シリア国旗
アサド政権下(父1971-2000、子2000-24)のシリア国旗です。
アサド政権崩壊後、反体制派の「革命旗」が各国大使館で掲げられているそうです。新政権が国旗をどうするかはこれからの話ですが、もともとは1946年独立当時の国旗ということです。
4色と五芒星の数にどんな意味があるのか気になります。
赤・白・緑・黒の4色旗
配色が共通する他国の国旗です。この4色をイスラムカラーと解することはそれほど間違いではなさそうです。
シリアの東に隣接するのがイラク、首都ダマスカスの南がヨルダンです。西サハラは亡命政権のサハラ・アラブ民主共和国の国旗です。
Wiki「汎アラブ色」のページには次のような記述があります(2024/12/11閲覧)。
赤は聖戦によって流された尊い血と犠牲を、緑は豊かな国土を、白は清浄な生活を、黒は過去の圧政や戦争を表す。
ストンと落ちる説明ですが、日本人向けに説得力を持つようにひねり出された簡易バージョンのようです。同ページには次のような記載もあります。
汎アラブ色のそれぞれの色は、歴代のアラブ系指導者やムスリム政権を表すとされる。黒は預言者ムハンマドの色であり、白はウマイヤ朝においてバドルの戦いを思い出させるためのシンボル色とされた。緑は…
アッバース朝イスラム帝国は黒一色の国旗だったそうです。革命旗の緑はイスラム帝国初期の正統カリフ時代、白はウマイヤ朝、黒はアッバース朝を表しているようです。上から古い順です。
3つの五芒星
★はもともとシリア国内の3地方を示すようです。
A.首都ダマスカスの南部
B.第2の都市・アレッポを中心とする北西部(沿岸部)
C.クルド人勢力の北東部(内陸部)
従来の2つ星はもともとはシリアとエジプトを示します。1958年にシリアがエジプトとともにアラブ連合共和国を組んだときに両国の国旗が統一されています(国家としての統一)。シリアは1961年に連合を離脱しますが、当時の国旗が1980年に復活しています。
タルトゥース海軍基地とフメイミム空軍基地
今回の政変でロシアがシリア国内の空軍基地と海軍基地を失うことになりそうです。バースィル・アル=アサド国際空港(ラタキア空港)です。左が民間ターミナル、右が空軍基地かと思われます。
タルトゥース海軍基地の艦船はどこへ行くのだろうと気になります。ボスポラス海峡を通行できない以上、北海経由でバルト海に帰るしかありません。
ロシアには打撃です。
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