12年ぶりの首相補佐官復帰、東京30区の長島昭久氏

上川陣営の推薦人代表だった牧原法相

71歳の上川陽子氏がなぜ自民党総裁選に出馬したのか私の中では今でもナゾです。勘違いもはなはだしいとしか思えませんが、誰かが焚き付けて担ぎ上げたに違いありません。推薦人代表が牧原秀樹氏だったのも釈然としないものがありました。

もともと上川氏を持ち上げたのは麻生氏です。1月末の麻生氏による「おばさん」失言で、上川氏は反対が少なくそれなりの新鮮味もある実力派の次期首相候補としてクローズアップされました。

派閥解消を決めた岸田氏を上川氏の名前を出すことで牽制しようとする思惑が麻生氏にはあったものと思われます。この経緯から、当初は上川氏を麻生系別働隊なのかと思っていましたが、菅グループの牧原氏が推薦人代表なら話の辻褄が合いません。

最終的に上川氏は麻生派の力を借りて推薦人を揃えましたが、純粋な麻生系と考えていいのかどうか今でも私は疑問視しています。牧原氏は上川氏の外遊中に代理として政策討論会にも出席しており、石破内閣では法務大臣として初入閣しています。

上川氏本人の入閣が見送られていることから、上川氏が牧原氏をプッシュしたのではないかと思われます。そうすると、一度は総理候補から消えた上川氏を担ぎ上げたのも牧原氏だったかもしれず、牧原氏を送り込んだのが菅氏だったかもしれないわけです。菅氏と上川氏は同じ古賀派に在籍していました。

それにしても、秘書を含めて37回出席というのは驚きです。そこまでカウントできるのなら、締め切り時点で出席が把握できた会合から3つぐらいチョイスして申告しておけばよかったのに、と思わなくもありません。どうせ他の議員はそんなものだろうと私は思っています。

さて、衆議院は本日解散されて27日の投開票になだれ込みます。可能性は薄いとしても自公過半数割れなら自維公または自公国の連立となるかもしれません。自民分裂が立憲分裂を誘って「石破&野田連合」というストーリーも語られていますが、あまり現実的ではありません。

割れないのが自民党です。若かりし河野洋平氏や小沢一郎氏のような突破力は誰も持ち合わせていません。出て行っても少数でしょうし、切り捨てるならより限られた少数です。そのボリュームによって連立相手が決まるのなら、野党間協力は限定的という見通しにしかなりません。

国士舘大隣接の教団所有地

閉鎖された宮崎台研修センターの代替施設建設のために旧・統一教会(統一協会)が取得した多摩市永山の教団所有地は、去年の夏に注目された当時は従前の建物が残っていました。

多摩市の教団所有地(解体前)

2024年3月の航空写真では建物躯体の解体がほぼ完了しているようです。海外送金に精を出しているからでしょうが、この教団の国内施設は他宗派にくらべて貧弱です。解散命令請求が出されたとしても、必要としている施設かもしれません。

多摩市の教団所有地(解体後)

多摩市は府中市、稲城市とともに衆議院小選挙区では新・東京30区に属します。東京30区の自民党候補は石破内閣で首相補佐官に就任した長島昭久氏です。二階派の長島氏は総裁選では石破氏の推薦人でした。

長島氏が野田内閣の補佐官を退任したのが2012年10月1日、今回の就任も10月1日です。12年ぶりの官邸復帰でした。長島氏も自民党点検では氏名公表されていませんが、教団との接点は報道されています。

(1)2011年、「ワシントン・タイムズ」に麻生太郎、福田康夫、安倍晋三、前原誠司氏らとともに全面意見広告を掲載
(2)2017年に世界日報社が開催した元自民党代議士・長野祐也氏の出版記念パーティーに高村正彦、石破茂加藤勝信、塩崎恭久、田村憲久、福山哲郎、玉木雄一郎、細野豪志氏らとともに出席

意見広告は自民党点検の対象外です。(2)は世界日報Webサイトに今も掲載されていますが、石破氏も加藤氏も田村氏も細野氏もスルーしています。長野氏のパーティーであって世界日報社のパーティーではないとの認識かと思われます。

長島氏は2000年総選挙が初出馬です。これまで✕◯△◯◯△◯△で4勝1敗3復活です。小選挙区では4勝4敗のイーブンとなります。さほど選挙に強いわけではありませんが、牧原氏より小選挙区当選の可能性ははるかに高く、仮に落ちたとしても比例復活です。

長島昭久氏の政治資金パーティー

長島氏が2020年から2022年の3年間に開いた政治資金パーティー収入は約6000万円になります。もうすっかり自民党スタイルを身に着けているようです。

資金2020/07/27ホテルルポール麹町4,510,000
資金2020/11/16ホテルルポール麹町19,340,000410
資金2021/03/22ホテルルポール麹町5,800,000
資金2021/06/14ホテルルポール麹町3,700,000
資金2022/04/25キャピトルホテル東急22,160,000478
資金2022/11/07ホテルルポール麹町4,270,000
支部2020年(支部設立大会)60,000
▲長島氏の政治資金パーティー等

資金管理団体「長島昭久を育てる会」と選挙区支部を合算した3年間の総支出額は約1億6000万、3年間の総人件費は約5200万です。私設秘書は3~4人になりそうです。パーティー収入も人件費も石破氏より多額です。

長島昭久氏の支出内訳

2020~2022年の収支報告

資金管理団体の収支報告です。

資金管理団体2020年2021年2022年
当年の収入額32,532,43438,728,25233,109,032
 パーティー収入23,850,0009,510,00026,430,000
 党費000
支出総額29,374,29435,863,26625,763,866
 人件費10,189,27911,236,09211,483,634
 光熱水費349,874384,950401,031
 備品消耗品費1,267,7261,323,6441,140,434
 事務所費7,701,9405,222,6794,091,510
 組織活動費2,910,7582,263,0644,227,796
 選挙関係費000
 機関紙等発行事業費6,931,78912,676,8863,894,062
 調査研究費22,92825,51165,069
 寄付・交付金02,730,44010,110
 その他00450,220
「長島昭久を育てる会」収支報告書(令和4年分)ほか

選挙区支部は次のとおりです。

選挙区支部2020年2021年2022年
当年の収入額32,065,07441,238,76716,357,903
 パーティー収入等60,00000
 党費2,064,0001,966,0001,801,000
支出総額21,453,03027,581,30422,864,359
 人件費2,504,3345,686,24510,492,115
 光熱水費144,046178,086207,162
 備品消耗品費630,3301,285,7801,077,300
 事務所費2,542,5962,599,0732,618,521
 組織活動費2,397,7424,359,2743,603,830
 選挙関係費05,010,00030,000
 機関紙等発行事業費10,022,3755,307,6082,038,163
 調査研究費139,62773,91886,058
 寄付・交付金3,071,9803,081,3202,510,880
 その他00200,330
「自由民主党東京都第十八選挙区支部」収支報告書(令和4年分)ほか

コメント

タイトルとURLをコピーしました