1887年開設の大分地方気象台、月平均気温30℃初突破へ

台風10号は気象庁の予想進路図的には九州上陸後「東進」します。海外の予想モデルでは土日に四国から紀伊半島沖で「迷走」するものもあります。予想進路図には「迷走」が反映されません。いずれにしても、もう偏西風には乗れないわけです。

さて、今月は複数地点で月平均気温国内最高30.7℃が更新されることが確実な情勢になりました。27日時点で月平均気温30.9℃以上が少なくとも7地点あります。ノロノロ台風に巻き込まれる鹿児島は微妙だとしても、ほかの6地点については新記録またはタイ記録が見込まれます。

▲今月の月平均気温30.9℃以上（27日時点）

大分地方気象台ではこれまで月平均気温29.3℃が3回ありました。

27日時点の8月平均気温は30.3℃です。残り4日間が27.4℃平均だったとしても、小数点2位四捨五入の切り上げで30.0℃になります。

【2024/09/01追記】台風10号さんがグズグズ進んだため、大分の8月平均気温は29.9℃でした。観測史上1位ではありますが…。

大分地方気象台は1887年（明治20年）1月に大分県立大分測候所として開設されています。当初は府内城（荷揚城）付近にあったようです。初月を除いた観測月数は1651か月目です。

現在地に移転して観測を始めたのが1908年1月1日です。地図右肩の陸上競技場は別大マラソンのゴール地点です。

標高は4.6ｍとされています。レアな円形露場で、桜の標本木も構内にあるようです。敷地南側にはウィンドプロファイラも設置されています。無駄なスペースを要するのが気象台用地です。

風速計の高さは19.8ｍとされています。測風塔が見当たりませんので屋上設置かと思われますが、20ｍ近くの高さには見えません。画像の手前は民間の賃貸物件で、奥が気象台庁舎です。3階建ての屋上はせいぜい10ｍです。

大分の年平均気温の推移は次のとおりです。移転後、若干下がっているように見えます。移転直後の現在地は市街地の外れで、周囲には寺と女子師範学校（今の長浜小）程度しか建物がなかったようです。

これまでの年平均気温の最大値は2016年と2023年の17.6℃です。

このグラフに8月の30℃台が乗っかるわけですので、年平均気温の更新も有力視されます。

大分の夏日は2005年の152日が最多、真夏日は2022年と2023年の79日が最多です。

大分の熱帯夜は2022年の40日が最多でした。今年は8/27時点で46日に達しています。

猛暑日の最多は2013年の24日でした。去年の猛暑日は3日、2021年は1日です。今年は8/27時点で32日です。

大分ではまだ38℃台を観測していません。最高気温のレコードは2013年7月24日の37.8℃で、今年も36.2℃が最高です。極端に暑くならない意外な穴場だと知ってコロナの夏に訪れたことがありますが、もちろん相対的なものです。

2021年から2023年の観測値は次のとおりです。瀬戸内式気候と太平洋側気候との遷移地域ということで、雨は少ないわけではありませんが日照は確保されています。平均気温は全国100位前後ながら、最高気温はそこまで届きません。

▲大分の2021年観測値（順位はすべて降順）

▲大分の2022年観測値