2団体の繰越額が2.7億円、麻生太郎氏の相続案件

高市氏の議員票が50票台なら逃げ切れた?

総理在職2616日の吉田茂元首相は1963年10月の衆議院解散で政界を引退しています。85歳でした。吉田氏の孫に当たる麻生太郎氏は総理在職358日ですが、9月に84歳になったばかりです。祖父が引退した85歳を目標にしているそうです。

今回の総裁選のキーマンは麻生氏でした。年初に上川陽子氏を持ち上げたのは、麻生・茂木・岸田の3派体制を維持したまま頭だけすげ替えようという魂胆だったものと思われます。上川氏は一定の支持は受けたものの浸透せず、安倍派若手が動いていた小林鷹之氏のカードを加えました。

麻生氏の誤算は(1)岸田氏が再選を断念したこと、(2)茂木氏があまりに不人気だったこと、(3)小泉氏が出馬に傾いたこと、(4)石破氏が推薦人20人を集めてしまったこと、だったはずです。石破vs小泉の決選投票が避けられなくなった時点で追い詰められたわけです。

もはや打開策としては3通りしかありませんでした。
(A)小泉氏に乗って、麻生&菅の大連立を組む
(B)恩讐を越えた歴史的和解で石破氏に乗る
(C)1回目から高市氏に投票して2位の小泉氏を引きずり下ろす

どれもあり得るカオスな状況だと私は考えていました。(A)と(B)なら不本意とはいえ勝馬に乗れる反面、(C)は非主流派に転落しかねないギャンブルです。可能性としては3:2:1ぐらいだろうと思っていました。

1回目の高市票は議員票72票でしたが、これが50票台なら高市氏は逃げ切れたかもしれません。乗るタイミングが早くて警戒感を広げてしまいました。石破氏のスピーチは、過去の言動を悔い「ルールを守る自民党」を強調するものでした。高市氏は1分40秒の時間オーバーです。

麻生氏の立場で考えるなら、1回目で動かないと高市氏が小泉氏に負けてしまうかもしれないわけです。高市陣営がそれなりに積み上げていて、実際には2位以内をキープしていたことは麻生氏も知らなかったしょうから、別に麻生氏の判断ミスというわけでもありません。

菅氏の副総裁就任と麻生氏の最高顧問への棚上げが決まっています。麻生氏の神経を逆撫でするかのように麻生派脱退組の岩屋毅氏や御法川信英氏や阿部俊子氏の入閣も取り沙汰されています(挙党態勢にならないような気がしますが…)。

麻生氏は福岡8区選出です。もう1回出て祖父超えを果たすのか、世襲制限の枠がはめられる前に長男に譲るのか決断が迫られています。

八幡家庭教会

福岡8区は、直方、飯塚、中間、宮若、嘉麻の5市と遠賀、鞍手、嘉穂の3郡で構成されています。

福岡8区
福岡県>福岡県の選挙区

いわゆる筑豊のうち田川市は含まず(11区)、北九州市のベッドタウン・中間市や日本海沿岸の芦屋町を含みます。ちなみに、長男が社長を務める麻生商事株式会社は福岡市早良区に本社があり、田川にはセメント工場がありますが、麻生グループの本拠地は飯塚です。

株式会社麻生本社

麻生氏は旧・統一教会(統一協会)との自民党点検では氏名公表されていませんが、かつては勝共推進議員とされており、秘書派遣を受けていた時期もあると指摘されています。また、2011年にワシントン・タイムズに掲載された意見広告に名を連ねています。

選挙区内には教団施設はないようです。最寄りの教団施設は北九州市・桃園球場前交差点の八幡家庭教会になります。4階建ての桃園ビルです。

八幡家庭教会

教団サイトには「301」号室と記載されています。かつては1Fに弁当屋などが入居していました。今では1棟まるごと教団施設になっている可能性が高そうです。

人件費が年8000万なのに健康診断は6人分

麻生氏の政治資金パーティーは年1回のようです。

2020/09/11ホテルニューオータニ62,050,200998
2021/06/08ホテルニューオータニ62,220,4721000
2022/05/17ホテルニューオータニ61,259,004985
▲麻生氏の政治資金パーティー

選挙区支部「自由民主党福岡県第八選挙区支部」について2021年の収支報告書にたどり着けませんでした。福岡県では最新1年分のWeb公開のようです。2020年から2022年の3年分の資金管理団体「素淮会」(そわいかい)と2020年及び2022年の選挙区支部の総支出額は約3.8億円です。

麻生氏3.8億円の収支内訳

人件費は主に選挙区支部で計上されており、2022年は約8200万です。年500万で計算すると、私設秘書は16人になってしまいますが、健康診断費用の支出は6人分です。

定期健康診断料
「自由民主党福岡県第八選挙区支部」収支報告書(令和4年分)

雇用しているのは6人だけかもしれません。その場合はいい年収になります。

繰越額は2団体で2億7000万円

2団体の代表者は麻生太郎氏です。2022年の繰越額は合計で2.7億円です。

素淮会175,763,196
選挙区支部95,522,443
271,285,639
▲2団体の繰越額

これが非課税で相続されてしまう仕組みを是としていいのかと立憲の野田代表は問いかけているはずです。10月27日投開票なら、公選法は改正されていませんので総選挙でも掲示板ジャックが可能です。

2020年から2022年の「素淮会」収支報告です。

資金管理団体2020年2021年2022年
当年の収入額88,455,35383,325,47387,160,430
 パーティー収入62,050,20062,220,47261,259,004
 党費000
支出総額75,656,41557,467,40773,465,734
 人件費1,681,3202,294,7122,429,056
 光熱水費8,4909,21310,203
 備品消耗品費3,484,9924,195,4384,953,102
 事務所費23,945,41723,311,52824,352,188
 組織活動費28,961,09819,171,12934,146,917
 選挙関係費000
 機関紙等発行事業費6,972,0067,725,3787,031,822
 調査研究費602,652760,009542,446
 寄付・交付金10,000,44000
「素淮会」収支報告書(令和4年分)など

選挙区支部は次のとおりです。

選挙区支部2020年2021年2022年
当年の収入額78,518,00773,849,831
 パーティー収入等00
 党費707,300919,050
支出総額81,627,58488,027,332
 人件費76,384,94881,857,223
 光熱水費00
 備品消耗品費130,09046,091
 事務所費412,671831,596
 組織活動費1,459,8751,509,352
 選挙関係費00
 機関紙等発行事業費0543,070
 調査研究費00
 寄付・交付金3,240,0003,240,000
▲「自由民主党福岡県第八選挙区支部」収支報告書(令和4年分)など

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