偽装非公認の福島3区・上杉謙太郎氏、裏金の使途は「不明」

小池知事のオートコール

八王子市長選は1月21日の投開票でした。小池都知事が自公陣営候補者へ投票依頼するオートコールが多数確認されています。

【外部リンク】
■電話帳ナビ>小池百合子の選挙応援依頼/自動音声”050 3085 3964″

今回の総選挙でも、東京・大阪・宮城など複数選挙区で小池百合子氏の録音メッセージがオートコールでかけられているようです。小池氏は埼玉14区の石井啓一・公明党代表の選挙応援にも入っています。「裏金議員のアイドル」高市氏に対して、「自公のアイドル」が小池氏です。

終盤の必死の巻き返しで自公過半数割れを単独過半数割れまで押し戻すのだろうと私は思っていましたが、「赤旗」が報じた裏公認料の問題で相殺されそうです。通常、自民党では公示直後に2000万が支給されるということです。

公認料500万円候補者宛
活動費1500万円支部宛
▲公示直後の支給額2000万

このうち活動費の1500万は選挙区支部が受け取りますので、支部の収支報告書に記載されます。

1500万の活動費
「自由民主党福島県第三選挙区支部」収支報告書(令和3年分)

23日付「しんぶん赤旗」などの報道では、今回の非公認立候補者8人の選挙区支部に党本部から2000万円が支給されたそうです。

森山幹事長の「候補者に支給したものではありません」というコメントは間違ってはいません。いたって正しい認識です。公認料の名目で支給したのではなく、党勢拡大のための活動費2000万をあくまでも支部宛に支給しただけです。

裏公認料

その活動費2000万に公認料の相当額500万が含まれているなら、実質的に裏公認料ではないかと世間的には見られてしまうのも当然のことです。当選後の追加公認の場合は、当選後に公認料が支給されるはずですが、今回は当選後の追加公認が事前予約されていることになります。

6日石破氏が下村、西村、高木三ツ林萩生田平沢6氏の
非公認と裏金議員全員の比例重複なしを発表
7日東京5区の越智氏が不出馬表明
9日菅家、中根小田原細田、越智、今村6氏の非公認を発表
10~11日比例単独で出馬予定だった杉田、尾身、上杉氏が出馬辞退
12日菅家氏と今村氏が出馬断念
13日菅家氏不出馬で空いた福島3区に上杉氏が無所属出馬を表明
▲公認or非公認(太字の8人の支部には2000万支給)

福井2区・高木毅氏の党員資格停止6か月は10月3日で満了しました。19日付「赤旗」によれば、5月に選挙区支部を解散していた高木氏は10月9日に改めて選挙区支部を立ち上げたそうです。非公認が決まったのは6日です。支部を持たないと2000万を受け取ることができませんので、急遽対応したのでしょう。

比例東北ブロックに単独出馬の予定だった上杉氏は、月初の時点では「自由民主党福島県衆議院比例区第一支部」の支部長でした。福島3区の支部長だった菅家氏が不出馬を決めたのは12日です。突然の話ですので、今もそのままだと思われます。

【2024/10/25追記】公認候補には10日に、非公認候補者には告示翌日の16日に2000万が振り込まれたということです。高木氏は10日に間に合うように選挙区支部を立ち上げたことになります。

10増10減の関係で、旧3区(中通り南部)の上杉氏と旧4区(会津)の菅家氏は、今回は新3区から菅家氏が出て上杉氏は比例優遇のコスタリカ方式(次回は交代)で選挙区調整済みでした。

福島の区割り変更
総務省>区割り変更地図 福島県

新3区は旧4区に旧3区の南部を加えた本州で2番目に広い選挙区です。上杉氏にとっては、須賀川などが抜けて会津地方がまるごと入りました。小選挙区ではとても勝ち目はないでしょうが、自民系候補が出ないと比例票にも響いてきます。

菅家氏に代わりに上杉氏が出るのは党本部としてもウェルカムです。上杉氏に2000万が支払われたのかどうかは必ずしも定かではありませんが、おそらく比例支部で交付を受けたものと思われます(どうせ公開されればわかることです)。

白河家庭教会

旧3区内の旧・統一教会(統一協会)施設は白河家庭教会です。クドいほどに看板が設置されています。この教団には特徴的なことですが、鬱陶しくアピールする場合と隠そうとするケースとが極端です。教会長次第なのだと思われます。

白河家庭教会
白河家庭教会

2015年の教団名称変更前後に新白河の駅前から移転したと思われますが、献堂式は2020年です。以前の建物には看板類が見当たりません。

白河家庭教会
白河家庭教会(地理院タイルを加工)

Wikiには記載がありませんが、上杉氏は旧・統一教会(統一協会)との自民党点検で氏名公表されています。明らかになっているのは2件だけです。

(1)白河市内の教団施設で開かれたクリスマス会に参加(時期不明)
(2)2018年11月、郡山市「ビッグパレットふくしま」で開催された福島教区主催の「東日本大震災 福島復興三千名祈願祭」に森雅子氏とともに参加

上杉氏は2012年総選挙に新党改革から比例単独で初出馬して落選、2014年以降は自民党から旧3区で3連敗(2復活)です。小選挙区未勝利は牧原法相と同じです。今回の総裁選では小泉氏支持で決戦投票は石破氏に入れたということです。

不記載の使い道は「不明」のまま

上杉氏の不記載額は5年で309万円です。

2018年23万円
2019年0
2020年46万円
2021年0
2022年240万円
5年計309万円
▲上杉氏の不記載額

収支報告書は次のように訂正されています。訂正は2月1日付ですので、丸川珠代氏のようにグズグズしていたわけではありません。

2020(2/1付で訂正)訂正前訂正後増減
収入総額16,924,07417,384,074460,000
(前年からの繰越額)5,6595,6590
(本年の収入額)16,918,41517,378,415460,000
支出総額16,891,76317,351,763460,000
翌年への繰越額32,31132,3110
「自由民主党福島県第三選挙区支部」収支報告書(令和2年分)
2022(2/1付で訂正)訂正前訂正後増減
収入総額21,270,57023,670,5702,400,000
(前年からの繰越額)45,68545,6850
(本年の収入額)21,224,88523,624,8852,400,000
支出総額21,256,05123,656,0512,400,000
翌年への繰越額14,51914,5190
「自由民主党福島県衆議院比例区第一支部」収支報告書(令和4年分)

不記載額と同額を当年中に使い切っているようです。これはかなり珍しい訂正パターンです。では、何に使ったのでしょうか?

「自由民主党福島県第三選挙区支部」収支報告書(令和2年分)
「自由民主党福島県衆議院比例区第一支部」収支報告書(令和4年分)

上杉氏は、共同の統一教会アンケートに次のように回答しています。

共同通信アンケートへの回答
共同通信>全国会議員712人アンケート 旧統一教会と政治の関係

これが「適正」かどうか、究極的には選挙民が判断することです。

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