誤解しそうなアメダス地点名
アメダス観測所の地点名称には、私が初めて接する地名がありました。次に掲げる観測所名はほぼ確実に他県と勘違いしそうです。
33136 山形 | 岩手県久慈市山形町川井 |
45291 米沢 | 千葉県市原市米沢 |
54191 下関 | 新潟県岩船郡関川村下関 |
60026 柳ケ瀬 | 滋賀県長浜市余呉町柳ケ瀬字大門 |
67026 道後山 | 広島県庄原市西城町三坂 |
73256 長浜 | 愛媛県大洲市長浜甲 |
88211 八重山 | 鹿児島県薩摩川内市入来町浦之名字大谷 |
88931 天城 | 鹿児島県大島郡天城町大字浅間字湾屋 徳之島航空気象観測所 |
この中で気になったのが滋賀県の柳ケ瀬です。どうやら柳ケ瀬山に由来するようで、柳ヶ瀬トンネルは滋賀と福井の県境にあります。北陸自動車道の柳ヶ瀬トンネルは上下線各1本で、いずれも2車線です。
一方、県道140号敦賀柳ヶ瀬線のトンネルは単線だった頃の北陸本線の旧ルートです(地図の青線)。1884年に当時の鉄道トンネルとしては最長の全長1352mで開通します。狭く急勾配だっただけでなく、アクシデントが相次ぎ、1957年に北陸本線は塩津経由に付け替えられます(地図の赤線)。
魔のトンネル
事故多発の「魔のトンネル」として有名だったようです。1928年にはトンネル内で蒸気機関車が登れず
煤煙によって3名(5名説あり)が死亡する事故も起きています。積雪で動けなくなったり、トンネル経由の洪水が起きたり、大量発生したヤスデの体液で車輪が空転して停止するというアクシデントさえあったようです。
北陸本線は塩津ルートで複線電化され、旧線は北陸本線の支線・柳ケ瀬線として残置されます。1964年の廃線後は国鉄バスの専用道路となり、バス撤退後は一般道として供用されています。ストビュー画像は福井側です。
この県道のトンネルは、標識にあるように大型車だけでなく自転車や歩行者も通行できません。現在は片側交互通行で運用されており、標識の手前には信号が設置されています。その信号待ちの赤信号は最大6分30秒だそうです。
ドラレコ動画ではトンネルを通過するのに2分ほどかかっています。時速換算で約40km/hです。慣れていても狭さと暗さでそれ以上は厳しいのかもしれません。初めてならあまり通りたくないトンネルですが、それなりの交通量はあるようです。
徒歩検索を試してみた
Google Mapで滋賀県長浜市余呉町柳ケ瀬の「景好寺」(赤マーカー)から福井県敦賀市曽々木の「釣エサ釣具なかむら敦賀店」(青マーカー)までルート検索してみました。ピンクの線が柳ヶ瀬トンネルです。
意地の悪い私は徒歩検索に切り替えました。案の定、柳ヶ瀬トンネルを通過するルートが示されました。その距離は8.4キロで所要時間は2時間15分です。徒歩検索はまだ実用的なレベルには達していないようです。
「詳細」をクリックすると、「ご注意ください – 徒歩ルートは実際の状況を反映していない場合があります」のメッセージが表示されます。素直に信じてはいけないことをグーグル先生自身が認めています。
柳ヶ瀬トンネルが徒歩通行不可のため、実際に「景好寺」(赤)から「釣エサ釣具なかむら敦賀店」(青)まで徒歩移動しようとすると、南に大きく迂回して6時間以上かかるものと思われます。
数年後、私は再びこの区間のルート検索を試みるつもりです。
進化するGoogle先生
(この項2023/03/12追記)
数年経ちましたので、再チャレンジしてみました。車では8.4キロ11分です。徒歩検索では、しっかり迂回ルートが示されます。4時間53分ということです。
残念ながら、私の6時間説は否定されてしまいました。出発地点の景好寺は柳ヶ瀬関所のご近所で標高は210m台です。ルート上の最高標高は400m近くになります。ゴール地点の釣具店は標高100m弱です。
出発地と到着地を入れ替えると5時間4分と示されますので、登りと下りを考慮した所要時間になっているようです。
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