紙一重の神回避
走行中の道路前方に陥没箇所(ピンクの囲み)を発見しました。左は車幅スレスレで、対向車はなかったとします。
私なら100%反対車線に入りますが、出雲観光タクシーの運転手さんは狭い左側に回避して溝にハマります。タクシーは陥没箇所を通り過ぎたところで止まり、会社には簡潔な無線連絡だけでそそくさと車から離れました。
絶賛された神回避ですが、地元のタクシードライバーはこの道を何度も通っているはずです。上の最新ストビューは2023年10月撮影で、右手のガードレール側に木々があります。海は見えないはずなのに、ドラレコ映像では木々がありません。
【2024/07/28追記】ここにタクシーのドラレコ映像を収録したANNのニュース動画を埋め込んでいましたが、削除されたようです。
おそらく運転手は前方の道路陥没を発見する前に海が見える異変に気づいていたはずです。上のストビューの走行車線にはアスファルトの継ぎ目が見えます。路面上の陥没範囲は継ぎ目の海側からセンターラインまでです。
反対車線のアスファルトは落とし穴に架けられた蓋であり、下は空洞に違いないと瞬時に状況を把握したのでしょう。それなら右回避などできるはずもありません。他社ニュースでは、脱出後のタクシー運転手は対向車を止めることにためらいがありません。
土砂崩れ前の航空写真です。
アメダス出雲の日降水量1位
日御碕(ひのみさき)に通じる道路はこの1本しかありません。通行止めで230世帯540人が孤立状態ということです。生活物資は海路で運ぶことになるのでしょう。
最寄りのアメダス観測所は出雲です。
タクシードライバーが間一髪で難を逃れた7月9日、崖崩れ現場から13キロほど離れたアメダス出雲の日降水量は211.5ミリで観測史上1位(1978年11月~)でした。
アメダス出雲は道路面より高いところに設置されています。風速計は2023年9月の時点で超音波式に取り替えられています。標高は20mとされていますが、等高線から判断するにせいぜい15m程度かと思われます。
平均気温、夏日、真夏日、猛暑日、熱帯夜
アメダス出雲は移転していないようです。1997年は5月に10日ほど、2010年は1月に1週間ほど、2013年は12月に1週間ほど、2014年は1月に10日ほどの欠測があります。2023年の年平均気温は16.1℃でした。
去年の夏日137日と真夏日66日も新記録です。
2023年の猛暑日16日も新記録でしたが、熱帯夜は8日で連続2桁にはなりませんでした。
2021~2023年の観測値
緯度的には富士山とほぼイーブンのアメダス出雲ですが、2021年から2023年の観測値は次のとおりです。
年降水量 | 1872.0ミリ | 626位 | /1293地点 |
年平均気温 | 15.6℃ | 302位 | /921地点 |
年最高気温 | 38.2℃ | 29位 | /921地点 |
年最低気温 | -4.4℃ | 228位 | /921地点 |
年較差 | 42.6℃ | 519位 | /921地点 |
年平均風速 | 2.7m/s | 277位 | /920地点 |
年降水量 | 1215.0ミリ | 961位 | /1285地点 |
年平均気温 | 15.4℃ | 315位 | /916地点 |
年最高気温 | 37.1℃ | 160位 | /916地点 |
年最低気温 | -2.7℃ | 181位 | /916地点 |
年較差 | 39.8℃ | 656位 | /916地点 |
年平均風速 | 2.4m/s | 339位 | /915地点 |
年日照時間 | 1847.5時間 | 463位 | /842地点 |
年降水量 | 2087.5ミリ | 356位 | /1286地点 |
年平均気温 | 16.1℃ | 318位 | /919地点 |
年最高気温 | 37.4℃ | 190位 | /919地点 |
年最低気温 | -3.6℃ | 151位 | /919地点 |
年較差 | 41.0℃ | 709位 | /919地点 |
年平均風速 | 2.3m/s | 379位 | /918地点 |
年日照時間 | 1829.2時間 | 605位 | /847地点 |
最高気温は38℃台が過去3回あります。年降水量の平年値は1600ミリ台ですので、多いわけではありません。
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