「共感と納得の内閣」らしい
田中角栄内閣から三木武夫内閣への疑似政権交代で、三木派から入閣した閣僚は河本敏夫・通産大臣と井出一太郎・官房長官の2人だけでした。民間から起用された永井道雄・文部大臣を加えても3人です。当時は派閥均衡人事ですから、欲張ってもそこまでです。
派閥からの推薦がない初めての組閣だったとしても、さすがに石破内閣の人事はやり過ぎのように思えます。実質審議3日間で9日解散・27日投開票を強行することで豹変や変節が指摘されています。
自民党が変われないことが明らかになって失望が広がっただけで、鳥取以外ではとても「共感と納得」は得られるものではありません。次の焦点はいわゆる裏金議員の公認問題です。
石破氏は「公認権者として自ら説明責任を果たす」と発言していたわけですから、自己申告の書類だけで県連から上がってきた公認候補をそのまま通すようなら、石破氏が選ばれた意味がほとんどなくなります(杉田水脈氏の比例順位を落とすぐらいのことはするでしょうが…)。
さて、石破氏の推薦人の1人だった二階派の伊東良孝氏は北海道7区選出の75歳です。2009年総選挙が初当選ですから、小泉進次郎氏と同期です。小選挙区5連勝でしたが、次期総選挙では鈴木貴子氏に小選挙区を譲り、伊東氏は比例に回ることが決まっています。
73歳定年制で重複立候補できませんので、比例に回って名簿順位で厚遇されることを期待した判断なのでしょう。大臣就任で名簿順位は盤石です。
北海道7区は根室振興局と釧路振興局の管内がエリアになります。この地域にある旧・統一教会(統一協会)の施設は釧路家庭教会です。釧路駅から車で5分ほどです。
釧路家庭教会
日本最東端の教団施設は2階建てです。最古2012年5月のストビューで「世界基督教統一神霊協会 釧路教会」とされており、最新2024年6月のストビューでも「釧路家庭教会」のプレートが掲げられています。
伊東氏は自民党点検では次の3項目で氏名公表されています。
(1)関連団体会合に本人出席して挨拶
(2)関連団体会合に本人出席して講演
(3)会費類の支出
2015年7月、ピースロードの釧路実行委員長としてレセプションに出席しているようです。これが(1)なのか(2)なのかはわかりません。2021年6月には、衆議院第一議員会館で「日本・世界平和議員連合懇談会」に出席しており、記念写真が出回っています。
少額と思われる(3)については、おそらく世界平和連合か勝共連合でしょうが、支出先や支出額は公開されていません。
私設秘書は7人?
伊東氏が2020年から2022年に開いた政治資金パーティー等は次のとおりです。3年間のパーティー収入総額は8300万円です。
2020年 | 鶴雅リゾート | 42,000 | |
2020/09/25 | 釧路観光コンベンション協会 | 14,089,560 | 1400 |
2020/11/11 | ザ・キャピトルホテル東急 | 12,528,130 | 626 |
2021/10/02 | トーヨーグランドホテル | 2,675,000 | |
2021/10/02 | 根室商工会議所 | 1,440,000 | |
2021/12/02 | 札幌パークホテル | 6,359,890 | |
2021/12/04 | 釧路センチュリーキャッスルホテル | 12,695,000 | 120 |
2022/04/26 | ザ・キャピトルホテル東急 | 360,000 | |
2022/04/26 | ザ・キャピトルホテル東急 | 9,789,560 | |
2022/11/15 | ホテルグランドアーク半蔵門 | 11,038,790 | 551 |
2022年 | ? | 290,000 | |
2022/12/03 | 釧路センチュリーキャッスルホテル | 10,060,000 | 1006 |
2022/12/03 | 別海町青少年プラザ | 2,000,000 |
2021年12月4日開催のパーティーは「対価の支払をした者の数」が訂正されています。
訂正前が12000人で訂正後は120人ですが、おそらく1200人が正しいものと思われます。120人では1人当たり10万円の富裕層向けパーティーになってしまいます。
2020年から2022年の資金管理団体「北海道政経研究会」、2020年と2021年の「自由民主党北海道第七選挙区支部」、2022年「自由民主党北海道衆議院比例区第三支部」の支出総額は約3.2億円です。
人件費総額は1億超となり、私設秘書は7人程度なのでしょう。広い選挙区ですので、ある程度の人員は必要ではあります。
【2024/10/04追記】現職大臣の伊東氏は比例1位で優遇されるようです。
2団体3年間で支出3.2億円
資金管理団体の収支報告です。
資金管理団体 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
当年の収入額 | 2,979,061 | 4,560,073 | 2,360,102 |
パーティー収入 | 0 | 0 | 0 |
党費 | 0 | 0 | 0 |
支出総額 | 2,261,151 | 1,620,399 | 1,447,837 |
人件費 | 0 | 0 | 0 |
光熱水費 | 107,037 | 96,715 | 98,654 |
備品消耗品費 | 135,680 | 130,164 | 136,117 |
事務所費 | 274,753 | 256,998 | 225,873 |
組織活動費 | 92,940 | 63,720 | 34,610 |
選挙関係費 | 0 | 0 | 0 |
機関紙等発行事業費 | 623,545 | 0 | 0 |
調査研究費 | 1,027,196 | 1,072,802 | 952,573 |
寄付・交付金 | 0 | 0 | 0 |
選挙区支部は次のとおりです。
選挙区支部 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
当年の収入額 | 84,317,624 | 132,645,409 | 92,060,707 |
パーティー収入等 | 26,659,690 | 23,529,890 | 33,178,350 |
党費 | 1,968,600 | 1,975,800 | 1,884,000 |
支出総額 | 95,961,762 | 129,801,678 | 85,549,934 |
人件費 | 34,478,339 | 36,506,521 | 35,576,427 |
光熱水費 | 431,768 | 919,579 | 432,951 |
備品消耗品費 | 10,902,844 | 7,180,250 | 12,435,788 |
事務所費 | 11,876,792 | 18,739,358 | 13,452,541 |
組織活動費 | 6,050,097 | 7,275,353 | 6,378,144 |
選挙関係費 | 0 | 1,000,880 | 0 |
機関紙等発行事業費 | 5,139,479 | 10,267,376 | 5,030,503 |
調査研究費 | 689,159 | 76,300 | 50,910 |
寄付・交付金 | 26,351,000 | 47,787,559 | 12,146,020 |
その他 | 42,284 | 48,502 | 46,650 |
この3年分については、家庭連合系各団体への支出は見当たりませんでした。
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