河井克行氏の広島3区を公明に譲った石橋林太郎代議士 

広島北家庭教会

広島駅から車で20分ほどの広島市安芸南区祇園4丁目に広島北家庭教会があります。

広島北家庭教会
広島北家庭教会(地理院タイルを加工)

Googleマップを「広島北家庭教会」で検索してもヒットしませんが、住所的にはここです。敷地は東西の両面道路であり、車は東から入って西に出るように停められています。従業員の車両をこのように停めることはあり得ますが、来客用の駐車場ではありません。

広島北家庭教会

最古2011年7月のストビューから教団施設と思われます。道路を通過しただけでは旧・統一教会(統一協会)の施設であることには気づきません。手前ではなく中央の出入り口(チャリの奥)に看板が掲げられているようです。

広島3区を譲って比例1位

安芸南区は衆議院の広島3区です。法務大臣辞任後に逮捕・起訴され実刑判決を受けた河井克行氏の選出選挙区です。自民党が河井氏の後継候補として選んだのは安佐南区選出の県議だった石橋林太郎氏でした。最終的には公明党の斉藤鉄夫・国交大臣が広島3区の与党統一候補となります。

石橋氏は2021年総選挙では比例中国ブロックから自民党1位で立候補します(杉田水脈氏は19位)。第1党の1位ですから、完全に約束された何の心配もない選挙です。当選後、石橋氏は宏池会に入ります。

1991.04石橋良三氏が広島県議選の安佐南選挙区で初当選
2005.08良三氏が衆院選に無所属出馬、3位落選(後に県議復帰)
2015.04良三氏の地盤を継承した石橋林太郎氏が広島県議選初当選
2019.04林太郎氏が県議2期目の当選
2019.07参院選で河井案里氏が初当選(溝手顕正氏が落選)
2019.10河井克行法務大臣が辞任
2020.03河井夫妻陣営の3人が逮捕・起訴
2020.06河井夫妻が自民党を離党
2020.12自民党広島県連が石橋氏を次期総選挙広島3区候補者に決定
2021.01公明の斉藤哲夫氏が広島3区の与党統一候補に決定
2021.02河井案里氏が参議院議員を辞職
2021.04河井克行氏が衆議院議員を辞職
2021.10石橋氏が衆院選比例中国ブロック1位で初当選
2021.11石橋氏が宏池会に入会
▲広島3区

父親の石橋良三氏は勝共推進議員の亀井静香氏系だったようです。「日韓トンネル推進広島県民会議」議長や「日韓トンネル推進全国会議」幹事長を務めていたということです。

疑われる濃密な関係

2022年9月8日の自民党点検で、石橋林太郎氏は「関連団体会合で挨拶」したとして氏名公表されました。共同通信のアンケートには2022年春に世界平和女性連合の会合に出席したと回答しています。どうもそれだけではないようです。

県議時代の2016年と2020年のピースロードで県の共同実行委員長を務めています。また、2018年5月に「家庭教育支援法&条例」の第3回研修会を主催した「全国地方議員連絡会議世話人会」の名簿には、東国幹衆院議員や加田裕之参院議員らとともに石橋氏の名前があります(これらは点検対象ではないのでしょう)。

2018~2020年度に関連団体の会合参加費や機関紙購読料として政務活動費から5万円弱の支出があると報じられています。国会議員になった2021年12月には国際勝共連合広島県本部への1万1280円の支出もあるそうです。

そればかりではありません。2021年の収支報告書によれば、石橋氏は2197人の党員を獲得しています。

石橋氏の党員獲得数
「自由民主党広島県衆議院比例区第二支部」収支報告書(令和3年分)

このうち1200人は平和大使協議会で集めたとして報道されています。党費は年4000円(家族党員2000円)のはずですが、衛藤征士郎氏や青山繁晴氏の場合もまったく計算が合いませんでした。どういうカラクリなのかわかりません。

支出については●、組織的支援については▲、と判定しておきます。

天理時報社と中国素淮会

さて、資金管理団体「石橋林太郎後援会」の収支報告書には次のような記載があります。

為書きの支出
「石橋林太郎後援会」収支報告書(令和4年分)

為書きとは「祈 必勝」の選挙事務所掲示用ポスターです。右肩に「為 ◯◯◯◯殿」と記されることから、為書きと呼ばれるものと思われます。左下の送り主を自分の顔写真付きにすることもあるようです。

一種の縁起物なのでしょうから、他県の業者に発注することも珍しくないようです。ただ、「天理時報」は道友社が発行する天理教の機関紙です。タブロイド判で週刊発行されています。株式会社天理時報社は1940年に天理教教庁印刷所を改組して設立されたそうです。

石橋氏は2021年10月31日の総選挙が初当選です。当選直後の1年生国会議員が初めて購入したパー券が「中国素淮会」です。

素淮会パー券
「自由民主党広島県衆議院比例区第二支部」収支報告書(令和3年分)

「中国素淮会」の「中国」とは大陸の国のことではなく、広島を含む「中国地方」です。「中国」が付かない素淮会(そわいかい)は麻生太郎・自民党副総裁の資金管理団体です。また、「新世代政策研究会」とは茂木派で当選5回の木原稔氏の資金管理団体です。木原氏は熊本1区です。

それまで直接の縁はなかったものと推測されますが、新人議員にも早速お声がかかるもののようです。

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