市街地ではなく荒川の河川敷に隣接するアメダスさいたま

アメダスさいたまは最寄り駅となる与野本町駅から3.5キロほど離れています。荒川を渡れば富士見市ですので、さいたま市の端っこです。開設当初から移転していませんが、2001年の3市合併と同時に「浦和」から「さいたま」に名称変更されています。

荒川河川敷沿いにある大久保浄水場の敷地内に設置されています。浄水場の北道路は桜並木です（それほど大層なものではありません）。所在地の「さいたま市桜区」とは樹木のサクラではなく、「田島ケ原サクラソウ」の自生地があることに由来するのだそうです。

埼玉大アメフト部は「プリムローズ」というあまり強そうには聞こえない名称です。埼玉大は桜区内にあり自生地に近いことから、サクラソウ由来のチーム名なのだと思われます。

浄水場の敷地は広く、ストビューではアメダスの機器類を確認できませんので、航空写真を拡大してみました。施設内ということで柵は設けられていないようです。標高は8ｍとされています。

ひらがなオンリーのアメダス観測地点は、せたな・むつ・みなかみ・ときがわ・かつらぎを含めて6地点です。いずれも自治体名に合わせているようです。

埼玉県内の気温観測を伴う観測所は8か所です。これまでの最高気温と今年の最高気温を調べてみました。アメダスさいたまは39℃台が1回あるだけで、さほど目立ちません。

▲埼玉県8地点の最高気温

最高気温では標高232ｍの秩父とほぼイーブンです。埼玉県平野部ではもっとも涼しいと言えなくもありません。もちろん、市中心部がそうだというわけではありません。最低気温は2018年1月26日にマイナス9.8℃を観測しています。所沢や越谷はマイナス7℃台です。

アメダスさいたまの年平均気温の推移は次のとおりです。2018年に初めて16℃台に達して、去年はとうとう17℃台です。

今年は9月まで去年とほぼ同じペースでしたが、10月で累積1.6℃のリードに変わりました。去年の年平均気温17.1℃を上回りそうな気配もあります。

今年の熱帯夜は42日で2023年の46日に及びませんでした。猛暑日は2023年の35日を上回って観測史上1位となりました。

アメダスさいたまでは2020年11月19日に夏日が観測されたことがあります。まだ加算される可能性はありますが、今年の155日は観測史上1位です。今年の真夏日は90日で去年の92日には及びませんでした。

2021年から2023年の観測値は次のとおりです。やはり最高気温にくらべて最低気温はあまり上がらず、年較差は大きくなりがちです。

▲さいたまの2021年観測値（順位はすべて降順）

▲さいたまの2022年観測値