井ノ本知明・元総務部長ら牛タン倶楽部の情報漏洩疑惑

牛タン倶楽部

3月12日付告発文書に端を発した兵庫県政の混乱は、不信任可決・失職→再選を経て話が大きく広がってしまいました。

(1)パレード協賛、パワハラ、おねだりなど告発文書関連
(2)内部告発の犯人探しと元西播磨県民局長の懲戒処分
(3)県保有PC内プライバシー情報の漏洩
(4)メルチュ運動員買収(or事前買収)
(5)「2馬力選挙」と主に立花氏による名誉毀損案件
(6)稲村陣営に対する偽計業務妨害、虚偽事項公表

百条委員会は(1)と(2)を調査するものでしかありませんが、選挙を通じて(3)もクローズアップされることになりました。

斎藤知事の側近グループとされる兵庫県幹部がいわゆる「牛タン倶楽部」と呼ばれる4人です。この4人は元西播磨県民局長の告発文書にも実名で登場します。2024年4月時点の役職は次のとおりです。

片山安孝・副知事7/末 辞職贈答品、パー券、パレード
小橋浩一・理事8/01 総務部付選挙
井ノ本知明・総務部長8/19 総務部付選挙、贈答品、パレード
原田剛治・産業労働部長現職選挙、贈答品

斎藤元彦氏は2013年7月から3年弱、総務省から宮城県に出向して財政課長を務めています。同時期、兵庫県は宮城県に応援職員を派遣していますが、揃って当地で酒を酌み交わした仲というわけではないようです。

片山氏については2012年から2016年まで企画県民部管理局長を務めています。気仙沼の支援本部に赴いてはいるようですが、「出張」のレベルと思われます。

片山安孝氏のアクション宣言

井ノ本知明氏の証言拒否

片山副知事の辞職会見は7月7日から5日後の12日です。知事の辞職を求める圧力が強まる中で、自分だけさっさと泥舟から逃げ切りを図ろうとするかのような内容でした。片山氏は7月末で無事に退職し、小橋氏と井ノ本氏は揃って「体調不良」に陥ります。

元西播磨県民局長は百条委員会への出席には応じていましたが、同時にプライバシー情報への配慮を求めていました。この時期に一部で出回ったのが、県幹部が元西播磨県民局長の個人情報が含まれるファイルを持ち歩いて県議などにレクチャーしていたという話です。

井ノ本氏は10月25日の百条委に出席しています(文書問題調査特別委員会議事録 15ページ)。質問者の藤田氏は自民会派です。

○証人(井ノ本知明)守秘義務違反そのものではなく、証言が手がかりとなって守秘義務違反の嫌疑を受ける可能性が生じるということがございますので、証言は控えさせていただきたいというふうに申し上げました。
○委員長(奥谷謙一)すなわち、刑事訴追というか、それを受ける可能性があるからということですか。
○証人(井ノ本知明)おそれがありますし、それもあります。
○藤田孝夫委員 いや、これはもう、そうおっしゃってたら、やむを得ない話ですよね。いいですよ。ただしですよ。実際に片山副知事からは、内藤議員が見たということのいろんな証言が既に出てきているということは事実です。それから、ほかにも、あなたが見せた、見せようとした。内容を話した、中身まで見たっていう証言っていうのは多数出てきているっていうことをお含みおきいただきたい。それが出てくるっていうことも承知で、今は答えないということでいいんですね。
○証人(井ノ本知明)それは承知しておりません。
○藤田孝夫委員 出てきてますけれども、いいんですよね。
○証人(井ノ本知明)それは承知しておりません。
○藤田孝夫委員 それでは、それはもう拒否されたってことで、議事録を残していただきたいと、こんなふうに思います。

証言拒否や出頭拒否は6か月以下の禁錮、偽証は3年以下の禁錮です。本線アウトで偽証罪がプラスされるより、本線セーフを期待して沈黙を貫くという選択肢はあり得ます。

第三者委員会と称するもの

斎藤知事は今年1月29日の記者会見で、この件については「調査中」である旨を発言しています(知事記者会見 2025年1月29日)。

産経新聞:百条委員会での聞き取り調査の結果で、県議が、元県民局長の公用パソコン内のデータをプリントアウトしたものを見てくださいと言われたというような証言をされています。知事は、昨年夏の週刊誌報道の後に本人に聞き取りをし、本人が否定をしたということですが、知事が聞いた内容と明らかに違うと思いますが、その点に関しての受け止めはどのように捉えられていますか。
知事:私が当該の指摘されている職員に確認したところ、否定しましたので、私は否定したということを受け止めて、それを説明させていただいたということです。
産経新聞:その個人間でやられた聞き取りした内容に関しては、信じているというか、それは今もその内容は正しいと。
知事:本人がそのように言っていたということですから、そう聞いた立場としては本人の主張を受け止めるということです。いずれにしても、第三者委員会で今調査をしているという状況です。
産経新聞:第三者の弁護士の調査に関してですが、元総務部長がこうした情報漏えいの疑いがあるという状況で、なかなか処分が決まっていない、処分するかどうかも決まっていないというところで、県としてはスピーディーな対応ができていないのではと思うのですが、年度内に処分するかどうかを決めるなどは考えていないでしょうか。
知事:そこは、人事の対応、調査、処分については、何か期限を切ってというよりも、きちっと調査をして、手続きを経ていくということが大事だと思いますので、今、第三者委員会で調査をしてもらっている。それを踏まえて、県としてどのような対応をしていくかということを検討して、手続きを経て、どうするかということも含めて対応を考えていくということだと思います。

PCデータ流出に関する「第三者委員会」が法務文書課に設置されたのは今年1月7日付というです。レクを受けたと証言する県議が複数いて本人は証言拒否ですから、そんなに手間のかかる調査にはなりません。

これとは別に、去年8月末には調査の動きが報道されています。失職前に立ち上げておけば今頃は結論が出ていたはずです。人事課が外部弁護士に調査依頼した調査委員会が立ち上げられたのは去年の12月のようです。

【外部リンク】
■産経新聞><独自>告発した元局長の私的情報漏洩か 兵庫知事側近の前総務部長ら 県が調査検討(2024/8/29)

で、これらの「第三者委員会」なるものは、単に外部弁護士に調査依頼しただけであり、報告期限もなく、もちろん日弁連のガイドラインに沿ったものでもなく、議会への報告も要しない性質のものであることを長瀬猛県議が昨日の動画でバラしています。

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