セットポジション殿堂
深瀬猛 | 後山聡 | 辻発彦

後山聡

00/08/18作成
13/12/15更新

◆93年アマ王座戦は、10点差からの逆転勝ちで住友金属が制しました。大逆転劇のなかのワンプレイがひときわ印象に残っています。


怒濤の15人攻撃

その昔、わずかな寿命だったが(91〜97年)、社会人日本選手権の優勝チームと大学選手権優勝チームとがアマチュア野球日本一をかけて覇を競う「アマ王座戦」(1試合制)がおこなわれていた時代があった。時期は11月だ。プロ野球ファンの野球シーズンは日本シリーズでおしまいだろうが、アマまで守備範囲を広げるとシーズンは長い。

93/11/21(神宮) 第3回全日本アマチュア野球王座決定戦
青山学院大 050 521 000 =13 中川隆−●白鳥−倉野
住友金属 200 0120 10X =15 尾山−寺坂−○石井

私が初めてアマ王座戦を見たのが93年だった。10点差を追いかける住友金属(以下「住金」)は、5回裏に7点返して3点差に迫った。1番の後山(うしろやま)を迎えたところで、青山学院大(以下「青学」)のピッチャーが先発の右投手から左投手に代わった。住金は1番から4番まで左打者が並んでいたのだ。後山はヒットで一塁に出た。

ツーアウトだから当然スチールが考えられる。大きなリードをとる後山に対して青学のバッテリーは執拗に牽制球を投げた。投げたのではなく投げさせられていたのかもしれない。

2番打者を2−0と追い込んでからの3球目がピッチドアウトだった。かりに後山を二塁に行かせて、2番打者にタイムリーを打たれたとしてもまだ2点差がある。このピッチドアウトは必要ではなかったようにも思われる。

青学バッテリーは結局、そのあと、ボール、ファウル、ボール、ボールでバッターを歩かせてしまう。結果的には、この四球が勝敗を分けた。住金はこの回さらに5点を加えて、10点差をたった1イニングだけで逆転したのだ。

00年のスポニチ大会では12点差からの逆転勝ちがあったけれども、私が見た中では、この10点差の逆転勝ちが最大点差だ。5回裏、住金の怒濤の攻撃は次のようなものだった。

8 後山 無死(なし)  BSSH    ショート内野安打
H 田中 無死1塁    BBSSBH  センター前ヒット
4 松本 無死1・3塁  H       左中間二塁打で2者生還(8点差)
3 川畑 無死2塁    KBFBH   左翼二塁打で松本生還(7点差)
6 三宅 無死2塁    H       ショートゴロ
D 宮内 1死2塁    BBBB    四球
7 中西 1死1・2塁  SBBH    ファーストフライ
9 戸田 2死1・2塁  BH      右翼3ランホームラン(4点差)
H 川渕 2死(なし)  BH      右中間ソロホームラン(3点差)
8 後山 2死(なし)  SBBKH   レフト前ヒット
− 田中 2死1塁    SSBBFBB 四球
4 松本 2死1・2塁  BBSH    センター前ヒットで後山生還(2点差)
3 川畑 2死1・2塁  BBSBFB  四球
6 三宅 2死満塁    SBBBH   右中間満塁ホームラン(逆転)
D 宮内 2死(なし   SSK     三振

▲B…ボール、S…見逃しストライク、K…空振り、F…ファウル、H…インプレイの打球

後山は走る構えをしただけで、実際にはスタートしなかった。だから、記録には何も残らない。記録マニアとしては、記録に残せないプレイがあるのは癪に触る。私が97年秋から牽制球をスコアカードに記入するようになったのも、もとはと言えばこの後山のプレイが発端なのだ。

牽制球とは、バッテリーが走者を牽制するという意味合いでそういう名前がつけられたのかもしれない。だが、あのときバッテリーを牽制し、主導権を握っていたのはまぎれもなく走者である後山だった。

ところで、上の表を作りながら、ハタと気づいたことがある。この回の田中は代打で起用されたあと、さらにもう1度打席に入っている。2打席目の場内アナウンスは「2番代打田中」ではおかしい。まだ守備位置は定まっていないから「1番センター後山」のようには言えない。単に「2番田中」だろうか?何度も経験しているはずなのに、われながら注意力が散漫だ。

▲どうやら「バッターは*番**」になるようです。

観戦試合打撃成績(補強以外は住友金属)

▼S…見逃しストライク、K…空振り、F…ファウル、B…ボール、H…インプレイの打球

93/07/24(東京ドーム)都市対抗1回戦 対いすゞ自動車(大阪ガスに補強) 代打のあとセンター
 川尻R  8ウ1死1塁   SBSFFH  中飛
93/11/21(神宮)アマ王座戦 対青山学院大 1番センター
 中川隆R 1ウ無死(なし) SBH     中安→次打者の2球目に二盗
 中川隆R 3ウ無死(なし) BSBBSFB 四球→次打者の2球目に二盗失敗
 中川隆R 5ウ無死(なし) BSSH    遊安
 白鳥L  5ウ2死(なし) SBBKH   左安
 白鳥L  6ウ2死1塁   SBH     右安
 倉野R  8ウ1死1塁   BFSH    二ゴ(一走二進)
94/07/23(東京ドーム)都市対抗1回戦 対東芝府中(松下電器に補強) 2番レフト 
 竹内R  1ウ1死(なし) BBSSH   遊ゴ
 竹内R  3ウ1死1塁   BSBSFH  ニゴ
 斉藤R  5ウ2死1・3塁 BSSK    三振
95/07/23(東京ドーム)都市対抗1回戦 対JR東日本東北 1番センター(6回からライト)
 長谷川R 1ウ無死(なし) BBBB    四球→次打者の2球目に二盗
 長谷川R 2ウ2死2塁   SBH     中2(打点1)
 千葉R  4ウ2死(なし) H       三安(バントヒット)
 千葉R  5ウ2死2塁   BBBSFK  三振(2球目に一走二盗)
 石村R  7ウ1死3塁   FSFBK   三振
 佐竹R  9ウ2死(なし) FBFBFFK 三振
96/11/10(横浜)アマ王座戦 対青山学院大 7番センター
 沢崎R  2表1死(なし) SBKH    ニゴ
 沢崎R  4表1死(なし) SH      右2
 沢崎R  6表1死(なし) BSSH    三2
 沢崎R  8表1死2塁   H       左安(打点1)
 沢崎R  10表2死(なし) FFS     三振
 沢崎R  8表1死1・2塁 H       投安(バントヒット)
97/10/10(大阪ドーム)日本選手権準々決勝 対新日鉄名古屋 2番センター
 大城R  1ウ1死(なし) BBSFS   三振
 大城R  3ウ2死1塁   SBBBB   四球→次打者の3球目に二盗
 高山R  4ウ2死1塁   BBSFK   三振
 高山R  7ウ無死(なし) SH      中飛

◆住友金属と青山学院大は96年第6回アマ王座戦で再戦します。→「1085日ぶりの雪辱」

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