福岡2区・鬼木誠防衛副大臣の地元でピースロードが復活

ピースバイクで始まった

2013年、平和統一聯合の主催で「平和統一祈願!全国自転車縦走企画2013」というイベントが始まりました。8月3日に北海道の宗谷岬、8月16日に鹿児島の佐多岬から出発した各2台の自転車が下関で合流して渡韓します。

韓国内でも自転車縦走を続けて、8月24日に臨津閣(イムジンガク)で行われる平和統一祈願祭に出席するというものでした。自転車はタスキ代わりであり、平和統一聯合事務総長・金元彬氏が宗谷岬側第一走者の1人です。当時は「ピースバイク」と呼ばれていたそうです。

離散家族を抱える平和統一聯合としては、南北統一への思いがあったわけです。朝鮮戦争の休戦協定は1953年です。2013年はちょうど60年になります。最終目的地は中朝国境の白頭山だったようです(もちろんチャリで北朝鮮を縦走できるはずなどありませんが…)。

ピースバイク

2013年の段階でこのイベントは世界基督教統一神霊協会(当時)の南北統一局が後援していました。2015年には平和統一聯合からUPF(天宙平和連合)の主催に変わり、「ピースバイク」は「ピースロード」に名称変更されます。

純粋な願いから始まったかもしれないプロジェクトは、日韓トンネル&国際ハイウェイ構想のアシストという側面が強調されて、極東で完結するイベントが世界規模に拡大されます。

ピースロードの自転車縦走自体は、日本では例年7~8月に実施されていました。実行委員会が主催する形に切り替えられ、国会議員や首長を名目上の実行委員長に据え自治体の後援を得て、まるで公的なイベントであるかのように錯覚させるスタイルです。

ピースロードの実行委員会は旧・統一教会(統一協会)の教区単位で設けられています。世界平和や朝鮮半島統一という誰も反対しないテーマが掲げられ、団体名も隠されて健全なスポーツ振興だと言われれば、下心を見抜くのは容易ではなかったかもしれません。

ピースロードへの変質

夏の自転車縦走以外の時期はコンサートや講演会も織り交ぜてきます。LGBTや中絶に反対する講演会も行われており、そこで気づいた議員も少なくはなかったようです。

安倍氏銃撃事件は2022年7月の参議院議員選挙中の出来事です。事件を受けて、2022年は続々中止になりました。2023年は国内では実施されなかったはずです。

【外部リンク】
■ピースロード公式ウェブサイト>全国で156人のライダーが縦走(2024/10/15)

先日、ピースロードの公式サイトに上の記事が公開されました。ピーク時のライダーは1000人規模だったはずですから、今年は縮小した形で行われたものと察します。上の記事には5枚の画像が掲載されていますが、Tシャツや幟に「2024」の文字はありません。

使い回し疑惑を指摘したいのではありません、この教団はイベント名や日付や開催地の入った横断幕を用意して記念撮影に臨みます。後日の広報活動のためだと思われますが、証拠を残すタイプです。今回はそれがないことを奇異に感じただけです(公開されなかっただけ?)。

ちなみに、埼玉は南北2つの教区がありましたが単に「埼玉」の記載になっており、同じく南北2つだった長野は「北長野」です。

さて、5枚の画像のうち冒頭の写真は福岡市内です。(博多駅方面から昭和通りを左折したのか)大正通りを南進しています。地下鉄赤坂駅近くになります。ピンクの✕印です。

福岡家庭教会
福岡家庭教会(地理院タイルを加工)

福岡市南区大楠の福岡家庭教会

県道31号をそのまま進み、西鉄の高宮駅付近にあるのが福岡家庭教会です。4階建てビルで最古2011年12月のストビューから教団施設です。2009年5月に特定商取引法違反で県警の家宅捜索を受けた福岡中央教会は博多区にあったようです。

福岡家庭教会

今は博多駅にもっとも近い教団施設です。所在地としては「南区大楠3丁目」で、衆院選挙区では福岡2区となります。鳥取1区に対して人口比1.99倍という1票の価値がもっとも低い選挙区です。小選挙区選出議員は旧・森山派で当選4回の鬼木誠氏です。

鬼木事務所

鬼木氏は旧・統一教会(統一協会)との自民党点検では、関連団体会合で挨拶と関連団体への支出で氏名公表されています。鬼木氏が明らかにしている接点は3件です。

(1)2011年11月、県議時代に世界平和女性連合主催の留学生弁論大会に出席
(2)2019年7月、福岡4区の宮内秀樹氏とともに九州平和大使協議会主催の「九州の未来戦略・海洋エネルギー・産業の展望」に出席して挨拶
(3)2022年3月、都内で開かれた世界平和女性連合の懇親会に出席して会費2万円を支出

2011年の弁論大会では鬼木氏は途中退席して夫人が審査員として残ったそうです。2021年の留学生弁論大会で鬼木氏夫人が写っているとされる壇上での集合写真が出回っています。また、鬼木氏は共同通信のアンケートでは名簿提供を認めています。

共同通信アンケート
共同通信>全国会議員712人アンケート 旧統一教会と政治の関係

自民党の点検とは単に自己申告であり、関係があったことを党が確認したものでもなく、なかったことを保証するものでもありません。

なお、立憲民主党の比例区選出参議院議員に同姓同名の鬼木誠氏がいます。しかも福岡の自治労出身です。衆院自民の鬼木氏は「おにき誠」、参院立民は「鬼木まこと」と使い分けしているようです。

小林鷹之氏以上の資金力を誇る鬼木氏

女性連合への支出は2022年です。

女性連合への支出
「鬼木誠後援会」収支報告書(令和4年分)

鬼木氏の資金管理団体は「鬼木誠後援会」で収支報告書は福岡県選管に提出されています。選挙区支部「自由民主党福岡県第二選挙区支部」とともに2021年の収支報告書についてはWeb公開されていないようです(請求すれば閲覧可)。このため、今回は2020年と2022年の2年分の集約です。

政治資金パーティーの収入総額は2年で約1億2000万です。

2020/02/03憲政記念館5,480,000
2020/07/16憲政記念館3,060,000
2020/08/03ホテルニューオータニ11,250,000562
2020/08/04憲政記念館3,320,000
2020/08/21憲政記念館4,000,000
2020/11/16憲政記念館6,180,000
2020/12/14ホテルニューオータニ12,550,000627
2020年3件589,500
2022/03/02全国町村会館7,990,000
2022/04/16ヒルトン福岡シーホーク20,350,000612
2022/07/26海運クラブ14,960,000317
2022/10/17ホテル日航福岡17,250,000500
2022/11/14全国町村会館9,140,000
2022年6件2,138,500
▲鬼木茂氏の政治資金パーティー

支出総額は2年で1億6000万となります。当選同期の小林鷹之氏は3年で約2億でした。条件を合わせて2020年と2022年に限れば1億3000万ですので、小林氏以上の資金力です。人件費は約5800万ですので、私設秘書は6人程度かと思われます。

鬼木氏の支出内訳

2020年と2022年の収支報告

資金管理団体の2年間の収支報告は次のとおりです。

資金管理団体2020年2021年2022年
当年の収入額54,641,89177,308,824
 パーティー収入46,429,50071,828,500
 党費00
支出総額41,648,65163,565,711
 人件費13,562,65018,279,823
 光熱水費286,465305,586
 備品消耗品費5,119,4013,379,157
 事務所費4,212,4515,242,570
 組織活動費5,750,9966,837,087
 選挙関係費00
 機関紙等発行事業費9,621,22212,381,198
 調査研究費95,46655,671
 寄付・交付金3,000,00016,500,000
 その他584,619
▲「鬼木誠後援会」収支報告書(令和4年分)など

選挙区支部は次のとおりです。

選挙区支部2020年2021年2022年
当年の収入額22,149,07333,137,473
 パーティー収入等00
 党費963,5501,017,450
支出総額23,588,86634,727,022
 人件費11,396,65314,363,719
 光熱水費272,390291,852
 備品消耗品費886,225542,234
 事務所費3,337,8723,705,671
 組織活動費563,510924,759
 選挙関係費00
 機関紙等発行事業費6,012,21613,358,787
 調査研究費880,0000
 寄付・交付金240,0001,540,000
「自由民主党福岡県第二選挙区支部」収支報告書(令和4年分)など

鬼木氏は総裁選では小林氏の推薦人でした。

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