八橋球場のライトスタンド後方にあった秋田地方気象台

秋田地方気象台の沿革のページから移転情報だけ抜き出してみました。

AとBについてはピンポイント特定できませんが、CとDは当時の地図で確認できました。全地点が標高5～10ｍの範囲に収まっているはずです。

20世紀初めの牛島（C）には今の秋田回生会病院付近に「農事試験場」があり、その敷地内か隣接する形で「秋田県立秋田測候所」があったようです。当時の周囲は完全に田んぼです。羽後牛島駅の開業は1921年です。ピンクの道路と猿田川の流路はほぼ今と同じです。

1970年代後半の空中写真です。陸上競技場の右、球場ライトスタンドの後方にある建物が当時の秋田地方気象台です。

もちろん建物は取り壊されており一部は駐車場化しているようですが現状は単に空き地です。「給油訓練場所」の表示がありますので、防災訓練などで利用される機会があるのでしょう。

八橋球場では主にロッテ球団の主催ゲームが開催されていました。トレーバーと金田監督のファイトは1991年です。左バッターの140ｍ弾なら（フェアかファウルかは別にして）気象台直撃になりかねない可能性があったわけです。

合同庁舎に移転したのが1989年です。合同庁舎ながら敷地には余裕があったようで、観測露場は庁舎の南側に併設されています。1960年代にはまだ田んぼだった区画です。

地盤面は道路より1ｍほど嵩上げされていて、標高は6.3ｍとされています。次のストビュー画像では手前の信号機は縦長です。最大積雪深は八橋時代の1974年に117センチを観測しており、雨量計はフェンスより高い位置に設置されています。

左の塔は気象レーダーで高さは地上49.8ｍとされています。風速計の高さは40.8ｍですから屋上設置でしょうが、右の塔が何なのか正体がわかりませんでした。

秋田地方気象台の年平均気温は次のように推移しています。気象庁サイトでは1896年の牛島移転時と1926年の八橋移転時に赤点線が示されていますが、1989年の山王移転時はスルーされています。

距離的には4～500ｍの移転ですが、有意差を否定できないグラフにしか見えません。運動公園内から官庁街への移転で半径200ｍ内のアスファルト比率は劇的に変わっています。去年は初めての13℃台でした。

今年の月平均気温累積値は10月末時点で去年と0.2℃差です。暑い夏にならなかっただけで、今年も13℃台は確実です。

秋田の熱帯夜は2023年の27日が最多、猛暑日も去年の13日が最多です。今年は9日と1日で比較的落ち着いた夏でした、

今年の夏日は113日で観測史上1位です。4年連続5回目の3桁台となりました。真夏日については去年の54日には遠く及ばず38日でしたが、依然として高水準です。

秋田は2023年8月に月平均気温30.0℃を観測しました。月平均気温30℃の最北地点です。

2021年から2023年の観測値は次のとおりです。38℃台は過去3回あり、そのうち2回は去年です。最低気温は1888年にマイナス24.6℃を観測していますが、最後のマイナス2桁は1999年2月4日のマイナス10.3℃です。

▲秋田の2021年観測値（順位はすべて降順）

▲秋田の2022年観測値