2019年に繰り上げ当選
2019年7月の参議院通常選挙比例区で「NHKから国民を守る党」は84万票で1議席を獲得して、党首の立花孝志氏が国政選挙に初当選しました。そのときの選挙公報です。
立花氏の当選は船橋市議選と葛飾区議選に続いて3回目です。過去2回は1年余りで別地域の選挙に出ており、任期を全うしたことがありません。
船橋市議 | 2015/04当選 | 2016/07辞任(都知事選に立候補) |
葛飾区議 | 2017/11当選 | 2019/05失職(堺市長選に立候補) |
参議院 | 2019/07当選 | 2019/10失職(参院埼玉補選に立候補) |
船橋市議が都知事選に出るのはまだ理解の範囲内としても、2年目の葛飾区議が堺市長選に立候補して自動失職では区議としての責任を果たしたことにはならないはずです。
任期6年の参議院に議席を得た立花氏は、3か月後に残り任期3年弱の参議院埼玉補選に出馬します。これに伴って繰り上げ当選したのが浜田聡氏です。したがって、浜田氏は来年に改選を控えています。
浜田氏は今年に入って、やけに旧・統一教会(統一協会)との接触を強めています。
(1)3月12日、参議院総務委員会でいわゆる「強制改宗(拉致監禁)」問題について質問
(2)3月20日、千葉市で開かれた「信教の自由と人権を守るシンポジウム」に出席
(3)7月13日、勝共連合の「国難突破!勝共決起大会2024」に出席
2018年の勝共連合50周年大会では国会議員が50人規模で参加したようですが、去年は来賓の国会議員がゼロで、今年の(3)は浜田氏1人ということです。浜田氏と旧・統一教会(統一協会)との接点は去年の夏から今年初めにかけて醸成されたようです。
倉敷家庭教会
少なくとも銃撃事件前から接触があったようには見えません。1977年生まれの浜田氏が東大に通っていたのは1990年代後半です。CARPは知っていても勝共連合は知らなかったようです。親和性はあるでしょうが、教団側が相手にしていなかったのかもしれません。
浜田氏が代表を務める政治団体の政治資金収支報告書を閲覧しようとしたところ、浜田氏の政治団体がわかりませんでした。少なくとも総務省への届出はなく、岡山・東京・千葉・埼玉・大阪・兵庫を調べてみましたが、見つかりませんでした。
2021年「NHKの受信料を支払わない国民を守る党」の収支報告書には、浜田氏個人から党へ計1000万の寄付が計上されています。一方、支部交付金の支出先に浜田氏の政治団体は入っていないようです。
倉敷家庭教会は倉敷工業高校の近くです。倉敷駅から徒歩なら20分弱、車なら5分少々のサンライトビルです。案内板では4F礼拝堂・5F事務室・6F講義室とされています。最古2011年2月のストビューでは入居前で、当時はもっと遠いところにあったようです。
旧・統一教会(統一協会)系の複数の裁判で訴訟代理人を務める大阪の徳永信一弁護士は、不信任可決の前から兵庫県告発文書問題に言及しています。徳永氏と浜田氏には接点があるはずですので、今回の立花氏の立候補は浜田氏から吹き込まれたものと思われます。
既存メディアを敵と見做す点では共通するわけで、旧・統一教会(統一協会)系の団体が兵庫知事選に入っていても不思議ではありません。ただ、それほど力瘤が入った支援ではないと私は見ています。
もともと教団側には兵庫知事選に影響を及ぼすほどの勢力はなく、斎藤氏が再選されたところで窮地を脱するわけでもありません。今となってはNHK党が数少ない味方であることには変わりありませんけど…。
なお、家庭連合は11月11日付で「当法人が特定の政党や政治家等を組織的に支援することはありません」とのプレスリリースを出しています。これは「家庭連合(当法人)では支援していない」という意味であり、「当法人や友好団体」でないことに留意すべきです。
逮捕者続出のNHK党比例立候補者
2022年の参院選でNHK党は比例区名簿に9人を登載しました。
287,714 | ガーシー | 2023年6月 |
53,351 | 山本太郎 | 2024年8月 |
22,595 | 黒川敦彦 | 2024年5月 |
22,426 | 斉藤健一郎 | |
17,947 | 久保田学 | |
6,564 | 西村斉 | |
4,555 | 添田真也 | |
2,905 | 高橋理洋 | 2024年11月 |
817 | 上妻敬二 |
2022年選挙後に9人のうち4人が逮捕されています。逮捕=有罪ではありませんが、逮捕容疑は名誉毀損であったり、大麻だったり、公選法違反だったり、わいせつ動画だったり、さまざまです。なお、山本氏は同姓同名同年齢の「じゃないほう」です。
西村氏は元在特会、久保田氏は元ニコ生主、添田氏は指2本の欠損や入墨を自らの動画で晒しています。それぞれの時代に過去があります。斉藤氏は2022年参院選の投開票翌日に立花党首を乗せてスピード違反、反則切符の作成を拒んで再三の出頭要請にも応じなかったと文春砲を喰らいました。
スピード違反は強要や名誉毀損や逮捕監禁などの刑法犯とは異なる行政罰ですが、出頭要請を拒み続ければ逮捕もあり得ます。斉藤氏は繰り上げ当選の直後に支払ったものと思われます。上の名簿とはいったい何のリストなのでしょう。立花党首自身も執行猶予中です。
立花氏は自分が立候補したことで、選挙期間中は公正さを求められる立場のコメンテーターから批判されることがありません。それをいいことに言いたい放題のようです。
私は関わってはいけない集団だと考えています。東京15区補選は4月28日投開票、黒川氏ら3人が逮捕されたのは5月17日でした。3氏は保釈が認められないまま今月20日に初公判を迎えます(それはそれでやり過ぎのように思われます…)。
ちなみに、立花氏は黒川氏の都知事選供託金は債権者に差し押さえられるので黒川氏は知事選に立候補できないと「予言」していましたが、そんなことにはなりませんでした。
2024/11/23追記
Wikiに次のような記述があるとのご指摘を頂きました。
葛飾区議選は2017年11月12日の投開票で、立花氏は当選しました。堺市長選は2019年5月26日に告示され、6月9日の投開票です。立花氏が立候補した時点で葛飾区議は自動失職です。
2017年が2か月、2018年は丸々、2019年が5か月ですので、2+12+5で足かけ19か月になります。この足し算に同意して頂けるなら、Wikiの計算違いということになります。
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