岸田氏より1学年上の石破氏は5度目の挑戦ができるのか?

総裁選4連敗

石破茂氏は自民党総裁選に過去4回挑んでいます。岸田氏と石破氏は同じ1957年生まれですが、石破氏は早生まれで学年違いになります。総裁任期3年の満了時は70歳です。

石破氏が総裁選に初挑戦した2008年は津島派所属でした。政権交代後の2009年9月、石破氏は野党になった自民党の政調会長に就任します。その際、津島派を継承した額賀派を離脱します。

この派閥離脱は慣例によるものでしたが、2年務めた政調会長退任後は派閥復帰しませんでした。無派閥で出馬した2012年は第1回投票では1位でしたが過半数には届かず、決選投票では108対89で敗れています。第1回投票の議員票については2018年の73票がMAXです。

順位得票議員地方総数得票率
2008年5/5252145274.7%
2012年1/51993416549840.0%
2018年2/22547318181031.4%
2020年3/368264253512.7%
▲石破氏の総裁選第1回投票

過去4回の推薦人は次のとおりです。

2008代)鴨下一郎
選)小坂憲次
赤澤亮正、伊藤達也、今津寛、小渕優子、大塚高司、
岡下信子、岡本芳郎、木村隆秀、倉田雅年、竹下亘、
渡嘉敷奈緒美、西銘恒三郎、橋本岳、林田彪、
原田憲治、平口洋、佐藤正久、田村耕太郎
2012代)鴨下一郎
選)梶山弘志
石田真敏、後藤田正純、齋藤健、田村憲久、平将明、
竹本直一、橘慶一郎、谷公一、中谷元、永岡桂子、
山口俊一、山本拓、石井浩郎、片山さつき、
小坂憲次、佐藤正久、中西祐介、三原じゅん子
2018代)尾辻秀久
選)古川禎久
石井準一、松村祥史、青木一彦、島田三郎、舞立昇治、
中西哲、村上誠一郎、中谷元、渡海紀三朗、橘慶一郎、
伊藤達也、田村憲久、赤沢亮正、平将明、福山守、
田所嘉徳、神山佐市、冨樫博之
2020代)鴨下一郎
選)山本有二
門山宏哲、八木哲也、山下貴司、後藤田正純、
舞立昇治、中西哲、村上誠一郎、中谷元、渡海紀三朗、
橘慶一郎、伊藤達也、齋藤健、赤沢亮正、平将明、
福山守、三原朝彦、神山佐市、冨樫博之
▲石破氏の推薦人

石破氏は14日、訪問先の台北で「私のような者でも一緒にやろうと言う方々が20人いれば、ぜひとも総裁選に出馬したい」と語っています。いろいろ声はかけているのでしょうから、20人残るかどうかが第一関門です。

残っているのは7人

石破氏の派閥だった水月会は2015年に発足しています。2018年と2020年は派閥の長としての立候補でした。4度目の挑戦は3人中3位で敗れて水月会会長を辞任します。後任会長は空席で石破氏は顧問に就任します。

2021年総選挙では事務総長→代表世話人の鴨下一郎氏が引退、同年12月の総会で派閥から議員グループに衣替えしています。

2020年から2022年の収支報告書に寄付者として記載がある(月額会費)のは、石破氏を含めて次の19人です。水月会でもキックバックはあったということですので、水月会からの寄付は均一ではありません。

個人→派閥派閥→政治団体備考
石破茂1,100,00011,104,500鳥取1区・衆12
山本有二1,650,0000比例四国・衆11、退会
鴨下一郎1,220,0001,120,000(引退)
伊藤達也750,0000東京22区・衆9、茂木派
田村憲久1,100,0001,506,000三重1区・衆9、岸田派
後藤田正純1,100,0004,060,000(徳島県知事)
古川禎久1,050,0003,156,500宮崎3区・衆7、茂木派
赤沢亮正1,100,0005,193,000鳥取2区・衆6
平将明1,100,0005,231,500東京4区・衆6
齋藤健1,100,0005,797,500千葉7区・衆5、退会
八木哲也1,100,0004,000,000愛知11区・衆4
福山守1,100,0004,109,000(落選中)
田所嘉徳1,100,0008,762,000比例北関東・衆4
神山佐市1,100,0004,240,000(落選中)
冨樫博之1,100,0004,000,000秋田1区・衆4
門山宏哲1,100,0004,060,000比例南関東・衆4
山下貴司1,100,0006,020,000岡山2区・衆4、茂木派
舞立昇治1,150,0008,360,000鳥取&島根・参2
中西哲700,0002,000,000(引退)
▲石破派の行方

石破氏を除く18人のうち引退・落選・知事転出が5人、退会が6人です。残っているのは7人でそのうち2人は鳥取選出です。

20人揃えられるとして、どんな顔ぶれになるのかは興味深いところです。村上誠一郎氏は乗るのでしょうが、中谷元氏は選挙管理委員ですから推薦人になれません。自民党の当選1・2回生が石破氏を「選挙の顔」として認めるのかどうかはかなり疑問です。

水月会の収支報告書

2020年から2022年の水月会収支報告は次のとおりです。

水月会2020年2021年2022年
当年の収入額66,090,33543,310,116120,139
 パーティー収入等53,640,00034,450,0000
支出総額65,658,20566,180,4672,488,390
 人件費2,051,4903,083,548817,131
 光熱水費71,89566,8202,823
 備品消耗品費827,470389,4828,415
 事務所費8,761,0453,953,72472,439
 組織活動費2,899,8501,315,462497,622
 選挙関係費000
 機関紙等発行事業費15,676,7708,193,644304,480
 調査研究費1,784,685117,787665,480
 寄付・交付金33,585,00049,060,0000
 その他00120,000
「水月会」収支報告書(令和3年分)ほか

政治資金パーティーは2回です。

2020/09/17ホテルニューオータニ53,640,0001682
2021/07/08ホテルニューオータニ34,450,0001121
▲水月会の政治資金パーティー

2021年のパーティーは総選挙前ですが、すでに離脱者が相次いでいたためか前年の3分の2の規模です。

その他の団体なら家賃支払先は記載不要?

さて、Wiki「水月会」のページには事務所所在地として「永田町2-17-17 アイオス永田町705号」が記載されています。2020年の収支報告書ではそうですが、2021年から「永田町2-17-5 ローレル永田町514号室」に変わっています。

水月会の収支報告書
「水月会」収支報告書(令和3年分)

会計責任者の瀬淵氏は石破氏の資金管理団体「石破茂政経懇話会」の事務担当者と同名で、連絡先電話番号は議員会館の石破事務所です。

石破茂政経懇話会
「石破茂政経懇話会」収支報告書(令和4年分)

私は数か月ながらローレル永田町に定期券で通っていた時期があります。当時も政治家関係の事務所は入居していましたが、立地からして別に不思議なことでもありません。

ローレル永田町

今の家賃はどれぐらいなのだろうと思って、水月会の収支報告書を調べてみても記載がありません。どうやら「その他の政治団体」の事務所費は総額記載でいいようです。

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