットポジションでは完全静止が求められるのでしょうか。07年規則改正で8・01(b)には新たに「走者が塁にいない場合、セットポジションをとった投手は、必ずしも完全静止をする必要はない」との【原注】が加わりましたが、同時に当該部分について「我が国では…適用しない」との【注1】も加わりました。

結論だけ言えば、(日本では)走者がいないときのセットポジションでも完全静止が必要です。完全静止を怠った場合は、走者がいないのでボークにはならず、単にボールがカウントされるだけです。

なお、ソフトボールの規則では、投球動作開始前の完全停止が「2秒以上、10秒以内」(6-1項5、02年改正ルール)と明示されています。ソフトでは、この完全停止状態(プレートに両足で触れ、身体の前面でボールを両手で保持した投球準備動作)をさして「セットポジション」と呼んでいるようです。

ところで、高校野球の場合、同一投手は1試合を通して同じ位置でセットしなければならないそうです(つまり、ある打者に対してヘソの前でセットしたら、別の打者にクラウチングスタイルでセットすることはできないようです)。高校野球以外では「同じ位置」がとくに求められていないはずですが…。

▲これは「高校野球特別規則」に規定されているわけではなく、日本高野連発行の『高校生のための野球規則ABC』という冊子にその旨の記述があるようです。しかしながら、たとえば07年夏の選手権大会の大会要綱には「全国大会、地方大会ともすべての試合は2007年度公認野球規則、アマチュア野球内規、高校野球特別規則による」とだけ記載されています。繰り返しますが、「同じ位置」は公認野球規則でも、アマチュア内規でも、高校野球特別規則でも(明示的には)要求されていません。

軸足の外し方

セットポジションの姿勢で軸足をプレートから外す場合は必ず後方(二塁方向)に外さなくてはなりません。前方または側方に外すことは認められていません。プレートを外せば、スナップスローもOKですが、外すときは両手でボールを保持したまま外すことが求められています。

07年版 『公認野球規則』

8・01(b)セットポジション
【注5】 投手は走者が塁にいるとき、セットポジションをとってからでも、プレイの目的のためなら、自由に投手板をはずすことができる。この場合、軸足は必ず投手板の後方にはずさなければならず、側方または前方にはずすことは許されない。投手が投手板をはずせば、打者への投球はできないが、走者のいる塁には、ステップをせずにスナップだけで送球することも、また送球のまねをすることも許される。
【注6】 ワインドアップポジションとセットポジションとの区別なく、軸足を投手板に触れてボールを両手で保持した投手が、投手板から軸足をはずすにあたっては、必ずボールを両手で保持したままはずさねばならない。<略>

ノーワインドアップ

規則上の投球姿勢は「ワインドアップポジション」と「セットポジション」の2種類しかありません。「ノーワインドアップ(モーション)」という言葉は、現行の『公認野球規則』を探しても出てこないのです。もともと本文にないわけですから、もちろん索引にもありません。

いわゆる「ノーワインドアップ(モーション)」とは、一般的には「ワインドアップポジション」からの投球のうち、振りかぶらない投球動作を示すものと思われます(私はそのように理解しています)が、公的な定義はありませんので、かなり曖昧に(混乱して)使われることがあるようです。


外部リンクです。
べ〜すぼ〜るパラダイスルールむむむ考
 私自身が「ポジション」と「モーション」を混同していました。この混乱ぶりについては、「投球姿勢に関する誤解」のページをご参照ください。なお、同サイトには「野球ルール疑問解決掲示板2」があります。(03/03/13通知済)
じゃあ、GODで。セットポジションと牽制球
 「セットポジション」が拙サイトのサイト名になったのは、走者が出たときの駆け引きを私が楽しみにしているからです。テレビはなかなか写してくれませんが、エンドランのときにリードが変わる走者がいるのは事実です。(07/09/15設定)

◆事実誤認、変換ミス、リンク切れ等にお気づきの際は、「3代目んだ」(投球姿勢としてのセットポジション)または「メールのページ」からご一報いただけると幸いです。

★07/09/15校正チェック済、ケなし、順OK
★08/02/29HTML文法チェック済(エラーなし)



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