午前9時台に38℃台に達したというアメダス羽咋（はくい）

石川県羽咋市があるのは能登半島西側の付け根です。砂浜を自動車で走れる「千里浜なぎさドライブウェイ」は有名です。千里浜は「せんりはま」ではなく「ちりはま」です。アメダス羽咋は市役所の敷地内のようです。千里浜の海岸から約1キロです。

「羽咋」を「はさく」と読んでもたいていは通じます。「羽喰」と「羽咋」が混在していたのを加賀藩主が統一したようです。馬喰町を筆頭に「喰」は地名ではよく使われますが、「咋」はオンリーワンだと思われます。

このアメダス羽咋では去年8月10日の午前9時台に38℃台に達していたようです。

気象庁は10分ごとの観測値を公開しています。24✕6で1日144回分です。実際には10分間で60回の観測ですから、隠された59回（✕144回）にオイシイ数値が紛れていることは十分に予想できます。

9時42分には38.7℃に達していたということです。「40℃台6地点、佐野と古河で40℃エリアは17都県に拡大」のページにコメントを頂戴しています。朝鮮半島を縦断した台風6号が韓国に上陸したのは9時頃のようです。

この日の羽咋の最高気温はオフィシャルには10時11分の38.7℃です。タイ記録の場合は新しいものに上書きされるのが気象庁ルールです。10時11分が38.6℃以下なら9時42分の38.7℃が残ったのに、並んでしまったばかりに9時42分が消滅したようです。

2014年の航空写真です。左手の交差点脇は消防署、右手の建物が市役所になります。

去年の航空写真です。アメダスの北側がアスファルト舗装に駐車場に変わっています。人口は減っているはずですが、車での来庁者は増えたのかもしれません。

風速計の高さは19.5ｍとされています。市役所庁舎は4階建て（5階部分に塔屋）、消防署は3階建てです。どうやら消防署の屋上にあるのがアメダスの風速計のようです。

過去ストビューではプロペラ式が2台並んでおり、ハシゴ付近には日射計も確認できます。日射計の撤去と超音波式風速計への取り替えが行われたようです。手前のプロペラ式風速計のポールには気温計がついていますのでこれは消防署の設備なのでしょう。

アメダス羽咋は1989年9月に移転しているようですが、敷地内移転ではないかと思われます（標高11ｍ→15ｍ）。

年平均気温は次のように推移しています。駐車場化の時期は2020年以降ということしかわかりません。

去年は年平均気温が観測史上1位でした。7月時点では去年以上です。

夏日の最多は2013年の124日、真夏日は去年の72日が最多です。

熱帯夜は去年34日を観測しています。金沢なら30日台でも納得できますが、羽咋の34日はちょっと衝撃です。

猛暑日は去年の10日が最多です。最高気温はアメダス志賀で40.1℃に達した2019年8月15日の39.6℃がレコードです。39℃台はこの1回だけです。

2021年から2023年の観測値は次のとおりです。猛暑日頻度は低いため2021年のように平均気温より最高気温順位が低くなることもありますが、ハマると一気に100位以内です。

▲羽咋の2021年観測値（順位はすべて降順）

▲羽咋の2022年観測値