小選挙区で自民未勝利の大阪19区、谷川とむ代議士

比例復活で3選の2世議員

あくまでも「選挙の顔」を選ぶという視点で考えたとき、現役閣僚4人と茂木幹事長が残ることはあり得ないわけで、結局は2強に集約されるのでしょう。小泉vs石破の決選投票になれば、加藤陣営と小林陣営はほぼ丸ごと小泉氏側に乗るはずです。

▲自民党総裁選(9/14)

敢えて石破氏に乗って勝ち馬を作ろうという勢力が出現するのかどうかが焦点ですが、塊としてはまだその気配はなく、個々の判断で若干流れる程度のように思えます。

立憲・泉代表の「新政権研究会」では下条みつ氏が枝野氏の、源馬謙太郎氏が野田氏の、荒井優氏が吉田氏の推薦人として名を連ねています。

野田佳彦枝野幸男泉健太
吉田晴美
▲立憲民主党代表戦(9/14)

源馬氏は重徳グループ、荒井氏は菅グループを兼ねていますので理解できないことではありませんが、福田昭夫氏や羽田次郎氏は誰の推薦人にもなっていません。泉代表はグループ内さえ固めきれなかったわけです。

ところで、大阪19区(貝塚市、泉佐野市、泉南市、阪南市と泉南郡3町)は小選挙区になって以来、自民党公認候補が1度も勝ったことがない選挙区です。

当選党派次点
1996松浪健四郎新進48.39自民35.72
2000松浪健四郎保守53.11民主30.52
2003長安豊民主47.21松浪26.48
2005長安豊民主48.32松浪43.34
2009長安豊民主55.60松浪35.72
2012丸山穂高維新38.44谷川29.64
2014丸山穂高維新36.90谷川33.68
2017丸山穂高維新46.68谷川40.47
2021伊東信久維新42.18谷川32.19
▲大阪19区

高市氏の推薦人になった谷川とむ(本名:谷川與秀)氏は初出馬の2012年総選挙で落選、2014年以降は比例復活で当選3回です。裏金関与で次回は本格的にピンチと思われていましたが、維新の失速により小選挙区初勝利の目も出てきました。維新の議席減は大阪では自民復活に連動します。

先代の谷川秀善参議院議員は、町村信孝氏が福田康夫内閣の官房長官に就任した際、町村氏や中川秀直氏とともに町村派の代表世話人に就任したことがあります。大阪選挙区で参議院3期ですが大臣経験はなく、2013年で引退しています。

岸和田家庭教会

2008年9月、世界基督教統一神霊協会の貝塚教会に薬事法違反で強制捜査が入りました。薬事法なら朝鮮人参関係です。大阪19区には現存する旧・統一教会(統一協会)の施設を確認できません。最寄りは岸和田家庭教会です。

岸和田家庭教会
岸和田家庭教会(地理院タイルを加工)

岸和田家庭教会は南海電鉄の岸和田駅から海側へ徒歩5~6分の国道204号沿いです。ストビューでは看板プレートなどは見当たりませんが、2021年1月のストビューのようにショーウインドウで教団施設であることがわかります。

岸和田家庭教会

5階建てのビルで、最古2009年9月撮影のストビューでは貸事務所として入居者募集中です。2014年6月以降のストビューでは「SUビル(浦田)」の袖看板が掲げられ、3階以下に教会が入居しています。

貝塚市には「浦田」の地名がありますが、岸和田市五軒屋町のSUビルとは4キロ離れています。ということは、「浦田」とは地名ではなく人名と考えるほうが合理的です。浦田Sさんを代表者とする地元企業があります。

岸和田ではこんな看板が目につきます。浦田Sさんの会社前の歩道植栽にも「ファミリーロード◯◯」の看板が設置されています。

岸和田ファミリーロード

自民党点検で谷川氏は(1)関連団体会合に本人出席で挨拶、(2)関連団体会合に本人出席で講演の2項目で氏名公表されています。

2017年11月の「孝情ファミリーフェスティバル in OSAKA」は秘書の代理出席ですが、同年4月に東淀川区民会館で開かれた「勝共UNITE KANSAI」の勉強会は本人出席です。もう1つの本人出席は確認できませんでした。

裏金188万は追加記載のみ、支出変更なし

谷川氏は浄土真宗本願寺派の僧侶でもあります。尼崎市塚口町の万徳寺だそうです。神道政治連盟にも入っていて、ワールドメイトとの接点もあるようです。

万徳寺

谷川氏の不記載額は5年間で188万円です。資金管理団体「泉秀会」の収支報告書は2月1日付で訂正されており、不記載額が追加記載されただけで支出の訂正はありません。

谷川氏が2020年から2022年に開催した政治資金パーティーは2回で、パーティー収入総額は約1000万円です。

2020/10/31岸和田グランドホール1,750,000
2022/05/21スターゲイトホテル関西エアポート8,510,000
▲谷川氏の政治資金パーティー

資金管理団体「泉秀会」、選挙区支部「自由民主党大阪府第十九選挙区支部」の2団体3年間の支出総額は約1.4億円ですが、両団体間の資金移動がありますので実質は1.2億円です。総人件費は約2300万円にすぎませんから、私設秘書の数は頑張って2人です。

谷川とむ氏の支出内訳

自民党議員としては最低水準でしょうし、現実問題としては小選挙区で勝てないのも仕方がないかもしれません。逆に、これでもやっていけないわけではないということにもなります。

2020~2022年の2団体収支

資金管理団体の収支報告です。

資金管理団体2020年2021年2022年
当年の収入額3,110,0704,000,05210,330,039
 パーティー収入等1,750,00008,510,000
 党費000
支出総額6,107,0207,522,44014,493,324
 人件費000
 光熱水費000
 備品消耗品費000
 事務所費22,44022,440431,004
 組織活動費137,2800303,200
 選挙関係費000
 機関紙等発行事業費447,30002,259,120
 調査研究費000
 寄付・交付金5,500,0007,500,00011,500,000
「泉秀会」収支報告書(令和4年分)ほか

選挙区支部は次のとおりです。

選挙区支部2020年2021年2022年
当年の収入額26,107,81355,252,02927,438,644
 パーティー収入000
 党費537,000552,000543,000
支出総額26,333,71555,165,92730,457,409
 人件費6,068,54910,484,5926,773,060
 光熱水費263,607307,439455,154
 備品消耗品費1,995,3412,155,4381,947,733
 事務所費4,223,3455,265,8763,887,367
 組織活動費2,739,1891,957,2623,860,320
 選挙関係費190,0004,000,000190,000
 機関紙等発行事業費10,353,68417,005,32012,593,775
 調査研究費000
 寄付・交付金500,00013,990,000750,000
「自由民主党大阪府第十九選挙区支部」収支報告書(令和4年分)ほか

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