amazzoon.vision
スマホにSMSのショートメッセージが届いていました。「Amazonプライム会費のお支払い方法に問題があります。詳細はこちら：」というものです。
私はプライム会員ではありませんので、そもそもお支払いする理由がありません。もちろんスルーしました。だいたいAmazonさんからショートメールが来たのは初めてです。それだけでも怪しさ満点です。それに、本物のAmazonなら「問題があります」という曖昧な表現はしないはずです。
会員登録
1日寝かせてから改めて見てみると、英文字に何か違和感があります。赤線部が「amazzoon.vision」になっています。やはり「amazon」より2文字多いと、さすがに不自然さが際立ちます。
私はプラスメッセージを入れていませんので、既読はつかないはずです。どうせランダムに送っているに違いありません。開封がわかると実在する番号だと教えてしまうことになるわけですが、その心配はなさそうです。「amazzoon.vision」をタップするだけなら、私には何の不都合もありません。タップしてみました。
Amazonに会員ナンバーがあったとは知りませんでした。まあ、プライム会員ならあるのかもしれません。念のため、「会員登録」の10桁番号を自分のGmailで検索してみましたが、そんなものはヒットしませんでした。
ナビダイヤル0570
先に進んでみました。ロゴは「amazon」ですが、接続しているのは「amazzoon」です。メールアドレス（または携帯番号）とパスワードを求められました。
「Amazon」を語る「amazzoon」さんに私のメールアドレスや携帯番号を教えるいわれはありません。そんなことをしたら、確実にカモリスト入りです。上の欄には「0570」から始まる10桁の番号を入力しました（検索のうえ実在しないと思われる番号にしました）。
パスワードは「phishing」
パスワード欄には「phishing」を入力してログインしてみました。この際、行けるところまで行ってみようという魂胆です。
もちろん「アカウント保護」などデタラメに決まっています。私はAmazonプライム会員でもありませんし、まして「amaazzon」さんに会費を「お支払い」する理由もないわけですが、「続ける」をタップしてみました。
「amaazzon」さんはまだ私の住所も名前もご存知ないのです。その入力を求めるのは順番として当然のことです。氏名を「タケナカヨシヒデ」とし、総理官邸とパソナを足して2で割った架空の住所で続行しようかとも考えましたが、それは悪趣味です。ここでリタイアしました。「amaazzon」さんとしては、あとは生年月日とクレジット情報で目的達成です。できれば家族構成も抜きたいのかもしれません。
どこで気づくべきなのか？
私はAmazon利用歴10数年ですが、プライム会員ではありません。今回はスルーする正当な理由がありましたが、会員だったとしたら引っかかる可能性がないわけでもありません。
ただ、Amazonからショートメッセージを受け取ったことはありませんので、ここで気づくものかもしれません。メールアドレスはわかっているのですから、わざわざショートメールにする必然性はないわけです。
決定的なのは、やはり「amaazzon」でしょう。あまりいい出来ではありません。もし「amazcn」なら、私がいくら警戒していても気づかなかったかもしれません。まあ、私はAmazonに限らず通販ではクレジット決済を使ったことがありません。いつも先払いか代引きです。そこが最後の砦です。
SMSのテキストメッセージは開封率が高いことから、これを利用したフィッシング詐欺は今後も増えるものと思われます。SMSは一番警戒しなければならないのかもしれません。今回はAmazonを語るものでしたが、宅配業者を名乗って再配達設定サイトに誘導するケースはよく知られています。パターンは3つです。
- 今回のように、特定サイトに誘導して個人情報を入力させる
- カスタマーセンター（を装った詐欺グループ）に電話をかけさせる
- （マルウェア付きの）特定アプリをインストールさせる
手口を知っていれば対策もとれます。いずれの場合も、相手の土俵では相撲をとらないことが肝心です。疑問を感じたら、要求されていることをしなければいけないのかどうか、スクショ画面とともに（本来の業者のサイトから）メールで問い合わせるのが無難です。とりわけアプリのインストールについては、一度そのアプリの名前で検索をかけてみる慎重さが必要だと思われます。
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