建設会社の献金は返金、裏金も派閥に返金の鈴木英敬氏

小林鷹之氏の出馬表明に同席した24人

8/23に青山繁晴氏が、8/24には石破茂氏が正式に出馬表明しました。どうせ引き剥がしはあるでしょうし、告示前に合流してはいけない理由もありません。

麻生(8/24)
林芳正(岸田派)
○茂木敏充(茂木派)
河野太郎(麻生派)
小林鷹之(二階派)
△上川陽子(岸田派)
齋藤健
△高市早苗
△野田聖子
青山繁晴
小泉進次郎
石破茂
△加藤勝信(茂木派)

▲総裁選出馬?

上川氏は松島みどり氏、盛山文科大臣牧原秀樹氏らが支持しているということです。麻生氏の色がついているわけでもないようですので、中立系分類に変更しておきます。

さて、小林鷹之氏の出馬表明に同席した国会議員は次の24人ということです。やけにの比率が高いのが目につきます。推薦人もこの中から出るのでしょう。

安倍大塚拓(衆5・埼玉9区)
安倍福田達夫(衆4・群馬4区)
安倍細田健一(衆4・新潟2区)
安倍和田義明(衆3・北海道5区)
安倍宗清皇一(衆3・比例近畿)
安倍鈴木英敬(衆1・三重4区)
安倍塩崎彰久(衆1・愛媛1区)
安倍小森卓郎(衆1・石川1区)
安倍松本尚(衆1・千葉13区)
安倍石井拓(衆1・比例東海)
安倍吉田真次(衆1・山口4区)
二階武部新(衆4・北海道12区)
二階高木宏寿(衆3・北海道3区)
二階中曽根康隆(衆2・群馬1区)
二階岩本剛人(参1・北海道)
麻生斎藤洋明(衆4・新潟3区)
麻生山田賢司(衆4・兵庫7区)
麻生務台俊介(衆4・比例北信越)
岸田岩田和親(衆4・比例九州)
森山鬼木誠(衆4・福岡2区)
無派閥大野敬太郎(衆4・香川3区)
無派閥熊田裕通(衆4・愛知1区)
無派閥勝目康(衆1・京都1区)
無派閥森由起子(衆1・比例東海)
▲小林鷹之氏の出馬会見に同席した24名

最後の森由起子氏は「記憶にございます」の宮沢博行氏の辞任に伴って5月に繰り上げ当選したばかりです。23人と報じているメディアもありますが、森氏の顔が知られていなかったのかもしれません。

伊勢家庭教会

の鈴木英敬氏は三重4区選出です。本籍が菰野ということで2009年衆院選では三重2区から立候補して落選、2011年の三重県知事選を接戦で制して3期半ばで三重4区に転じました。三重4区は南北に長い三重県の南部です。

選挙区内にある旧・統一教会(統一協会)の施設は伊勢家庭教会です。

伊勢家庭教会

ぎりぎりの伊勢市であり、明和町との市町境です。

伊勢家庭教会

旧・統一教会(統一協会)との自民党点検で鈴木英敬氏は氏名公表されていません。接点がなかったわけではなく、
(1)2019年10月に愛知県国際展示場で開かれた「孝情文化祝福フェスティバル」に祝電
(2)2020年11月の「ファイト三重!県民まつり」の公式パンフに県知事として挨拶文掲載
の2点が指摘されています。

自民党点検では祝電は氏名公表対象ではなく、活字の挨拶文は調査対象ではありません。ただ、共同通信のアンケートで鈴木氏は祝電についても「ない」と回答しています。

共同通信アンケ
共同通信>全国会議員712人アンケート 旧統一教会と政治の関係

ないことにしたかったのかもしれませんし、共同への回答の時点では把握していなかったのかもしれません。(1)は韓鶴子氏最後の来日であり、銃撃事件の被告が訪れて入場できなかったイベントです。大村知事が祝電の内容を改ざんされたと騒いでいた4万人大会です。

なお、鈴木氏が知事在任中の2021年9月に三重県では「パートナーシップ宣誓制度」が始まっています。同性カップルに婚姻と同等の権利を付与する制度ですので、旧・統一教会(統一協会)の教義には反するものです。

裏金280万と杉田水脈氏

清和政策研究会の衆議院当選1回組は10人です。このうち、若林健太氏ら3名は参議院で国会議員経験があり、岸信千世氏と吉田真次氏は2023年補選で当選しています。純粋な2021年1期生は5人です。鈴木氏の不記載額280万円は同期最多となります。

それどころか、鈴木氏の280万は全額が2022年のものです。2022年単年の不記載額としては起訴された3人を除くと8番目にランクインします。初当選と発覚のタイミングに救われただけで、(5倍すれば)役職停止の処分対象ラインだと考えることもできます。

528万円萩生田光一
554万円杉田水脈
528万円二階俊博
510万円山谷えり子
410万円末松信介
296万円羽生田俊
352万円小田原潔
280万円鈴木英敬
▲2022年の不記載額

収支報告書の訂正は1月31日付です。全額記載漏れという形で処理されており、支出項目に対する追加記載はありません。

裏金の追加記載
「自由民主党三重県第四選挙区支部」収支報告書(令和4年分)

鈴木氏の事務所でも「還付金」と称する裏金は現金保管されていたようです(デスクの引き出しで保管していたかどうかはわかりません)。280万で1年少々ならなくもないでしょうが、相当数の安倍派議員事務所で同じことが起きていたというのは理解に苦しみます。

現金保管
すずき英敬Official Site>ご報告(2024/01/31)

鈴木氏は「派閥に全額返還する」旨を表明しています。

ご報告
すずき英敬Official Site>ご報告(2024/01/31)

なお、杉田水脈氏とは経産官僚時代から接点があったようです。杉田氏は2012年が初当選(維新で比例復活)です。「美しい国へ」が出版された2006年当時の杉田氏は西宮市の職員です。

返金対応という相場感と「AK維新の会」

鈴木氏については、衆院選挙期間中に国の公共事業を受注している建設業者から寄付を受けていたことが公職選挙法違反で書類送検され、今年4月に嫌疑不十分で不起訴になっています。

鈴木氏は2021年の総選挙前に「~第四選挙区支部」を立ち上げました。公職選挙法は国の公共事業を請け負っている事業者が国政選挙に関して寄付することを禁じています。解散が10月14日で投票日は31日でした。

2021年収支報告書では、この間に公共事業を受注している13社から計1060万円の寄付を受けていたことになっていました。鈴木氏側は「指摘を受けた企業が国からの公共事業を受けていたか否かについても全く知りませんでした」として返金対応しています。

「法令に抵触するものではない」との見解に私は同意できませんが、返金対応によってなかったことにするのは世間的相場として納得感はあります。相場感から外れているのが裏金問題です。派閥側がイニシアチブを発揮して、個人所得としての納税で収拾すればよかっただけです。

集団指導体制で機能不全の安倍派は幹部の責任逃れ優先で立ち往生してしまいました。1回生の鈴木氏は初めての派閥パーティーだったわけですから、派閥への返金という道筋を見出すことができたわけです。めでたしめでたし、です。

さて、鈴木氏の資金管理団体は「AK維新の会」という名称です。鈴木英敬氏の「英敬」は「えいけい」と読んでほしいようです。知事選初出馬の際は自公プラスみんなの党の推薦でした。政党としての維新との距離感はわかりません。

政治資金パーティーは当選2年目の12月が初開催です。

2022/12/13都市センターホテル14,879,230414
▲鈴木英敬氏の政治資金パーティー

選挙区支部の人件費は2022年収支報告書に約2000万が計上されており、私設秘書は4人程度と思われます。2020年から2022年の資金管理団体の収支報告書には人件費の支出はありません。

別団体「すずき英敬後援会」の2020年収支報告書には人件費の計上がありますので、280万円を1年以上に渡って現金保管していた秘書は代議士になってからの新規雇用ではないのかもしれません。

知事就任直前に反社系の砂利砕石業者から勤務実態のない顧問料330万円を受領していたことも報じられています。確定申告して「法的には問題ない」とのことですので、このときは返金対応ではなかったようです。

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