アメダス日田から2キロの三郎丸橋が崩落寸前

三郎丸橋は崩落の恐れあり

結構な頻度で水害が発生しているのではないかと思われるのが大分の日田です。2012年には約700棟、2017年には約1300棟の住戸被害があり、2020年にも局地的な被害がありました。今年は花月川に架かる国道386号の三郎丸橋の橋脚が傾いて通行止めになっています。

三郎丸橋
三郎丸橋(地理院タイルを加工)

花月川は三隈川(県境を越えれば筑後川)の支流です。川はカーブしており、橋の両岸が岩場のため、橋の下だけ川幅が狭くなっています。水流が集中するわけですから、傾いた橋脚には強い負荷がかかり根元がえぐられたのかもしれません。

三郎丸橋

日田は九州南部ほど雨の多い地域ではありません。年降水量の平年値は下の九州8都市で6位です。ただ、7月に限ると8都市中2位です。

年間7月
日田1876.3ミリ376.9ミリ
福岡1686.9ミリ299.1ミリ
佐賀1951.3ミリ366.8ミリ
長崎1894.7ミリ292.7ミリ
大分1727.0ミリ261.3ミリ
熊本2007.0ミリ386.8ミリ
宮崎2625.5ミリ339.3ミリ
鹿児島2434.7ミリ365.1ミリ
▲九州各地の年降水量と7月の降水量の平年値

西南西の風

日田の年降水量の平年値
気象庁>日田(大分県)平年値(年・月ごとの値)主な要素

梅雨どきの西南西の風が意味深のようです。日田から見た西南西は大牟田方面です。その先は、ちょうど経ヶ岳(きょうがだけ)と雲仙岳との間になります。

雲仙岳と経ヶ岳
雲仙岳と経ヶ岳(地理院タイルを加工)

東シナ海の海水温が上がった季節に、多量の水蒸気を含んだ空気が長崎の2つの山の間をすり抜けて、ダイレクトに日田周辺の山にぶつかり、積乱雲を発生させるもののようです。

日田の地形は西に開けている盆地です。周辺に降った雨はいったん日田に集中してから、筑後川を経て有明海に注ぎます。日田で水害が多発するのは、周囲の雨を日田が一身に受け止めているからだと考えることもできそうです。

平均気温、夏日、真夏日、猛暑日、熱帯夜

日田測候所が無人化されたのは2001年です。少なくとも1970年代以降に移転した事実はないはずです。年平均気温は次のように推移しています。2023年はタイ記録でした。

日田の年平均気温の推移
気象庁>日田(大分県)年ごとの値 詳細(気温・蒸気圧・湿度)

夏日と真夏日は次のとおりです。2023年の夏日175日は新記録です。

日田の夏日と真夏日

1994年の猛暑日45日は長らく日本記録を保持していましたが、2023年に桐生に抜かれて熊谷には追いつかれました。熱帯夜は2022年の22日が日田の最多です。

日田の熱帯夜と猛暑日

2021~2023年の観測値

2021年から2023年の観測値は次のとおりです(→2020年)。

年降水量1875.5ミリ622位/1293地点
年平均気温16.6℃196位/921地点
年最高気温38.3℃26位/921地点
年最低気温-5.9℃325位/921地点
年較差44.2℃402位/921地点
年平均風速2.1m/s482位/920地点
▲アメダス日田の2021年観測値
年降水量1675.0ミリ532位/1285地点
年平均気温16.4℃208位/916地点
年最高気温37.6℃103位/916地点
年最低気温-5.3℃365位/916地点
年較差42.9℃437位/916地点
年平均風速2.0m/s493位/915地点
年日照時間1946.1時間358位/842地点
▲アメダス日田の2022年観測値
年降水量2078.5ミリ361位/1286地点
年平均気温16.8℃226位/919地点
年最高気温38.3℃92位/919地点
年最低気温-6.2℃345位/919地点
年較差44.5℃486位/919地点
年平均風速1.8m/s597位/918地点
年日照時間1925.2時間485位/847地点
▲アメダス日田の2023年観測値

39℃台は過去5回あります(1994年2回、2013年1回、2018年2回)。

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