クマが5時間立てこもった民家は統一教会から150ｍ

「福井市花堂東1丁目」の民家にクマが立てこもり、猟友会によって5時間後に駆除されたのは昨日（6/18）の出来事です。私は「花堂東1丁目」に覚えがあります。ここは福井家庭教会の所在地です。

田んぼが迫る市街地の外れですが、クマが出るような地域だったとは思えません。福井駅から南へ2キロです。クマが玄関脇から入り込んだという民家はたぶんここです。

このクマはどこから来たのだろうという疑問が生じます。大野や勝山なら市街地にクマが出てきてもそんなに驚きではありません。永平寺付近もツキノワグマがいて当然でしょう。

山林は海側にもありますが、やはり東から足羽川（あすわがわ）河川敷を下ってきたと考えるのがもっとも妥当かと思われます。

去年の福井県のクマ目撃件数は月別最多が10月の97件ですが、今年は6月だけで112件です（去年6月は47件）。今年4月以降の目撃・痕跡件数は市町村別で次のとおりです。

表は人口1000人当たりの目撃・痕跡件数の降順です。人口の55％が集中する福井、坂井、鯖江の3市はやはり少なくなっています。福井市内の目撃11地点を地図に落とし込んでみました。

花堂東1丁目の南6キロほどに標高366ｍの文珠山があります。この文珠山付近には4月以降で3件の目撃情報があります。

北陸新幹線は文珠山を福井第二トンネルで通過します。駆除されたクマは文珠山から新幹線と並行するように北上したのかもしれません。

クマにとって難所となりそうなのは国道8号線の福井バイパスです。新幹線は高架ですが、片側2車線のバイパスを横断しなければ、文珠山から花堂東1丁目にたどり着くことはできません。

トンネルから北は若干の集落がありますが基本的には水田です。まだ稲穂が垂れる季節ではありません。体長110センチのクマが田んぼを走れば誰かが気づくものではないかと思われます。

ただ、この福井バイパスはクマが足羽川の河川敷を下った場合でも横断しなければなりません。足羽川に架かる福井バイパスの橋は足羽大橋です。これより下流で河川敷を登ると住宅地になってしまいます。

通報があったのは10:20頃ということです。夜中のうちに近くまで来ていたのかもしれませんが、福井の6/18の日の出時刻は4:38です。どこかの茂みや用水路の橋の下に6時間潜んでいたとは思えません。