奈良選出、堀井巌参議院議員の不記載は9年で1290万円

議員2年目で裏金に染まる

萩生田光一氏は収支報告書の「不明」を解消したうえで総選挙に臨みました。一方、世耕弘成氏はいまだに「不明」のままです。萩生田氏の政策秘書と世耕氏の会計責任者は検察審査会で「不起訴不当」となりました。選挙前に議決されたものが選挙後に公表されるのはちょっと納得しかねますけど…。

近鉄奈良駅からもJR奈良駅からも徒歩10分ほどの大宮通り沿いに「自由民主党奈良県参議院選挙区第一支部」があります。1965年生まれの堀井巌氏は2013年初当選の参議院議員で2期目です。去る7月25日には2025年参議院選挙の1次公認が決まっています。

堀井事務所

堀井氏の不記載額は5年間で876万円であり、党内処分は戒告です。議員2年目の2014年から不記載があったようで、9年間の総額で1290万のキックバックを受けたことを認めています。

2018102万
2019308万
2020116万
2021198万
2022152万
5年計876万
▲堀井氏の不記載額

堀井氏は2013年初当選です。事務所の金庫で保管して使っていないとのことでしたが、別会計でプールしていたからこそ2014年まで遡れるのでしょう。2017年以前のことには頬かむりする議員が少なくない中で、過去分を自己申告している点は評価すべきです。

一方、2014年から継続しているわけですので、根の深さも感じさせます。収支報告書の訂正は2月1日付です。落選した丸川珠代氏のように3月末ではありません。堀井氏は自民党総裁選では高市早苗氏の推薦人でした。

収支報告書の訂正は全額繰越

2020年の収支報告書は次のように訂正されています。前年からの繰越額824万円とは、2014年から2019年まで6年間の不記載総額になります。支出の増額記載はありません。

2020(2/1付で訂正)訂正前訂正後増減
収入総額31,311,77840,711,7789,400,000
(前年からの繰越額)6,416,76714,656,7678,240,000
(本年の収入額)24,895,01126,055,0111,160,000
支出総額27,715,25927,715,2590
翌年への繰越額3,596,51912,996,5199,400,000
「自由民主党奈良県参議院選挙区第一支部」収支報告書(令和2年分)

2021年は次のとおりです。支出は変わらず全額繰越です。

2021(2/1付で訂正)訂正前訂正後増減
収入総額22,831,28634,211,28611,380,000
(前年からの繰越額)3,596,51912,996,5199,400,000
(本年の収入額)19,234,76721,214,7671,980,000
支出総額15,853,14315,853,1430
翌年への繰越額6,978,14318,358,14311,380,000
「自由民主党奈良県参議院選挙区第一支部」収支報告書(令和3年分)

2022年も支出の訂正はなく全額繰越です。

2022(2/1付で訂正)訂正前訂正後増減
収入総額23,989,67136,889,67112,900,000
(前年からの繰越額)6,978,14318,358,14311,380,000
(本年の収入額)17,011,52818,531,5281,520,000
支出総額16,914,18116,914,1810
翌年への繰越額7,075,49019,975,49012,900,000
「自由民主党奈良県参議院選挙区第一支部」収支報告書(令和4年分)

9年間1290万の継続的かつ組織的な不記載を訂正すればそれで済むのかという話にはなります。返金対応するとしても、2018年以前を正直に申告した議員とそうでない議員がいることが話を複雑にさせているかもしれません。

資金管理団体なし

堀井氏は地元の東大寺学園→東大経済学部→自治省の総務官僚出身です。2020年から2022年の3年間で堀井氏が開催した政治資金パーティーは1回だけです。

2020/10/13都市センターホテル7,830,000371
▲堀井氏の政治資金パーティー

資金管理団体は持っていないようです。少なくとも総務省提出分にはありません。選挙区支部の収支報告は次のとおりです。人件費は年700万前後ですから、私設秘書はせいぜい2人です。

選挙区支部2020年2021年2022年
当年の収入額26,055,01121,214,76718,531,528
 パーティー収入等7,830,00000
 党費417,000822,750811,500
支出総額27,715,25915,853,14316,914,181
 人件費7,461,3527,031,2306,855,557
 光熱水費148,700180,673192,704
 備品消耗品費603,556829,0161,008,079
 事務所費3,950,3294,196,5534,126,940
 組織活動費1,628,4891,500,6711,370,473
 選挙関係費000
 機関紙等発行事業費3,288,833385,000824,428
 調査研究費144,000204,000681,000
 寄付・交付金3,490,0001,526,0001,855,000
 その他7,000,00000
▲「自由民主党奈良県参議院選挙区第一支部」収支報告書(令和4年分)など

3年間の支出総額は6000万円に過ぎません。参議院ならこれでもやっていけるもののようです。

堀井氏の支出内訳

ナゾの公用車?

収支報告書に不思議な記載があります。

公用車?
「自由民主党奈良県参議院選挙区第一支部」収支報告書(令和4年分)

「公用車」とは何を指しているのでしょうか? 知事や大臣には公用車があります。参議院にも90台近くの公用車が用意されています。議長・副議長・委員長に割り当てられ、残りが各会派に配分され幹部用に使われているそうです。

堀井氏は予算委員会の理事を経験しているようですが、委員長の経歴は見当たりません。それに公用車なら保険や部品の取り替えは必要ないはずですし、奈良まで乗ってこられるかどうかも疑わしいところです(運転手付きですから…)。

ひょっとすると、堀井氏が主に地元で使っている用車のことを公用車と呼んでいるのかもしれません。富田林家庭教会の画像で「公用車専用駐車場」とのプレートが掲げられているのに気づいたことがあります。

もし家庭連合の建物に本物の「公用車専用駐車場」があったら大問題です。教会幹部の車両を公用車と呼んでいるのでしょうが、堀井氏の会計責任者も同じような感性の持ち主なのかもしれません。

なお、堀井氏と旧・統一教会(統一協会)との関係が取り沙汰された報道は確認していません。

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