夫婦別姓選択制をすすめる会
1991年、法務大臣の諮問機関・法制審議会は家族法の見直しを始め、1994年には中間報告として「婚姻制度等に関する民法改正要綱試案」を提示、1996年に選択的夫婦別氏の実現を答申しました。
中間報告から数えればちょうど30年もの間、この問題は棚晒しにされてきました。答申を受けても自民党は上程を見送り、他党が答申案とほぼ同一の民法改正案が繰り返し提出しても審議されることなく廃案になっています。
「夫婦別姓選択制をすすめる会」は1984年から活動しているということです。私は初期の数年間、この会の会報を定期購読していました。会員だったかどうかは覚えていませんが、会報購読者=会員なのだとすれば、私も会員だったことになります。
設立当初は「夫婦別姓をすすめる会」の名称でした。「~選択制~」が加わったのは1年後ぐらいだったと記憶しています。同姓を望む人たちにまで別姓を押しつけるものではないということから「選択制」が付加されたという流れです。
会長ではなかったかもしれませんが、中心的立場にいたのは、まだ国会議員ではなく弁護士登録もしていなかった若かりし福島瑞穂氏です。「選択制」が加わった頃には弁護士になっていたはずです。
小泉進次郎氏は出馬会見で選択的夫婦別姓を1年以内に「決着」させると明言しました。公明党も主要野党も反対しませんので、本当に党議拘束を外すことができるなら成立することになります。
さて、自民党総裁選は3人に絞られ、麻生氏がキングメーカーの座を追われることは確定的です。本日(9/10)出馬会見した加藤勝信氏と20人揃わない齋藤経産大臣は決選投票では小泉氏支持に回るものと思われます。林官房長官と茂木幹事長も勝ち馬に乗ることになりそうです。
麻生・石破連合はあり得ると私は思っています。上川氏の支持層はよく掴めません。夫婦別姓をこれだけ鮮明に言われると右派は小泉氏に乗れないかもしれません。そうすると、敵の敵は味方の論理で石破氏に高市陣営が乗る可能性もありそうです。
立憲の吉田晴美氏推薦人には野田グループ「花斉会」のメンバーが複数含まれています。体裁を整えるための貸出が行われたのかもしれません。この顔ぶれで自民党がもっとも警戒するのはやはり野田氏でしょう。
野田佳彦 | 枝野幸男 | 泉健太 |
吉田晴美 |
大和郡山家庭教会
9/9に出馬会見した高市経済安全保障担当大臣は奈良2区選出の当選9回です。1992年の参議院選挙で落選、中選挙区時代の1993年衆院選が初当選、小選挙区になった1996年は奈良1区から新進党公認で2選、自民党に入った2000年は比例単独で3選を果たします。
2003年は奈良1区から出馬して落選しています。比例復活もできませんでした。2005年郵政選挙で奈良2区に回って4選、2009年は比例復活で5選、公明の推薦を受けるようになった2012年からは4連勝です。奈良2区では◯△◯◯◯◯になります。
旧・統一教会(統一協会)との自民党点検では氏名公表対象にはなりませんでしたが、今回の総裁選立候補者の中では最多の接点が報道されています。
(1)1992年、ホテルニューオータニ大阪で開かれた阿部玲子氏の応援イベントで挨拶
(2)「ビューポイント」2001年4月で細川隆一郎氏らと対談
(3)1994年から2001年にかけて「世界日報」に5回登場
(4)2006年のUPF「祖国郷土還元日本大会」に祝電
(5)2019年3月開催の政治資金パーティーで世界平和連合奈良県連合会がパー券4万円分を購入(本人は否定)
(6)前回総裁選で旧・統一教会(統一協会)の分派組織が高市氏を支援
ほかに宗教関係では天理教(天理市も選挙区)や霊友会との関係も取り沙汰されています。
自民党奈良県第二選挙区支部事務所から大和郡山家庭教会まで車で5分以内です。
前回総裁選出馬で増えた個人寄付
高市氏が2020年から2022年に開催した政治資金パーティーは3回で、パーティー収入総額は約1.1億円です。パーティー依存度は35%になります。
2021/07/24 | ホテル日航奈良 | 63,250,000 | 638 |
2022/08/24 | 東京プリンスホテル | 39,879,780 | 742 |
2022/12/04 | シェラトン都ホテル大阪 | 9,960,000 |
資金管理団体「新時代政策研究会」、選挙区支部「自由民主党奈良県第二選挙区支部」の2団体3年間の総人件費は約4300万円です。私設秘書の数はせいぜい3人になるはずです。奈良2区はそれほど広い選挙区でもありません。
2団体3年間の総支出は約2.1億円ですので、人件費率は21%です。
高市氏は前回2021年総裁選にも立候補しています。2020年には両団体への個人寄付は1000万に満たない額でしたが、2021年にごっそり増えています。
2020年の繰越額は両団体合計で約4000万でしたが、2022年の繰越額は計1億4000万です。ビジネスとしては悪くない話です。
2020~2022年の2団体収支
資金管理団体の収支報告です。
資金管理団体 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
当年の収入額 | 9,611,916 | 52,806,830 | 40,587,604 |
パーティー収入等 | 0 | 0 | 0 |
党費 | 0 | 0 | 0 |
支出総額 | 4,356,616 | 6,929,397 | 7,215,036 |
人件費 | 0 | 0 | 0 |
光熱水費 | 0 | 0 | 0 |
備品消耗品費 | 1,229,726 | 1,291,800 | 1,581,082 |
事務所費 | 579,143 | 589,011 | 1,762,020 |
組織活動費 | 1,280,729 | 3,914,248 | 2,431,646 |
選挙関係費 | 0 | 0 | 0 |
機関紙等発行事業費 | 767,018 | 834,338 | 740,288 |
調査研究費 | 0 | 0 | 0 |
寄付・交付金 | 500,000 | 300,000 | 700,000 |
選挙区支部は次のとおりです。
選挙区支部 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
当年の収入額 | 16,922,382 | 141,072,203 | 81,063,001 |
パーティー収入 | 0 | 63,250,000 | 57,759,835 |
党費 | 392,250 | 1,250,200 | 1,502,200 |
支出総額 | 18,234,835 | 115,236,653 | 57,759,835 |
人件費 | 6,454,045 | 18,262,348 | 18,487,165 |
光熱水費 | 0 | 417,965 | 501,539 |
備品消耗品費 | 460,870 | 3,734,380 | 3,033,556 |
事務所費 | 3,369,149 | 10,515,390 | 10,199,728 |
組織活動費 | 20,000 | 47,486,843 | 11,763,235 |
選挙関係費 | 0 | 13,828,457 | 0 |
機関紙等発行事業費 | 3,682,239 | 12,590,950 | 5,558,937 |
調査研究費 | 38,532 | 4,950 | 34,810 |
寄付・交付金 | 3,730,000 | 8,395,370 | 8,180,865 |
その他 | 480,000 | 0 | 0 |
上位2名が小泉氏&高市氏の場合、石破陣営の議員票が高市氏に流れるとはちょっと思えません。石破氏と高市氏が残った場合、小泉票は石破氏に向かいそうです。野党が歓迎するのは高市氏です。
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