三角州とは
私が理解している「三角州」とは、河口付近で川が分流して2つの川の間に土砂が堆積した地形のことです。大阪や広島や福岡はそのパターンのはずですが埋め立てられています。三重県津市と松阪市の市境にある雲出川(くもづ-がわ)の香良洲町(からす-ちょう)が三角州の典型です。
輪島市役所は河原田川とその支流・鳳至川(ふげし-がわ)の合流地点にあります。
右が本流の河原田川、左が支流の鳳至川です。市役所庁舎の河口側は駐車場になっていますが、この駐車場はどうやら「三角州駐車場」と呼ばれているようです。正式名称というわけではなさそうです。
航空写真とは上下が逆になりますが、合流箇所先端部の駐車場は「三角州駐車場」と表現されています。輪島市広報のバックナンバーでも何度も「三角州駐車場」が登場します。八重桜の名所のようです。
通じないことはありません。むしろわかりやすいのかもしれません。道路で区切られた結果、形だけは理想的な三角形です。
高台移転していた消防署
左の4階建てが既存庁舎で、右の3階建てが2020年竣工の防災庁舎です。防災庁舎は輪島消防署の跡地に建てられています。消防署が高台に移転したのは2016年のようです。
昨日の雨で市庁舎は浸水しています。もしここに消防署が残っていたら、救急体制が機能不全を起こしたかもしれません。次のストビュー画像は新橋から見た輪島市役所です。
両河川とも道路面より高い堤防が築造されているわけではありません。その必要は考慮されていなかったものと思われます。
日降水量など観測史上1位
降水量の記録は地点1位が地点2位の1.5倍以上ということが珍しくありません。アメダス輪島の昨日(9/21)の日降水量は361.5ミリで従来の1位の1.67倍です。
輪島の年降水量の平年値は2162.3ミリです。12で割ると約180ミリとなり、昨日の361.5ミリは2か月分相当です。今日(9/22)も100ミリは降りそうですので、月降水量でも輪島では初めて700ミリ台に達することが確実です。
アメダス珠洲でも昨日の272ミリは従来1位の1.4倍になります。
排水機能が失われたままになっていた箇所もあるはずですから、まだ報道されていない被害が懸念されます。ようやく6月に復旧したアメダス舳倉島では21日9時過ぎから観測が途絶えています。
低地にある消防分署
アメダス輪島とアメダス珠洲のちょうど中間地点が輪島市町野町です。
もとやスーパーさん(✕印)は1階が浸水して什器ごと商品が奥に流されてしまったようです。派出所マーク(X)付近から標高点16mの橋を見たときのストビューです。
地形的に左が山です。スーパーは画像の右手(鈴屋川の南)になります。この川が溢水するなら右に決まっています。スーパーが浸水したのなら、それより低い町野小学校も無事ではなかったはずです。
ピンクの丸囲みは輪島消防署の町野分署です。標高的にはスーパー>小学校>町野分署ですが、鈴屋川が南に溢水しただけなら町野分署は難を逃れた可能性もなくはありません。
上の地図の範囲ではこの消防署付近がもっとも低いようです。どのみち救急が必要な現場が水没してしまえば隊員は近づけないわけですが、消防署が最後まで水没したままでは交代もできなくなります。輪島の市街地ではなかなか土地がないとしても、町野町辺りなら遊休土地はいくらでもあるはずです。
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