トラックが落ちた八潮市の陥没交差点は暗渠の交差点?

中央1丁目交差点

1月28日午前10時前、埼玉県八潮市の中央1丁目交差点で道路陥没が発生し、1台のトラックが巻き込まれて、運転手は日付が変わってもまだ救出されていません。

中央1丁目交差点

平ボディのトラックは西側から県道54号(けやき通り)を進んで交差点で信号待ち、潮止通りに左折しようとして、横断歩道の手前に生じた穴に転落してしまったようです。穴は直径5mで深さ10mと報道されています。

道路陥没

これほど救助が難航するとは思いませんでしたが、現場の最寄り駅はつくばエクスプレスの八潮駅で、徒歩25分(八潮市役所から徒歩5分)程度です。

八潮市
陥没事故(地理院タイルを加工)

6差路交差点

昨年9月に起きた広島市の陥没事故は5差路交差点でした。2016年11月の博多駅前道路陥没事故も交差点脇です。今回は3本の道路が交わる6差路交差点の陥没です。多差路交差点は荷重や振動の負担が大きいということかもしれません。

浄水場
浄水場(地理院タイルを加工)

もちろん救助優先ですが、今のところ地下10mに埋設された下水管の破損が有力容疑者とされているようです。地図を見ると、交差点と市役所の間に浄水場があります。

浄水タンク

市役所通りではなく浄水場通りと呼ばれている以上、浄水場は市役所より歴史があるはずです。調べてみると、市制施行以前の町役場は1キロほど西にありました。

【2025/01/30追記】「市役所通り」は別に存在しており、市役所庁舎の西側が「市役所通り」、東側が「浄水場通り」です。気づいていませんでした。先後関係については記述どおりです。

暗渠が5本?

浄水場前の歩道はアスファルト舗装されていません。暗渠にフタが敷き詰められているわけです。都市部では別に珍しいことではありません。

暗渠のフタ

6差路の歩道または路側帯にフタがあるのは12分の5(2枚目の画像の水色線)です。地下で水路が合流しているのか、立体交差させているのかは定かではありません。

暗渠のフタ

今でこそ「中央」ですが、もともとこの付近は一面の田んぼでした。トラックが曲がろうとした潮止通りに相当する道路は19世紀末にはあったようです。灌漑用の水路がそれこそ田の字の形に張り巡らされていたものと思われます。

1960年代の空中写真
1960年代(地理院タイルを加工)

1967年の地図では浄水場めいたものはありますが、浄水場通りは畦道レベルです。1970年前後に浄水場通りができて交差点が成立しています。水路が交わっていたところが道路の交差点になったわけです。

水路の暗渠化と県道の全通はどちらが先なのかわかりません。県道54号が西から伸びて5差路になったのが1980年前後、延伸で6差路になったのは1990年代後半のようです。

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