【ページ履歴】
2020/05/21付で「悪石島とのトカラギャップ最前線の小宝島」と題して公開したページです。悪石島ではなく小宝島のページですので、改題のうえアメダス小宝島やアクセスなどを現状に即して更新しました。悪石島については新規ページ「鹿児島県では28年ぶりの震度6弱、悪石島の群発地震」を作成しました。
アメダス小宝島
小宝島のアメダスは雨量のみの観測所です。観測開始が2014年9月という比較的新しい観測地点であり、2020年時点で観測年数が8年に満たないため、気象庁サイトでは平年値が出ていません。自分で計算するしかありません。
| 年降水量 | 日最大 | 1h最大 | 10m最大 | |
| 2015 | 3275.0 | 231.0 | 56.5 | 23.5 |
| 2016 | 2322.0 | 90.0 | 44.0 | 18.5 |
| 2017 | 2426.0 | 207.0 | 40.0 | 14.0 |
| 2018 | 2183.5 | 179.5 | 138.5 | 36.5 |
| 2019 | 2665.5 | 227.0 | 57.5 | 17.0 |
| 2020 | 3135.5 | 173.0 | 56.0 | 15.5 |
| 2021 | 2231.0 | 144.0 | 41.5 | 15.0 |
| 2022 | 2908.0 | 210.5 | 52.5 | 24.5 |
| 2023 | 2606.5 | 166.0 | 70.5 | 16.5 |
| 2024 | 2489.0 | 149.0 | 46.0 | 16.5 |
| 年平均 | 2624.2 |
2018年9月24日には138.5ミリの1時間降水量を観測しています。このサイトでは2020年から日降水量について全国1位地点をフォローしていますが、それなりの頻度で名前を見かけます。あいにく今年はまだありませんけど…。
リベンジ
2020年のページ公開当時、Googleマップでアメダス小宝島を検索してもヒットしませんでしたし、ストビューもありませんでした。そこで、航空写真でそれらしき区画見つけて勝手にピンクのマーカーを置きました。薄く雲がかかった次の画像は2009年9月撮影のものです。

で、再度トライしてみるとヒットするようになっていました。ヒットするからといってそれが正しいとは限りません。

雨量計だけの観測所ですが、赤マーカーはやや不自然です。私が睨んでいたのはその右上にあるほぼ正方形の区画です。どうやらGoogleマップの初期表示と航空写真モードが北東に10mほどズレているものと思われます。
Googleマップの初期表示では道路脇の正方形区画にピンが刺さりますが、航空写真モードに切り替えるとズレてしまいます。
この島の周回道路は1周が徒歩30分だそうです。道に迷うのが難しいかもしれません。十島村(としまむら)Webサイトには小宝島の人口は2018年3月末時点で32世帯53人と記載されていました。広報誌によれば、2025年5月1日現在では36世帯66人に増えています。
十島村なのに有人島は7島
十島村と言うくらいですから10個の島がありそうなものですが、十島村の有人島は赤マーカーの7つです。臥蛇島(がじゃじま)は1970年に無人島になっています。小宝島より大きい横当島(よこあてじま)は居住実績がないそうです。横当島の隣の上之根島も無人島で、これで10島になります。

赤と紫の10島で十島村と理解するのが無難ですが、本当のところはそういうわけでもなさそうです。

もともと三島村を含めて十島村(じっとうそん)だったようですが、太平洋戦争に敗れて口之島以南が米軍の占領下に入ります。トカラ列島は奄美大島より1年早く1952年に返還されます。このとき、三島村が分立して、返還された区域で十島村(としまむら)を名乗ります。
もとの10島は(1)上三島の竹島、硫黄島、黒島と(2)下七島の口之島、中之島、平島、諏訪之瀬島、悪石島、宝島、臥蛇島です。小宝島は宝島とワンセットという括りだったようです。臥蛇島が無人島化した1970年以降は、小宝島が下七島に「昇格」したようです。
アクセスとトカラハブ
小宝島へのアクセスは週2便の村営フェリーのみです(鹿児島発が月・金、多客期は週3便)。2025年7月の時刻表で月曜便の場合、鹿児島港出港が月曜日の23:00、小宝島着が火曜日の10:45です。このフェリーは奄美大島の名瀬港で折り返し、水曜日の早朝5:50に小宝島を出て鹿児島港には18:20に到着予定です。
島にとっては早朝出港はルーティンですから、民宿側も承知のうえです。とはいえ、釣りやダイビングが目的でない限り、そう気軽に行ける島ではありません。小宝島の空撮動画です。
小宝島はハブ生息地の北限です。ただし、生息しているのはホンハブではなく、毒性がそれほど強くないトカラハブです。ネズミやカエルがいないこの島で、トカラハブは木に登って小鳥を捕食しているということです。
南西諸島にはハブのいる島といない島が混在しています。もともと陸続きだったのが、海面の上昇によって島が生じて生息域が狭まり、その後海面が下降したことでハブのいない島が生まれたのだと説明されることが多いようです。
宝島と小宝島は火山島ではなくサンゴ隆起の島です。小宝島の最大標高は103メートルです。奄美大島の東にある喜界島は最大標高214メートルですが、喜界島はハブのいない島です。海水面の上昇下降は一律だとしても、地盤の隆起沈下は局所的なものでしょう。当然に後者の要素が加わっているものと思われます。
コロナによる「鎖国」
2020年5月20日現在、鹿児島県の新型コロナ感染者は11人で離島では3人の感染者が出ています。沖永良部島の陽性者は大阪から神戸→那覇経由で帰島しており、奄美大島の2人は埼玉からの来訪者が感染源とされています。奄美のケースは次のとおりです。
4/02 埼玉からの来島者AをBが空港で迎える
4/03-04 遊漁船で同行
4/05 Aが発熱し静養
4/06 Aが東京に戻る
4/08 Aが陽性
4/12~ Bが発熱、自宅待機
4/17 Bと同居家族Cが陽性
このケースでは濃厚接触者の検体を鹿児島市内に空輸して検査しています。名瀬で検査できないのなら、検査できる施設は鹿児島の離島にはないはずです。総人口700人の十島村がデリケートになるのは当然のことです。
十島村では、村内での新型コロナウイルス感染者の発生がないよう積極的な水際対策を行っており、当分の間は村外からのご来島をご遠慮いただくお願いをしております。
十島村>「新型コロナウイルス感染症に関する村外からの来島者へのお願い(2020/04/21)
本村は、無医師地区で、医療機関は看護師のみ常駐する診療所であるため、入院病床はありません。当然、感染症指定医療機関もありませんので、村内で感染者が発生した場合の対応が厳しい状況にあります。
つきましては、村外からのご来島については自粛していただきますようご理解とご遠慮をお願いいたします。
十島村においては、令和2年7月8日から引き続き観光やレジャー、帰省などを目的とした不要不急の来島は、県内・県外ともに自粛をお願いしているところです。
十島村>新型コロナウイルス感染拡大にかかる来島自粛依頼について(2021/10/01)
鹿児島県でも、感染拡大地域との不要不急の往来について自粛を呼び掛けています。
それ以外の地域においても、他の地域との往来について自粛を呼び掛けている自治体がありますので、お住まいの自治体の情報も確認し、引き続き観光等の不要不急の来島の自粛についてご理解・ご協力をお願いいたします。
2022年3月末をもって来島自粛要請は解除されています(当初はワクチン接種証明の提示と乗船時のPCR検査必須)。





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