帯広で日降雪量104cm(半日120cm)、55年ぶりの極値更新

帯広の逆襲

今季「最強最長寒波」が直接の原因ではありませんが、道東が2月4日に豪雪に見舞われました。同日、12時間降雪量が更新されたのは8地点です(タイ含む)。

観測所2月4日起時昨冬まで起年月日統計開始
帯広120cm9:0057cm2014/12/171999年
本別107cm11:0053cm2003/01/041985年
芽室105cm8:0078cm1991/01/181987年
浦幌78cm11:0043cm2004/12/051985年
帯広泉76cm8:0065cm2014/12/172006年
白糠69cm11:0046cm2020/03/051986年
根室中標津42cm15:0042cm2015/03/022006年
▲2月4日の12時間降雪量

帯広の統計開始は1999年ということです。帯広では前年まで積雪については1日3回(9時、15時、21時)の定時観測で、1999寒候年から毎正時の観測に変わったようです。

札幌や旭川も1999年で、函館が1998年3月ですので、有人観測所における時間降雪量の統計開始時期はその辺りのようです。無人観測のアメダスでは積雪計設置時から毎正時だったものと思われます。

帯広の3日から5日にかけての時間ごとの積雪深は次のとおりです。3日の夕方から降り始めて午前9時には積雪129センチに達しました。月最大積雪深が120センチ以上となるのは1972年以来53年ぶり4回目です。

帯広の2月3日から5日の時間積雪深
気象庁>帯広(十勝地方) 2025年2月5日(1時間ごとの値)

特異な数値が多い道東の面目躍如かもしれません。朝起きたら雪で玄関ドアが開けられないという話を聞いたことはありましたが、リアルに外開きドアで開けられない映像を見たのは初めてです。

10時台の欠測

2月4日の帯広では10時台に欠測が生じているようです。ちょうど積雪的にはピークを迎えて雪が止み始めた時間帯です。

午前10時台の欠測
気象庁>帯広(十勝地方) 2025年2月4日(10分ごとの値)

2020年10月撮影のストビュー画像です。画像中央が気温計の通風筒です。雨量計はまだ冬仕様になっていないようです。

帯広測候所

帯広の最大積雪深は1970年3月17日の177センチで今回の129センチは観測史上4位でした。暦日の日降雪量104センチは同年3月16日の102センチを55年ぶりに更新して帯広では観測史上1位です。100センチ台は全国でも2021年1月の高田と安塚以来4年ぶりになるはずです。

なお、帯広の風速計は1.7キロほど離れた札内川の堤防に設置されています。

札内川の風速計

真冬日ではなかった帯広

2月1日から5日までの真冬日地点数です。

真冬日北海道東北長野
2月1日109951400
2月2日117103752
2月3日106102202
2月4日914071133
2月5日25186911856
▲2/1~5の真冬日地点数

2月4日の帯広は真冬日ではありませんでした(3日は真冬日です)。この日の真冬日最南端だった宮崎県のアメダス鞍岡より日平均気温は高かったのでした。

日平均日最高日最低
帯広-2.4℃1.1℃-8.0℃
鞍岡-3.9℃-1.8℃-5.2℃
▲2月4日の帯広と鞍岡

道東は寒波に覆われたわけではなく、低気圧で降った雪でした。

2023・2024年の観測値

2023年と2024年の観測値は次のとおりです(2020~2022年は別ページ)。

年降水量808.0ミリ1258位/1286地点
年平均気温9.1℃773位/917地点
年最高気温35.6℃515位/917地点
年最低気温-22.3℃829位/917地点
年較差57.9℃77位/917地点
年平均風速1.9m/s547位/916地点
年日照時間2165.3時間223位/847地点
▲帯広の2023年観測値(順位は降順)
年降水量671.0ミリ1263位/1285地点
年平均気温8.9℃775位/916地点
年最高気温35.1℃558位/916地点
年最低気温-18.6℃810位/916地点
年較差53.7℃36位/916地点
年平均風速1.9m/s556位/915地点
年日照時間2128.7時間170位/844地点
▲帯広の2024年観測値

北海道では比較的雪が少ないのが帯広です。雨が少ないので雪も少なく、反面日照は多く夜は放射冷却が進むということのようです。

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