先代とは別選挙区だけれども…
8/19、小林鷹之氏が正式に出馬表明しました。推薦人として同席していたのは福田達夫氏や甘利系議員です。今のところ2位候補として有力のようです。旧・統一教会(統一協会)や裏金に対して寛容であることは、国会議員票を獲得できる要素にはなります。
齋藤氏は小泉氏と会談してトーンダウンということですので「?」に変えました。上川氏については外交日程をこなしながら総裁選を戦うというのがあまりイメージできませんが、高市氏と野田氏が20人揃わないならアリバイ的に誰か女性候補をという流れはごく自然です。
さて、河野太郎デジタル大臣について、親の選挙区を世襲したわけではないと言われることがあります。河野氏は小選挙区制が導入された1996年総選挙が初当選で目下9連勝です。
先代の河野洋平氏は中選挙区時代の旧・神奈川5区で当選10回(新自由クラブで5回)でした。小選挙区導入後も神奈川17区で当選4回を重ねました。河野太郎氏の選挙区である神奈川15区とは、3分割された旧・神奈川5区の片割れです。
厚木市、伊勢原市、愛甲郡 | 旧5区 | 16区 | 亀井善之 |
小田原市、秦野市、南足柄郡、 足柄上郡、足柄下郡 | 旧5区 | 17区 | 河野洋平 |
平塚市、中郡 茅ヶ崎市 | 旧5区 旧3区 | 15区 | 河野太郎 |
純粋に別の選挙区から出たのではありません。平塚にあった洋平氏の後援会組織をそのまま継承したはずです。茅ヶ崎には洋平氏の足がかりはなかったかもしれませんが、支部長に選任されたときの自民党総裁は洋平氏です。
祖父の河野一郎氏は衆議院当選7回で、中曽根派の前身だった河野派を率いています。3代で当選回数は通算30回です。国会議員歴はないものの県議会議長だった曽祖父・河野治平氏から数えれば4世ということになります。
一般的には世襲議員の役割は一族周辺の既存の権益を維持することにあります。太郎氏の曽祖父の1人は伊藤忠兵衛氏です。
統一教会解散が実現すれば立役者
選挙区内に旧・統一教会(統一協会)施設を確認できません。全国に約300教会ですから、1教会当たりの人口は40万人です。平塚と茅ヶ崎の人口はそれぞれ約25万人です。拠点となる施設があってもよさそうなものです。
青マーカーが河野事務所、赤マーカーが公認教会施設です。河野氏の資金管理団体「河野太郎事務所」は茅ヶ崎です。平塚の青マーカーは選挙区支部になります。
選挙区外となる小田原家庭教会は3階建てビルです。河野家はもともと小田原が本拠です。
先代の洋平氏は勝共推進議員ではなく、太郎氏も平和統一聯合創立総会への祝電があっただけで、氏名公表されていません。
むしろ消費者担当大臣として機敏に対応し、紀藤正樹弁護士を消費者庁の対策検討会委員に選んでいます。煮え切らない岸田氏に代わって、解散請求への道筋をつけたのは実質的には河野氏だったというのが私の評価です。
党員は集めていない?
資金管理団体「河野太郎事務所」は年1回4000万規模の政治資金パーティーを東京プリンスホテルで開いています。ブロマガやメルマガを含めて3年で約1億2000万の収入です。総裁選に出るなら物足りないかもしれません。
2020/11/02 | 東京プリンスホテル | 40,904,000 | 980 |
2020 | (ブロマガ・メルマガ) | 2,480,882 | |
2021/11/04 | 東京プリンスホテル | 36,951,200 | 930 |
2022/11/02 | 東京プリンスホテル | 38,292,400 | 944 |
2022 | (ブロマガ・メルマガ) | 4,000,725 | |
2022 | (西湘地区後援会) | 55,000 |
収支報告は次のとおりです。
太郎事務所 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
当年の収入額 | 61,582,891 | 113,688,616 | 67,235,524 |
パーティー収入等 | 43,384,882 | 41,343,331 | 42,348,125 |
党費 | 0 | 0 | 0 |
支出総額 | 51,035,286 | 92,188,688 | 52,069,381 |
人件費 | 2,090,952 | 2,580,314 | 5,109,616 |
光熱水費 | 192,506 | 200,653 | 238,433 |
備品消耗品費 | 4,714,437 | 6,843,504 | 5,962,330 |
事務所費 | 8,141,576 | 11,017,256 | 7,647,594 |
組織活動費 | 8,955,321 | 54,558,843 | 24,602,437 |
選挙関係費 | 0 | 0 | 0 |
機関紙等発行事業費 | 4,719,074 | 14,350,143 | 5,025,471 |
調査研究費 | 7,800 | 68,965 | 225,500 |
寄付・交付金 | 19,500,000 | 580,000 | 1,500,000 |
その他 | 2,713,620 | 1,989,010 | 1,758,000 |
選挙区支部のほうは次のとおりです。
選挙区支部 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
当年の収入額 | 41,755,798 | 71,618,957 | 34,142,312 |
パーティー収入 | 0 | 0 | 0 |
党費 | 0 | 0 | 0 |
支出総額 | 41,755,798 | 52,360,843 | 53,864,869 |
人件費 | 27,171,644 | 29,211,839 | 36,019,482 |
光熱水費 | 263,888 | 272,130 | 312,992 |
備品消耗品費 | 1,447,923 | 1,301,807 | 1,719,218 |
事務所費 | 2,871,371 | 3,147,389 | 3,867,293 |
組織活動費 | 52,400 | 175,000 | 274,850 |
選挙関係費 | 0 | 2,014,520 | 0 |
機関紙等発行事業費 | 6,502,992 | 8,062,578 | 6,929,454 |
調査研究費 | 220,000 | 1,210,000 | 176,000 |
寄付・交付金 | 880,000 | 4,620,000 | 2,220,000 |
その他 | 2,345,580 | 2,345,580 | 2,345,580 |
Suicaに5万円チャージできるのか?
党費収入ゼロというのが気になりますが、私が心配することではありません。3年間の人件費総額は林氏の1.8億円、小泉氏の1.3億円より少ない約1億円です。私設秘書は6~7人ということになりそうです。
2020年に資金管理団体から選挙区支部に1700万の資金移動があります。これを差し引いた2団体の支出総額約3.3億円の支出内訳は次のようになります。
河野氏は資金管理団体と選挙区支部のほかに政治団体を持っていないようです。選挙区の特性もあるのでしょうが、二階氏や世耕氏などは市町村ごとに後援会を組織していますし、小泉氏にも複数の関連政治団体があります。
これまでに収支報告上の不記載や誤記載を指摘されたこともないはずです。何回訂正すれば気が済むのかと言いたくなる萩生田氏とは違って、しっかりした会計処理をしているものと思われます。
ただ、SuicaやPASMOに5万円のチャージができるのかという疑問はあります。5枚のカードに1万ずつチャージしてその合計額を記載したのかもしれませんし、おそらく明細を添付しているのでしょうけど…。
また、小泉氏以上のETC料金が計上されています。2022年6月分は月額23万円です。霞が関から茅ヶ崎まで土日を含めて毎日2往復してもこの金額にはなりません。
なお、河野太郎氏は2021年と2022年に自民党から計770万円の政策活動費(何に使ったか報告してなくてもいい公然の裏金)を分配され、受領しています。
コメント