青山繁晴、今井絵理子、片山さつき
青山繁晴参議院議員は2016年の比例区で初当選、2022年に再選されて2期目です。青山氏は裏金事件に関して、収支報告書に記載がないなら政治資金ではないので納税義務が生じるという至極まっとうな主張をしていました。また、秋の総裁選出馬を明言してきました。
青山氏の収支報告書を覗いてみます。比較のために偶数年改選組の比例区著名議員2人を加えました。比例区得票数は次のとおりです。
2016年 | 2022年 | |
青山繁晴 | 481,890 | 373,786 |
片山さつき | 393,382 | 298,091 |
今井絵理子 | 319,359 | 148,630 |
青山氏が代表を務める政治団体は「自由民主党大阪府参議院比例区第十五支部」オンリーですが、今井氏は「自由民主党東京都参議院比例区第九十六支部」のほかに資金管理団体「笑顔の会」があります。片山氏は「自由民主党東京都参議院比例区第二十五支部」のほかに資金管理団体「片山さつき後援会」などがあります。
2021年の各政党支部の収入です。
2021年 | 青山繁晴 | 今井絵理子 | 片山さつき |
当年の収入額 | 19,666,444 | 27,492,157 | 17,786,050 |
党費収入 | 2,966,000 | 280,150 | 986,050 |
個人からの寄付 | 0 | 8,500,000 | 0 |
法人からの寄付 | 0 | 362,000 | 0 |
政治団体からの寄付 | 0 | 3,150,000 | 1,600,000 |
自民党からの交付金 | 16,700,000 | 15,200,000 | 15,200,000 |
その他 | 444 | 7 | 0 |
資金管理団体の収入額は今井氏が約2000万、片山氏が約3500万です。主にパーティー収入によるものです。総額としては青山氏が約2000万、今井氏が約4700万、片山氏が約5200万になります。
青山氏が政治資金パーティを開かず、寄付ももらわず、後援会も持たないのは、知名度があるからでしょうが、知名度という点では今井氏や片山氏も遜色はなかろうと思われます。いずれにせよ、青山氏の政治資金は自民党国会議員として最少の部類に属します。
自民党本部からの交付金の額が異なるのが気になりますが、青山氏は党員獲得数が党内1位ということですので、報奨金めいたものが存在するのかもしれません。
選挙の年の支出は3倍
2020年から2022年までの青山氏(15支部)の収入は次のとおりです。選挙の年は党本部からの交付金も増額されるようです。
収入 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
収入額 | 16,312,351 | 19,666,444 | 32,743,468 |
党費 | 2,312,000 | 2,966,000 | 6,623,600 |
交付金 | 14,000,000 | 16,700,000 | 26,000,000 |
その他 | 351 | 444 | 110,868 |
支出は次のとおりです。選挙があった2022年の支出総額は、2021年の3倍、2020年の4倍に匹敵します。
支出 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
支出額 | 6,416,215 | 9,387,249 | 26,921,521 |
人件費 | 731,275 | 765,942 | 2,035,793 |
光熱水費 | 117,700 | 101,800 | 190,700 |
備品消耗品費 | 643,231 | 450,907 | 570,706 |
事務所費 | 3,978,125 | 5,277,993 | 5,134,845 |
組織活動費 | 937,034 | 2,740,757 | 12,267,111 |
選挙関係費 | 0 | 0 | 6,110,286 |
宣伝事業費 | 0 | 41,000 | 594,380 |
調査研究費 | 8,850 | 8,850 | 17,700 |
政党支部から政治家個人への寄付?
極端に増えている組織活動費の内訳です。
2020年 | 2021年 | 2022年 | |
旅費交通費 | 573,420 | 1,341,640 | 5,304,413 |
大会費 | 496,746 | 5,111,435 | |
通信費 | 363,614 | 902,371 | 1,851,236 |
全国比例ですので、旅費交通費が増えるのは納得です。会合を開ければ、会場使用料も当然に発生するものでしょう。
もう1つの選挙関係費は611万286円です。
これは「令和4年7月10日執行参議院比例代表選出議員選挙における公職の候補者の選挙運動に関する収支報告一覧」の数値と一致します。ちなみに、今井氏は約2200万、片山氏が約3100万です。
次期総裁候補として名前が上がるのは、石破、河野、小泉、上川、高市、野田、茂木、加藤氏らですが、とくに新鮮味はありません。小林鷹之氏や齋藤健氏あたりでようやくフレッシュさが感じられて疑似政権交代になりそうです。
青山氏は小池百合子氏と同年同月生まれで、7月の誕生日で72歳です。それでも青山氏なら小林氏や齋藤氏より擬似政権交代感はあります。ただ、20人の推薦人を集められるかどうかは微妙なところではないかと思われます。
青山氏が代表を務める「日本の尊厳と国益を護る会」には衆参98名が参加していますが、不記載2954万の三ッ林裕巳氏、2403万の山谷えり子氏、1746万の簗和生氏、1564万の杉田水脈氏らが含まれており、政治資金に関して青山氏と同一歩調というわけではありません。
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