噴火警戒レベル
南部富士または巌鷲山(がんじゅさん)とも呼ばれる岩手山は、八幡平市(はちまんたいし)、滝沢市、雫石町の3市町にまたがっています。山頂三角点は標高2038mです。
地図の青字はアメダス観測所です。八幡平市は岩手県ですが、山岳名称としての八幡平は岩手&秋田県境の山であり、アメダス八幡平は秋田県にあります。八幡平は常時観測火山ではありません。
10月2日、岩手山の噴火警戒レベルが「2」に引き上げられました。10月4日現在、本州では浅間山が噴火警戒レベル「2」です。
レベル2とレベル3は火口内または火口周辺の立ち入り制限です。レベル4以上は居住地域に対して避難(準備)を呼びかけるものです。
想定火口は西岩手山の大地獄谷
今回の岩手山の場合はレベル2ですが、山頂と想定火口との位置関係から、限りなくレベル3に近い入山規制が敷かれています。岩手山には東西2つの外輪山があり、最高峰は薬師火口や岩手山神社奥の院がある東岩手山です。江戸時代の噴火は東岩手山です。
今回の想定火口は1919年に噴火した大地獄谷(御苗代湖)付近です。山頂や神社は、半径2キロの楕円形で示された警戒範囲外になります。
山頂付近で規制をかけるのが現実的ではないため、山頂に通じる7つの登山道すべてで入山規制をかけたようです。
岩手山火山防災マップ
1998年に発表された「岩手山火山防災マップ」では、東北自動車道の東側まで火山泥流の発生が懸念される水色のエリアが広がっています。これは東岩手山の噴火を想定したものであり、しかも火山泥流ですから積雪時の話です。
この防災マップは東と西の噴火を1つの地図で表現しているだけです。西岩手山の想定火口の標高は1300~1400m台ですので、仮に噴火しても東側に影響することはほぼないものと思われます。
必要以上に登山規制がかかっているだけですから、過剰に反応することではありません。桜島は噴火警戒レベル3ですが平常運転です。
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