53歳、自民公認では初選挙の静岡5区・細野豪志氏

自民単独過半数割れ?

報道各社の情勢調査がかなり衝撃的で、与党過半数割れが現実味のあるものとなりました。これまでの文春やポストの予測は維新が50議席程度と、ちょっと信じられないものでしたが、維新も低調で小党が伸びるというこの傾向は完全に妥当です。

自民から離反した一定層が維新ではなく国民民主へ、立憲についていけないリベラル層がれいわ新選組へ、という流れは納得できるものです。この調子では自民党は非公認の当選議員を追加公認せざるを得ず、さらに反発を招く悪循環が予想されます。

ひょっとすると、自民党は本当に今回は政策活動費を使っていないかもしれません。収支報告書の提出期限は翌年5月末で、公開は11月下旬です。使っていないかどうか確認できるのは1年後ということになります。

6月に集約した自民党の政策活動費の月別支出です(再録)。前回の衆院選は2021年10月です。2022年5月が多いのは7月に参院選を控えていたからです。

自民党の月別政策活動費

前回総選挙では6億円を注ぎ込んでいます。弾がないわけではないでしょうから、弾を打つ意思があるかどうかです。もはや特効薬は実弾以外になかろうと思われます。政策活動費以外の費目に付け替えて支出する可能性は大いに考えられますが…。

富士山家庭教会

旧・統一教会(統一協会)の富士山家庭教会は静岡県富士市八代町にあります。最古2012年5月のストビューから教団施設だったようです。

東京から見ると富士川の手前ですので、東京電力管内としては太平洋側最西端の教団施設です。

富士山家庭教会
富士山家庭教会(地理院タイルを加工)

北道路ですので、3階や屋上なら富士山山頂の眺望が期待できそうです。少し歩けば確実に見えます。

富士市は三島や御殿場とともに静岡5区に属します(沼津は6区)。小選挙区選出代議士は細野豪志氏です。細野氏は2000年総選挙に旧7区で初当選、2003年の区割り変更で5区に移り、通算で8連勝です。前回2021年は無所属出馬でした。

氏名公表された石破氏、されなかった細野氏

細野氏は旧・統一教会(統一協会)との自民党点検では氏名公表されていません。接点として報道されているのは次の3点です。

(1)2013年、資金管理団体「伊豆政策研究会」に世界日報・木下社長から3万円の寄付
(2)2015年、世界日報にインタビュー記事掲載
(3)2017年、世界日報社が開催した元自民党代議士・長野祐也氏の出版記念パーティーに高村正彦、石破茂加藤勝信、塩崎恭久、田村憲久、福山哲郎、玉木雄一郎長島昭久氏らとともに出席

2013年当時、木下義昭氏は世界日報の現役社長でした。石破氏は社長を退任した木下氏から2017年に選挙区支部に10万円の寄付を受けたことを申告して氏名公表されています。自民党としては個人寄付であっても教団関係者なら報告を呼びかけていたということです。曖昧な部分は都合よく解釈すればよいというのも1つの考え方です。

木下社長の寄付3万円
「伊豆政策研究会」収支報告書(平成25年分)

この2013年収支報告書の寄付者の中には「松井一郎」との名前があってギクッとしましたが、函南町在住ですので同姓同名の他人と思われます。そういえば、松井一郎氏が萩生田氏の応援演説に入ったそうですが、新副総裁・菅氏の差し金ではないかと私は睨んでいます。

大前研一氏の寄付
「伊豆政策研究会」収支報告書(平成25年分)

この大前研一氏はあの大前氏で間違いないようです。2012年に下野した民主党で細野氏は幹事長に就任しましたが、翌2013年の参院選敗北で幹事長を辞任しています。

希望の党などを経て、2019年に二階派入りした細野氏が自民党に入党したのは2021年の総選挙後です。2022年6月、5区の支部長だった岸田派の吉川赳氏がP活疑惑で離党し、2023年5月にようやく支部長に就任しています。

細野氏の政治資金パーティー

5区の支部長に選任される前は「自由民主党静岡県衆議院支部」の支部長でした。2021年12月の設立です。細野氏が2020年から2022年までの3年間に開催した政治資金パーティーは1回だけです。

2022/09/17御殿場高原時之栖24,039,4502404
▲細野氏の政治資金パーティー

3年間の支出総額は約1億3000万、人件費は約6400万ですので人件費率はかなり高い数値です。私設秘書は4人以上と思われます。

細野氏の支出内訳

細野氏は先般の総裁選では長島昭久氏とともに石破氏の推薦人でした。まだ50代前半だというのに、民進党離党時の経緯から敵は多いでしょうし、大臣経験者だけに処遇も難しいという立ち位置です。選挙には強いとしても、初めて自民党で戦う選挙で過半数割れは想定外かもしれません。

2020年から2022年の収支報告

資金管理団体「伊豆政策研究会」の収支報告です。

資金管理団体2020年2021年2022年
当年の収入額33,564,02557,949,88512,839,287
 パーティー収入000
 党費000
支出総額31,883,78146,076,39918,722,001
 人件費14,051,87323,330,3326,624,569
 光熱水費533,130636,481553,192
 備品消耗品費2,445,1883,959,8161,859,393
 事務所費8,308,73110,606,7057,218,492
 組織活動費1,254,9961,907,8381,708,956
 選挙関係費021,5730
 機関紙等発行事業費5,266,7175,305,192754,939
 調査研究費23,1468,4622,460
 寄付・交付金0300,0000
「伊豆政策研究会」収支報告書(令和4年分)ほか

自民党支部は次のとおりです。

党支部2020年2021年2022年
当年の収入額8,416,25039,009,980
 パーティー収入等024,039,450
 党費4,416,2501,224,500
支出総額035,067,102
 人件費019,751,475
 光熱水費0204,807
 備品消耗品費01,348,484
 事務所費03,942,146
 組織活動費0760,910
 選挙関係費00
 機関紙等発行事業費09,058,580
 調査研究費0700
 寄付・交付金00
「自由民主党静岡県衆議院支部」収支報告書(令和4年分)など

コメント

タイトルとURLをコピーしました