仁徳天皇陵隣接のアメダス堺、年平均気温の更新は確実

堺市役所の21階展望台は原則年中無休です（無料）。世界最大の前方後円墳・仁徳天皇陵（大仙古墳）をこの展望台から見ることができますが、前方と後円の双丘は明瞭ではありませんし三重の濠も茂みに隠れています。

かと言って現地に行ったところで貸しボートもスワンボートもなく、おまけに外濠は見た目としては絶望的な水質です。宮内庁管理ですので中に入れるわけでもなく、南の正門から中濠の手前で鳥居を拝めるだけです。

がっかり名所を打破するはずだった気球遊覧のアイデアもテイクオフできませんでした。仕方なく南の大仙（だいせん）公園でお茶することになります。堺はサカイ引越センターの本社があるだけでなく千利休ゆかりの地です。抹茶とともに前方後円墳型の干菓子を食して、文字どおりお茶を濁すわけです。

大仙公園内のあまり人がいない阪和線側に設けられているのがアメダス堺です。風速計は超音波式に取り替えられています。標高は20ｍです。

アメダス堺が大仙公園に移転してきたのは2008年12月です。その前は当時の大阪府立大（→大阪公立大）の中百舌鳥キャンパスにありました。

移転前の標高は30ｍです。10時方向に2.5キロほど移動して堺の中心部に近づいたことになります。アメダス堺の年平均気温の推移は次のとおりです。

2016年の17.4℃がこれまでの年平均気温のレコードです。去年は17.3℃で2020年と並ぶ2位タイでした。今年はこんな感じです。

4月と9月と10月が「区間新記録」でした。2016年に対するアドバンテージは5.7℃に広がり、年平均気温の観測史上1位を更新してフィニッシュすることはもはや確実な情勢です。

熱帯夜は2010年の43日が最多でしたが、今年は62日に達しています。猛暑日も1994年の39日を上回る41日です。

夏日も160日に届いており、すでに観測史上1位です。あと数日の上乗せがあっても不思議ではありません。真夏日は94日で2004年の96日に2日だけ及びません。さすがに堺で11月の真夏日は考えにくく、5部門完全制覇は達成できそうにありません。

堺の最高気温39℃台は今年の2回を含めて5回あります。40℃は射程内に入っていますが、40℃大阪1番乗りは枚方か八尾（空港）だろうというのが私の見立てです。

▲堺の39℃台

2021年から2023年の観測値は次のとおりです。最高気温より最低気温の順位のほうが低いのはあまり歓迎されないかもしれません。

▲堺の2021年観測値（順位はすべて降順）

▲堺の2022年観測値