那覇管区気象台ではなく
管区気象台は5つあり、北から札幌、仙台、東京、大阪、福岡です。これ以外の気象台は主に県庁所在地に置かれて「○○地方気象台」の名称です。那覇市樋川1丁目にあるのは単に「沖縄気象台」で、「管区」も「地方」も付きません。
「○○」に入るのは都市名であり県名ではありません。裁判所にしても愛媛地裁や愛知高裁ではなく松山地裁や名古屋高裁です。現・沖縄気象台は、1890年に「沖縄県立那覇二等測候所」として設立され、太平洋戦争で業務停止となった1945年5月の時点では「沖縄地方気象台」でした。
琉球政府下では「琉球気象台」→「琉球気象庁」となり、1972年の本土復帰以降は「沖縄気象台」です。実質的には「那覇管区気象台」の理解でいいものと思われます。管区気象台と同等の扱いで、観測地点名称としては「那覇」が使われています。
3回移転しているようです。松尾山→鏡水(かがみず)→天久(あめく)→樋川です。気温に関して統計断絶の赤線が入っているのは1927年の最初の移転時だけです。
現在地の標高は28mです。ストビューでは気温計が見えます。風速計の高さは47.8mということですので屋上設置です。
沖縄県で5回目の36℃台
7月19日、沖縄気象台(以下「那覇」で統一します)では12:33に最高気温36.0℃を観測しました。これは那覇としての観測史上1位の記録です。沖縄県内の観測所で36℃台をマークするのも通算5回目です。
36.1℃ | 下地島 | 2012/7/08 |
36.1℃ | 糸数 | 2013/8/07 |
36.1℃ | 伊原間 | 2016/7/05 |
36.0℃ | 伊是名 | 2017/7/30 |
36.0℃ | 那覇 | 2024/7/19 |
那覇の猛暑日は去年まで6年連続ゼロで、過去に16回しかありませんでした。今年は7月21日時点で8回です。沖縄の気温のピークは本土より早く7月下旬ですが、今後の予報からしてまだ数日の猛暑日が見込まれます。
海面水温が高いためだと説明されています。去年の異常高温は主に北日本がリードしたもので、沖縄ではそれほどでもありませんでした。
那覇の年平均気温の最大値は1998年の24.4℃です。今年は7月21日時点で同年とほぼイーブンのペースです。
平均気温、夏日、真夏日、猛暑日、熱帯夜
那覇の年平均気温は次のように推移しています。移転の影響をどう評価するかという問題はありそうです。去年は23.8℃でした。
去年の夏日は231日で観測史上2位、真夏日は111日でした。
熱帯夜のグラフだけは一貫して右上がりです。
2021~2023年の観測値
2021年から2023年の観測値は次のとおりです(2020年観測値は「2021年6月の那覇は観測史上2位の月間降水量」のページ)。
年降水量 | 2485.5ミリ | 276位 | /1293地点 |
年平均気温 | 23.6℃ | 20位 | /921地点 |
年最高気温 | 33.5℃ | 721位 | /921地点 |
年最低気温 | 9.7℃ | 11位 | /921地点 |
年較差 | 23.8℃ | 903位 | /921地点 |
年平均風速 | 5.2m/s | 34位 | /920地点 |
年降水量 | 2996.5ミリ | 74位 | /1285地点 |
年平均気温 | 23.7℃ | 20位 | /916地点 |
年最高気温 | 33.8℃ | 615位 | /916地点 |
年最低気温 | 11.7℃ | 13位 | /916地点 |
年較差 | 22.1℃ | 908位 | /916地点 |
年平均風速 | 4.9m/s | 44位 | /915地点 |
年日照時間 | 1588.8時間 | 726位 | /842地点 |
年降水量 | 2291.5ミリ | 256位 | /1286地点 |
年平均気温 | 23.8℃ | 17位 | /919地点 |
年最高気温 | 34.3℃ | 706位 | /919地点 |
年最低気温 | 8.4℃ | 13位 | /919地点 |
年較差 | 25.9℃ | 903位 | /919地点 |
年平均風速 | 5.1m/s | 28位 | /918地点 |
年日照時間 | 1860.9時間 | 566位 | /847地点 |
沖縄では雨の多い地域ですが、日照は意外に少なめです。1956年台風12号で観測した最大瞬間風速73.6m/sは当時の日本記録でした。また、2023年の最大瞬間風速1位も那覇です。
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