長さ3キロの「東京国際通り振興会」
11月20日、千代田線・三ノ輪駅からつくばエクスプレス・浅草駅、銀座線・田原町駅を経て、都営浅草線・蔵前駅に至る約3キロの「日本一長い商店街」が誕生しました。
片側3車線の国際通り(都道462号線)を計測すると、確かに3キロほどになります。大阪天神橋筋商店街の2.6キロを抜いて日本一長い商店街だという触れ込みの「東京国際通り振興会」です。
いわゆる商店街には商店街振興組合法に基づいて「~振興組合」として法人化された組織と、任意団体として「~商店街(商店会)」を名乗っているだけのところがあります。経産省では調査対象の線引の関係で「30店舗以上の小売店が近接」との括りを示したことがあったようです。
別に「I」字型である必要はなく、「L」字型であろうが「コ」の字型であろうが「田」の字型であろうが、何の決まりもありません。もちろん、アーケード設置や路面のカラー舗装や歩行者天国などが必須というわけでもありません。
法人化せずに「~組合」を名乗ることはアウトですが、勝手に「~商店街」を名乗っても法的な問題はありません。40店舗の塊から200m離れている店舗が加盟したいと言い出せば、受け入れられることのほうが多いと思われます。
「東京国際通り振興会」は法人化された組合組織ではありませんので任意団体です。次の4つの既存商店街(すべて任意団体)が合併したということです。
(1)一葉桜開運振興会=ピンクの北側
(2)一葉桜国際通り振興会=ピンクの南側
(3)浅草国際通り商店街連合会=青線
(4)蔵前商店街=赤線
浅草国際通り商店街連合会は合格?
この付近の都道462号線の通称は国際通りです。1980年代まで松竹の国際劇場があったからです。今は浅草ビューホテルになっています。「真実の口」があるホテルです。以前は階段の下だったはずですが…。
言問通りから浅草通りまでの青線部分は「浅草国際通り商店街連合会」です。この青線部分についてはアーケードも一部残っており、往時を偲ばせる商店街感がないわけでもありません。それらしいところを切り取れば「商店街」です。
国際通りは集客が難しい微妙な立地です。水色は新仲見世のアーケード、緑がかっぱ橋の道具街になります。
北はまだしも南は…
北側の「一葉桜開運振興会」と「一葉桜国際通り振興会」について加盟店舗を落とし込んでみました。
加盟店舗の中には、寺社仏閣、リフォーム業者、看板業者、設計会社、病院なども含まれています。都道462号沿いについては200m以上の空白が生じています。
南の「蔵前商店街」はさらに悲惨です。銀座線・田原町駅の浅草通りから大江戸線・蔵前駅の春日通りまでの400m区間、国際通り沿いには1軒も加盟店舗が存在していません。
春日通りから南の区間でも、純粋に国際通りに面しているのは「WAKAN CAFE 無花果」という薬膳カレー屋さんだけです。
いくら「言ったもん勝ち」の世界とはいえ、これで「日本一長い」を名乗るのは派手に誇大表示というものです。
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