10月23日に30.9℃、富山市のアメダス八尾（やつお）

2005年4月、平成の大合併で富山市は大沢野町・大山町・婦中町（ふちゅう-まち）・八尾町・山田村・細入村と合併しました。この結果、富山市の市域は岐阜県や長野県と隣接し、市としては全国11番目、県庁所在市としては2番目に広い面積になりました（1位静岡）。

アメダス八尾はJR富山駅から車で30分ほどです。八尾と言えば大阪の八尾（やお）のほうが有名ですが、面白いことにJR高山線でつながる岐阜県下呂市の八尾山は「はちお-やま」です。一筋縄ではいかないのが日本の地名です。

▲全国の～尾

数が多くなるほど「～尾」が使われがちなのは、一般的には尾根の数（多さ）を表わしているからと思われます。NARUTOはもとよりヤマタノオロチは関係ないようです。

富山のアメダス八尾は2017年に移転しています。移転前は標高78ｍ、井田川沿いの市街地に今もある消防署の敷地内でした（2012年10月のストビュー）。

移転後の標高は124ｍで、道路沿いに建物がちらほらという立地です。気温計の高さは2.5ｍとされていることから、雨量計も2ｍの高さがありそうです（積雪観測は対象外）。

埋め込んだ2021年6月のストビューではプロペラ式風速計ですが、南道路から見た最新2023年10月のストビューでは超音波式に取り替えられています。湿度観測は2021年11月から始まっています。

移転で標高が約50ｍ高くなったわけですから、本来は気温が下がるべきです。年平均気温は次のように推移しています。2023年は14.8℃で標高差50ｍのハンディをあっさり乗り越えました。

去年にくらべて今年は8月が不振？でしたが、10月に盛り返したことで年平均気温新記録の可能性を残しています。

熱帯夜は去年の22日、猛暑日も去年の6日が最多です。

夏日は消防署時代の2014年に観測された134日が最多です。今年は今のところ11月4日が132日目の夏日です。真夏日は75日の去年に及ばず70日で終わりそうです。10月23日が最後の真夏日でした。

八尾で最高気温38℃以上が観測されたのは3回です。

▲八尾の38℃以上

最低気温はマイナス10℃台が4回ありますが、21世紀に入ってからはマイナス8℃台が1回きりです。

2021年から2023年の観測値は次のとおりです。最近では2011年に年降水量が3000ミリに達しています。この地方ですので雪で稼ぐタイプですけど…。

▲八尾の2021年観測値（順位はすべて降順）

▲八尾の2022年観測値