◆「スポニチ大会パンフの監督の抱負」と「スローガン大賞」は「スポニチ大会の定型句」のページに分割しました。
「まだ言うのか」と叱られそうな気もしなくはないけれども、とても大切なことだと思うので、あえて昔のことをほじくりかえしたい。『サンデー毎日』増刊96年8月19日号は、「第67回都市対抗野球公式ガイドブック」と銘打たれている(以下「都市対抗パンフ」)。常識破りの実に画期的なものだった。
私はこの都市対抗パンフを東京ドームの山下書店で買った。会社帰りに寄れば、そのまま歩いて帰れるから都合がいいのだ。この本屋には、都市対抗パンフに限らず『グランドスラム』や『大学野球』などが当たり前のように平積みで置いてある。
ナイターのない月曜日でも、たしか夜9:00頃まで開いている。年末年始を除けばほとんど年中無休だろう。場所柄だろうが、野球関係(東京ドーム)と競馬関係(場外馬券売場)と格闘技関係(後楽園ホール)には強い。
▲詳しい営業日や営業時間は直接お問い合わせください。私には責任は負えません。なお、01年以降は『報知高校野球』を見つけ損ねることが続いている関係で、最近の私の御用達は神保町の『書泉グランデ』です。
普通の本屋だと探すのに苦労する本や雑誌が、ドームの山下書店ではすぐに目に入る。あまりにたくさん置いてあるので面食らうぐらいだ。どうせ都市対抗パンフは毎年買うのだ。いちいち中身など確認しない。家に帰ってから、パラパラめくってみて驚いた。なんと、背番号がないのだ!
パンフに最低限必要な項目は、名前と背番号だと私は思っている。それ以外はなくてもいいのだ。ポジションや年齢や出身校や身長・体重や、右投げ左打ちとか、あれば便利だが、なければないで別にかまわない。
高校野球の秋季近畿大会のパンフは、名前と背番号と学年だけの実にシンプルなものだ。出身中学もつけてくれると嬉しいけれども、それでもパンフとしては十分に通用する。背番号がないくせに予選の成績が載っている「都市対抗パンフ」よりずっといい(四国は2試合で予選を通過するのだ。そんなデータは役には立たない)。
野球を知らない担当者だったらしいけれども、そんなことは言い訳にはならない。なにしろ主催者なのだ。都市対抗は場内アナウンスが聞き取れない。四六時中、のべつまくなしに応援合戦を繰り広げるからだ。打球音さえ聞かせてもらえない(私はひそかに「企業対抗演芸大会」と呼んでいる)。
スコアボードは間違っていることもある。00年の都市対抗では、代打で起用された大阪ガスの野夫井誠(姫路工高−東芝府中)がしばらくの間、「野夫」と表示されたままで場内の失笑を買っていた。01年は、選手交代がスコアボードに反映されていないケースもあったし、場内アナウンスの訂正が間違っていたこともある。
準々決勝の第1試合だった。7回裏の昭和コンクリートの攻撃は9番サード・松川から始まる。代打・藤本のアナウンスがあり、スコアボードにも藤本の名前が入った。7回裏の攻撃が終わり、代打の藤本がセカンドに入るというアナウンスがあった。
スコアボードも、9番のところに「4藤本」と入った。そのあとで、「代打いたしました岡田がセカンドに」という訂正のアナウンスがあった。翌日の新聞を見ると、代打は藤本であり、守備についたのは岡田だ。
もし、私が訂正のアナウンスを信じていたら、藤本は打席に入っていないことになってしまうではないか。都市対抗では、こういうことが毎年ある。まあ、隣と話をするのにも、顔を近づけて声を張り上げなければならないぐらいだから、交代を告げる審判の声も聞こえないのかもしれない。
打席に入っている選手が誰なのか、確認するすべは究極的には背番号だけなのだ。もっともユニフォームを忘れて、ほかの選手のユニフォームを着用していることもある。この場合、背番号がパンフとは異なる。かつて東海春季大会のとき、この事例を経験した。
疑問を抱いていた私は、直接その選手に確かめた。「ねえ、背番号が違ってるんだけど?」「あっ、気づきました?実は…」。
以上、「パンフには必ず背番号を載せろ」、「背番号のないパンフはパンフではない」、私が言いたいのはそういうことだ。00年の都市対抗パンフは、色使いの関係で背番号と名前が見づらかった。どうだ。担当者さんもこれでは読みにくいだろう。こういう色はあまり読ませたくないときに使うものだ。
▲当初、「次回からせめて名前と背番号だけは(この2つが肝心なのだ)読みやすい色のインクで作ってほしい。凸版印刷は豊富な色のインクを用意しているはずだからだ」と記述していました。01年や02年に関してはノープロブレムでしたので、毎日新聞社の名誉のために付記しておきます。
都市対抗パンフの91年版から02年版までの記載事項を列挙してみよう。
91年:背番号、ポジション、氏名、年齢、出身校、身長・体重、投打 92年:背番号、ポジション、氏名、年齢、出身校、身長・体重、投打 93年:背番号、ポジション、氏名、年齢、出身校、身長・体重、投打 94年:背番号、ポジション、氏名、年齢、出身校、身長・体重、投打 95年:背番号、ポジション、氏名、年齢、出身校、身長・体重、投打 96年:―――、ポジション、氏名、年齢、出身校、身長・体重、投打、予選成績 97年:背番号、ポジション、氏名、生年月日、出身校、身長・体重、投打、予選成績 98年:背番号、ポジション、氏名、生年月日、出身校、身長・体重、投打、予選成績 99年:背番号、ポジション、氏名、生年月日、出身校、身長・体重、投打 00年:背番号、ポジション、氏名(ふりがな)、生年月日、出身校、身長・体重、投打、予選成績 01年:背番号、ポジション、氏名(ふりがな)、生年月日、出身校、身長・体重、投打、予選成績 02年:背番号、ポジション、氏名(ふりがな)、生年月日、出身校、身長・体重、投打、予選成績
都市対抗以外の大会パンフの記載事項も調べてみた。数年分を持っている大会については、最初に手に触れたものを「代表選手」とした。どうやら〔D〕が基本パターンで、オードブル(=身長・体重)やデザート(=投打)は、オプションということらしい。
| 〔A〕ポジション、背番号、氏名、年齢、出身校、身長・体重、投打 | 94年伊勢大会 94年日本選手権関東2次予選 95年都市対抗東京予選 95年日本選手権 96年千葉市長杯 96年日立市長杯 96年北海道大会 97年ベーブルース杯 97年クラブ選手権 00年スポニチ大会 |
| 〔B〕ポジション、背番号、氏名、年齢、出身校、身長・体重 | 97年徳山大会 |
| 〔C〕ポジション、背番号、氏名、年齢、出身校、投打 | 94年都市対抗東海1次予選 95年大阪大会 96年日本選手権東海2次予選 97年東海春季大会 |
| 〔D〕ポジション、背番号、氏名、年齢、出身校 | 95年広島大会 95年足利市長杯 95年新潟大会 95年長野大会 95年郡山市長杯 95年都市対抗南関東2次予選 95年石川大会 96年日本選手権中国2次予選 96年高砂市長杯 96年富山大会 96年九州大会 96年京都市長杯 96年都市対抗北信越2次予選 97年都市対抗東北2次予選 97年都市対抗九州2次予選 97年静岡大会 98年毎日旗争奪熊本大会 |
『ベースボールマガジン』98年夏季号は背番号特集だった。同誌によると、背番号がつくようになったのは、プロが1936年のスタート時から、東都が1955年秋、東京六大学が1959年春、高校が1952年夏の大会からとの記述があるが、「社会人野球に関してはまちまちだった」そうだ(136ページ)。
『都市対抗野球大会60年史』(日本野球連盟・毎日新聞社発行)には、1953年の第24回大会から「選手に背番号がつけられた」と明記してある(112ページ)。が、同書をめくってみると、背番号が確認できる52年以前の写真が1枚ある。
1940年第14回大会で全京城のバッターの背番号「8」がくっきりと見える。また、同年の藤倉電線のユニフォームのズボンには番号が入っている(ズボンに番号があるなら、背中にもあってよさそうだ)。
神田順治『高校野球の事典』(三省堂)には、1931年春の大会のページに「背番号が登場した。選手は背中に番号をつけ、観客の便に供した。これはヤンキースが2年前に採用したのに倣ったのである」との記述がある(34ページ)。同書によれば、高校野球ではその後いったん途絶えていて、1953年春に復活したそうだ。
現在の『公認野球規則』は、背番号について次のように定めている。胸(腹?)番号に関しては、とくに規定はない。
08年版 『公認野球規則』1・11 ユニフォーム
(a)(1)同一チームの各プレーヤーは、同色、同形、同意匠のユニフォームを着用し、そのユニフォームには6インチ(15.2センチ)以上の大きさの背番号をつけなければならない。
ちなみに、ソフトボールでは胸番号が必須になっている。
08年版 『オフィシャル・ソフトボール・ルール』3−7項 ユニフォーム
2.ユニフォームナンバー
ユニフォームナンバーは、背中と胸下につける。
監督は30、コーチは31・32、主将は10、他のプレイヤーは1から99までの番号とする。
数字の大きさは、背中は15cm以上、胸は6cm〜12cmとする。
◆背番号を欠いたパンフとしては(空欄は別にして)、96年都市対抗パンフのほかに、関甲新学生リーグの連盟パンフがありました(すくなくとも01年の春・秋)が、03年春には背番号欄が設けられていました。05年秋、南東北大学リーグを初めて見に行きましたが、パンフには背番号の欄がありませんでした。
◆スコアをつける者にとって、パンフは欠かせないものです。「球場観戦7つ道具」のページでは、そのほかの必携品もあわせて掲げました。
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